「彩人…?」
「彩人君・・・なの?」
「ああ・・・そうだな・・・オレは彩人だ。」
口調に若干変化があったが彩人だった。彩人は二人を別の柱の所へ連れて行こうとするがそうはさせまいとヒュドラが光弾を打つ・・・前に彩人の放った気弾が命中。
「ガァアア・・・」
「嘘・・・」
「ダメージ、受けてる」
凄まじいパワーアップに二人が混乱しているがいまはそんな事を言ってる場合ではない。
「ハジメ、神水だ。ユエ、血を吸いな」
事前に渡されていた神水をハジメに渡し、ユエもおずおずと吸血する。
「…!!」
「二人ともここで待ってろ」
「あ、ちょ・・・彩人君!?」
二人を柱の陰に移動させるとヒュドラに突っ込んでいく彩人。ヒュドラが彩人を敵と認識し再び光弾の雨を降らせるが、彩人はすべて回避し、ヒュドラにアッパーカットを見舞う。
さらに両手で大きなこぶしを作り脳天を叩き潰す。先ほどの銃弾による傷から血が流れ、ヒュドラの目にかかる。視覚を塞がれて暴れるヒュドラを意にも介さず仕返しと言わんばかりに気弾をマシンガンのように連射する。視界を塞がれたまま全身に大ダメージを受けたヒュドラはパニックになる。
すかさず彩人は追撃しようとするが、
「ぐっ・・・」
突如彩人の周りの気が荒ぶり彩人は苦しむ。
「大人しく・・・しろっての!」
気に振り回されつつもなんとか体勢を整えるが不利を悟ったヒュドラがハジメ達に極光を打とうとする。
「させ・・・ぐあっ」
そうはさせまいとヒュドラに向かおうとするも再び気が荒ぶる。
「彩人君!ユエちゃん、彩人君を!」
「ハジメ…大丈夫。〝蒼天〟!」
しかしユエの放った青白い太陽がヒュドラに落下し、封じられる。
「ユエちゃん・・・その魔法」
「…ん、そう簡単には打てない。でも、今の彩人の血で…不完全だけど…打てた。今の彩人は、凄い」
暴れる気を抑えながらも立ち上がる彩人を改めて見たハジメは、ある事を思い出しぽつりと呟いた。
「・・・あれが〝超サイヤ人〟なのかな」
「〝超サイヤ人〟?」
「一度彩人君が言ってたんだけど、すっごく強いサイヤ人の事らしいの。・・・もしかして」
「…ん!今の彩人は、〝超サイヤ人〟!!」
〝蒼天〟により大ダメージをうけたヒュドラ。
その前に立ちふさがったのは彩人。未だに荒ぶる気に翻弄されつつもその緑色の瞳は真っ直ぐヒュドラを捉えている。
「・・・っ、おい・・・二人に手ぇだすんじゃねぇよ・・・!」
ヒュドラは満身創痍だがなおも極光を打とうとする。しかし彩人も迎え撃つ。
「かぁ・・・・・・」
両手首を合わせて手を開いて、体の前方から腰にもっていく。
「めぇぇ・・・・・・」
腰付近に両手を移動させ、
「はぁぁぁ・・・・」
彩人の両手の中に青い光が。
「めぇぇぇぇ・・・」
両手を完全に後ろにもっていき、光が最も強くなる。
ヒュドラはありったけの力で極光を打つ。そして同時に彩人の気功波が両手からヒュドラに向けて放たれた。
「波っ!!!!!!!!」
かめはめ波である。ヒュドラの極光を容易くかき消し、ヒュドラは気功波に飲み込まれ、後ろの扉を吹き飛ばし、後に残ったのはかめはめ波が地面や壁をえぐった跡のみだった。
「・・・もう限界、か…オレもまだまだだな……」
金色のオーラが消え、元の姿に戻った彩人は再び倒れこむ。遠くから駆けてくる二人の気配を感じながら彩人は意識を手放した。
――――――――――――――――――――――
彩人はまどろみの中で体全体が何か温かで柔らかな物に包まれているのを感じた。随分と懐かしい感触だ。これは、そうベッドの感触である。頭と背中を優しく受け止めるクッションと、体を包む羽毛の柔らかさを。
「(あー・・・ここか)」
意識を覚醒させ豪奢な天蓋を眺める。ヒュドラは討伐出来たことになる。そして全身包帯だらけの自分を拘束・・・もとい両腕に抱き着く白髪と金髪の美少女。(全裸)
「なんで全裸になる必要があるんですか(マジレス)」
「・・・んう・・・ぁん・・・」
「……んぁ……彩人……ぁう……」
「・・・・・オラァ!!」
「……!!!」
「いったぁぁぁぁぁい!!」
二人の足を思いっきりつねる。一瞬で覚醒する二人。真っ赤になった部位をなでたり息を吹きかけていたがこちらに気づくとまだ赤くなっているにも関わらず目を見開いた。
「さい、と・・・君?」
「彩人…?」
「ああ。おれは生きてい「「彩人」君!!」・・・ぐお」
すると二人が抱き着いてきた。全裸で。だが、二人が鼻を鳴らし、泣いている以上邪な考えなどない。
「二人共、心配かけたな。もう大丈夫だ」
「心配したよ・・・」
「…んっ、私も……」
それから二人が安心するまで頭をなでた。
そして二人が落ち着いたのち今までの説明をしてもらった。
超サイヤ人の反動で気絶した彩人に近づいたとき破壊された扉が元に戻ってから扉が開いた。一度破壊されたので締まらなかった、らしい。
二人が支えて先に進むと広大な空間に住み心地の良さそうな住居があったという。
もちろん反逆者の隠れ家である。
その中に危険がないことを確認した上でベッドルームに運び込み意識が戻るまで看病し続けていたらしい。時々黄金の気が荒ぶるため苦労したらしい。
「そっか。迷惑かけたらな、二人共。そして、ありがとう」
「ううん、貴方が元気になってくれて良かった」
「ハジメの言うとおり」
気にしなくても良い、という態度をとりつつも嬉しそうな表情を浮かべる二人。
「・・・そして、何故俺達は裸なんだ?」
そして聞く。原作でもかなりグレーゾーンな所。彩人は黄金の気で何も出来なかったという反応を待つが、
「汚れてたから…綺麗にした」
「余すところ無く、ね」
「・・・は?」
ユエは吸血する時のような妖艶な笑みを浮かべ、舌なめずりし、ハジメも似たような表情を浮かべている。心なしか瞳にハートが浮かんでいるようにも見える。
「だ、だとしても二人まで裸になる理由は」
「「ふふ…」」
「おい、なんだその笑みは」
その後も何があったか説明を求めても一向に言わないのでスキンシップを禁止したらこの世の終わりみたいな顔をされた。結論から言うと、白でした。
それはさておき反逆者の隠れ家を探索する前に服を拝借する。のだが、反逆者は男性であるため男物しかない。
彩人はともかく女性二人は…と考えていたが、
「・・・やっぱ…じゃなくて意外と合うな、ハジメ」
「うん・・・、胸が少しキツいけどね」
「…むっ」
ハジメは性別以外は原作とほぼ同じなので違和感は無い。胸囲を除けば。それを見たユエがジト目でハジメを見ている。
「そしてユエ、なぜカッターシャツ一枚なんだ」
「…?サイズ、合わない」
「そうだったわ」
身長140cm位のユエに合う訳がない。のだが、しかし、それなりの膨らみが覗く胸元やスラリと伸びた真っ白な脚線と裸シャツという要素で扇情的な姿なのだ。正直言って目のやり場に困る。
「・・・せめてボタンは閉めとけ。風邪ひくぞ」
とだけ言っておいた。
さて、隠れ家の探索を行なっているのだが外は地下なのに太陽(アーティファクトの類。ユエ。によると夜は月みたいになる)があったり滝が流れて魚が跳ねたり、畑がある、家畜小屋もある。もうここで自給自足の生活が出来る。
その反対方向の石造りの建物は三階建てになっており一階は暖炉や柔らかな絨毯、ソファのあるリビングらしき場所、台所、トイレといった生活感にあふれ、その奥には豪華な風呂まである。湯が出るところにはライオンの頭。これは万国共通なのだろうか。
「風呂はありがたい。ゆっくりできそうだな」
一応ハジメに頼んで水で洗い流す事はしていたが流石に衛生上良くない。
「「皆一緒で「丁重にお断りする」・・・・ケチ」」
流れるように二人の言葉が重なる。拒否した途端に不満そうな顔をする。
二階は工房となっていたが書棚も工房の中の扉も封印がされているので後回し。そして三階は一部屋のみで豪奢な服を着た白骨が何かを待つように床の魔方陣を挟んで三人の対角線上にある椅子に座っていた。
「・・・ここを死に場所にしている以上、あの魔方陣は〝何か〟あるだろうな。ユエは入口で待ってな、ハジメ、一緒に来てくれ」
「彩人…」
「う、うん、分かった」
原作同様ハジメを魔方陣へ誘導する。彩人は魔方陣に入っても何もなかったが、ハジメが魔法陣の中央に足を踏み込んだ瞬間、カッと純白の光が爆ぜ部屋を真っ白に染め上げる。
やがて光が収まり、目を開けたハジメの目の前には、黒衣の青年が立っていた。
ヒュドラは無念でした。