ありふれ世界のサイヤ人   作:M88星雲

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絵画の猿の正体を明かします。


世界の真実

ハジメと彩人の前に現れた青年は白骨と同じローブを着ていた。

 

『試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?』

 

もちろんオスカー氏である。ハジメがオスカー氏に何かを聞こうとするが

 

『ああ、質問は許して欲しい。これはただの記録映像のようなものでね、生憎君の質問には答えられない。だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか……メッセージを残したくてね。このような形を取らせてもらった。どうか聞いて欲しい。……我々は反逆者であって反逆者ではないということを』

 

そういう訳なのでオスカー氏による一人語りのお時間ですYO☆

内容はお察しの通りハジメやユエが聞いていた話とは全く別の内容。彩人は知っているが…。神代の後、多くの国々や種族が宗教上の神敵と称して争いを続けていた。その戦いを終わらせるために〝解放者〟(今の反逆者)が立ち上がった。オスカー氏はその一人という訳だ。

 

彼らには共通する繋がりがあった。それは全員が神代から続く神々の直系の子孫であったということだ。だからこそあの狂神の企みを知ったのだろう。神は自身の戯れの為にこの世界の人々を争わせていた。神の暴走を止めるべく〝解放者〟達は行動を起こした。神々が居る神域を突き止め〝解放者〟のメンバーでも先祖返りと言われる強力な力を持った七人を中心に、彼等は神々に戦いを挑んだ。しかし神は人々を操って〝解放者〟達を世界に破滅をもたらそうとする神敵であると認識させ〝反逆者〟にされた。

 

〝解放者〟達が次々に討たれる中、中心となった七人は神の手から逃れることに成功しバラバラに大陸の果てに迷宮を創り潜伏することにしたのだ。試練を用意し、それを突破した強者に自分達の力を譲り、いつの日か神の遊戯を終わらせる者が現れることを願って。

 

なぜ逃れることが出来たのかはとある戦士が殿を務めて神々を食い止めたからだという。

 

『彼が居なければ…私達は全滅していただろう。サイヤ人、ヤモシ

 

「!?」

 

彩人は耳を疑った。それをしりめに話を終えたオスカー氏は満足そうに息をつくと

 

『君が何者で何の目的でここにたどり着いたのかはわからない。君に神殺しを強要するつもりもない。ただ、知っておいて欲しかった。我々が何のために立ち上がったのか。……君に私の力を授ける。どのように使うも君の自由だ。だが、願わくば悪しき心を満たすためには振るわないで欲しい。話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意志の下にあらんことを』

 

するとハジメの脳内にあの魔法が刷り込まれる。ハジメは痛みに苦しんだが何とか耐える。

 

「ハジメ、大丈夫か」

 

「・・・うん、大丈夫、それよりも凄いこと聞いちゃったね」

 

「彩人…ヤモシって…」

 

ここで手に入れた神代魔法は〝生成魔法〟というハジメにピッタリば魔法だった。一応ユエも覚えさせた。その時にもオスカー氏が出てきたのだが割愛。ユエはアーティファクトの生成は難しいらしいが…。それよりも二人がきになるのは彩人と同じサイヤ人が過去にも居たことである。

 

「彩人…ヤモシってどんな人?」

 

「ゆ、ユエちゃん。流石に過去の人を「知ってる範囲なら教える」・・・って知ってるの!?」

 

「・・・とはいっても少しだがな」

 

世界どうこうよりもサイヤ人に興味を示す二人。

 

「前も言ったがそもそもサイヤ人というのは〝宇宙の悪魔〟と恐れられるほどの力と残虐性を持った極悪な種族だ。力のために星々を渡って殺人、破壊活動、略奪。星の民を全滅させて星を売る地上げ屋をやっていて、不要と判断すれば仲間だろうと家族だろうと平気で殺す」

 

「「…」」

 

サイヤ人は彩人しか知らない二人は彩人からサイヤ人の実態を聞いていたとはいえ複雑そうな表情。

 

「だがそんなサイヤ人でもヤモシは正義に目覚めた〝異端〟だった。サイヤ人の残虐行為に反旗を翻し同志5人と共にサイヤ人の切り札と言える大猿の軍団に対抗するために同志の協力でヤモシは超サイヤ人の神・・・超サイヤ人ゴッドとなった。しかし多勢に無勢に敗れた・・・。俺が知ってるのはこれくらいか」

 

「・・・でもなんでトータスに」

 

「それがわからねえ・・・しかも超サイヤ人ゴッドは赤い気を纏うんだ。〝反逆者〟を庇ったんだから神の敵なのは事実だがあの絵はどう見ても金色だ」

 

「〝解放者〟が呼び寄せた…?」

 

「それもあるかもしれんが・・・オスカー氏の話し方からすると呼んだって感じじゃないんだよなぁ・・・」

 

色々話したが情報が少ないので二階を探索した。オルクスの指輪を頂戴し、書斎へ行くとオスカー氏が考案したものであろう様々なアーティファクトの設計図、ユエが見つけたかつての仲間、特に中心の七人との何気ない日常について書いたオスカー氏の手記を見たが前者はハジメの専売特許、後者には満身創痍のヤモシを〝解放者〟達が保護し、同志となって戦った事が判明した。ヤモシ本人は気づいたらここにいた、らしいので原因は不明だが。

 

そして残りの6迷宮の存在と神代魔法についての内容から元の世界に帰還する可能性を見出した。知ってた。

現在、確認されている【グリューエン大砂漠の大火山】【ハルツィナ樹海】、目星をつけられている【ライセン大峡谷】【シュネー雪原の氷雪洞窟】辺りから調べるつもりだ。

 

次いで工房も指輪で開放すると中には様々な鉱石や見たこともない作業道具、理論書などが所狭しと保管されており、錬成師にとっては楽園かと見紛うほどである。ハジメは目を輝かせている。

 

「・・・なあ、少しここに留まらないか」

 

「・・・!うん、貴方が言うなら!」

 

「…ん、彩人に従う」

 

即答だった。安定した拠点だし準備できる。超サイヤ人に慣れる訓練のためにもここにしばらく厄介になるのがベストだろう。

 

――――――――――――――――――――――

~忘れたころに病みはくる~

 

「あ~・・・極楽極楽」

 

一通り探索を終えたのち彩人は風呂に入っている。そらに浮かぶ月のアーティファクトを眺めながらリラックスしている。

 

「贅沢すぎるよなぁ・・・ここ地下だけど」

 

ついこの前死にかけた奴とは思えないほどの余裕で満喫する彩人。突如、ヒタヒタと足音が聞こえ始めた。なん・・・だと・・・

そして入ってくるのはハジメとユエ。当然すっぽんぽんである。さも当たり前のように湯舟につかる彩人の両隣に入る。

 

「んっ……気持ちいい……」

 

「丁度いい湯加減だね~」

 

「なんで入ってるんですか。せめてバスタオル巻いてくれ。目のやり場に困る」

 

「「彩人(君)になら見られてもいい(よ)」」

 

「・・・そういう事はあんまり言わないほうがいい」

 

気持ちは嬉しいが二人を気遣って言った、・・・が。

 

「どうして?私は貴方だからこうしてるんだよ?これは私の意志。他の男になんて見せたくない。見ようとするやつはハチの巣にするだけだから

 

「ハジメの言う通り。私達の身も心も彩人のもの。彩人が望むなら命も惜しくはない

 

「・・・は?」

 

すると目のハイライトを消した二人が両腕を抱きしめる。ハジメの程よいふくらみとユエの幼いながらも感じる柔らかさに彩人は動揺する。

 

「ちょ・・二人共当たって「「当ててるんだよ」」・・・oh」

 

すると右側のハジメが囁く。

 

我慢しなくてもいいんだよ?私達は貴方のモノ。どんな風にしてもどのように扱っても良いの…♡

 

続けて左側のユエも妖艶な囁きを。

 

彩人が喜んでくれるなら…それが私達の幸せ。彩人が私達の生きる意味。どんなことでも…平気

 

「…それは流石に、まずいって。・・・先にあがるぞ」

 

「「・・・」」

 

すると二人はすんなりと拘束を解いた。

彩人はいきなり誘惑してきた割には素直だなと思うが、二人は湯舟から上がろうと腰を上げた彩人の目の前に自身の裸体をこれでもかと晒す。

 

「・・・ホントにどうした二人共」

 

「迷宮に居た時貴方はたくさん私を助けてくれた。でもその分貴方はたくさん傷ついた」

 

「ずっと一人だった私を救い出してくれて、守ってくれた。だからこそ恩返ししたい」

 

「いや・・・流石にそれは「「分かってるよ」」・・・は?」

 

「サイヤ人が善良じゃなくても貴方は優しい。だから私達に対価を求めない」

 

「でも私達は彩人に尽くしたい…ん、彩人じゃなきゃ嫌」

 

「「だからこそ彩人に求められたい」」

 

「・・・どういう事?」

 

「・・・本当は今すぐにでも貴方に奉仕したい。でも貴方はそれを望んでいない」

 

「だからこそアピールする。彩人が私達を求めるまで」

 

「」

 

二人の黒ずんだ瞳には彩人以外の何物も映ってはいない。

 

「強制はしないし強引にもしない。でも私達は何があっても貴方を受け入れる。それを覚えていて欲しいな」

 

「私達は…いつまでも彩人の味方」

 

「・・・あえて聞くが、なぜそこまでするんだ?」

 

彩人はあえて答えの分かり切った質問をする。そして二人・・・いや、〝彼女達〟は答えた。

 

『『『『「「あなたが好きだから」」』』』』

 

この場に居ないはずの人の声も彩人の耳には届いた。




ヤンデレ足りてねえな、と思ったから書いた。
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