おばちゃんから貰ったガイドマップを頼りに、〝マサカの宿〟に来てしまった。しかし入浴可能なのと防犯性を考えるとここしかなかった。宿に入るとやっぱり美少女三人に向かって視線が集中する。それらを無視して、カウンターらしき場所に行くと、十五歳くらい女の子が元気よく挨拶しながら現れた。
「いらっしゃいませー、ようこそ〝マサカの宿〟へ! 本日はお泊りですか? それともお食事だけですか?」
「宿泊だ。このガイドブック見て来たんだが、記載されている通りで宜しいか?」
ガイドマップを見せると女の子は気づいた様子。
「ああ、キャサリンさんの紹介ですね。はい、書いてある通りですよ。何泊のご予定ですか?」
「(知ってた。)一泊、食事つき、風呂も頼む」
「はい。お風呂は十五分百ルタです。今のところ、この時間帯が空いてますが」
表を見たのち、無駄だと薄々感じているものの男女別で二時間とした。女の子が驚いた表情をしたが気のせいだろう(白目)
「え、え~と、それでお部屋はどうされますか? 二人部屋と三人部屋が空いてますが……」
好奇心丸出しの表情で続けてくる。周りも聞き耳を立ててくるので彩人は落ち着かない。
「三人部屋で、頼む」
周囲がザワッとなった。女の子も少し頬を赤らめている。彩人はこの先の展開を知っているが今の状況ではこの発言は不味かった。
「……こ、この状況で三人部屋……つ、つまり四人で? す、すごい……はっ、まさかお風呂を二時間も使うのはそういうこと!? お互いの体で洗い合ったりするんだわ! それから……あ、あんなことやこんなことを……なんてアブノーマルなっ!」
女の子はトリップしていた。見かねた女将さんらしき人がズルズルと女の子を奥に引きずっていく。代わりに父親らしき男性が手早く宿泊手続きを行った。部屋の鍵を渡しながら「うちの娘がすみませんね」と謝罪していたが、「気持ちは分かる」と言いたげな表情だった。
「彩人君・・・とうとうその気に・・・?」
「…ん、私達はいつでもウェルカム」
「さ、彩人さんに私の処女を・・・!父様、私今夜オトナになりますッ!」
「アカン」
後悔先に立たず。当然周りからは嫉妬の視線が。彩人は部屋番号を確認したのち逃げるようにトリップ仕掛けている三人を抱えてそのまま部屋のベッドへ三人を放り込み、備え付けのソファーで現実逃避のため念仏を唱え続けていた。食事でも好奇の視線やめちゃくちゃ顔を赤くした宿の女の子が「先程は失礼しました」と謝罪しながら給仕にやって来たけど好奇心を隠せてなかったまなざしで集中できなかった。
ストレスと腹を満たして風呂に入れば予感通りハジメ、ユエ、シアが風呂に突入してきた。
「彩人さん!私の心の準備はオーケーです!いざ、オトナの階段を登りましょ「断る」何故ですかぁ~!」
「そういうつもりじゃないし」
「・・・まぁ、そんな気はしてたよ」
「…ん、誘うならもっとストレート」
「え、二人共気づいてたならなんで言ってくれないんですかぁ!」
「"同盟"なら彩人君の事を察するのが基本だよ」
「…まだまだ修行が足りない」
「むう~・・・」
「それに、自分からよりも彩人君から求められる方がドキドキしない?」
「・・・します!」
「…同志」
「ねぇ本人の前で言っちゃうの?」
「だって前にも言ったもん」
「・・・ソウデシタ」
「私達しかいないときだけ君にアピールするの。だから・・・」
ハジメはスタスタと入口に歩いていき、ガラッと開く。そこには、
「ひゃいッ?!」
「覗きは、ダメだよ?」
宿の女の子がそこに居た。この後女の子は女将さんに尻たたきの刑に処されたとか。それを見たシアが「精進します!」とか言っていた。
夜寝るときに、彩人はソファで寝ようとしたがユエが誘惑してくるわシアが捨て犬みたいなまなざしで「彩人さんのぬくもりがないと眠れませぇん」とか言ってきた・・・・。
「ソファじゃ体が痛くなっちゃうよ。私、やることがあるからソファ使いたいな~」
「・・・・・・・・」
渋々ベッドに向かう。待ってました!とばかりにユエとシアが両腕に抱き着く。右腕のユエの柔らかと左腕のシアの双丘で頭が沸騰する彩人。
「お腹は私・・・早く作ろうっと」
ハジメの言葉を聞きながら疲れと現実逃避で眠る彩人だった。
次の日、彩人が起きるとやっぱりお腹の上にハジメが乗っかっていた。
「・・・すんごいデジャヴ」
ストレスと眠りが浅かった事から彩人は朝食の後、ハジメ達にお小遣いを渡したのちに二度寝した。
ハジメ達はやりすぎたと気づいて謝罪したのちお買い物へ行くことにした。彩人を休ませるためでもあるが・・・
「私達にお手付きしようとするクズをあぶりださなきゃね」
「…間男死すべし慈悲は無い」
「彩人さん以外に変な目で見られたくありませんが・・・釘は刺しておきましょうか」
三人は彩人以外の異性(人間族)の卑猥な視線にうんざりしていたのだ。
一応無防備を装いながらおばちゃん改めキャサリンさんのガイドマップをもとに衣服の購入できるとある店に来た。品揃えは素晴らしいのだが三人に前に現れたのが、
「あら~ん、いらっしゃい♥可愛い子達ねぇん。来てくれて、おねぇさん嬉しいぃわぁ~、た~ぷりサービスしちゃうわよぉ~ん♥」
身長二メートル強、全身に筋肉という天然の鎧を纏い、劇画かと思うほど濃ゆい顔、禿頭の天辺にはチョコンと一房の長い髪が生えており三つ編みに結われて先端をピンクのリボンで纏めている、化け物のような店員だった。
ハジメ達は硬直した。シアは既に意識が飛びかけていて、ユエとハジメは奈落の魔物以上に思える化物の出現に覚悟を決めた目をして
いる。
「あらあらぁ~ん? どうしちゃったの三人共? 可愛い子がそんな顔してちゃだめよぉ~ん。ほら、笑って笑って?」
言いたいことは山ほどあるが三人は本能的に逆らってはならないと感じていた。・・・が、とうとうユエが禁断の言葉をはっしてしまった。
「……人間?」
「だぁ~れが、伝説級の魔物すら裸足で逃げ出す、見ただけで正気度がゼロを通り越してマイナスに突入するような化物だゴラァァアア!!」
「ご、ごめんなさい……」
ユエがふるふると震え涙目になりながら後退る。ハジメは立ったまま意識を失い、シアは、へたり込み……少し下半身が冷たくなってしまった。
「いいのよ~ん。それでぇ? 今日は、どんな商品をお求めかしらぁ~ん?」
ユエが辛うじて絞り出した声でシアの服を買いに来たといったおかげか化物改めクリスタベル店長がシアを連れて店の奥へ。粗相をしてしまったのに気づいており着替え場所を提供するためだ。結果として店長の見立ては素晴らしく、シアも満足していた。
「いや~、最初はどうなることかと思いましたけど、意外にいい人でしたね。店長さん」
「怒らなければ意外と愛嬌あるし、センスも凄かったし」
「ん……人は見た目によらない」
「だね」
「ですね~」
そのまま道具屋へ向かう三人。当然目立つ彼女達に何もないはずもなく、多くの男性冒険者に囲まれていた。三人はシカトして買い物を続けていたが、一人の男が三人に話しかける。
「ユエちゃんとシアちゃん、そしてハジメちゃん・・・かな?」
「…合ってるけど、何か?」
ユエのやや素っ気ない返答にも動じず三人の前に並んで立つと、
「「「「「「ユエちゃん、俺と付き合って「断る」」」」」」」
「「「「「「ハジメちゃん、俺と付き合って「嫌だ」」」」」」」
「「「「「「シアちゃん! 俺の奴隷になれ!!「お断りします」」」」」」」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「何故だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
無論瞬殺。しかも名前を聞かれているときから三人は一切男性の方を見ていない。眼中にありませんと言わんばかりの態度でほとんどの男が崩れ落ちるが諦めの悪い奴はいる。
「なら、なら力づくでも俺のものにしてやるぅ!」
いつぞやのル〇ンダイブでユエにとびかかる男。
「〝凍柩〟」
はい、氷の塊です。もちろんこの時も見ていません。・・・が、ユエは氷が落ちた音の方向にやっと体を向けて氷達磨の男に近づく。
男は嬉しそうな顔をするが、
「ユ、ユエちゃん。いきなりすまねぇ! だが、俺は本気で君のことが……あ、あの、ユエちゃん? どうして、その、そんな……股間の部分だけ?」
男は最悪の結果を予感しユエに話しかける。
「まさか、ウソだよね? そうだよね? ね?」
「黙れ、
男の股間へと無慈悲に放たれる風の礫。周りの男性が股を押さえて怯えている。男のムスコが無念の内に亡くなられた。後にこの男が第二のクリスタベル、マリアベルちゃんとなるのだが・・・。
「…これは警告。次は無い」
そう告げるとユエはハジメとシアと共に去っていった。道中、女の子達が「ユエお姉様……」とか呟いて熱い視線を向けていた気がするがそれも無視して買い物に向かった。
・・・その後、催眠やら昏睡やら惚れ薬や媚薬で強引にコトに及ぼうとした悪漢やおっさんが居たそうだが、数時間後に彼らの姿を見たものは・・・・居なかった。
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「彩人君、ただいま。ちゃんと休めた?」
「…ただいま。彩人、眠れた?」
「ただいま戻りましたぁ!」
「お、おぉ・・おかえり。何とか体は休まったよ。それはそうと街でなんかあったみたいだが・・・大丈夫だったか?」
「「「ちょっとお掃除して(まし)た」」」
「・・・・(察し)、そ、そうか・・・」
出発準備は整ったが先行きが不安すぎる、と彩人は思った。
むしゃくしゃして書いた。後悔はしていない。
ミレディちゃんは・・・
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ハーレム入り
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無☆視☆
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破壊しつくすだけだァ!