大陸一の商業都市であるフューレンにたどり着いた彩人達。依頼書片手にギルドへ行きブルックの町と同様に情報を得るため色々聞いて回っていると案内人の存在を知り、リシーと名乗った案内人の女性に料金を支払い、ギルド内のカフェにて軽食を共にしながら都市の基本事項を聞いていた。
「そういうわけなので、一先ず宿をお取りになりたいのでしたら観光区へ行くことをオススメしますわ。中央区にも宿はありますが、やはり中央区で働く方々の仮眠場所という傾向が強いので、サービスは観光区のそれとは比べ物になりませんから」
「観光区の宿にします。オススメはありますか」
「お客様のご要望次第ですわ。様々な種類の宿が数多くございますから」
「そうですか…とりあえず入浴可能で美味いご飯を食べられる所をリストアップして…っと。…………あの、万が一トラブルが起きたら何処へ言えばいいでしょうか」
「トラブル…ですか?滅多にあることではないと思うのですが…」
「・・・いや、連れが綺麗所ばっかりだから色々考える人が居るんですよ。今だって注目を集めてるんで」
リシーがふと周りを見るとスイーツに舌鼓をうつハジメ達とヴァルキュリア達を見つめるギャラリーが大量に居たのに気付く。
「そのようですね…それなら警備が厳重な宿でいいのでは? そういうことに気を使う方も多いですし、いい宿をご紹介できますが……」
「それでもいいけれど、中には強引な手段を使う者も居ます。そのときには物理的抵抗せざるを得なくなりかねますので…」
「ぶ、物理的抵抗、ですか………、では責任の所在を求める場所も、という事ですね?」
「…そう。出来れば、でいいので」
困惑するリシーだが案内人としてのプライドがあるのか「お任せください!」と言ってくれた。そしてハジメ達にも要望を聞くと、
「やっぱりお風呂が欲しいな、混浴で貸切のやつ」
「…ハジメに賛成」
「えっと、大きなベッドがいいです」
「ご飯が美味しい所がいいなぁ」
ミレディはともかくハジメ、ユエ、シアを見てからリシーが彩人をチラチラ見てくる。「承知致しました!」といいつつも顔を赤くするのはやめてほしい。一応ヴァルキュリア達にもきいたのだが、
『『『マスターの指示通りに』』』
とだけだった。これで余計にリシーの顔が赤くなったが、彩人は気にしない。続いて中央区以外の区について聞いていると、“ヤツ“が現れる。
「お、おい、ガキ。ひゃ、百万ルタやる。この兎を、わ、渡せ。それとそっちの金髪はわ、私の妾にしてやる。隣の白髪、と、もう一人、の金髪は、そ、側室にしてやる。そ、そこのメイド達も、わ、渡せ。い、一緒に来い」
豚が二本足で歩いて喋っていた。…豚さん、ごめんなさい。値段の高そうな服装から貴族か何からしいが、肥えた体に脂ぎった顔、醜悪な表情でヘラヘラ笑いながらユエに近づいてくる。リシーが「げっ!」と何ともはしたない声を上げ、ミレディに至っては「喋る豚とか無いわ~…キモすぎワロエナイ」と恐怖していた。
彩人が追い払おうと考えたが、遅かった。
ハジメとユエが殺気を出していたのだ。シアは勿論、普段冷静なヴァルキュリア達も不快な表情で貴族を睨み付けていたのだ。
「ひ、ひいっ!き、貴様、私に逆らったな!れ、レガニド!来い!」
「お呼びですかぁ、坊っちゃん」
するとギャラリーの中から大柄の男が現れた。
色々不味い展開である。
「あ、あの娘を捕らえろ!わ、私に逆らったのだ!ば、罰を与えろ!」
「…で、あの男はどうしやす?」
「こ、殺せぇ!女は私のものだぁ!」
「殺すのは不味いですぜ、半殺しくらいにしときやしょうや」
「やれぇ! い、いいからやれぇ!」
「了解ですぜ。報酬は弾んで下さいよ」
「い、いくらでもやる! さっさとやれぇ!」
「おう、坊主。わりぃな。俺の金のためにちょっと半殺しになってくれや。なに、殺しはしねぇよ。まぁ、嬢ちゃん達の方は……諦めてくれ」
レガニドが彩人に近づいてくる。携帯していた長剣は置いてきた。素手の彩人を完全に見くびっている。
「お、おい、レガニドって〝黒〟のレガニドか?」
「〝暴風〟のレガニド!? 何で、あんなヤツの護衛なんて……」
「金払じゃないか?〝金好き〟のレガニドだろ?」
周りが好き放題言っているが、そんな事よりも女性陣の殺意がヤバい。ハジメとユエは人を殺せるレベルの覇気を出し、シアとヴァルキュリア達は絶対零度の視線を二人に向けている。ここで人殺しは洒落にならないのだが…。
「彩人君、ここは私達に任せて?」
「…ん、あいつは私とシアでやる」
「…………んえ?わ、私もですかぁ?」
ハジメとユエが一転して優しい笑顔で彩人に言う。
止まる気配が無い以上、言えることは一つ。
「・・・殺すなよ」
「あはは、殺しはしないよ、生まれてきた事を後悔させるだけだから」
「…ん、手加減はする。私達が守られるだけのお姫様じゃないことを証明する」
「あ、そういうことでしたか。ではでは私も!」
シアがドリュッケンを担ぎ出し、ユエと共にレガニドに接近する。
「ガッハハハハ、嬢ちゃん達が相手をするだって? 中々笑わせてくれるじゃねぇの。何だ? 夜の相手でもして許してもらおうって「……黙れ、ゴミクズ」ッ!?」
刹那、レガニドの頬を“何か“が切り裂いた。レガニドは無詠唱で放たれた魔法に動揺する。
「あの、長剣つかわなくていいんですか?手加減はしますけど素手だと不味いですよ?」
「…へっ、兎人族ごときが大きく出たな。…坊っちゃん、悪いですが傷の一つや二つは勘弁ですぜ!!」
レガニドは素早く置いてきた長剣を抜くとシアに切りかかる。が…剣は空振りした。
「なっ…」
「ん~っ、ほいっ!」
「ガッ?!」
シアのドリュッケンで殴り飛ばされ、背後の壁にぶつかるレガニド。背面を強かにぶつけたが右腕が痛みで動かない。その目前に偽詠唱するユエが。
「舞い散る花よ 風に抱かれて砕け散れ 〝風花〟」
(…こりゃあ、割に合わなさすぎる)
「…お前も漢女になるがいい」
ユエオリジナル魔法第二弾、〝風爆〟によってまた一人ムスコを無念の内に亡くした漢女が誕生した。
レガニドがフルボッコにされて戦意喪失した貴族に殺気全開のハジメが迫る。
「ひぃ! く、来るなぁ! わ、私を誰だと思っている! プーム・ミンだぞ! ミン男爵家に逆らう気かぁ!」
「……地球の全ゆるキャラファンに謝れ、ブタが」
「…待った」
ハジメがスパイク状の靴でプームを踏みつけようとしたのを彩人が阻止する。
「…どうして止めるの?こいつは私達をモノ扱いした上に君を殺そうとしてたんだよ?」
「…それはわかってる。だが、貴族を敵に回すのは面倒だ。少し待ってくれ」
「………君の頼みなら」
ハジメはしぶしぶ戻っていった。
「き、貴様、よくやった!あの女達をありがたくも、もらってやる!光栄に思え!」
「……………」
「な、なんだ!わ、私に近づくなぁ!!」
微塵も反省していないプームの耳元で彩人は何かを話す。
「―――――――――」
「!?」
「―――――――、――――――――。――――――――――、――――――――」
「な、………や、止めろ!わ、私は………男爵の………!」
「―――――――――――、―――――――――――。――――――――――――――、――――――――」
「あ…………あぁ…………何と…………私、は…………間違っていたのか……………」
「―――――――――――――――――、――――――――――――――――、――――――――」
「…………………」
彩人の話を聞いている内にプームは絶望の表情で黙り込んでしまった。
「…この話を聞いてあんたがどのように生きようが俺には関係ないがな、もし変われるんだったらこれがラストチャンスだ」
「…………………」
無言のプームを無視して彩人は去っていった。
「…彩人、アレに何を言ってたの?」
「あんなに風になる話……、聞きたいような聞きたくないような……」
完全に沈黙したプームを見て、ユエとシアが質問するが、
「彩人君、今のって恵里ちゃんの………」
「……恵里から聞いてたか」
ハジメは知っているようだった。
ユエ達が聞こうとすると、
「そこの冒険者、止まりなさい」
ギルド関係者が騒ぎを聞き付けていたようだ。
説得(ryです。誰が何と言おうとも説得(ryです。
ティオは・・・
-
ケツパイルしてドM
-
ケツパイルしないけどドM
-
ケツパイルしてもそのまま
-
ケツパイルなしでそのまま