まあ模造がオリジナルを超えるわけないもんね、仕方ないね。
支部長の依頼、いざウルの町へ
ギルド職員に呼び止められて事情聴取、ということになった。
彩人はありのままを説明したが
「ギルド内で起こされた問題は、当事者双方の言い分を聞いて公正に判断することになっていますので……規則ですから冒険者なら従って頂かないと……」
こうなる。しかもプームとレガニドは片や心身喪失、片や半殺しであるため解決までは時間がかかる。彩人はプームを更生させればすぐに解放されるのでは?と安直に考えていたので、プームが心身喪失状態になったことで結局長引くことになった。
「何をしているのです? これは一体、何事ですか?」
眼鏡をかけた理知的な男性がやってきた。
「ドット秘書長! いいところに! これはですね……」
職員がドットにこの騒ぎの内容を話すとドット氏は鋭い目つきで彩人に近づく。
「話は大体聞かせてもらいました。証人も大勢いる事ですし嘘はないのでしょうね。やり過ぎな気もしますが……まぁ、死んでいませんし許容範囲としましょう。取り敢えず、彼らが目を覚まし一応の話を聞くまでは、フューレンに滞在はしてもらうとして、身元証明と連絡先を伺っておきたいのですが……それまで拒否されたりはしないでしょうね?」
彩人とハジメ以外にはステータスプレートが無く周りにバレたらヤバい情報だらけの彼女達への危険性を配慮し、キャサリンの手紙を差し出す。
「身分証明・・・かは分かりませんが何かあったらこれを渡すように言われたので、こちらを」
「・・・?まあ、拝見しましょう」
ドット氏が手紙を読むと驚愕した表情となり手紙を丁寧にしまうと、
「この手紙が本当なら確かな身分証明になりますが……この手紙が差出人本人のものか私一人では少々判断が付きかねます。支部長に確認を取りますから少し別室で待っていてもらえますか? そうお時間は取らせません。十分、十五分くらいで済みます」
「あ・・・はい。その程度なら待てます」
「職員に案内させます。では、後ほど」
そう言って足早に去っていった。
「キャサリンさんって何者なんだ・・・」というオーラがハジメ達から嫌というほど感じた。
「あの~私はどうすれば…」
「ごめんなさい、逃げないでください」
「・・・はい。承知致しました…」
リシーが厄介ごとを感じて去ろうとしたが彩人の一言でがっくりとうなだれてしまった。
その後ギルド職員に連れられてやってきた応接室で待つこと10分。扉のノック音と共に入ってきたのは金髪をオールバックにした鋭い目付きの三十代後半くらいの男性と先ほどのドット。
「初めまして、冒険者ギルド、フューレン支部支部長イルワ・チャングだ。彩人君、ハジメ君、ユエ君、シア君、ミレディ君・・・とそちらはゼータ君、イクス君、アクセル君……でいいかな?」
「ええ。名前はその手紙に?」
「その通りだ。先生からの手紙に書いてあったよ。随分と目をかけられている……というより注目されているようだね。将来有望、ただしトラブル体質なので、出来れば目をかけてやって欲しいという旨の内容だったよ」
トラブル体質なんてレベルではないのだが、先生の選んだ人達だからこれを身分証明とする、とさらりと言うイルワ氏。絶大な信頼を寄せているようなのでシアが質問する。
「あの~、キャサリンさんって何者なのでしょう?」
「ん? 本人から聞いてないのかい? 彼女は、王都のギルド本部でギルドマスターの秘書長をしていたんだよ。その後、ギルド運営に関する教育係になってね。今、各町に派遣されている支部長の五、六割は先生の教え子なんだ。私もその一人で、彼女には頭が上がらなくてね。その美しさと人柄の良さから、当時は、僕らのマドンナ的存在、あるいは憧れのお姉さんのような存在だった。その後、結婚してブルックの町のギルド支部に転勤したんだよ。子供を育てるにも田舎の方がいいって言ってね。彼女の結婚発表は青天の霹靂でね。荒れたよ。ギルドどころか、王都が」
「はぁ~そんなにすごい人だったんですね~」
「……キャサリンすごい」
「只者じゃないとは思ってたけど……思いっきり中枢の人間だったなんて。ていうか、そんなにモテたのに……今は……いや、止めとこ…」
旦那がブルックの町の町長だとは夢にも思うまい。
「・・・と、身分証明ができたのなら退席しても?」
「実は、君達の腕を見込んで、一つ依頼を受けて欲しいと思っている」
知 っ て た 。
非は向こうにあるとはいえ過剰防衛の可能性があるという。法的な手続きを踏むのも面倒だが拒否してブラックリストにでも載せられるのは避けたい。
「・・・内容によりますが、聞きましょう」
「聞いてくれるようだね。ありがとう」
依頼内容は北の山脈地帯で魔物の群れを見たという目撃例を受けて高ランクの冒険者パーティーが組まれたが、飛び入り参加した者がいる。
この飛び入りが、クデタ伯爵家の三男ウィル・クデタという人物なのだが、家出同然に実家を飛び出して参加したため伯爵が息子の動向を連絡する者を使わせたがその人の消息が絶たれたために捜索願が出ていた。
つまりウィルの捜索が依頼内容である。
冒険者パーティーが手練れぞろいであったために生半可な冒険者を派遣できず困っていたところに彩人達が来た、という訳だァ。
「あの、俺〝青〟なんですが」
「さっき〝黒〟のレガニドを瞬殺したばかりだろう?そんな強者を従えてる時点で只者ではない。 それに……ライセン大峡谷を余裕で探索出来る者を相応以上と言わずして何と言うのかな?」
「」
キャサリンにはそのことは言ってないので手紙に書かれてはいないはず・・・と、手を挙げるシア。
「・・・シア、言ったな?」
「え~と、つい話が弾みまして……てへ?」
「一人だけか?」
・・・と黙り込む二人。
「言わなきゃ飯抜き、添い寝無し」
「ごめんなさぁい!つい口が滑っちゃったの!だからご飯抜きは止めてぇぇぇぇ!」
「…!?私も居たのに止めなかった…謝るから…だから添い寝無しはやめて…」
「・・・正直で宜しい」
彩人達の会話に苦笑いしつつもイルワは話を続ける。
「…続けてもいいかな?生存は絶望的だが、可能性はゼロではない。伯爵は個人的にも友人でね、できる限り早く捜索したいと考えている。どうかな。今は君達しかいないんだ。引き受けてはもらえないだろうか?」
「・・・随分真剣だが、そこまでして頼む理由でも?」
「彼に……ウィルにあの依頼を薦めたのは私なんだ。調査依頼を引き受けたパーティーにも私が話を通した。異変の調査といっても、確かな実力のあるパーティーが一緒なら問題ないと思った。実害もまだ出ていなかったしね。ウィルは、貴族は肌に合わないと、昔から冒険者に憧れていてね……だが、その資質はなかった。だから、強力な冒険者の傍で、そこそこ危険な場所へ行って、悟って欲しかった。冒険者は無理だと。昔から私には懐いてくれていて……だからこそ、今回の依頼で諦めさせたかったのに……」
ウィルとイルワは繋がりが深いらしい。
「引き受けるのはいいが・・・少し条件がある」
「何だね?出来る範囲でなら・・・」
彩人が出した条件は原作と同じく、
・自分たちが教会と敵対しても後ろ盾となってもらう
・ユエ達のステータスプレートの作成、不都合な内容の他言無用
の二つ。
「ふむ、個人的にも君達の秘密が気になって来たな。キャサリン先生が気に入っているくらいだから悪い人間ではないと思うが……そう言えば、そちらのシア君は怪力、ユエ君は見たこともない魔法を使ったと報告があったな……となるとミレディ君やゼータ君たちにも…?その辺りが君達の秘密か…そして、それがいずれ教会に目を付けられる代物だと…大して隠していないことからすれば、最初から事を構えるのは覚悟の上ということか……そうなれば確かにどの町でも動きにくい……故に便宜をと……」
「はい」
「犯罪に加担するような倫理にもとる行為・要望には絶対に応えられない。君達が要望を伝える度に詳細を聞かせてもらい、私自身が判断する。だが、できる限り君達の味方になることは約束しよう……これ以上は譲歩できない。どうかな」
「それで十分。ウィル氏本人の保護か遺留品の回収すればよろしいか」
「本当に、君達の秘密が気になってきたが……それは、依頼達成後の楽しみにしておこう。彩人君の言う通り、どんな形であれ、ウィル達の痕跡を見つけてもらいたい……皆さん、宜しく頼む」
「承知した」
その後、支度金や北の山脈地帯の麓にある湖畔の町への紹介状、件の冒険者達が引き受けた調査依頼の資料を受け取り、彩人達は部屋を出て行った。
静寂の内、ふうと息を吐いたイルワにドットが話しかける。
「支部長……よかったのですか? あのような報酬を……」
「……ウィルの命がかかっている。彼ら以外に頼めるものはいなかった。仕方ないよ。それに、彼等に力を貸すか否かは私の判断でいいと彼等も承諾しただろう。問題ないさ。それより、彼らの秘密……」
「ステータスプレートに表示される〝不都合〟ですか……」
「ふむ、ドット君。知っているかい? ハイリヒ王国の勇者一行は皆、とんでもないステータスらしいよ?」
ドットはその発言に目を丸くした。
「! 支部長は、彼が召喚された者…〝神の使徒〟の一人であると? しかし、彼はすでに教会と敵対しているような口ぶりでしたし、勇者一行は聖教教会が管理しているでしょう?」
「ああ、だが彼だけではない。彼の隣に座っていた白髪の少女もそうでないかと思っている。でもね……およそ四ヶ月前、その内の二人がオルクスで亡くなったらしいんだよ。奈落の底に魔物と一緒に落ちたってね」
「……まさか、その者達が生きていたと? 四ヶ月前と言えば、勇者一行もまだまだ未熟だったはずでしょう? オルクスの底がどうなっているのかは知りませんが、とても生き残るなんて……」
イルワの推測に信じられないと言うかのようなドットの否定。
「そうだね。でも、もし、そうなら……なぜ、彼らは仲間と合流せず、旅なんてしているのだろうね? 彼らは一体、闇の底で何を見て、何を得たのだろうね?」
「何を……ですか……」
「ああ、何であれ、きっとそれは、教会と敵対することも辞さないという決意をさせるに足るものだ。それは取りも直さず、世界と敵対する覚悟があるということだよ」
「世界と……」
「私としては、そんな特異な人間とは是非とも繋がりを持っておきたいね。例え、彼らが教会や王国から追われる身となっても、ね。もしかすると、先生もその辺りを察して、わざわざ手紙なんて持たせたのかもしれないよ」
「支部長……どうか引き際は見誤らないで下さいよ?」
「もちろんだとも」
あまりに壮大な話に眩暈がするドット。それでも秘書としての忠告は欠かさなかった。
その一方、捜索範囲内の場所に最も近いウルの町に向けて爆走する魔動二輪。ライセンの時とは違い、魔力の散霧がないので全力疾走している。が、運転しているシアは不機嫌である。
「・・・一度コレ運転したかったんだろう?」
「確かに言いましたよ。嬉しくないと言ったらうそになります。でも・・・」
シアの後ろに同じく不満そうな表情でシアにしがみつくユエが続きを言った。
「…ハジメ、ずるい」
「~♪」
現在魔動二輪シュタイフに乗るのはユエとシア、サイドカーにミレディ。浮遊する彩人と彼におんぶされているハジメとヴァルキュリアたち。
「・・・余計な事言ったろう」
「「……」」
いわば二人への罰である。
「プっ、怒られてるぅ~・・・あああ止めて!ユエちゃん、接続部外そうとしないで!シアちゃん蹴らないで!落ちる!落ちちゃうからぁ!」
ミレディが二人を煽って怒らせているが彩人はシカトしてウルの町の情報を話す。
「これから行くウルの町は湖畔の町で水源が豊からしい。そのせいか町の近郊は大陸一の稲作地帯なんだそうだ」
「……稲作?」
「そうそう。つまりお米。私達の故郷、日本の主食。こっち来てから一度も食べてないから・・・同じものかどうかは分からないけど、早く行って食べてみたいな」
「へぇ、そうなんですね」
「そういう会話は着いてからでもいいでしょぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「あー・・・うるさいから止めてやりな」
「「…」」
渋々止める二人。この後文句を言ってミレディがまた同じ目に合うが、彩人は清水幸利を助けたのに
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「ふむ、凄まじい気を中心に多数の強者の気配。意外に魔人族のやつらも役に立つ」
「それで、どの肉体をご所望で?」
「当然最も強い者だ。私を変人扱いし闇へ葬った愚者どもに鉄槌をくだしてやらねばならん」
「フッフッフ・・・エヒトとやらに感謝せねばなりませんなぁ」
「今は従うだけだ。最強の肉体と私の優秀な頭脳があれば奴が神だろうが関係ない。それよりも警戒すべきは我らを呼び寄せた〝奴〟だ」
「・・・そうでしたな」
「だが、それは後で考えるとしよう。まずは魔物を使役せねば。どれほど溜まったか?」
「ざっと7万ほどですな。やつの抵抗が予想以上にしぶとく、目標まではもう少しかかりまする」
「やれやれ・・・この優秀な私が使ってやっているのだからありがたく思うべきだというのに・・・」
巨大な影と老人の影。二人の視線の先には茨の冠のような装置をつけられ、うめき声をあげながら魔物を洗脳する清水が居たのだった。
ティオは・・・
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ケツパイルしてドM
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ケツパイルしないけどドM
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ケツパイルしてもそのまま
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ケツパイルなしでそのまま