いつもの駄文でもいいのならゆっくりしていってね
Dr.ウィローが敗北しウルの町が守られたと実感した人々は歓声を上げた。
その中で愛子は彩人を見つめていた。
「(…私はとんでもない思い違いをしていたようです。もし彼が力に溺れているのなら、南雲さん達に協力を頼んだりはしないでしょう。それに・・・)」
愛子の瞳には彩人の勝利を喜ぶハジメ達と彼女達を穏やかな笑みで労う彩人の姿。
「(そんな傲慢な人ならあんな顔はしないでしょう…。南雲さんも、変わってしまったと思っていましたが彼の前では・・・あの優しい笑みのままです。大切な生徒達を疑うなんて…教師失格ですね)」
愛子は無意識のうちに彩人達のいる所へ歩みを進めた。
「轟君!南雲さん!」
「先生!」
「・・・・先生?どうしたんだろ」
愛子が二人に駆け寄ろうとしたその時。
「…!!!先生さん、避けて!!」
シアが叫ぶと同時に愛子を突き飛ばす。その後ろから白いレーザーがシアを掠めるが愛子は命拾いする。
「シア!・・・・クソっ、イクス!治癒魔法を!」
『かしこまりました、マスター』
「シア、しっかり!」
「シア…!」
シアの横腹には直径三センチ程の穴が空いていた。身体強化の応用とハジメとユエが素早く止血したため余裕はありそうだ。彩人はイクスがシアを癒している間に〝破断〟魔法を撃ったであろう鳥型の魔物に乗って逃亡している魔人族にシアを傷つけられた彩人の怒りの気功波が魔人族の右腕を吹き飛ばす。
「・・・!?」
「外れたか!・・・ならもうい「動くな!愚者共め!」・・・しまった」
彩人達が振り向くと愛子を人質に取ったDr.コーチン。愛子たちを追ってきた生徒達や町の人々がその姿に驚愕し、怒りの形相をうかべる。
「・・・どいつもこいつも我らをコケにしよって!こうなれば魔人共の助けになるのは癪だがこの女を道連れにしてくれる!」
「・・・助け…とは…?」
「・・・フゥ…自身の力を理解していないとは間抜けめ。食料は戦争において重要となる。その食糧を無限に生産出来うるお前を放っておくはずがあるまい?気づかないのか?貴様が居なければあの小僧と竜の娘が・・・ゴゲブッ!?」
コーチンが言ってはならないことを言い出したその時。彩人の拳がコーチンを殴り飛ばしていた。・・・だが。
「轟君・・・?轟君!!」
「・・・・ガッ・・・・ア・・・・」
彩人は痙攣を起こしながら左腕に刺さった小型の注射器を抜き取る。
「彩人君!」
「…彩人!」
「彩人さん!」
『『『マスター!』』』
愛子に抱えられた彩人の元に集うハジメ達。彩人はなんとか持っている神水を飲もうとしたが・・・痙攣のあまり落としてしまう。
なんとか飲ませようとしてもせきこんでしまう。
「フハハハハハ!かかったな轟彩人!他の娘は人質にしても返り討ちにされるからな!どうだワシの特製の麻痺毒は!魔法なんぞ効かん!貴様は死ぬしかないのd・・・・ゴギャグべアガァ!!!?」
ハジメ達が鬼の形相で魔法やら武器でコーチンを攻撃する。その隙に愛子が飲ませようとするが、
「ギギィ・・・・そうはさせんぞぉぉぉぉぉぉ!!!」
ハジメ達の攻撃で体中の機械が露出しターミネーターのようなコーチンが右手のガトリング砲を乱射する。生徒達やミレディ、ティオ、騎士団を含めた町の人々はイクス(辛うじて残った意識で彩人が命令した)が、愛子をシアが庇い、ドリュッケンを高速回転させて弾丸を弾く。ユエはハジメと共にコーチンへの攻撃を続ける。
「先生さん!彩人さんを!!」
「・・・!わ、分かりました!」
愛子は急いで飲ませようとするがやはり吐き出してしまう。そして愛子は覚悟を決めた。心の中で「これは救命行動」と繰り返しつつ残った神水を口に含み、口移しで彩人に飲ませる。短くも長い口づけの後愛子は唇を離すと僅かに二人の間に銀色の糸が引かれた。青白かった彩人の顔色が戻る。
「ぅ・・・・あ・・・・せ、・・・・せんせ、い?」
「轟君!」
流石のコーチンも神水の力は解析できなかったので「こんな・・・バカな・・・」とつぶやきながら頭をハジメに打ち抜かれ胴体をユエに粉々にされた。
「先生が神水を飲ませてくれたんスか?ありがとうございます」
「え、あ、いいえ!き、教師として生徒を助けるのは当然ですのよ!?べべべ別に少し気持ちよかった・・・なんてことはありませんからね!?!?!?」
「・・・先生、落ち着いて。周りが困惑してる」
愛子をなだめた後、彩人はシアに視線を向ける。するとシアは安堵し、泣きながら抱き着く。
「わぁ~~ん!!彩人さん!!心配し"ま"し"た"よ"ぉ"ぉ"ぉ"」
「済まねえ、でもありがとな。そっちは大丈夫か?」
「うう・・・イクスさんのおかげで平気ですぅ」
「彩人君、良かったぁ・・・」
「…彩人、心配した」
「二人共、奴を倒してくれてありがとな」
「「彩人(君)を傷つけたから(ね)」」
「・・・・」
そんな会話するのを見ていた愛子に騎士団と生徒達が駆け寄り無事なことに安堵していた。
そして彩人がその場を去ろうとしたのを呼び止める愛子。
「ま、待って下さい、轟君。君があの・・・コーチン?さんを攻撃したのは・・・その・・・」
愛子はコーチンが何を言おうとしたか薄々感づいていた。もしかしたら自分に気を使ったのではないか、と。
「アイツはウィローの仲間、つまり敵だ。敵に容赦はしない、ただそれだけだ。今までも、これからもな」
「轟君…」
一切の迷いなき目で言い放った彩人に、愛子は"何か"を感じた。
「・・・じゃ、俺行くよ。ウィルさんを連れて行かなきゃならないから」
「あ・・・あの・・・ありがとうございました。この町を守ってくれて・・・ついでに・・・私も」
「どういたしまして」
「サイト!」「轟君!」
次いで清水と辻が。
「またお前に助けられたな。ありがとうな、親友」
「轟君、本当にありがとう」
「いいんだ、気にすんな。それと、香織達が済まねえ・・・」
「あ・・・ま、まぁ、あいつらなら大丈夫だが・・・」
「う、うん!香織ちゃんたち凄く強くなってて・・・私達はここに残ろうって事で…あはは・・・」
「・・・・ホントにスマン。でもありがとう」
そして今度こそ彩人達がハジメの出した魔動四輪に乗り込もうとした時。
「と、轟ー!」
「園部・・・さん?」
園部優花だ。優花は彩人に一人歩み寄ると、
「その・・・今言っておきたい事があるんだ」
「・・・何?」
「あの時、助けてくれてありがとう!」
「・・・、オルクスの時か。別に礼を言われるほどでもないけど?」
「…でも言いたかった。私は轟みたいに強くないし南雲みたいな凄い魔法が使えるわけでもない。でも、立ち止まることだけはしないから!轟に助けられたこの命、絶対無駄にしないから!」
決意のこもった優花の瞳から思いを感じ取った彩人は、笑みを浮かべると
「そうか。君はきっと強くなれる。俺が保証する」
「轟…」
そして彩人が乗り込むと魔動四輪はフューレンの方向へ走っていった。
優花は、清々しい表情でそれを見送った。それを見た菅原妙子と宮崎奈々がそんな優花を見てニヤニヤしているのだが・・・。
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一方彩人達は。
「「「~♪」」」
「やけに機嫌が良いようだが」
「もちろん彩人君の行動がむだじゃなかったってわかったもん」
「彩人さんの頑張りがあの人たちに伝わってるのが嬉しくて~ね?ユエさん」
「…ん。私達も誇らしい気持ち」
そんな中浮かない顔をするウィル。
「あの・・・彩人さん、本当に言わなくて良かったのですか?…愛子殿に」
「…と言っても・・・先生にはここで折れてほしくない。自分のせいでああなったと理解したら責任感の強いあの人にはキツいだろう。・・・・あの感じだと気づいてるっぽいから何も言えんが」
「彩人さん…」
「どのみちアイツに攻撃したらあの毒の餌食になっていた。耐性ある俺でも死にかけだ。先生が刺されたら・・・分かりますよね?」
「まさか、そこまで読んで・・・?」
「…正直言うと読んではいません。結果的に助かりはしましたがもしあそこで先生が折れていたら先生や俺だけじゃなく多くの人が死んでいたかもしれません」
「……(ゾクッ)」
ウィルはヤケクソでバルカン砲を撃つコーチンの姿を思い浮かべた。
「…でも、愛子はきっと大丈夫。彩人の言葉でも目は揺らいでなかった、気づいてても。だから、彩人の望んでない結果には…ならない」
「ユエ・・・ありがとな」
「…んっ」
「わ~、何このあまあま展開」
「確かに少し口の中が甘いですね」
「ユエさん・・・ずるいですぅ・・・」
ユエの言葉に少し安心する彩人。甘い雰囲気にあてられるミレディとウィル。その横で羨ましそうにするシアに、
「シアも本当にありがとう。二度も先生と・・・二回目は俺もかばってくれたよな」
「ふぇっ・・・・と、当然ですよぉ~彩人さんと彩人さんの恩師さんなんですから!!」
そこから一転、デレデレ状態のシア。
「もちろんハジメとミレディも。二人共、本当に助かった。ありがとう」
「えへへ、どういたしまして♪」
「ま、まぁ?このミレディちゃんなら余裕ですけど~?そ、そこまで言うのなら、頑張ってよかったな~と思うかな…へへ」
ハジメはもちろんミレディも嬉しそうである。
「むろんヴァルキュリア達もな、ご苦労だった」
『マスター・・・ご期待に添えられて何よりだ』
『マスターのお役に立てたのならこのイクス、至高の極みにございます』
『マスター・・・なんというもったいなきお言葉・・・』
仕えて当然という考えのヴァルキュリア達も主のお褒めの言葉にリアクションは小さくとも歓喜していた。
「・・・で、シア、お礼というか、ご褒美と言うか・・・何かしたいこと、無いか?」
「え、い、いいんですか?!」
特に頑張ったシアに言うとシアは少し考えたのち、
「あの、彩人さんとデートしたいです!」
「・・・あ、ああ、いいぞ。なんか意外だな、シアがそういうのを頼むとか」
「本当は私のハジメテを捧げたり結納をと・・・考えてましたけどそういうのは彩人さん側からのほうが燃えると思いましたので!」
「」
それを聞いてハジメとユエがサムズアップし、ウィルに至っては顔を赤くしながら彩人とシアを交互に見ている。彩人が唖然としていると、荷台と車内をつなぐ扉から、
「彩人殿、少し話があるのじゃが」
ティオが入ってきた。何処か紅い顔を扇子で隠しながら彩人の方を見ている。
清水は・・・(生存は確定)
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彩人達と一緒に行く
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愛ちゃん護衛隊に復帰
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胃薬もって迷宮組・・・