ありふれ世界のサイヤ人   作:M88星雲

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相変わらずのゴミ文です。


再会は次回です。






青海の町へ

グリューエン大砂漠を高速で飛行する存在が居る。勿論ティオである。

 

〝主様……妾は信じるぞ〟

 

減少していく黄金のオーラに動揺してしまったが主からの指令を完遂すべくアンカジを目指していた。ユエ達の援護の甲斐あってほとんど極光を受けてはいないが極光の毒素がティオの体を蝕む。

 

〝むぅ……これはちとマズイのじゃ……全く、厄介なブレスを吐きおって……致し方ない。主様よ、許してたもれ〟

 

やむを得ず〝宝物庫〟から神水を取り出して使用する。即回復とはいかずとも傷ついた体が確実に癒されていく。

アンカジの傍まで来るとアンカジの民がグリューエン大火山の異変に気付いたのか町の外に出ており攻撃されるのを避けるため迂回してから着地した。

武器や杖を所持した兵士がじりじりとティオに近づくがその兵士をかき分けるように割り込んだ一人の少女、香織である。彼女はティオが竜人族であることを知っているので竜が向かってきているという報告を聞き彩人達が帰還したと思い、慌てて出てきたのだ。

 

「ティオ! 大丈夫!?」

 

「むっ、香織か……うむ、割かし平気じゃ。ちと疲れたがの」

 

〝竜化〟を解いたティオに駆け寄り未だ毒素が残るところに治癒魔法を使うが治りが悪い。

 

「そんな……浄化が遅い……」

 

「心配するでない、もうすぐ浄化できるのじゃ」

 

焦る香織の頭を撫でて安心させるティオ。香織はティオが大丈夫であると悟るとあちこち見回した。

 

「ティオ……あの、彩人くん達は?一人なの?……火山が消滅したって……何があったの?」

 

「落ち着くのじゃ香織。全部説明する。まずは、後ろの兵達を落ち着かせて、話せる場所に案内しておくれ」

 

「あっ、うん、そうだね」

 

香織は、ビィズや駆けつけたランズィ達のもとへ戻り、事情説明をしながらティオを落ち着いて話のできる場所に案内した。

 

「・・・そっか……魔人族とその変な奴に・・・」

 

「あ、ああ…そのクウラとか言う者の攻撃で火山が消滅してしもうたのじゃ」

 

「そっかそっか・・・魔人族と言い、クウラだかクーラーだか知らないけどまた私と彩人くんの仲を裂こうとするなんて・・・」

 

「か、香織?」

 

「あ、大丈夫。恵里ちゃん程じゃないけど個人情報を集めるのは得意だからすぐに摘発して懲らしめるだけだから・・・

 

「」

 

埴輪のような顔で背後に般若の霊を発現させ両手をうねうねさせる香織に、ティオはドン引きした。

 

「そ、そういえば主様から伝言があったのう!」

 

「・・・え?」

 

「うむ。正確には香織とミュウにじゃが……〝ちょっと寄り道する〟じゃ」

 

「そっか、なら大丈夫だよね」

 

「うむ、例え傍から見れば絶望的な状況でも、主様なら普通にひょっこりと生還する。無条件にそう信じられるのじゃ……」

 

無理やり話題をそらしたことで香織の表情が穏やかになる。

その後、持ってきた〝静因石〟により治療が大幅に進んだ。ランズィ達は大いに感謝し、ティオが竜人族と知っても他言しないと誓った。

領主の娘であるアイリー(十四歳)に構われているミュウに彩人達の事を話すと泣いてしまったが戦士の娘がすぐに泣いてどうする、と言われるとミュウはほっぺを膨らませて涙をこらえた。

 

そこから2日でほぼ治療が完了し、その晩に香織はティオとミュウに提案する。

 

「今日で、私の処置が必要な患者さんはいなくなったと思う。あとは、時間をかけて安静にするか、医療院のスタッフに任せれば問題ないよ。だから……彩人くん達を探しに行こうと思うの」

 

「パパ? お迎えに行くの?」

 

「ふむ、そうじゃな。妾も、そろそろ動くべきかと思っておった」

 

「先にエリセンに行ってミュウちゃんをママさんに会わせようと思うの」

 

「ふむ、それが妥当じゃろうな……よかろう。ならば、妾の背に乗っていくがよい。エリセンまでなら、急げば一日もかからず行けるじゃろう。早朝に出れば夕方までには到着できよう」

 

話についていけないミュウにきちんと説明すると直接彩人に会えない事にしょんぼりしたがママに会いたいのもあるので一緒にパパを待つ、と言う事で決着がついた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

一方こちらは潜水艦。スーパーノヴァの爆発で押し流されたマグマもろとも海に叩きこまれた事で消滅を逃れた。とはいえ衝撃は凄まじくあちこち故障と破壊でほぼ大破寸前なのだがなんとかなった。

海底で襲い来る魔物達に対抗しようにも兵器自体はほぼ使い物にならないのでユエとミレディが必死に守った。ミレディはありったけの魔晶石、ユエはシアとハジメ、雫などから吸血してなんとか補った。

 

魔物の襲撃を乗り切ったハジメ達は比較的穏やかになった海上を進んでいる。

 

「・・・・」

 

「ミレディ、お疲れ様」

 

「ほんとそれ・・・!こんなに魔法使ったの久しぶりだよ?〝黒天窮〟使った時以来の」

 

「…ん、確かに怒涛の展開、だった」

 

海面に浮かぶ潜水艦の上で会話する功労者二人。

 

「・・・で?他の皆は?」

 

「シアと雫は寝てる。恵里と鈴も…お休み。ハジメはもうすぐ来る」

 

「あ、二人共日向ぼっこ?私もいいかな」

 

ハッチを開けてハジメが二人の横に座る。兵器を使えるのはハジメだけなので本当はこの三人が真の功労者だったりする。

 

「・・・にしてもあんまり動揺してないねキミ達ィ」

 

「え?」

 

「だってさ、彩人があんなことになってからのドッカーンだよ?もしものことが・・・あるかもしれないじゃん」

 

「…ミレディ、彩人が心配?」

 

「そりゃ・・・まぁ・・・人の生き死にを笑えるほど私は腐ってないよ・・・・」

 

「「……」」

 

ミレディはかつてライセン大渓谷の処刑人だった時があるため人の死を何度も見てきた。一度は感情を失うほどの過酷さだった。

 

「…彩人はちゃんと生きてる」

 

「別に死んだと決めたわけじゃないけど・・・。ユエちゃんは何か根拠でもあるの?」

 

「ある。…彩人の、コレがあるから」

 

ユエが両手で作った器の中に小さな光が。

 

「これは・・・・?」

 

「彩人の……気。オルクスで私にくれた。この光が消えない限り、彩人は死んでない」

 

「・・・へぇ、便利なものだね・・・」

 

「…ん、だから信じる」

 

「あ、そういえばシアも貰ってたね」

 

「あー・・・だからシアちゃんも諦めてなかったんだぁ・・・」

 

愛おしそうに光を見つめるユエを見てサウザーに投げ落とされても、火山が消滅しても諦めなかったのを思い出し気が繋いだ絆に小さな感動を覚えたミレディだった。

 

「だとしても彩人は何処にいるかまでは「分かるよ?」・・・え?」

 

「私の魔眼帯が彩人君の感応石を捉えてるからね、エリセンに向かってるよ」

 

「・・・え、いつの間に」

 

「万が一のことがあるし・・・好きな人の事は知りたいじゃん♡」

 

「…同感」

 

「」

 

ミレディは一瞬で背筋が凍った。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

時は遡り、クウラがスーパーノヴァを放った直後。潜水艦はマグマに沈み、ティオは去った。瞬間移動する間も無い。

万事休すかと思われたが、彩人の目の前に一人の人物が現れた。

 

「・・・・?あ、貴方は・・・」

 

その人物は中央の建物の前に立っていた。なぜあの人がここに居るのかは分からないが、彩人は最後の可能性にかけ、その人物のそばへ飛んだ。

 

「・・・!?」

 

すぐそばまで行くとその人物が彩人に右手を向けると目の前に白い扉のようなものが現れる。勢いあまってその扉に飛び込むと目の前に海。だが次の瞬間スーパーノヴァの爆発による影響で凄まじい水圧が彩人を襲った。辛うじてバリアで防ぐが気を使い果たし、意識が遠のいていく。

 

サイヤ人の少年よ・・・自分にできるのはここまでだ

 

「・・・どう、して・・・・・」

 

ヤモシへの借りを返しただけだ・・・君はここで死んではならない

 

「・・・・・」

 

さらばだ、サイヤ人の少年・・・人の未来が 自由な意思のもとにあらんことを 切に願う

 

その言葉を最後に彩人は意識を失った。

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