ありふれ世界のサイヤ人   作:M88星雲

88 / 90

OVAネタを少しいじったものです。

ややネタバレ注意?


思い出作りは奇跡へのいざない

バイオブロリーを撃退しティオに乗せてもらいながらエリセンへと帰還した彩人達。今回は潜水艦はバイオブロリーの攻撃の余波で破損こそしたがハジメによれば数時間で直せるそうだ。

 

エリセンに着くや否やレミア、ミュウだけでなく多くの海人族に迎えられた。どうやら"悪食"ことバイオブロリーが暴れていたためにエリセンにも影響が出ていたらしい。不審者から一転、英雄扱いされる形での帰還となりつつも次なる迷宮に向けて準備を整え次第出発する……はずだった。

 

「一体・・・どうしろと言うのだ・・・」

 

彩人は桟橋に腰掛け項垂れていた。あれから5日経ったが神代魔法の修練と装備などの準備は既に済ませた。・・・が、なんやかんやここに居続けている。

海に囲まれたエリセンでバカンス気分にはなるし、全員海産料理や海を楽しんでいた。そこまでは良かった。しかしいざ出発するかと思えど残る迷宮は【ハルツィナ樹海】以外では一つは魔人族の領土にある【シュネー雪原】の【氷結洞窟】。そしてもう一つは、何とあの【神山】なのだ。敵の本拠地に子供を連れて行くなど言語道断なのでミュウとはここで別れる手筈なのだが

 

ミュウの無言の懇願が強すぎた。

 

"真に恐ろしきは無垢なる者なり"彩人はその言葉の意味を痛いほど理解した。

ふと桟橋からミュウと海で遊ぶ乙女達を眺める。全員当然水着でありひたすら眼福ではあった。

 

「不味い・・・このままでは時間ばかりが過ぎていく・・・きちんと約束すればいいものの・・・純粋さは恐ろしい」

 

ミュウにちゃんと話せばいいとは分かっているのだが純粋な眼で決意が揺らぐのだ。この年で魔性の可能性を秘めているとは・・・・と、彩人がチート集団を海人族の強みを活かして鬼ごっこ(一方的)をしているミュウを見て対応を考えあぐねていると彩人の目前の水面から顔を出す人物、レミアだ。

 

「あ・な・た♡」

 

「その呼び方は勘弁してほしいんだが・・・?」

 

「うふふ、すみません」

 

エメラルドグリーンの長い髪を背中で一本の緩い三つ編みにしており、ライトグリーンの結構際どいビキニを身に付けている。初対面時にはやつれていたが再生魔法も重なって急速に回復し健康体を取り戻した結果、女神が降臨したかと思えるほどの魅惑の美女となった。これが一児の母なのか・・・?と思えるほどに。

彩人はレミアが近づいているのを気で感じていたが自身の股の間から顔を出す美女と言う光景には少なからず動揺している。

そんな彩人に穏やかなほほえみを浮かべたレミアは彩人を気遣うような口調で、

 

「ありがとうございます、彩人さん」

 

「・・・?いや、そこまでの事は・・・・」

 

「うふふ、娘のためにこんなにも悩んで下さるのですもの……母親としてはお礼の一つも言いたくなります」

 

「バレてたか・・・・流石は母とほめてやりたい所だァ・・・」

 

「あらあら、知らない人はいませんよ? ユエさん達もそれぞれ考えて下さっているようですし……ミュウは本当に素敵な人達と出会えましたね」

 

レミアはシアから奪った水着(上)を振り回しながら手ブラで追い駆けてくるシアから笑顔で逃げ回るミュウを肩越しに見てふふ、と笑みをこぼす。そして彩人に向き直ると今度は真剣なまなざしと口調で話す。

 

「彩人さん、もう十分です。皆さんは、十分過ぎるほどして下さいました。ですから、どうか悩まずに、すべき事のためにお進み下さい」

 

「レミア・・・」

 

「皆さんと出会って、あの子は大きく成長しました。甘えてばかりだったのに、自分より他の誰かを気遣えるようになった……あの子も分かっています。彩人さん達が行かなければならないことを……まだまだ幼いですからついつい甘えてしまいますけれど……それでも、一度も〝行かないで〟とは口にしていないでしょう? あの子も、これ以上、彩人さん達を引き止めていてはいけないと分かっているのです。だから……」

 

「・・・分かってる。俺がヘタレてただけなんだ。言わなきゃならないのにな」

 

「まぁまぁ…娘の事を分かっていたんですね。流石はパパ♡」

 

「・・・・」

 

「でしたら、ちゃんと言ってあげてくださいね」

 

「ああ」

 

いたずらっ子のような顔になったかと思えば真剣な顔になる。改めてこの親子の魔性の魅力に恐れをなす彩人。ふと気づくと彩人達をジト目で見つめる乙女達。

 

「何かいい雰囲気じゃん」

 

「…レミア、何か距離が近い。…ずるい」

 

「レミアさん…いつの間に……お世話にはなってますけど独り占めは良くないと思う」

 

「もしかしてキミ、年上好き?」

 

「ふむ…見る角度によっては主様にご奉仕しているようにも見えなくはないのう」

 

「な…っ、彩人、レミアさんは未亡人とはいえ人妻なのよ?そ、そういう事は…」

 

「N〇Rなんて許さないから…!」

 

「やっぱりおっきいほうがいいのかな……」

 

一部へんな会話が混ざったがハジメたちはレミアが彩人を再婚相手にしようとしてるのでは?と警戒し始めている。最初こそレミアの妻力の研究をしていたが何かにつけて彩人に向けるアピールがエスカレートしてきている。彩人がレミアを呼び捨てにしているのもその一つである。

しかしレミア本人が「あらあら、うふふ」と微笑むばかりで特に引いた様子は見られないためさっぱり意図が分からないのだ。

そんなレミアを牽制するかのようにハジメ達が彩人を囲み、抱き着くわしがみつくわ。上を取られたシアまでもがくっついてくるので乙女の肉塊に呑まれる彩人。彼のムスコがアップを始めそうになり彩人は焦るが

 

「パパ、これ、あげるの!」

 

「・・・え?」

 

レミアと彩人の間から浮上したミュウがシアの水着を彩人の頭に乗せた。どうやらプレゼントのようだ。

 

「ミ、ミュウちゃん!? なぜ、こんな事を……はっ!? まさか……彩人さんに頼まれて? も、もうっ! 彩人さんたら、私の水着が気になるなら、そう言ってくれれば……いくらでも……」

 

「彩人君!私のもあげる!!」

 

「……彩人、私のもあげる」

 

「わ、私だって! 彩人くんが欲しいなら……あ、でもここで脱ぐのは恥ずかしいから……あとで部屋で、ね?」

 

「ふふ…なら私も。あ、でもこれ上下一体だから裸になっちゃうな~」

 

「あ、主様…そういう趣味なのかの?な、ならば妾も…」

 

「そ、そんな破廉恥な…で、でも彩人が欲しいなら…ってダメよ!?」

 

「さ、彩人が欲しいなら…あ、あげる!」

 

「あらあら、じゃあ、私も……上と下どちらがいいですか? それとも両方?」

 

「引くわ~~~wwww」

 

「・・・・」

 

四方から自分の頭に水着を献上される男、彩人。それを見た男たちが"規格外の戦士は性癖も規格外"であることを広めようとしたが突如出現した岩壁に全員が叩きつけられ、記憶を失った。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

その日の夜に出発することをミュウに伝えた。するとミュウは泣くのを必死にこらえながら彩人を見つめて言った。

 

「……もう、会えないの?」

 

「そんなことは無いぞ」

 

「……パパは、ずっとミュウのパパでいてくれる?」

 

「ミュウがそれでいいなら俺はそうするさ」

 

彩人がそう言うとミュウは溜まった涙をぬぐい、無理やり笑みを浮かべた。

 

「なら、いってらっしゃいするの。それで、今度は、ミュウがパパを迎えに行くの」

 

「大丈夫だミュウ。全て終わったらすぐに来る。俺には瞬間移動があるからな、必ず帰ってくる」

 

「……ホント?」

 

「ああ、本当だ」

 

眼を輝かせるミュウの頭を彩人は優しく撫でた。

 

「そうだ、どうせなら俺の故郷に行くか?こことは全くの別世界だが」

 

「パパの生まれた所…、行きたいの!」

 

嬉しそうに飛び跳ねるミュウを尻目に周りの乙女達にテレパシーで自分の都合で決めた事を謝罪する彩人だが、誰一人として異を唱える者は居なかった。続いてレミアにも目配せすると"お気になさらないでください"と言いたげなまなざしで彼女は返した。

 

「パパ、ママも? ママも一緒?」

 

「あ~、それは・・・レミア?」

 

「はい、何ですか、あなた? もちろん、私だけ仲間はずれなんて言いませんよね?」

 

「こことは環境がまるで違うんだが・・・いいのか?」

 

「あらあら。娘と旦那様が行く場所に、付いていかないわけないじゃないですか。うふふ」

 

「誰が旦那様ですか!」

 

「…いい度胸だね……フフフ」

 

レミアの発言でひと悶着あったが伝えることが出来た。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

本来なら翌日に出発するのだが、即バイバイというのもアレなので、レミアからエリセンの近海にある"きらめく海"の噂を聞いた。

彼女の話によれば海のどこかに輝きと共に現れる存在が居てその存在に会った者の願いをかなえるというもの。

全員がそれに興味を示しせっかくなので全員でその存在を確かめようかという話になった。

当然ミュウは大喜びし、レミアも誘って彼女も同行することになったが、

 

「うふふ、初めての家族旅行ですね、あ・な・た♡」

 

この一言で和やかな空気が乱れた。




以降、OVA+オリ展開注意・・・。

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