ガールズ&パンツァー 鋼鉄の乙女と海の漢達  〜碧き海の世界の物語〜   作:短号司令官

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今回はいつもより早めに投稿できました。一気に割愛しています。どうぞ!


第4話 一撃轟沈 です!

これまでのあらすじ

 

昭和17年 4月18日 ブーゲンビル島上空で戦死した山本五十六は現世に転生。高野五十六として陸軍の大高弥三郎中将、そして自らが指揮する紺碧会、青風会と共にクーデターを決行し前世と同じ悲劇を繰り返さんが為に再び太平洋戦争に挑む。ところが前世の未来から転移してきた大洗女子学園 知波単学園両校の出現に戸惑いつつも、これまでにパナマ運河の破壊や復活した新米機動艦隊をも打ち破ってきた。

"Ishall return"の言葉を残し、豪州へと脱出したルイス・マッカーサー将軍であったが日本海軍の豪州封鎖作戦の前にその企図は阻まれ、日豪講和の流れる中流石の名将にも焦りの色が濃かった。

これらの勝利の陰には紺碧の艦隊と呼ばれる一群の巨大潜水艦隊が存在があった。彼らの活躍により豪州にいたフレッチャー艦隊は全滅、これにより豪州及び太平洋に残る米海軍はモルガン艦隊のみとなった。

 

 

 

1942年 12月 ポートモレスビー

 

米軍 指揮所

 

「メリークリスマス 閣下」

 

マッカーサー「メリークリスマス、ウィロン。まぁかけたまえ」

 

応接用のソファに座った。

 

マッカーサー「南半球の雪のないクリスマスはなんとも味気ないな…そうは思わんかね?ウィロン」

 

「はっ…はぁ…」

 

彼の口調は弱かった。

 

マッカーサー「…ウィロン、その様子だとモルガンはやはりいい返事をくれなかったようだな」

 

パイプに火をつけながらそう聞いた。

 

「何度も居留守を使われ、提督の御返事は…参謀総長の命令なら兎も角、一戦域司令官の言い分を聞いて大事な艦隊を危険に晒す訳にはいかぬ…とのことです…」

 

マッカーサー「…彼奴め」

 

「閣下、オーストラリアは内閣を総辞職するかもしれません」

 

マッカーサー「なんだと!?」

 

「敵の海上封鎖が徐々に功を奏し、対日講和やむなしの意見が議会の半数を占めております」

 

マッカーサー「うーむ」

 

陸軍と海軍の対立は前世の日本だけの話ではない。フィリピン奪還を狙う陸軍のマッカーサー将軍と太平洋の主役を任ずるモルガン提督率いる第7艦隊はその意見の悉くを対立させていた。

 

 

 

 

 

照和十七年 師走 東京

 

開戦から一年 米英蘭に対して日本陸海軍は各戦場において連戦連勝。

日本国民に戦争の陰は未だ深刻なものにはなってなかった………が……

 

 

首相官邸

 

大高「今年も暮れますな」

 

高野「今年も一年色々ありましたなぁ。私は兎も角、総理は政務の他にも陸軍大臣も兼務されておられる!くれぐれも健康には気をつけていただきたい」

 

大高「それは総長、貴方もですぞ」

 

高野「恐れ入ります。ところで日豪講和交渉はいかがなものです?」

 

大高「…まだ交渉のテーブルに着くという段階には至っておりません。しかし私の考えですが、兎に角豪州への上陸は出来れば避けたい。豪州を軍火で踏み躙ればどんな理由であれ侵略になる」

 

高野「となると、やはり問題はシドニーに立て篭もるモルガン艦隊でありますか」

 

大高「豪州の講和反対派の拠り所がモルガン艦隊ですからな」

 

高野「従ってこれを撃滅すれば講和推進に利するところ大」

 

大高「…と言えますな」

 

高野「しかしモルガン提督は非常に用心深い性格なようで巣穴から引っ張り出すには知恵がいりそうですな」

 

大高「はははw私の見るところこの戦争は長引きます。仮にナチスが破れたならば、ソ連の参戦があるでしょう。そうなれば最悪の事態が予想される」

 

高野「さらに恐るべきは例のマンハッタン計画です」

 

大高「いずれにしても、日本が勝つことはあり得ない戦争です」

 

高野「負けるための戦い……いや、より良い負けを得る為の戦い!全く難しいものだ…」

 

大高「はい…」

 

 

両雄の心内とは別に照和十七年の年の瀬は格段の変化を見せることなく平穏に暮れようとしていた。

 

 

 

 

照和十八年 元旦 紺碧島

 

 

 

品川「きをーつけー!りょうーはいー!」

 

元旦、紺碧島では新年の初日の出を皆が見ていた。その中に今年はあんこうチームもいた。

 

品川「なおれー!」

 

 

前原「諸君新年おめでとう」

 

一同「おめでとうございます」

 

前原「照和一八年の新年にあたり一言挨拶を述べる。我々は無名戦士である。何故無名戦士であるかー……‥」

 

前原一征司令官は新年の初頭にあたり、無名戦士たる紺碧艦隊隊員の労を労い改めて秘匿艦隊の意義を説いた。

 

前原「我が艦隊の行動が太平洋の戦局を大きく左右すると言っても過言ではない。我々がどれだけ戦っているかは我々が一番よく知っている」

 

そしてまた厳しさを増す戦況を語り、対応する戦略をあますところ無く話した。全ては戦う同志への心遣いである。

 

前原「諸君ささやかではあるが、酒も雑煮も用意した。正月三ヶ日はゆっくり休んで英気を養ってくれ!」

 

一同「おぉーーーー!」

 

 

 

 

 

宴会場

 

大竹「閣下〜近頃我々の出番が少ないのは何故ですか?我々紺碧艦隊が他の艦隊と一閃を隠すのは、我々航空隊をその腹に抱えているからであって…」

 

酒に酔った大竹大尉が前原にこんなことを聞いてきた。

 

前原「あぁ待て待て、みなまで言うな。正月の末が取れれば作戦東が発動される。この作戦には航空隊の働きが必要不可欠だ。存分に働いてもらうぞ!」

 

大竹「はっはははwそれを聞いて安心しました。腕がなります!」

 

「閣下!かねてよりの海底運河の掘削工事も後二週間ほどで完了します!

これが終われば海洋湖と海面の高さが等しくなり、運河を使わずとも荷の積み下ろしが楽になります!」

 

前原「ほぉ!随分と早いじゃないか!」

 

「工事が終了次第、島に火力発電所を作ります!さすれば紺碧島は小さいながらも海運交渉をもつこととなり…」

 

前原「おいおい、火力発電とは言うが煙を出すのは危険ではないのか?」

 

優花里「確かに万が一敵の偵察機に見つかったらどうしようもないかと…」

 

「ご心配無く!島の東側に立坑を掘りそこから紺碧富士に繋ぎそこから煙を出せば火山の噴火に見えるに違いありません!」

 

入江「なるほど!」

 

みほ「それだったら見つかっても不審には思われませんね!」

 

大竹「紺碧富士、刺激され本当に爆発するかもしれん!ドカーンと!」

 

どっと笑いが起きる。

 

前原「いやそうかもな、今年も我々紺碧艦隊はより一層爆発せねばならん!諸君盃を上げてくれ!乾杯!」

 

    「「乾杯!!」」

 

僅かに過ごした正月三ヶ日は瞬く間に過ぎていった。

 

東作戦発動と同時にイ501潜がタスマン海域偵察に出たのはまだ末の取れぬ1月6日のことであった。

 

作戦の要旨はタスマン海の制海空権の完全奪取にあった。

紺碧艦隊作戦部も既にその準備に忙殺されていた。

 

 

前原「モルガン提督は艦隊を動かす際は潜水艦を警戒して必ず航空勢力の支援を要請すると言う。なかなか細心だ一筋縄ではいかないぞ。それにここのところ味方潜水艦の損失が相次いでいるが、どうも敵も優秀なレーダーを開発配備しているようだ」

 

優花里「そのようですね」

 

「それにサモアを取ってモルガン艦隊を誘きだすという我々の計画にもにもとうとうのってきませんでしたね」

 

前原「我々の存在が抑止力として効果を発揮しているのだろう」

 

「ところで軍令部ではハワイの高杉艦隊を使ってFN作戦を行うようですが」

 

前原「おぉ?」

 

F()N()()()?なんだそれは?」

 

「知らないのか?軍令部ではもっぱらの噂だぞ」

 

前原「はははw軍令部の連中も口が軽いなw」

 

みほ「前原さん、FN作戦ってなんなんですか?」

 

前原「うん?うむF()()ィジー、N()()ューカレドニアを表す。つまりこの方面へ攻撃をすると見せかけて…裏にもう一枚モルガン艦隊を引き摺り出すという真の目的がFN作戦だ」

 

優花里「そういえば西殿に聞いた話によると高杉殿が高野殿に“また俺の艦隊を囮に使うのか!”と仰っていたそうです」

 

前原「ふははw気持ちは分かるな。ところでFN作戦だが進んでいそうだったか?」

 

「はっ2月早々には実施されるようかと」

 

みほ「2月?2月ってたしか…」

 

前原「どうかしたのかみほ?」

 

優花里「あっ!たしか学園艦の定期点検と調査がありました!そのとき学園が2〜3週間ほど休校になるのでもしかしたら私たちもこの作戦に参加できるかもしれません!」

 

前原「ほぉそうか!」

 

「それはそうと我々も準備を急ぎませんと!」

 

前原「そうだな」(高野総長に文句をつけるとは高杉司令もなかなかの役者だ)

 

 

実はFN作戦にはもう一つの目的があった。つまりクリスマス島航空基地の攻撃である!だが…前世での日本海軍の作戦はそのことごとくが情報漏れのために裏をかかれた。高杉中将はそれを恐れて、一芝居打った訳である。

 

前原「ここは一つ、サモアの九鬼兵団の力を借りねばならんな。みほ達を送るついでに頭を下げに行くか」

 

 

九鬼兵団とは、後世日本海軍がアメリカ海兵隊を元に作った海兵師団である。その中に特務陸戦隊という精鋭部隊がおり、敵地に密かに侵入し島嶼の場合その島の地理を熟知、敵基地の破壊工作や隠蔽工作などを担う部隊である。そこの司令の九鬼司令が我らが前原司令の士官時代の友人であり彼もまた紺碧会の一員であった。

 

ともあれ前原司令はあんこうチームを一旦本土へと送る道中でサモアに向かうべく出撃した。

 

 

 

それからしばらく

 

照和十八年 1月20日紺碧艦隊は秘計を胸に紺碧島を出撃する。向かう先はタスマン海 到着予定日は2月1日であった。

 

紺碧艦隊の出撃に遅れること10日余り、高杉艦隊はハワイを出撃 FN作戦に乗っ取り一路フィジーへと向かう。

 

高杉艦隊出撃の報を受けた合衆国統合作戦本部はこれまでの作戦から真に意図する日本側の狙いはモルガン艦隊殲滅にあると確信していたが…

 

対する意見は四郡支部五裂に紛糾していた。

 

 

統合作戦本部

 

「モルガン艦隊を動かせんなど海軍は孤立しているマッカーサー軍を餓死に追いやるのか!?そんなことをすれば国民が黙ってはおらんぞ!」

 

「決してそんなつもりはない!ただX艦隊が待ち構えているかもしれない海域にモルガン艦隊を出撃させるとどうなる!?陸軍は責任を取れるのか?!」

 

「日本軍による西部海岸上陸作戦があった場合第三艦隊だけではこれを阻止するのは無理だ!」

 

「その時はその時だ」

 

「貴方はこの神聖な国土を奴らに踏み躙られてもいいと仰るのですか!?」

 

「そんなことは言っていない!ただ奴らにそれだけの力があるとは思えんと言っているのだ!」

 

「我々が戦っているのは極東の日本だけではない!ヨーロッパにはナチがいる!」

 

「その通りだ!敵の脅威を背腹にうけておるこの状況をしかと認識せねばならん!」

 

意見が対立し長時間の会議に疲れが見え始めた頃…

 

「そもそもの原因は大統領にあるようですな。ナチどもとだけ戦えばいいものをわざわざ日本を挑発し戦争へと引き摺り込んだのですから」

 

「その通りだ」

 

「確かに大統領にも責任の一端はある」

 

「一端ではない!全てと言って良い!」

 

「大統領の責任は免れんでしょうな!」

 

「大統領の意見も聞いてみたいものだ」

 

「そうだ次期諮問会議で話そうではないか!」

 

思わぬ方向に進む会議に大統領補佐官ヒルズは困惑し会議を明日に持ち越すことを提案した。

 

その足で深夜にも関わらずホワイトハウスを訪れた。

 

 

ホワイトハウス

 

「問題なのはやはり姿なき海中の艦隊です!」

 

ルーズベルト「またX艦隊か…」

 

「はい奴らが太平洋を跳梁する限り我々は手も足も出ません」

 

ルーズベルト「なんとしてもX艦隊を撃滅するのだ!」

 

「しかし閣下…」

 

ルーズベルト「このままX艦隊の跳梁を許せば我が国は東西両側からファシストに挟まれことになる!」

 

「閣下ヒトラーは兎も角、日本はファシストではないかと……」

 

ルーズベルト「ヒルズ君、君はこの大統領に向かって異議を唱えるのかね?」

 

「いっいえ!そんなつもりはありません!」

 

ルーズベルト「君も知っての通り、ナチ共も我々を上回る新兵器で圧倒してるようだな」

 

「ジェット推進で飛ぶ新型メッサーシュミットを開発配備し、連合国空軍に大打撃を与えております」

 

ルーズベルト「このままでは友邦国英国が灰燼に喫すかもしれん!」

 

「それどころかこの夏までに占領されかねません…」

 

ルーズベルト「ヒルズ君あと一年だ」

 

「はぁ?」

 

ルーズベルト「あと一年耐え抜けば我々のマンハッタン計画は完了する。そうすれば形勢は一気に逆転する!そのときこそ日本人共の頭の上に太陽を降らせてやる!ふふふはははwww」

 

「しっしかし閣下、日本もナチスも原爆を開発しているとの情報が入っておりますが!…また戦略情報局のレポートによりますとナチスは飛行距離16,000kmを誇る超音速爆撃機ファルテンXー8と呼ばれるものを開発しているとのことが、これが完成しますと大西洋往復飛行も可能となり我が本土も原爆攻撃に晒されます!日本でも超重爆撃機Zなるものを開発中とのことです」

 

ルーズベルト「……どうやら我々はナチスと日本の科学力をみくびり過ぎていたようだ」

 

「はい…我々は容易ならざる敵を戦争へと引き摺り込んでしまいました」

 

ルーズベルト「ヒルズ君、ひょっとすると私はこの国最後の大統領になってしまうかもしれん…」

 

「どういう意味でしょうか!?」

 

ルーズベルト「連中と我々が人類未曾有の大量破壊兵器を開発し互いに応酬しあったとしたまえ、全世界がこの地球そのものが滅ぼされかもしれんのだ!」

 

一旦動き出した戦争というメカニズムは止まるところを知らない。

己の意図に反し、世界を滅ぼすかもしれないボタンを押してしまったと気づいた瞬間ルーズベルトは言い知れぬ恐怖に襲われていた。

 

ルーズベルトが驚愕して立ち尽くしていると

 

「大統領、大統領閣下!

 

     フライングデビル

 

の使用許可をいただけないでしょうか?」

 

ルーズベルト「それはできぬ!Bー32はデビル計画の為のものだ!」

 

「そこを曲げてお願いします!X艦隊の正体が掴めぬ現在、高杉艦隊に対する防御法は他にありません!」

 

ルーズベルト「うーむ…」

 

「対日講和の起案は統合作戦本部にも出始めております!将軍達を宥めるにはBー32の投入しかありません!……閣下!」

 

ルーズベルト「…そうかやむを得んだろう」

 

「ありがとうございます!大統領閣下!必ず勝利してみせます!」

 

 

あらゆる犠牲を払ってでも太平洋地域の戦闘を最低1年耐える。これが選挙を控えた米大統領の最高判断であった。

 

ヒルズが持ち帰った案により急遽作戦は練り直され翌日午後には最新鋭超戦略爆撃機 Bー32 フライングデビルが本土からブリスベーンに向けて飛び立つ。

空飛ぶ悪魔は途中タヒチで給油を行ったが、これを偶然にもタヒチ島近海沖に潜入していたイ201潜が目撃する!

この情報は直ちに暗号に組み替えられ、打電された。

 

  ー巨大ナル六発機・八十ヲ確認 たひちヨリ西方へ向フ……ー

 

日本側は直ちに仙空十数機を飛ばし索敵に当たらせる。

幸運にもこのうちの一機が高度一万二千mの高高度を飛ぶ大編隊を電探で捉える。

 

  ーワレ新型超重爆撃ヲ発見、巡行速力375(ノット)ト推定サル、ワレ追尾不能ー

 

情報は太平洋を南下中の高杉艦隊へそしてタスマン海へ向かう紺碧艦隊、ティモール司令部へと伝達され高野五十六も即日この情報に接する。

 

 

海軍省

 

高野「敵は我々の潜水艦決戦思想に対して、戦略空軍決戦思想という新たな基軸をより一層鮮明に打ち出してきました」

 

大高に電話越しに話していた。

 

大高『そのようですな、我々が最も警戒していた戦略です。まるで平面の碁盤で戦う碁が突然三次元になったようなものです。敵が工業力にものを合わせて何千機もの超超重爆撃を投入してきたら防ぎようがありません!してその機の推定航続距離は?』

 

高野「タヒチから豪州東部間を一気に飛ぶとすると…推定6,000km以上でしょう。ヨーク半島から帝都までとどく距離です」

 

大高『富士計画が一歩遅れてしまいましたな』

 

高野「いえ仮に間に合ったとしてもこちらは手作り、向こうは大量生産。この戦はことの始まりは大量消耗戦ですからどの道勝てません」

 

大高『高野さん兎に角東作戦は中止するべきではないのでしょうか?』

 

高野「総理、高高度を飛ぶ戦略爆撃機では海上を高速で進む戦艦に爆撃しても効果がありません」

 

大高『もちろんそのつもりです。ですが…どうも嫌な予感がするのです』

 

高野「…わかりました。高杉君には独自に判断するように伝えます」

 

高野からの連絡は直ちに高杉艦隊伝えられた。

 

高杉艦隊 比叡

 

「長官、如何致しましょう?」

 

高杉「作戦は続行する。地上施設ならいざ知らず、戦略空軍だ高高度からの爆弾投下は我が艦隊への命中は至難の業だ」

 

西「ですが、雷装ということも考えられるのでは?」

 

高杉「大丈夫だ西。雷装にしてもわざわざ超爆撃機に装備するとは考えられん、そう神経質になる必要はない」

 

高杉の判断で作戦は続行された。そして……

 

 

紺碧艦隊独自の作戦も…

 

ニューカレドニア 北方沖合

 

ここに一つの小型艇があった。

 

「右舷三番管設置完了!」

 

「一番管投下!」

 

九鬼(前原の奴め、全く人使いの荒い奴だ。だがこの作戦掛かれば面白い)

 

「九鬼師団長 海底魚雷敷設完了しました!」

 

九鬼「よし!長いは無用だ。引き上げるぞ!」

 

「はっ!全速前進!」

 

 

 

 

豪州 シドニー港

 

モルガン艦隊 旗艦 ネブラスカ

 

モルガン「共和党支持者のこのわしが何故大統領再選のために命を張らねばいかんのだ?!」

 

「しかし提督!Bー32フライングデビルを投入するこの作戦はうまくいけば、一撃で敵艦隊の全滅が可能であります!」

 

モルガン「貴様に言われんでもそのくらいのことは分かってるわい!」

 

「はっ」

 

モルガン「……何をモタモタしておる!出撃の準備を急がせろ!」

 

「はっ!」

 

マッカーサーの出撃要請を蹴り続けたモルガンであったが、本国の統合作戦本部の命令には逆らえない。

不承不承の出撃ではあったが、実際のところはBー32フライングデビルの投入に期待するところ大であった。モルガン艦隊はこうしてシドニー港から出撃した。

 

 

モルガン艦隊はX艦隊を恐れ、陸上方からの入れ替わり立ち替わりの支援機の護衛のもと大陸東部沿岸部に沿って北上した。

 

モルガン艦隊の厳重な対潜警戒網に罹り、いくつかの伊号潜が血祭りに挙げられた。偵察の飛行艇にも少なからず被害が出た。

 

モルガン艦隊のX艦隊に対する警戒は尋常ではなくニューカレドニアのヨーメアに着くまで四日半も有していた。

 

「敵機動部隊はその進路度々変えながらもフェニックス諸島の南まで進出しております」

 

「敵の第一目標がフィジーであることはまず間違い無いでしょう」

 

モルガン「ふふふw」(うまくいけば敵の裏をかけるぞ!)

 

モルガンは高杉艦隊の南進速度を考慮し、2月7日ニューカレドニア北のリフー島沖まで進出、ここで艦隊を待機させた。

モルガンがここを選んだのはリフー島を真ん中にムベやマレの三島がニューカレドニア島との間に幅150km程の水道を作り、対潜警戒がしやすいことと陸上からの航空機の支援を活かせるからである。が………

 

これをイ701潜の星電改が発見する。

 

 

 

イ601

 

「M艦隊発見!位置はリフー島との間にある水道で仮停泊中」

 

前原「今のところ読み通りだな」

 

入江「はっ浮上する!」

 

「ヨーソロ」

 

各艦は浮上して攻撃機を発進させまた何処かへ向かう。

 

 

 

 

 

リフー島 水道 モルガン艦隊

 

モルガン「何!?敵艦隊を見失っただと?!どういうことだ一体!」

 

「はっそれが…」

 

最初は高杉艦隊の目的地を欺く為の作戦かと思われたが……

 

「報告します。敵機動部隊は進路を北北東へ転舵、そのままの進路をとり尚も航行中とのことです!」

 

モルガン「なんだと…!通信長!南東太平洋司令コームレー提督宛に電文!」

 

  ー戦況ノ変化ニ鑑ミ、本作戦ヲ中止シ、コレヨリ母港へ帰投スー

 

モルガン艦隊は直ちに撤収の準備に取り掛かった。

 

モルガンの用心深さは軍人としては一つの美質であった、だがそれが彼自身の足下を掬う結果になる。

 

 

 

 

 

とある地点の海上

 

ここに何処からか現れた水攻 緑電改、紫式水上戦闘機、そして紺碧艦隊最新鋭艦イ1000型支援潜水艦がいた。

 

紺碧艦隊司令官 前原司令の周到な計画がモルガンを網にかけるべく、

輪を絞りつつあった。

 

 

 

イ601

 

「富嶽一番からの通信です!」

 

入江「よし!」

 

前原「艦長作戦開始だ!」

 

入江「G7発動!」

 

G7魚雷が発射され海上で気泡を発生させる。

 

モルガン艦隊はこれを発見する。

敵潜がいると見たモルガンは駆逐艦による爆雷攻撃を行ったが

無論そんなところに紺碧艦隊がいるはずもなくただただ爆雷を無駄に消費していった。

だがいきなり駆逐艦群を謎の雷撃が襲った!それは先に九鬼師団が敷設した海底魚雷であった。

カバー部分は音響探知式で爆雷音で起動、魚雷は磁気探知で駆逐艦へ向かって航行し命中した。それは無論旗艦ネブラスカも襲った。

 

激しい揺れと共に爆発音が聞こえた。

 

「右舷後方に命中!」

 

モルガン(どうしてだ!?念には念を入れた対潜監視網をX艦隊はどうやって突破したのだ!?何故だ?!)

 

だがそれからしばらくして雷撃はピタリと止んだ。海底魚雷が全て発射し切ったからだ。

 

夜が明け被害の陣容が次々に入ってくる。

 

「駆逐艦ギャリー轟沈!重巡ナホバ大破!軽巡オハラ航行不能!」

 

モルガン(雷撃はX艦隊ではなかった…では今のは一体?!)

 

謎の雷撃の正体も掴めぬまま、モルガン艦隊に二の矢が襲いかかる!

 

 

「敵機来襲!一時の方向!」

 

朝日を背に、紺碧艦隊の攻撃機隊が現れた。

 

宮城「電探に敵支援機の反応なし!」

 

大竹「まだまだ残ってたか、突っ込むぞ!」

 

雷洋を先頭にモルガン艦隊に襲いかかる!

艦隊も対空迎撃を開始するも、一弾も当たらなかった。

春嵐は爆撃で空母の甲板、戦艦の銃座砲塔を使えなくしていき雷洋はそれぞれ雷撃を加える。

 

大竹「獲物はでかい方がいい!」

 

大竹大尉の乗る富嶽一番がネブラスカに襲いかかる。

魚雷をギリギリのところで投下、艦首の鼻先を掠める形で離脱した。

ネブラスカは面舵でどうにか魚雷を躱そうとするも後部に被弾する。

 

大竹「やったぞ!」

 

宮城「電探に敵探知!」

 

警報音と共に宮城兵曹が知らせる。

 

大竹「来たか!」

 

宮城「正面に敵、機数15!」

 

大竹「やっとお出ましか!こちら富嶽一番!全機トンズラだ!」

 

すぐさま攻撃隊は戦場を離脱する。

 

 

モルガン「くそ!逃すな追え!」

 

だが三の矢がモルガン艦隊を襲う!

 

「!?なんだこれは?!レーダーに敵影!一時の方向、敵機大編隊で来襲!」

 

モルガン「何ぃ!?敵の大編隊だと!?そんなバカなことがあるか、よく確かめろ!」

 

「間違いありません…程なく目視にて確認できます!」

 

モルガン「そんなバカな!!」

 

モルガンはその方向に双眼鏡をやると逃走する敵機の前方から何かが迫っていた。

 

宮城「紫式と緑電改です!」

 

大竹「やっと来たか!あとは任せたぞ!」

 

攻撃隊と入れ替わるように紫式と緑電改の大編隊が登場する。

 

《紫式戦闘隊は援護に廻る!》

 

《緑電改は攻撃体制に入れ!》

 

紫式戦闘機隊は敵機との交戦に入った。敵はたったの15機だほぼ敵ではない。

 

緑電改は高度を下げて雷撃コースに入る。

 

モルガンはこの状況を信じられずにいた。

 

モルガン(あり得ない、絶対にあり得ない!敵機動部隊は遥か北東だ!どこから飛んでこられるというのだ!?)

 

そんなモルガンをよそに緑電改は次々と魚雷を投下していく。

 

モルガンが信じられないのも道理、この紫式水上戦闘機隊と緑電改の大編隊はヤルート島の環礁基地を発進し途中イ1000型補給潜水艦からの補給を受けて到達し得たのである。

この給油システムが実施されたのは今作戦が初めてである。

 

艦橋の真横を緑電改が通過していく。

 

「提督!提督ご指示を!」

 

モルガン「だっ…脱出だ!一刻も早くこの魔の水道から早く脱出するんだ!」

 

ネブラスカはどうにか魚雷をかわしながら水道からの脱出を図るが……出口付近では()()が待ち構えていた。

 

 

 

イ601

 

「スクリュー音接近!敵艦隊が水道脱出を図って迫ってきています」

 

前原「よし!留めを刺すぞ艦長!」

 

優花里「一気にやっちゃいましょう!」

 

入江「はっ!敵艦隊を邀撃する!潜望鏡深度まで浮上!」

 

潜望鏡で敵艦隊の位置を確認する。

 

みほ「水道から出てきます!」

 

前原「艦長!」

 

入江「魚雷全門発射用意!」

 

『いつでもどうぞ!』

 

入江「射角18 線状に発射」

 

みほ「前原さん、発射のタイミングと合図任せてもらっていいですか?」

 

前原「…!?本気か?!」

 

みほ「お願いします」

 

前原「…分かった」

 

みほは潜望鏡で敵艦の位置を捕捉し…

 

みほ「今です!」

 

前原「発射!」

 

入江「ぅてぇーーー!」

 

8×5合計四十発の魚雷がモルガン艦隊に殺到する!

艦隊は次々に水柱を上げていく。その上空を攻撃を終了した緑電改が通過していく。艦は真っ二つに折れて轟沈した艦、そのまま沈んだ艦もあり、モルガンは自分の敗れた真の理由もわからぬままネブラスカと共に海の藻屑と化した。

 

 

 

イ601

 

「爆発音収まります…スクリュー音無し!」

 

前原「…終わったな」

 

入江「はい」

 

前原はみほの肩に手を置いた。

 

みほ「前原さん…」

 

前原「良くやったなみほ」

 

みほ「!!…はい!」

 

品川「司令、我々は今後も豪州封鎖を続けるのでありますか?」

 

前原「いや、もはや豪州は丸腰の状態だ。通商破壊作戦はロ型潜でもできる。次なる紺碧艦隊の任務は…もっと厳しいものとなるだろう」

 

戦況の変転に合わせそう遠くない将来太平洋のみならず、大西洋にも作戦圏が広がることを前原は予感していた。

 

 

前原「艦長進路を北へ!」

 

入江「進路を0に!」

 

「進路0ヨーソロ!」

 

 

だがそんな前原にもようできない危機が高杉艦隊へと迫っていた。

 

      B-32 フライングデビル

 

空飛ぶ悪魔が必殺の作戦を抱き、米領ライン諸島クリスマス島を目指していた!

そして、その空飛ぶ悪魔が狙う獲物高杉艦隊はクリスマス島を目前にしていた!危うし!高杉艦隊!

 

 

 

次回へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

大洗女子学園 戦車倉庫

 

 

あんこうチームはこの日はⅣ号戦車のところでお昼を食べていた。

 

沙織「あ〜あいい加減彼氏欲しいなぁ〜」

 

麻子「また言ってる」

 

沙織「何呑気なこと言ってんの麻子!私達の高校生活今年で終わっちゃうんだよ!今の内に彼氏つくっとかないといい思い出できないよ!」

 

華「確かに今年で終わりですか…なんか少し寂しいですね」

 

優花里「そうですね、それにこの世界に来てから一年ということでもありますからね」

 

みほ「早かったなぁ、いろんな人にも会ったね。前原さんに入江さん、品川さんそれに紺碧島の人たち…みんないい人たちだったなぁ」

 

華「そういえば沙織さんは海軍の人で彼氏を作ろうととは思わないんですか?」

 

沙織「う〜んなんって言うかあの人たちはちょっと歳が上なんだよね。私が付き合いたいのは同年代の男の人だからさぁあの人たちはちょっと難しいんだよねぇ軍人だし」

 

優花里「確かに武部殿の言う通りですね」

 

沙織「みぽりんもそう思うでしょ!」

 

みほ「ふぇ?!…えっとその…」

 

するとみほの目線を晒した。

 

沙織「??」

 

麻子「どうした?」

 

華「みほさん?」

 

優花里「西住殿?」

 

みほ「じっ実は……その………好きな人ができたんです」

 

四人「「「「えっ…えぇぇぇぇぇ!?」

 

四人は驚きの余り大声を上げた

 

沙織「ちょっ…どどどどういことみぽりん!?」

 

華「まさかみほさんに好きな人ができるなんて…」

 

みほ「そっそのまんまです。好きな人ができたんです、まだ告白していないんですけど…」

 

優花里「西住殿、その人も西住殿のことを好いていらっしゃるんですか!?」

 

みほ「その人がどう思っているかはわかんないかな…」

 

沙織「ぐぬぬ悔しいけどすごいよみぽりん!それでこの艦の人!?」

 

みほは首を横に振った。

 

優花里「えっ?ということはこの世界の人ということですか?」

 

みほ「…はい」

 

沙織「えっ?!」

 

華「となると私達もあっているということになりますね。私達のハワイ以外は降りていませんし」

 

麻子「となると……」

 

四人は頭を捻らせて考える

 

優花里「あっ!!」

 

沙織「どうしたのゆかりん?」

 

優花里「もしかしたらこの人かもしれません!西住殿!」

 

みほ「ふぇ?!」

 

優花里「西住殿の好いていらっしゃる方はズバリ!

 

       前原一征殿

 

ですか!?」

 

沙織「えっ…」

 

麻子「まさか…」

 

みほ「………はっはい」

 

沙織「うそぉぉぉぉ?!」

 

華「前原さんなんですか!」

 

麻子「なんで好きになったんだ?」

 

みほ「えっとその前原さんはね、優しくてとてもいい人でね前に私の黒森峰にいた頃の話をしたのそしたら慰めてくれたんだ。それに目も青くてかっこいいしなんていうかあの人目は海みたいで綺麗なんだ。性格も穏やかであの人といると安心するっていうかなんだろ、心地いいって言ったらいいのかな?だから私もいつかあんな大人になれたらなって思ってたら好きになっちゃった」

 

優花里「なるほど…」

 

華「そういえばパナマ運河の作戦に同行した際には同じ部屋で過ごしていらっしゃいましたね」

 

沙織「前原さんってのは驚きだけど、告白するの?」

 

みほ「できればしたいなぁとは思ってるけど…前原さん達といつでも会えるわけじゃないから…」

 

麻子「確かにそうだな」

 

沙織「それでも応援するよ!みぽりん絶対告白してね!」

 

みほ「うん!」

 

すると優花里がいきなり立ち上がってこう大声で言った。

 

優花里「前原殿ー!西住殿を不幸にしたら承知しませんからねー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紺碧島

 

前原「ぶぇっくし!」

 

入江「おや?司令風邪ですか?」

 

前原「いやただのくしゃみだ」

 

品川「ははぁさては総長か誰かが司令の噂をしているのでは?」

 

入江「それはあるな」

 

前原「いやおそらくみほ達だな。俺の勘がそう言ってる」

 

品川「本当ですか?」

 

前原「多分な。はははw」

 

 

 

こうしてまた静かに1日が過ぎていく。




次回はクリスマス島攻略です。

みほの恋事情に関する話はどうでした?恋愛ものとか書いたことがないので難しかったです。今後もこの二人の話を書いていくので宜しかったらアドバイスをお願いします。
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