ガールズ&パンツァー 鋼鉄の乙女と海の漢達 〜碧き海の世界の物語〜 作:短号司令官
今回ちょっと負傷描写出てきます…
前回までのあらすじ
昭和18年 4月18日
ブーゲンビル島上空で戦死した連合艦隊司令山本五十六の転生からこの物語は始まった。転生した彼は後世世界では高野五十六となり、陸軍の大高弥三郎中将とクーデターを決行そして照和16年12月8日運命の開戦となる。だがそこへ前世の未来世界より転移してきた大洗女子学園が現れる両者はこれを秘匿した。一方で勢いにのる日本海軍はパナマ運河を破壊、米国の太平洋への軍需物資運輸手段をも遮断せしめた。だが恐るべきは大国アメリカ重爆撃機を使い帝都空襲を図るも失敗、また復活した米機動艦隊をも打ち破った。そして、豪州封鎖作戦へと出た日本海軍はフレッチャー、モルガン両艦隊を撃破これにて太平洋から米海軍の姿は無くなった。これらの勝利の陰には紺碧の艦隊と呼ばれる秘匿艦隊が存在していた。
太平洋
モルガン誘き出しのためハワイを出撃した高杉艦隊だったが、今となってはそのモルガン艦隊も壊滅太平洋の制海権をより強固なものにするべく最後の仕上げに取りかかろうとしていた。
比叡 会議室
高杉「諸君すでに敵には空母も戦艦もない、本海域どころかこの太平洋におらん」
そう言って額の汗を拭った。現在高杉艦隊は進路を北東にとっており赤道にもそう遠くないため気温は高い。
「申し訳ありません。生憎空調が故障しておりまして…」
高杉「気にせんで良い、今や制海権は我が手中にある。よって本作戦は総仕上げと心得てもらいたい!空母はないがクリスマス島からの航空機による迎撃機が来るものと考えねばならん。各参謀に告ぐ!」
「「はっ!」」
高杉「直掩機による上空待機と電探、及び艦橋見張員の数を増やし厳重なる監視警戒をするように。無論海中も然り!以上の事項を僚艦にもつたえい!以上だ!」
「「はっ!」」
するとちょうどそのときだった。
軍令部からの入電が入ってきた。
高杉がその内容に目をやった。
高杉(八十機以上もの戦略爆撃機だと!?…)
「長官、何か悪い知らせでも?」
高杉「いや、大したことではない」
軍令部から齎された情報の高杉による判断がその後の物語を大きく進める。
高杉「どうもここは暑すぎるちょっと風に当たってこよう」
「お供します」
部屋を出るとちょうど西と福田の二人に会った。
福田「おや高杉司令どちらに?」
高杉「おぉ西か、少しばかり風にあたってくるところだ」
西「奇遇ですね!私達も今から行こうとしてたところです!ご一緒しても?」
高杉「構わん」
比叡 防空指揮所
高杉「いい風だな」
「はっ一気汗が引きます」
西「潮風がとても気持ちいいです」
高杉「このクリスマス島の攻略が成功すれば、ハワイ、サモア、ラインを結ぶ戦略ラインが完成する。こりゃあ米国にとっては痛い。東のナチス第三帝国絶対優位に合わせ、米英の孤立化は深まる…大高首相はそこを狙って中立国を通じ再度講和に持ち込む腹だ」
「その意味でも今作戦は極めて重要です」
高杉「だがな…なんといっても問題なのは米国が開発中との原子爆弾だ…こいつが完成すれば戦争は終わる!……………なぁ西」
西「なんでしょう?」
高杉「…ひょっとすると我々は酷く虚しい戦をやっとるのかもしれん」
西「…そうかもしれませんね…」
勧奨ともとれる名将の寛解とは裏腹に艦隊に危機は迫っていた。
ここで事態を明瞭にするためやや遡る。米本土よりタヒチを経由、豪州内陸の秘密基地より飛び立ったB–32フライングデビル90機はニューカレドニアにて一旦給油、弾薬搭載を行い…………途中二手に分かれた。
敵部隊はルシファー・マジソン大佐率いるルシファー隊とデビル隊の二手に分かれた。
「悪魔どもめ、舌なめずりしながら行きおった。さて俺たちも行くか、
花見好きのジャップがお待ちかねだ!let's go!」
ルシファー隊は一路日本海軍根拠地パールハーバーを目指し、一方のデビル隊は密令を浴びクリスマス島へと向かう。
偶然にもこれを哨戒中のイ201潜が目撃、情報は近くの島に潜む情報謀略部隊小玉部隊を経由し本土へと送られた。
高野はこの情報を重視し…
海軍省
高野「敵は我々の潜水艦決戦思想に対し戦略空軍思想というのを打ち出してきたのかもしれません」
大高『我々が最も警戒していた戦略です。例えるなら平面の盤上でた戦う碁が急に三次元に変化するようなものですからな、富士計画が一歩遅れをとってしまった』
高野「いえ、仮に間に合ったとしてもこちらは手作り向かうは大量生産、いずれにしろ戦争は一大消耗戦ですから勝ち目がありません」
大高『高野さん…東作戦は中止すべきなのではないのでしょうか?敢えて火中の栗を拾う必要は…』
高野「総理、高高度を飛ぶ爆撃機では海上を高速で航行する艦艇に爆撃するのは困難だとおもいますが…」
大高『それは知っております。ですがどうも嫌な予感がするのです』
高野「…分かりました。すぐに高杉艦隊に連絡を取り、独自に判断するように伝えます」
時系列は再びクリスマス島を目指す高杉艦隊へと戻る。
比叡
高杉「先の見通しも無く戦争を始めてしまった前世であったが、常に和睦が最終目標だと大高首相は言っておられる。その為には三部七部の負けでも良いとな」
西「つまり大事なのは勝ち過ぎず負け過ぎず、ほどほどに……ということですか?」
高杉「そうだ。勝ち過ぎていてはいずれその心に慢心が出てその内現実を見る目が失われてゆく、かと言って負け過ぎていてもいいわけでもない」
「原子爆弾…そんなものを使ってまで勝とうとする米国は和平に応じましょうか?」
高杉「だがなんとしても果たさねば!…その為にも我々はこの後世に生まれ変わり、再び軍人という罪深い仕事に就いていると思う。そうは思わんかね?首席参謀?」
「はい」
高杉「しかし平和というのは黙っていればやってくるものではない。血を流し、呻きながら一つ一つ恒久平和の門をこじ開けながら進む…それしかない。そんな心境だよ今の私は」
「そういえば仏教の世界にも毘沙門天という甲冑姿の仏様がおりましたな」
高杉「不動明王という仏もあるぞ。この仏は大日如来慈明者として現世界に降り、悪と戦ったというが仏の世界といえど平和な神だけでは成り立たん」
福田「戦う神仏も必要というわけですか?」
高杉「そういうことだな…」
直後警報音が艦内に鳴り響いた!
《総員戦闘配置!》
《右舷前方敵機多数襲来!》
直掩機が迎撃へと向かった。
この敵影発見は電探によるものだった。また艦底にはソナーを、これは初期的ではあったが比叡は電子作戦艦となっていたのだ。
比叡 昼戦艦橋
高杉は昼戦艦橋へと移っていた。
「長官敵も優秀なレーダーを開発したとの情報が入っております。ここは先に仕掛けるべきかと…」
高杉「そうだな…航空参謀、各空母に伝えぃ。予定を早める」
直ちに各空母からクリスマス島へ攻撃機が発進する。
瑞鶴、翔鶴からは新鋭攻撃機 電征が飛龍、蒼龍からは新鋭艦上攻撃機海山が発進する。
かねての作戦通り、戦艦 霧島は駆逐艦八隻を伴い瑞鶴 翔鶴 飛龍 蒼龍の四空母共に北方へ離脱した。
クリスマス島攻撃艦隊は高速戦艦 比叡、艦隊護衛空母 加賀、重巡 鳥海 利根 筑摩、対空駆逐艦 秋月 輝月 鈴月 初月の計九隻が残った。
高杉は以上を持ってクリスマス島へと進出、攻撃による敵施設の徹底的な破壊を目的とした。
さて、先に出撃していた攻撃隊はどうしていたであろうか?
先導の星電が敵編隊を探知、攻撃機がこれを迎撃へと向かう。
向かった先にはB17の編隊がいた。迎撃しようと向かった!…だが!
味方の電征が攻撃を受け撃退された!すると上空からP41マスタングが奇襲を仕掛けてきた!
電征とマスタングの性能はほぼ互角だ。迎撃隊は敵の護衛に阻まれB17に手が出せなかった。
比叡
「B17?迎撃機か雷撃機ならわかるが重爆とは…」
「敵の狙いが読めん…」
「とりあえず、上空攻撃に備えて対空警戒を厳にしましょう!」
高杉「航空参謀!加賀に下命、全機発進!迎撃の用意をせよ」
直ちに加賀から上空直掩機が迎撃へ向け発進する。
高杉「尚発進終了後、加賀は予定通り後方へ退避。我々はこのまま進撃する。全艦最大船速!」
その頃、先発した船爆、攻撃両航空隊は攻撃を開始していた。
そして時系列は水平に飛ぶ!
クリスマス島攻撃艦隊
比叡の電探が敵編隊を探知する!
高杉「来たか!」
各所が迎撃体制に入る。
《右舷前方敵編隊数十五》
直掩機隊と敵迎撃機が戦闘に入ったことで敵爆撃機は艦隊へと迫る。
「電征が立ち向かっているとはいえ、敵は容易には近づいてこんですな。やはり新三八弾を用心してのことでしょう」
高杉「だろうな、新三八弾は充分抑止力になっているということだ。しかし何故B17なんか?…」
「敵の真意が分かりません」
高杉「…うん?!」
するとB17が何かを投下しているのが見えた。
西「あれは…!」
「機雷です!」
敵機が投下したのは機雷だった!
「転身取り舵!減速二十!」
「とーりかーじ!」
「僚艦つづけ!」
各艦はなんとか機雷をギリギリ回避できたがそこへ敵機が襲いかかってきた!
敵機は爆弾を投下、比叡は四番砲塔が破壊された。
「なんと敵さんも子供騙しを考えたものです」
だが安心したのも束の間
「左舷後方新たに十数機!大型機です!」
高杉「何!?」
左舷後方では遠方で雨が降っておりよく見えなかった。そこは何かが出てきそうで暗雲が立ち込めていた。
そして……そこから
高杉「!!!」
西「なんだあれは!?」
「っ!でかい!」
B32 フライングデビル
その瞬間、高杉の脳裏に高野からの情報が電撃的に甦った!
これこそが問題の超重爆機だ!
百戦錬磨の名将の心臓を巨大な危機感が鷲掴みにした。
高杉の額からは大粒の油汗が流れ出ていた。
敵機の爆弾倉が開いた。
高杉「新三八弾一斉射始め!!」
距離はまだある今の内なら三八弾で撃破もできる!そう思われたが…
「四番砲塔被弾、三番砲塔 最大仰角のまま操作不能!照準合いません……!」
敵機の方向を向いた砲塔がどちらもまともに使えなくなっていた!
それでも敵機は尚も接近していた。
高杉は必死に己の頭をフルにぶん回して策を見出そうとしていた。
高杉「!取り舵いっぱい!最大船速!」
西「高杉司令?!」
なんと大胆にも、回避するのでは無く敵に横っ腹を見せようというのだ!高杉は一体何を考えているのか…
西「司令ここは回避しましょう!もしくは潔く敵に突撃して…」
高杉「西!少し黙っといてくれんか!」
西「っ!分かりました!」
高杉「三番砲塔は右舷直角へ旋回!一、二番砲塔は左舷直角へ旋回待機!」
「電探と連動急げ!」
「総員遮蔽物へ退避!」
ブザーが艦内に鳴り響いた。
B32は攻撃体制に入っていた。
「ターゲット視認」
爆弾倉内部には大量の多連装ロケットランチャーが装備されていた。
「長官退避を」
高杉「いい構うな!」
ここまで来れば自分の責任だ。高杉は腹を括った。
「レディ…fire!」
ロケットランチャーが一斉に発射!高杉達を襲う。
初弾の幾つかは当たらなかったが半数以上が炸裂する!
高杉「うぉ!!」
敵弾が艦橋付近に被弾したのか艦橋の窓ガラスが全て割れて吹き飛んだ。
敵機の一機が比叡の真上を通過、高杉はその一瞬を逃さなかった!
高杉「三番ってぇーー!」
高杉の合図で三番砲塔を放つ!
高杉「一、二番ってぇーー!」
刹那、主砲から放たれた新三八弾が敵爆撃機を襲う!一撃で半数近くが堕ちた。
危機一髪とはまさにこのこと。名将の一瞬の判断が艦を救い、敵を倒した!だがそれも比叡の類稀なる船速あってのものだった。
「やっやりましたな長官……!」
高杉「うむ…西、福田お前達は大丈夫か!?」
福田「私は大丈夫ですが、西隊長が!」
すると西は右腕を押さえて座り込んでいた。
高杉「西、どうかしたのか!」
西「大丈夫です……ただの擦り傷です…」
高杉「そうもいかん、見せてみろ」
高杉が近寄って確認すると、可憐な少女の腕からは血が流れていた。
高杉「っ!!」
西「多分、ガラスの破片で切ってしまったのかと…」
高杉「艦長!直ちに衛生兵を!」
「はっ!」
高杉は西を艦長席に座らせ、安静にさせる。
艦長と入れ代わりに報告が入ってくる。
「報告します!重巡 筑摩…被弾し大破…艦長以下艦橋にいた者は……全員戦死…!」
高杉「何!?」
「同じく利根被弾!航行不能!鳥海は健在にて両艦の救助にあたっております!」
開戦以来帝国海軍初の損傷らしい損傷であった。
だが、被害は筑摩、利根の二艦だけではなかった!
「長官!加賀がやられました!」
高杉「何ぃ!」
「
「はい。まだ沈んではおりませんが艦内に大火災が発生、手がつけられないようであります!」
高杉は加賀に通信を回した。
高杉「高杉だ!艦長!退避命令は出したか?!」
『はっ申し訳ありません!』
高杉「言っておくが艦と共に沈むなどというバカなことは考えるな!前世では海軍の美徳だったかもしれが、今世では犬死と考えろ!」
『はっ!』
高杉「聞くが敵巨人機はどうした?!」
『はっ本艦は三機の化け物に襲われましたが、対空砲で全機撃退しました!』
高杉「よくやった!敵潜に注意して、乗員の救助を急げ!」
『はっ!』
「長官、上の連中ですが…加賀が使えない以上海上に不時着水させる他ありませんな…」
高杉「うむ」
「長官!ホノルルより入電!真珠湾が空襲を受けたようであります!」
高杉「なんだと!」
時系列はここで少し遡る。
マジソン大佐率いるルシファー隊は真珠湾海軍基地上空一万二千に達していた。
「レーダー爆撃準備いいか?」
「YES SER!」
そして爆弾を投下、爆撃は皮肉ながらも成功していた。
「よーし全部ぶち撒けろ!一発も残すな!」(ふふふwこんな楽な作戦もない、敵の迎撃機は上がってこれないし対空砲火も届かない。レーダー照準で天候にも左右されない…これで帰投すれば英雄なのだから応えられんww)
「景気よくやれ!はははw」
そして現在に至る。
「敵はまだ空母を持っていたのか!?」
「いえ、敵機は先程の重爆機と思われ高度一万二千メートルから爆撃し、その後進路を南へとった模様です」
高杉「被害は?」
「はっ軽微とはいえませんが、軍港機能には支障なしとのことです!」
「その重爆どこへ去ったと思うか?」
「タヒチ……いや遠すぎるな、南へ向かったと言ったな?」
「はっ」
「ということは…
高杉「首席参謀、攻撃隊のクリスマス島攻撃は終了したか?」
「はっ!すでに会合点へ向け飛行中であります」
高杉「ふむ、多分敵さん今頃は滑走路の終了に躍起になっているはずだ。ならば…」
福田「ならば、どうするのですか?高杉司令官」
高杉「ここは鳥海に任せて我々はクリスマス島を急襲する!」
高杉は、利根 筑摩 加賀の救助を鳥海に任せて生き残った駆逐艦三隻と共にクリスマス島へと進路をとる。
「敵の裏の裏を掻くわけですな」
高杉「目には目、歯には歯だ。第一これでは腹の虫が治らん!」
高杉らがクリスマス島へ向かった直後、なんと海中からB32を船体に縛りつけたイ1000型 補給潜水艦が姿を現した!
「あの潜水艦は友軍です!救助作業の協力を申し出ておりますが」
「あれはもしや噂の秘匿艦隊では?」
「艦長!」
「返信!心遣いを謝するも必要なし貴官の任務を遂行せよ!」
偶然にも鹵獲に成功したB32を抱え、イ1002潜は海中へとその身を没した。
一方クリスマス島では高杉の予想した通り米軍は滑走路の修理に勤しんでいた。
それからしばらく、日が落ちた頃ルシファー隊が到着した。
隊長機が着陸すると、周囲から歓声が上がった。
「でっけぇ!これがB32フライングデビルか!やっぱり我が合衆国は世界一の国だなぁ〜」
(あと1年、あと1年もすれば原爆が完成する。そのときはこの俺が日本本土攻撃の大任を負うことになる…そしてそのときこそ真の英雄として凱旋するだ!そうすれば上院議員どころか本当にプレジデントだって夢じゃない!ふふふはははw)
ルシファーは心の中で笑ったが数秒後にその夢は崩れ去る。
突然前方の滑走路が爆発し、その直後に機体が揺れ滑走路の外へと外れていった。
謎の爆発は尚も続き、作業員達はたちまち逃げ回った。
着陸しようとしていた後続機もやられた。
「かっ艦砲射撃か?!」
それは半分合っていた。確かに艦砲射撃では合っただが飛来した砲弾は空中で外装が割れて中からダーツの矢のような弾が落下していた。
「かっ滑走路が…ジャップの攻撃か!?」
砲撃の正体は高杉艦隊であった。
「時雨弾が確実に命中しております!」
「憎い敵とはいえ、ちょっと可哀想な気がします」
高杉「連中は燃料を切らしてあとは海上にでも不時着するしかあるまい」
比叡から撃ち打される時雨弾とは、砲弾の中に多数の子爆弾が内蔵されており空中で分散、四方にばら撒き着弾と同時にノイマン効果で熱流を噴出し標的物を焼き払い後部弾体が地中深く陥入し爆発、標的物を破壊するのだ。
「ルシファー隊が……俺の夢が…」
そう言ったところでマジソン大佐の意識は途切れた。
標的を全て破壊し、最終確認に移った。
「長官!隣のクック島を!」
高杉が目をやるとクック島が赤々と照らし出され煙が上がっていた。
「あそこにも不時着したようですが、トドメとして撃ち込みますか?」
高杉「とても飛べるような状態とは思えんが…念の為だ」
間髪を容れず比叡から再び艦砲射撃が行われ、B32フライングデビルは跡形もなくバラバラにされた。
こうして高杉艦隊による作戦東は終了した。
照和18年 三月
作戦東が終了して数週間後
首相官邸
大高「東作戦は天祐ともいうべきでしたな」
高野「空母加賀をはじめ、高杉艦隊の被害は少なからざるものがありましたがその代わりに我々が得たものも大きい」
大高「東野さん例のB32ですが…」
東野「はい、目下極秘裏に調査中ですが脅威としか申し上げることが出来ません。全く米国の工業力はただただ脅威です。あれだけの航空機を短期間でそれも大量生産できることは基礎科学、基礎技術、基礎工業があってのものです!改めて米国の工業力の厚みを感じました」
大高「そうですか、精神力ではどうにもならない工業力の時代になっているということですな」
高野「この戦長引けば負けということですか!」
東野「彼らの力ならあの化け物を千機以上容易く作り上げるでしょう!」
高野「千機ものB32が飛来大挙すれば…!」
大高「東野さん、ジュリオ・ドゥーイの戦略爆撃に関する理論をご存知ですか?」
東野「いえ、なんでしょう?」
高野「戦略爆撃に関する理論ですな」
大高「左様、ドゥーイ将軍の理論によりますと爆撃する側はどこを爆撃するかという点で常に優位であり防御側は甚だ不利な立場にあるわけです。つまり我が国が何百機の蒼莱を揃えようと米国側のB32を全て防ぎ切ることは不可能なわけです!………ましてや、敵が威力のある新型爆弾を使ったとしたら!」
東野(原子!)
高野(爆弾!)
日本全土が焼き尽くされ破壊され、しかも強烈な放射能に侵された民族がのたうち絶滅していく……三人の脳裏にその光景がまざまざとよぎった……
次回へ続く
今回も早く投稿できた!イェイ!