ガールズ&パンツァー 鋼鉄の乙女と海の漢達  〜碧き海の世界の物語〜   作:短号司令官

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お待たせしてすいません!色々と都合があって書く時間が取れませんでした。少し長いようですがどうぞ




第6話 みんな集合です!

 

前回までのあらすじ

 

後世世界 前世とは異なるこの世界でもまた戦争は起こっていた。

前世の歴史をなぞりながら照和16年運命の開戦を迎える。

勢いにのる日本海軍はパナマ運河を破壊米国の太平洋への軍需物資運輸遮断せしめた。

その後、米国の反抗が幾度かあったものの日本海軍はこれを退け、ついには太平洋から米軍を一掃するのであった。

 

だが前世と異なるのがこの後世、前世の未来と思われる世界から突如として学園艦なるものが出現、時の首相大高弥三郎そして海軍軍令部総長高野五十六はこれを国内外に対し秘匿した。

 

そしてまたこれらの勝利や功績の陰には紺碧の艦隊と呼ばれる艦隊が存在していた。

 

 

 

 

照和18年 五月

 

作戦東が終了し、ハワイ ライン サモアを結ぶ戦略ラインが完成し早三ヶ月

 

 

米海軍が西太平洋側から姿がなくなったとはいえ、慢心は禁物である。

この日も、紺碧艦隊所属のイ701潜の星電改が前世大戦において戦艦武蔵最後の地となったフィリピン諸島付近の偵察に出ていた。

 

 

 

「機長、敵は完全に太平洋からいなくなったんですよ。なんでまだ偵察を続けなければならんのですか?」

 

「お前の言うことも納得だか、前原司令も仰っていただろ?"敵は無くとも慢心だけはするな"って、それよりも電探から目を離すなよ」

 

「はっ」

 

確かに敵は太平洋からはいなくなった、だがまだ日本側が掴んでいないどこかに潜んでいるかもしれないからだ。

 

しばらく偵察を続けていると……

 

「?!」

 

電探に反応があった。

 

「機長!電探に感あり!」

 

「何?!敵か!?」

 

「はっどうやら艦船のようですが…」

 

「位置は?」

 

「はっ北西に約三十海里」

 

「よしっ!確認に行くぞ!」

 

星電改はその地点へと急行した。

 

 

 

 

 

 

星電改は目標の地点に到達した。

 

「この辺だな?」

 

「はっ間違いありません」

 

しばらく偵察員は目を凝らして探した。

 

「っ!機長!左舷下方!空母群です!」

 

「何ぃ!?」

 

機長も目をやると確かに空母群がいた。

 

 

「数六!空母だけのようですが…それ以外の艦船らしきものは確認出来ません」

 

「…確かにそうだが」

 

言われてみると確かに確認できるだけでも空母だけで護衛につくはずの駆逐艦や巡洋艦、戦艦らしき艦船が見当たらなかった。

それに空母の様子も変だった。

 

「?おい甲板に何か見えないか?」

 

「あっ確かに、なんでしょう?建物らしきものが…見えるような」

 

「それによく見ろ、空母の形も大きさも全部違う」

 

「本当だ!」

 

確かに空母の形も大きさも全部バラバラだった。

 

「機長もしかしてこれって……」

 

「あぁおそらく()()()だ!……おい!今すぐ艦隊に打電しろ!」

 

「機長ッ航空写真はどうしますか?!」

 

「あぁそれもだ!」

 

学園艦発見の報はすぐさま前原の知るところとなった。

 

 

 

 

 

イ601

 

入江「司令どうしますか?」

 

前原「ともかく、発見された地点へ向かおう。話はそれからだ」

 

イ601以下、イ501 502 503潜は前原らと共に発見地点へ向かった。

 

 

 

入江「もうすぐ星電改からの情報の位置です」

 

前原「うむ」

 

するとさっそく

 

「電探に感知!数六!大型艦と思われます!」

 

前原「さっそくか、艦長!潜望鏡深度まで浮上!」

 

入江「はっ浮上する!深度十五につけ!」

 

イ601は浮上、前原が潜望鏡から確認する。

 

前原(間違いない…学園艦だ!)

 

前原の見る先には何処へと向かう学園艦が六隻確認できた。

 

潜望鏡を下ろし、元の深度につく。

 

前原「あの学園艦の進路は?」

 

品川「北に進んでいるようです。彼らの意図は読めませんがもしかすると日本本土を目指しているのでは?」

 

前原「それは考えものだな、おそらく彼らは自分たちが異世界に来ているとは思うまい。連絡が取れないと考えると本土に向かっていると考えるのが一番妥当だろう」

 

入江「しかしなぜ今回は一艦ごとではなくまとめてなのでしょう?」

 

前原「それは俺にも分からん。兎に角だ艦長今すぐこの事を軍令部に打電してくれ!」

 

すぐさまこの事は暗号に書き換えられ、軍令部の高野のもとへと伝わった。

 

 

 

海軍省

 

高野(また新たな学園艦か……それも今回はまとめて六隻も…!)

 

そして高野の口から大高にも知らされた。

 

大高『なんと一度に六隻も?!それは本当ですか高野さん!?』

 

高野「はい、間違いありません。報告によると全て未確認の艦ばかりで艦の形も大きさも全てバラバラなようです」

 

大高『以前、西住さんから聞いた話だと各学園は各国を手本にしていると聞きましたがもしかして、艦の形もでは?』

 

高野「確かに、それを考えると合点が行きますな!」

 

大高『今その艦はどうしているのです?』

 

高野「北に進路を経っているようなので本土を目指していると考えられます。目下、我が紺碧艦隊が追尾中です」

 

大高『なるほど、ですがその人達を丸腰のまま航行させるのは流石に危険かと…』

 

高野「ご安心ください。既にハワイの高杉艦隊に出撃を命令してあります。見つけ次第、護衛に着くように命じております」

 

それより三日後ハワイより高杉艦隊が出撃した。

 

 

 

 

 

 

 

大洗、知波単両学園が行方不明になって早半年。年を越しても発見できず、相変わらず無限軌道杯は延期のまま。

 

 

みほの姉である西住まほはまだショックを受けていた。

 

 

黒森峰

 

まほ(…みほ…一体何処へ行ったと言うんだ……)

 

 

 

捜索の打ち切りが決定して以来、いつも浮かない顔をしており少し元気がなかった。各校の隊長達でもどう声をかけていいか分からないままだった。

 

 

聖グロリアーナ

 

オレンジペコ「ダージリン様、まほさん大丈夫でしょうか?」

 

ペコは紅茶を注ぎながらダージリンに問いかけた。

 

ダージリン「どうでしょうね…みほさんとまほさんは姉妹でしたから、相当ショックを受けてらっしゃると思うわ」(いくらまほさんでも、今回は流石にショックの度合いが大きいでしょうけど…西さん、あなたも一体何処へ行ったのですか…?)

 

 

サンダース

 

ケイ(ミホ、あなた達何処へいったの……?)

 

 

 

アンツィオ

 

アンチョビ「西住、早く戻って来い…お前がいなければどうしようもないんだ…」

 

 

プラウダ

 

カチューシャ「ミホーシャ、いつ戻って来るか分からないけどその時は絶対粛清してやるから絶対無事でいなさいよ…」

 

 

継続

 

ミカ「共に戦ったのは一度だけだけど…みほさん…無事を祈ります」

 

 

 

 

 

各校の隊長達は自分達は後世世界に来たことに気づかないまま航行していた………その様子を上空から見る者がいることは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

それから一週間後、高杉艦隊は学園艦群の前方七十海里まで到達していた。

 

 

 

比叡

 

高杉「報告によればそろそろだな…」

 

《電探に感あり!目標と思われる艦を確認!本艦の前方数六!》

 

「長官、お聞きの通りですがどうしますか?」

 

高杉「目視で確認できるまで接近しろ」

 

「はっ」

 

高杉「全艦最大船速!」

 

「最大船速!僚艦つづけー!」

 

高杉艦隊は一気に速度を上げ接近した。

 

《前方距離七万六千!目標視認!》

 

「っ!!長官!ご覧ください!」

 

高杉「!!」

 

双眼鏡で確認するとそこには確かに学園艦と思わしき大型の艦が写っていた。

 

高杉「航空参謀!直ちに偵察機を発艦させえぃ!」

 

直ちに随伴の空母飛龍から二機の星電が発進した。

 

それぞれの機は学園側に気づかれない高度から偵察を行い、航空写真も撮影し帰還した。

情報は直ちにに高杉の元に送られた。

 

高杉「なるほど、確かにどの艦も形も大きさもバラバラだな」

 

「こちらは気づいたとはいえ、向こうはまだ気づいていないかもしれませんがどうやってこちらの存在を示すんですか長官?」

 

「本艦の主砲はどうだ?空砲を撃てば向こうは音で気づいかだろう」

 

「いやぁそれじゃあ敵意を持っていると誤解されかねん…」

 

高杉「航空参謀、各空母に下命直ちに電征を発艦させるように」

 

「電征を!?長官なぜそんな?!」

 

高杉「なぁに簡単なことだ。航空機なら飛ばしても敵だとは思うまい奴さんだって日本人だ。それに敢えて電征の跡を追わせて我が艦隊に目を向けさせる…そういうことだ」

 

「なるほど!それなら納得です!」

 

「ですがそんな簡単にいくのでしょうか?」

 

高杉「やってみる価値はあるのではないか?」

 

「そうですな……分かりました。直ちに発艦させます!」

 

高杉「あぁあと、なるべく派手にな」

 

「では一塊にして接近、スレスレを飛ぶように言っておきます」

 

直後に空母 飛龍 蒼龍 瑞鶴 翔鶴、そして新鋭空母 大鳳 大鶴から電征の大群が発進した!

 

 

 

聖グロ

 

ダージリン「茶柱が立ったわ。イギリスのこんな言い伝えをご存知かしら?"茶柱が立つと素敵な来客がある"と」

 

アッサム「でも来客なんて来るんですかね?」

 

ダージリン「意外と来たりして?なんて…」

 

すると

 

ローズヒップ「?…何か来てますわよ」

 

窓の外を見ながらそう言った。

 

ペコ「えっ?何が来てるんですか?」

 

ローズヒップ「ほら空の方に…」

 

そう言って正面の空の方を指差した。するとそこには何かの大群がこちらに向かっきていた。そう高杉艦隊より発進した電征だ!

 

「いいか!建物のギリギリでもいい我々の姿を見せてやるんだ!」

 

先頭を行く隊長は緊張していた。命令が攻撃や偵察ではなくただ自分らの姿を見ろというもの戦闘機乗りからすれば前代未聞の話だ。それに相手は空母であって空母でない、もしかしたら対空火器をどこかに隠しているかもしれない。それでも命令は命令だやることをやるだけしか無い!

 

「いくぞぉ!」

 

操縦桿をたおして高度を下げる。各機もそれに続く。電征隊はそのまま全速力で高度を二十に保ったまま学園艦の上をすり抜け、再び高度を上げて上空へ退避した。

 

「被害は!?誰もやられていないな?!」

 

「全機健在!大丈夫です!」

 

隊長は心の中で安堵し同時に確信した。彼らの艦に脅威は無い!

 

「よぅし!全機これらの艦に対空火器はないようだ!このまま我々は次の目標へと向かうぞ!」

 

そのまま電征隊は次の艦へと向かった。

 

 

 

 

 

ケイ『ちょっとマホあれ何なの?!』

 

謎の飛行機が学園の上空を通過して一時間と経たない内にサンダース高校はケイから電話がかかってきた。

 

まほ「ケイか、お前のところにも来たのか?」

 

ケイ「えぇそれに私のところだけじゃないわ。ミカやカチューシャ、チョビやダージリンのところにも現れたそうよ!』

 

まほ「そんなところまで…!それで何か分かったのか?」

 

ケイ『全然、私達の方でもお手上げよ。ただ…』

 

まほ「ただ、何?」

 

ケイ『ミカに聞いた話だと"ライジング・サン"つまりは日の丸が見えたって言ってわ』

 

まほ「日の丸?だとしたら日本の飛行機か?」

 

ケイ『だとしてもあんな機体()()()見ないわ」

 

まほ「じゃあ一体何なんだ?」

 

すると

 

「隊長!」

 

ドアを勢いよく開けてきたのは副隊長の逸見エリカだ。

 

まほ「エリカ、今は取り込み中だ話なら後にしろ」

 

エリカ「すみません、でも外周を回ってた子達から連絡があってさっきの飛行機群を目で追ってたらこの艦の前方の方から戦艦とか空母みたいなのがこっちに向かってきてるって連絡が…!」

 

まほ「なんだと!?聞いたかケイ?」

 

ケイ『えぇ…私のところでチヌークを飛ばして調べようか?』

 

まほ「いや待て、仮に本当の戦艦だとしたら攻撃を受ける可能性がある。ここは私が外周の道路から見てくる」

 

ケイ『分かったわ気をつけて』

 

まほはそう言った電話を切った。

 

まほ「エリカ、今から外周に行くぞ」

 

エリカ「はい!」

 

まほは直接自分の目で確認すべく向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

比叡

 

高杉「全機無事に戻ってきたようだな」

 

「そのようです」

 

電征隊が空母に着艦していくのを高杉らは見守っていた。

 

 

高杉「さて、おそらくあちらは我々の存在には気付いただろうな。次の段階に入るとするか……通信参謀」

 

「はっ」

 

高杉「連中に向かって発光信号を"学園艦の諸君 我が艦隊に続け"と送ってくれ」

 

「分かりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

黒森峰

 

まほ達は外周に到着していた。

 

まほ「あれか…」

 

遠方ではあるが確かにこちらに向かってきている艦船があった。すると戦艦と思われる艦から発光信号が送られてきた。

 

エリカ「発光信号?」

 

まほ「…学園艦の諸君……我が艦隊に続け…!?」

 

エリカ「どういうこと?!学園艦のことを知ってるなんて……隊長どうします!?」

 

まほ「エリカ、お前はあれが本物の戦艦だと思うか?」

 

エリカ「……分かりません…ただ従った方がいいとは思います」

 

まほ「…」

 

エリカ「隊長…」

 

まほ「分かった、彼らの指示に従おう。すぐに船舶科に連絡して!」

 

エリカ「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

比叡

 

「返信きました!」

 

高杉「きたか!」

 

「それで何と言ってきた?!」

 

「はっ "了解した これより 貴官らに続く"…と返事がきました」

 

高杉達は胸を撫で下ろした。万が一指示に従わないとなったらどうなったことか、だがまだ油断で出来ないここからが大変だ。

 

高杉「専務参謀!各艦に下命!これより学園艦を護衛し本土へと送り届ける!」

 

「はっ」

 

「全艦!艦首回頭百八十度」

 

「宜候!」

 

これより高杉艦隊は学園艦の護衛任務についた。道中特に異常は無かった。

 

五日後 与那国島付近に到達すると横須賀より出撃した坂本艦隊が合流。高杉らはここでハワイへと帰投、横須賀までの道のりは坂本艦隊に任された。

 

 

 

金剛

 

坂本らは高杉艦隊を見送った。

 

坂本「さて…参謀長、横須賀まではどれくらいかかる?」

 

「はっあの艦の速力から考えますと、最低でも十日はかかるかと…」

 

坂本「分かった。全艦進路このまま、第三船速」

 

「宜候」

 

それから十日後坂本艦隊は無事に学園艦を送り届けることに成功する。

 

 

 

 

 

黒森峰

 

突然、携帯が鳴り出したまほは誰からかと思いながら電話に出てみた。

 

まほ「はい、西住です」

 

『お姉ちゃん!』

 

まほ「!!」

 

その声には聞き覚えがあった。幼い頃から共に過ごし、共に戦車道をやった行方不明になったはずの妹の声だ!

 

まほ「みっ……みほ?……お前なのか!?」

 

みほ『うん!そうだよ私だよお姉ちゃん!』

 

まほ「みほ……よかった無事で……‥!」

 

まほはその場に泣き崩れた。

 

それから約一時間二人は長電話をし、みほはまほにあることを伝えた。

 

 

まほ「面会したい人達がいる?」

 

みほ『うん、その人達がどうしてもって…どうかな…?」

 

まほ「……わかった、私からみんなに伝えておく。心配することはない」

 

みほ『お姉ちゃん!ありがとう!』

 

まほ「どうということはない。それで日時はいつだ?」

 

みほ『あぁ、えっと……その人達の事情にもよるけど…分かったらまた連絡するね!』

 

まほ「あぁ分かった」

 

みほ『それじゃあね!お姉ちゃん!』

 

まほ「あぁまたな」

 

そうして二人は連絡を終えた。

 

まほは一人静かに微笑み、また誰かに電話をかけた。

 

 

まほ「もしもしダージリン?…あぁ私だ。実は今な……」

 

 

 

 

数日後 まほ達はの姿は横須賀基地にあった。

 

 

アンチョビ「それにしても広いな…」

 

カチューシャ「ちょっとマホーシャいつまで歩くのよ?」

 

まほ「まぁ待て、みほが言うにはこの辺りの筈なんだが…」

 

あの後、まほは各校の隊長達に連絡。大洗と知波単両校の安否と自分達に対して面会者がいることを伝え今に至る。

 

ケイ「それにしても、なんか建物の外観とかちょっと古くない?」

 

ダージリン「確かにそうですね。まるでタイムスリップした気分ですね」

 

ミカ「それは人生において大切なことかな?」

 

…とそんなことを話しながら一向にはある場所へと向かっていた。

 

みほ「あっ!西さん来ましたよ!」

 

西「本当だ!おーーい皆さーん!」

 

まほ「みほ!」

 

まほ達はみほのもとへと駆け寄った。

 

まほ「久しぶりだな、みほそれに絹代も」

 

みほ「お姉ちゃんに皆さん!お久しぶりです!」

 

カチューシャ「二人ともほんっとうにびっくりしたんだから!いきなり行方不明になるだもん!」

 

アンチョビ「お前達二人のせいで無限軌道杯延期になったんだぞ」

 

みほ・西「「……その節はすみません……」」

 

ケイ「まぁまぁ二人とも今はミホとキヌヨの無事でよかったと思えばいいじゃない」

 

ダージリン「そうですよ。お二人が無事だったことに価値があるのですから」

 

ミカ「ところで…今日は私達に会いたい人がいると聞いてきたんだけど」

 

西「あぁ!そうでした!」

 

まほ「みほその人達はどこに?」

 

みほ「その人達ならこの建物の中だよ」

 

そう言うとみほは横の建物に目を向けた。そこには[横須賀鎮守府]と書いてあった。

 

西「皆さんこれから会う方々に対してくれぐれも失礼がないようにお願いします!」

 

それから一同は建物の中に入っていった。

 

みほ達は応接室にやってきた。

 

みほがドアをノックすると中から返事があった。

 

「どうぞ」

 

みほ「失礼します」

 

ドアを開けて入るとそこには一人の老紳士と軍人と思わしき男がいた。

 

まほ「みほこの人達か?」

 

アンチョビ「どう見てもただのおっさんだけど…」

 

西「ちょっ…!安斎隊長それは失礼ですよ!」

 

アンチョビ「本名で呼ぶな!」

 

「はははwいえいえ結構です。さっどうぞお掛けください」

 

老紳士に言われ、みほ達は応接用のソファに座り彼らは反対側のソファに座った。

 

「皆さんこの度は遠路遥々御足労をお掛けしました。私は大日本帝国首相の大高弥三郎です。皆さんのことは西住さんと西さんから聞いています」

 

「私は海軍軍令部総長の高野五十六だ。よろしく頼む」

 

まほ「?!」

 

ダージリン「?!?!」

 

ケイ「ホワッツ!?!?」

 

アンチョビ「えっ……?!」

 

カチューシャ「はぁ?!」

 

ミカ「!?」

 

彼女らには目の前の人物達の立場を聞いて驚愕した。何と自分らの目の前には首相がいるのだ!軍令部総長という役職がどういうものかはわからないがとにかくトップの人物だということは分かった。

 

驚きのあまり彼女らは茫然としていた。

 

みほ「おっ…お姉ちゃん…?」

 

西「みっ皆さん?」

 

高野と大高は"何かやばいことでも言った?"というような顔をしていた。

 

高野「あー君たち?……大丈夫かな?」

 

高野の呼びかけで我に返った。

 

まほ「あっ!……はっはい…何でしょう…?」

 

まほ達は緊張が走った。ダージリンはカップを机に置き、アンチョビは鞭を咄嗟に隠した。ミカに至ってはカンテレを弾くのをやめてソファの陰にしまった。そして緊張のあまり遂に黙ってしまった。

 

 

すると……

 

大高「大丈夫です皆さん。肩の力を抜いてください。それだと話しづらいでしょう?さっ楽になさってください」

 

そう言われてまほ達は少し力が抜けたのか安心した様子だった。

 

ケイ「えっ…えっとプレジデントオオタカ、今日は何で私達はこんなところに?」

 

大高「はい、本日皆さんにお越しいただいたのはこの世界についてご説明したくお呼びしました」

 

アンチョビ「この世界…?」

 

カチューシャ「どういうこと……?」

 

高野「君たちはこの世界に来てからまだ日が浅い、だから我々と西住君達でわかりやすく説明しようと思ってな」

 

大高「皆さんの中にはここが違う時代だとお気づきになってある方がいらっしゃるかもしれません。過去の世界として」

 

ダージリン「…すると、私たちは…」

 

ミカ「タイムスリップした……ということですか?」

 

高野「そう、だが…」

 

みほ「微妙に異なる……って言った方がいいかもしれません」

 

みほが高野に続けて言う。

 

まほ「微妙に…異なる…?」

 

カチューシャ「どっ…どういうことミホーシャ」

 

西「そのことは、大高閣下、高野総長 お願いできますか?」

 

大高「もちろんです。私と高野さんの口から話しましょう」

 

それからしばらく大高、高野両者はまほ達にこの世界が過去であって過去でない後世世界であることを話した。また自分たちがみほ達の過去即ち大高らに当たる前世から転生してきたことなどを話した。

 

大高「…といったところです。皆さんご理解いただけましたか?」

 

まほ「……と…とても信じられません…!」

 

ダージリン「転生だなんて…ただの想像の話じゃ…!」

 

高野「まぁ君らが信じられんのも道理だ。だが私達がこうして、前世の記憶を持ち、この後世に転生したことを考えると現実のようだ」

 

ケイ「ミホあなたはどう思ったの?私たちより先にこの世界に来たんだったら知ってたのよね?」

 

みほ「はい、私も聞いた時は信じられませんでした。でも太平洋戦争のことを話してもいないのに知っているのを考えると不思議じゃないかもって思ったんです」

 

アンチョビ「だとしても…」

 

カチューシャ「じゃっじゃあ聞くけど未来のことを知ってるならあなた達は勝つのよね?」

 

大高「……いいえ。我々は負けます」

 

高野を除く一同「「「「?!」」」」

 

高野「このことは今回西住君と西君にも初めて話すことだ」

 

ケイ「まっ負けるって…」

 

ダージリン「どういうことですの?!」

 

大高「それを今から皆さんにお話しします」

 

大高は間をおいて語り出した。

 

大高「我々は現在、米国に対しては勝ち続けています。しかしそれは海上戦においての話です」

 

高野「確かに太平洋のほぼ全域の制海権、制空権は我が帝国海軍の手中にある。だがそれも米国が再び艦隊を作るまでの間の話だ。君らの言う通り我々は転生したから前世の記憶がありそれで戦いを今まで有利に進めてきた」

 

大高「しかし考えてください。国土も国内の工業力も米国の十分の一にも満たない我が国が勝てるという勝算がどこにありますか?!いくら私たちが新戦術や新兵器で戦い、戦闘を有利に進めようとも米国は物量にものを言わせて我々を圧倒してきます!前世大戦でも最終的に米国はその戦い方を仕掛けてきた。すでに疲弊していた我が国は物量という波に押しつぶされあのような大敗を喫したのです」

 

高野「それに我が軍が仮に米国本土侵攻をしたとしよう。序盤では勝つかもしれんが、敵は戦略的後退を続け奥へ奥へと敵を引き摺り込みゴム紐のように伸び切った補給線を破壊、部隊は孤立敵からの反撃を受けしまいには武器弾薬が尽き、最終的には壊滅だ」

 

大高「これらは前世の中国戦線でも言えることです。我が軍は拠点にばかり攻撃をし、あの広い広大な奥地へと引き摺り込まれ…次々と壊滅したのです」

 

みほ達「「「「………」」」」

 

みほ達は何も言えなかった。二人の言ったことは確かに正しい日本は確かに米国と比べれば小さく非力だ。それでも未来では日本が勝つ世界線の話なんかを考える彼女らには理解し得られなかった。

 

大高「……ですが負けると言っても前世のような負け方をするのではありません」

 

みほ「え…?」

 

高野「より良い負け……というものだ。我が国が米国にこの戦争で勝利することはまずあり得ないならばどうするか?」

 

大高「我が国は結果的に負けるのです。物量や兵力では勝ち目はありません。そこで米国が物量戦に出る前にこの戦いを終わらせるのです」

 

高野「あの国は国民の世論が強い、だから我々はそこに目をつけたのだ。戦闘で負け続けさせ我が国との間だけでの戦闘継続能力だけを奪い、国民に厭戦気分を漲らせる。すると米国は嫌でも講和をせざるを得なくなる」

 

大高「ですから我々は開戦当初から米国に対しては講和を持ちかけています」

 

それを聞くとみほ達もなんとなくではあるが分かったようになった。

だが一人だけある疑問が浮かんだ。

 

まほ「…負ける理由については分かりましたが、ひとつよろしいでしょうか?」

 

大高「なんでしょう?」

 

まほ「お二人はアメリカに対しては負けるということなのですよね?つまりそれ以外の国に対しては勝つのですか?」

 

大高「なるほど、さすがは西住さんのお姉さんです。その通りです」

 

高野「だが問題はその国だ。どこだと思う?」

 

ダージリン「イギリス?」

 

カチューシャ「ソ連か?」

 

ケイ「それとも中国?」

 

大高は首を横に振ってこう答えた。

 

大高「我々が勝つ相手それは……ナチス第三帝国です!」

 

みほ達「「「「!?」」」」

 

アンチョビ「ちょちょっと待てよ!ドイツはこの時代だと同盟国だろ!?なんで…」

 

大高「確かに安斎さんのいう通りです。我が国は開戦前に確かに一度三国同盟は締結しました。ですがもうそれは我が国は破棄しました」

 

まほ「えっ?!」

 

西「破棄…なさったんですか…?」

 

高野「そうだ。前世であのような大量虐殺をしたあの悪魔とは!………もう二度とごめんだ!」

 

高野は苦い顔をした。

 

大高「あの独裁者がこの世界で生き残ることはまずいのです!大袈裟かもしれませんが世界の破滅を意味します」

 

高野「だから我々は米国との戦いがひと段落したら、独国と開戦するつもりだ」

 

大高「つきましては皆さんにひとつお願いしたいことが…」

 

みほ「なんですか…?」

 

すると大高は少し前のめりになってこう言った

 

大高「皆さん各校がお持ちの戦車を調査させていただけないでしょうか……?」

 

アンチョビ「はぁ?」

 

ケイ「ワッツ?」

 

まほ「…なぜそのようなことが…?」

 

大高「先程もお話ししたように我が国は勝っています、しかしそれは海軍の話なのです。我々陸軍は中国戦線も縮小しつつあるためあまり大きな戦闘もしておらず海軍に比べると技術発展が著しいのです」

 

高野「そこで君らの戦車が役に立つというわけだ。君たちから支障が出ない程度の期間の間我が軍が君らの戦車を各校から一、二台程借りて調査をしたいのだが…構わんかな?」

 

ダージリン「そう言われましても……」

 

ケイ「私としてはいいかなぁ」

 

みほ「ケイさん?!」

 

アンチョビ「そんなあっさりでいいのか!?」

 

ケイ「だって考えてよこの世界は私たちの世界とは違って戦争をやっていて戦車道はないわけじゃん?そう考えると私たちの戦車ってほぼ無用の長物じゃん。だったら何も役に立たないよりマシじゃん!」

 

カチューシャ「確かに…」

 

ダージリン「そうですね…」

 

ミカ「私たちには断る理由がないからね」

 

みほ「お姉ちゃん…」

 

まほ「……分かりました。お貸ししましょう」

 

大高「ありがとうございます!」

 

まほ「ですがその代わり条件が一つ…」

 

高野「なんだね?」

 

まほ「この世界でも戦車道を普及させていただけませんか」

 

大高「!これはなんと!」

 

高野「それは現状としては不可能だ!この世界では戦争をやっているのだぞ!そこに戦車道を普及させようものなら我が国の存在が危うくなるぞ!」

 

まほ「わかってます。ですが今すぐというわけではなく、この戦争が終わってからでもいいのでお願いできますか?」

 

大高「……どうしますか?高野さん」

 

高野「ふむ…確かに戦後なら構わんかもしれんが……まぁ検討してみる価値はあるでしょう」

 

まほ「!それでは…」

 

大高「はい、約束しましょう!」

 

西「ありがとうございます!大高閣下!」

 

こうして両者達は無事、会合を果たしこの後世にまた新たな者達が加わった。

 

 

 

 

 

 

〜帰り道〜

 

まほ「みほ、そういえばお前はこの世界に来てからは何をしてたんだ?」

 

みほ「あぁちょっと潜水艦に…」

 

ダージリン「潜水艦?」

 

アンチョビ「お前まさかそれに乗ったとかいうんじゃないんだろうな」

 

みほ「…実は、そのまさかです」

 

まほ「なんだと…!」

 

ケイ「何々面白いそうじゃない!聞かせてちょうだいよ。そのサブマリンの話!」

 

カチューシャ「いやそもそもなんでそんな物に乗ってるのよ?!」

 

まほ「説明してもらおうかみほ」

 

みほ「あはは…」

 

西「あぁ私なら戦艦に乗りましたよ」

 

アンチョビ「お前は戦艦だとぉ!?」

 

ケイ「今度はバトルシップ?!」

 

西「はい!比叡に乗艦いたしました!」

 

ダージリン「西さん、みほさん、いくら戦車道がないからと言ってもそれは…」

 

ミカ「楽しかったかな?」

 

みほ「まぁ、確か最初はパナマ運河の破壊作戦だったかな?」

 

カチューシャ「パナマ運河?!」

 

まほ「それを破壊だと!?」

 

アンチョビ「パスタを茹でずに食べる以上に無謀だぞ!」

 

みほ「あははw…」

 

こうして学園側も役者が出揃ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太平洋上

 

イ601

 

前原「さて、いよいよ米国とは終局だな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回へ続く

 




これであと対米国戦編もあと少しか…頑張るぞ!
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