ガールズ&パンツァー 鋼鉄の乙女と海の漢達 〜碧き海の世界の物語〜 作:短号司令官
前回までのあらすじ
後世世界 前世とも違うこの世界でも戦争は起こっていた…照和16年日本海軍はハワイ真珠湾軍港を奇襲、占領さらにそこからパナマ運河を破壊封鎖、豪州に潜む米艦隊を全て撃滅、そしてさらに米国のマンハッタン計画を阻止に成功していた。
これらの成功の影には全て紺碧の艦隊と呼ばれる一群なる巨大艦隊がいた。そしてその艦隊に対する一人の少女の運命が、今決まろうとしていた。
大洗女子学園 学生寮
みほの部屋
弦月作戦の成功以来、米国の日本に対する動きは無くなった。
紺碧艦隊などの各艦隊は各所において待機しており、これまで紺碧艦隊に同行してきたみほも大洗にて待機していた。
みほ「………」
彼女はベッドに仰向けになりあることを考えていた。
みほ(私達…これからどうなるんだろ……)
これまで彼女らはこの世界に来るまでは戦車道をやっており、学園の危機を救った。だが、この世界に来てからは一変した、この世界には戦車道は存在せず戦争が起きていた。自分たちの世界とは違う
戦車道がない今、果たして戦車道をやる必要はあるのか?
いや、それ以前に自分たちはどうなるんだ?
大高や高野らは自分らを秘匿しているがそれもいつまで続くかは分からない。
みほは考えた。自分たちはこのままでいれば安全かもしれない、だがそれでいいのか?それでは自分達を守ってくれている大高や高野、前原達に対してはどうなのか?彼らは戦っていて自分らは安全なところからこの世界の成り行きを見る。そんな守られてばかりのようなことはみほにとってはどこか嫌だった。
みほ(このままでいいわけがない…)
そこでみほはふと高野が自分に対して言った言葉を思い出した。
高野[君なりの答えを見つけてみなさい]
みほ「………よし…!」
ベッドから起き上がるとみほはある場所へ向かった。
東京都 海軍省
この日は今後の太平洋方面に関する方針の決定会議が行われていた。
高野「……以上の事項により、我が海軍は今後米国に対する挑発行為及び、作戦行動は禁ずる。だが一方で豪州の封鎖は講和に漕ぎ着けるまでのものとし、米国に対する監視警戒の目を強化する。何か異論は?」
「…………」
高野「よろしい…ではこれで今日の会議は終了だ。解散」
続々と会議室を退出していき高野が部屋を出ると日向と出会した。
日向「総長」
高野「おぉ君か」
日向「総長、西住くんが来ています。総長にお話があるとのことで…」
高野「俺に?…分かったすぐいこう」
高野は自室へと向かった。
高野自室
みほ「高野さん」
高野「やぁ西住くん久しいな」
高野はみほの正面に腰掛ける。
高野「さて俺に話があると聞いたが?」
みほ「はい…実は……私を………私を正式に紺碧艦隊に配属させてもらえないですか」
高野「?!」
これまで彼女には紺碧艦隊への同行許可を出していたがなんと今回は配属させてくれとのことだ。
高野「どうしてそんな?!」
みほ「私、考えたんです。私は今まであなたや大高さん達に守られてきていたけど……このままでいいのかって、皆さんが大変な想いをしているのに私達は何もしなくていいのかって……私そんなのいやなんです!だから私も何か皆さんの力になれないかと考えて前原さん達と一緒に戦おうって決めたんです」
高野「西住くん……」
高野はこれまでみほとの交流は多々あり、みほがどんな人間かはある程度わかっていた。ここまで言われると高野も反論しづらい。
高野「だが……だが西住くん、戦場に出れば君も命を落としかねない。私としては君達あんこうチームを連れて行かせるのには…」
みほ「いいえ、高野さん行くのは私だけです」
高野「…?!君だけ!?」
みほ「はい、確かに沙織さんや華さん、麻子さんに優花里さんも一緒に行くとなると危険が大きいです。だから私だけで行こうと…」
高野「君というのは……」
高野はそのまま黙り込みしばらく考え…
高野「ひとまず、前原と話をさせてくれんか…?」
みほ「はい」
料亭 田山
高野「……というわけなんだが、君はどう思う?」
前原「なんと言えばいいか……」
高野「確かに西住くんの言うこともわからんではないが…」
前原「………」
高野「だがあの子はまだ若い、二十歳にも満たないあの子を戦場出しては前世と同じことになりかねん」
両者の間で沈黙が流れ……
前原「閣下」
次に口を開いたのは前原だった。
前原「不本意ではありますが自分は連れて行ってやろうと思います」
高野「何!?」
前原「自分は長らくみほと過ごしてきて、あの子のことを理解しているつもりです。あの子がそう言う以上もう言っても無理かと…」
高野「……そうか…だが今後の相手は独国だ。危険は今まで以上に伴うぞ」
前原「分かっております。ですから仮に自分の艦が沈められらようなことがあれば海に放り投げてでもみほの命は助けるつもりです」
高野「ははは…そうか、頼もしいな。まるで西住くんが君の嫁にでもなったみたいではないか」
高野が苦笑しながら言うと
前原「よっ?!……はははまっまぁ、そっそうですかねー…はははー」
前原は顔を少し赤くしており、口調も少し棒読みがちになっていた。
高野「うむ?……ははぁさては西住くんのことを好いているのか?」
前原「いっいえ!べっ別に……」
高野「はははw隠さんでもいいよ。それで本心ではどう思っとるんだ?」
前原「まぁ……自分からしてみほはある意味では妹か娘に近しいものかと……それに紺碧島で噂になっていたのですがみほも俺のことが好きなのでは?…と」
高野「ほぉ!それじゃあ両想いというわけか!ははははwこいつは面白いw」
前原「ですがまだそうだとは…」
高野「まぁいずれにしろ西住くんは君の艦隊の一員とするならそのくらいの覚悟はいるな。頼むぞ」
前原「はい。ところで閣下、富士の爆撃の方は…?」
高野「うむ。ようやく爆撃成功の目度がたった。だがTY弾そのものはまだできておらんからな。出撃は早くても再来週か、そのまた次の週になりそうだ」
前原「なるほど、自分らの方は補給潜の準備が整い次第すぐに出撃するつもりです」
高野「いよいよ、独国との勝負だな。褌を締め直さなければならんな」
前原「はい」
両雄はここに至ってみほの紺碧艦隊への配属の可否とこれから起きるドイツ第三帝国との戦いへの覚悟を新たにしていた。
その頃……
大洗女子学園
「「こっ紺碧艦隊に?!」」
みほ「はっはい…」
みほは自室にて同じあんこうチームに自分の想いのうちを明かした。
沙織「……確かに…みぽりんの言うことは…分からなくはないけど……」
優花里「でも……」
華「戦場に行かれるなんて……」
麻子「…………」
優花里たちはどう言えばいいか分からずにいた……
みほ「…危険だっていうのは分かってます……でもどうしても行きたいんです……!」
麻子「戦車道はないから、戦車道をやろうとは言わないが……」
優花里「西住殿だけ行かせる訳には行きません…!それなら私たちも…!」
みほ「だめです!」
優花里「えっ……?」
沙織「みっ…みぽりん…?」
華「みほさん…?」
みほ「……優花里さんの言うことも分かりますけど………けど!お願いです!私だけで行かせてください!」
麻子「隊長…」
みほ「一人で行くのは寂しいです……でも、皆さんを……私の大切な友達を一緒には連れて行けません。それに私、前原さんや高野さんたちに出会って思ったんです」
華「何を…ですか…?」
みほ「…この人達が…目指すのが未来がどんなのか…この世界にどんな未来が訪れるのか!……それを一緒に見届けたいんです…!」
優花里「西住殿……」
沙織「みぽりん…」
華「みほさん……」
麻子「………隊長がそこまで言うなら私達に止めるつもりはないよ」
みほ「麻子さん……」
沙織「じゃっじゃあ、みぽりんこれだけは約束して…!」
みほ「えっ…?」
優花里「絶対に、絶対に生きて帰ってきてくださいね!」
華「いつかまた戦車道が正式にできるようになったら…この五人でまたやりましょう!」
みほ「みんな!…………うん!!」
こうしてみほは紺碧艦隊と共に海原へと向かうのだった。
数日後
横須賀基地の一角
時刻は午前5:50
高野と日向が朝日を見ていた。
日向「美しいですな……」
高野「あぁ」
するとそこへみほがやってきた。
みほ「高野さん」
高野「おぉ来たか」
みほ「前原さん達は…?」
高野「うん?あぁ大丈夫だもうしばらくしたら来るさ。それよりほら」
みほ「えっ?」
高野がみほの後ろを指すと優花里や沙織、華や麻子あんこうチーム一同、さらにまほにエリカ、ダージリン、ケイ、ミカ、西、ノンナに肩車されたカチューシャ、アンチョビが来ていた。
みほ「みっ皆さん?!」
優花里「西住殿、せめて見送りぐらいさせてください」
みほ「どっどういうことですか?!」
華「私たちから皆さんに連絡したんです。事情も一切を話しました」
まほ「みほ……これからお前が行くのは本当の戦場だ……死ぬかも知らないが、本当にいいのか……?」
みほ「うん……私もう決めたから…」
エリカ「あんた、絶対生きて帰ってきなさいね!あんたのいない大洗を倒しても意味ないんだから」
優花里「なっ?!」
ダージリン「そうね……みほは大洗にいてこそですから」
ケイ「いつかはまた決着をつけましょうね!」
アンチョビ「まぁ…戦車道ができればの話だが……」
カチューシャ「何言ってんの!!できるに決まってんでしょう!」
そんな風に彼女らが話しているのを高野と日向が見守っていると………
日向「!…総長、来ました!」
高野「うん?おぉ、諸君彼らの到着だ」
みほ「えっ?」
高野らの先にみほ達が視線をやると海中から鯨と見間違えそうなほど巨大な鉄の塊が勢いよく姿を現した。イ601潜だ。さらにそこから少し離れたところにイ501、502、503潜が浮上した。
イ601はゆっくりとそのまま桟橋に近づいてきた。
エリカ「なっ……なんなよ…これ…」
まほ「おっ大きすぎる……」
ダージリン「もしかして……これが」
カチューシャ「ミホーシゃの言ってた……」
アンチョビ「潜水空母……って奴か?」
みほ「はい、そうです」
ケイ「するとこれが……DEEP BLUE FLEAT………紺碧艦隊……」
西「話には聞いていましたが、まさかこれほどとは……」
ミカ「この世界の風はすごいね……」
初めて見るその巨体に彼女らは圧倒されつつあった。
桟橋に着くとセイルから前原、入江、品川の三人が姿を現した。
高野に敬礼する。
イ601 セイル
セイルから前原たちはみほ達の様子を見ていた。
入江「あれが各校の戦車道の隊長達か……」
品川「なんと言うか……随分と風変わりな格好ですな……」
前原「そうだな…新顔も何人かいるな。どうする?二人も来るか?」
入江「いえ、我々はここで待機しております」
前原「分かった」
そう言うと前原はセイルから出て桟橋に降りる。
アンチョビ「誰か降りて来たぞ?」
まほ「すると、あの人が…」
みほ「うん、あの人が前原一征さん」
前原「前原、ただいま参りました」
高野「うむ、確かに確認した。少しやり過ぎじゃないか?」
前原「挨拶代わりに一つ派手にやろうと思いましたが……やはりそうでしたか?」
高野「はははw結構、さぁ行ってやれ西住くんがお待ちかねだ」
前原はみほの方へ向かった。みほも前原へ駆け寄る。
みほ「前原さん…」
前原「みほ…本当にいいのか?……今ならまだ引き返せるが…」
みほ「いいんです。もう決めましたから、引き返すつまりはありません」
前原「そうか……」
そうして前原はまほ達の方に顔を向ける。
前原「諸君、お初お目にかかる。俺が紺碧艦隊司令の前原一征だ。君たちのことはある程度みほから聞いている」
エリカ「あなたが……」
まほ「すいません、今回は妹の我儘を聞いてもらって…」
前原「気にすることはない、俺もみほの言うことには一部同情できる点があったからな」
アンチョビ「しかしすごいな、本物の司令官なんて生まれて初めて会ったぞ…」
ミカ「やっぱりみほさんには人を惹きつける何かがあるのかもね」
みほ「えっ?!そっそんなのありませんよ、私なんかに…」
前原「そうとは言い切れんぞ、俺とお前が会えたのも何かの縁だ」
みほ「前原さん…」
カチューシャ「あんた、ミホーシャに何かあったらただじゃおかないからね!その時はツンドラで強制労働よ!」
前原「うん?はははw分かった肝に命じておくよ。まぁ心配するな万が一俺の艦がやられるようなことがあれば、俺は真っ先に浮上してみほを海に放り投げてでも助けるつもりだ」
みほ「ふぁ?!」
沙織「まっ…前原さん…?」
高野「はははw冗談だよ諸君」
高野が笑いながら近寄って来た。
高野「西住君は若い、若い者を冷たく暗い海底に沈めてしまうのも可哀想だからな。それくらいの覚悟ははあると言うことだ」
前原「それくらい無ければ軍人は務まらんからな」
まほ「は……はぁ」
エリカ「逆にちょっと怖いかも……」
前原「さて、長話もこれくらいにしてだ。みほ準備はいいか?」
みほ「はい!」
前原「よろしい、これから俺達が向かうのは大西洋だ。ちょっと長い船旅になるが大丈夫だな」
みほ「もちろんです」
前原「じゃあ、行くか」
二人が行こうとしたそのとき
「「「「みほ」」」」(西住殿)
みほ「ふぇ?」
呼ばれて振り返ると
まほ達「「「「いってらっしゃい」」」」
前原「…!」
みほ「……!!……行って来ます!」
そうしてみほは前原と共にイ601潜に乗り込んだ。
ここからこの後世世界におけるみほの新たな人生はスタートを切った。
果たして彼女に、紺碧艦隊にはどのような困難がまちうけているのか?!
そして前原一征はみほを守り切れるのか?!
紺碧のガルパン 対米国戦編 終
対米国戦編が終わりました。どうでしたでしょうか?
正直なところガルパンキャラについては自分はまだpixivやyoutubeなどで見ただけのど素人です(ごめんなさい)
これからは番外編などでどんどんいろんなキャラを描いてもっと上手く描けるようにしていきたいです。不慣れな者ですいません。
今後ともどうかお願いします