ガールズ&パンツァー 鋼鉄の乙女と海の漢達  〜碧き海の世界の物語〜   作:短号司令官

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どうも短号司令官です!読者の皆様長らくお待たせしてしました!
今回より紺碧のガルパン連載を再開します!それではどうぞ!


対独国戦編
プロローグ 新たな戦いです!


 

昭和16年 ブーゲンビル島上空で戦死した連合艦隊司令長官 山本五十六は時の流れを遡った38年前の日露戦争時の自身に転生した。彼はこの後世では高野五十六となり、同じ悲劇を繰り返さんと陸軍中将 大高弥三郎と共にクーデターを決行。だが戦争への流れは止められず照和14年 12月8日開戦を迎える。しかし、突如としてはるか未来から来た戦車道なる謎の武道をやる少女達が現れる。戦争は彼女らも巻き込み、照和20年 新たな局面を迎えようとしていた。

 

 

 

 

照和20年 8月15日

 

帝都は蝉の声が響き、真夏の日差しが照り付けていた。

 

泰明軒

 

ここでこの日、大高高野両雄に加え海軍紺碧会の参謀達との昼食を兼ねた最後の打ち合わせが行われていた。

 

高野「いよいよ本格的にナチス第三帝国との戦いが始まる。諸君らが心血を注いだ対独戦略が試されるわけだが、敵は米国以上に手強いと心得よ!これまで以上に厳しい戦いが続くと思ってほしい!」

 

大高「まぁまぁ総長、カレーライスは熱いうちが美味い。食べながら話そう」

 

高野「は、そうですな」

 

この日は金曜日ということで海軍の伝統であるカレーが出されていた。

 

高野「見ての通り簡素なものだが海軍の伝統で味も良く量も存分にある。皆で心行くまでやってくれ!」

 

「「いただきます!」」

 

ルーをご飯にかけ大高も一口食べる。

 

大高「おぉ⁉︎噂通りに辛いな!だが美味いぞ!」

 

余りの辛さに驚き水を飲むが同時に舌鼓も打つ、そんな光景に一同笑った。

 

昼食を終え、大高は官邸に戻る。道中皇居や街の景色を見ながらふとあることを思った。

 

大高「前世での今日、8月15日…日本が連合軍に対して無条件降伏をした日であった。帝都は一面焼け野原だった、前世での敗戦は昭和19年のマリアナ沖海戦の時点で決していた……」

 

この海戦で日本軍は出撃機数379機で270機余りが撃退、それに対し米側は僅か29機の損失であった。加えて日本側は空母3隻と補給艦2隻を失う結果に終わった。敗因は米側の新たに開発したVT近接信管と優秀なレーダーにあり、日本の精神主義が米国のハイテク技術に完敗したのであった。

 

大高「だが…この後世世界では戦争は未だに続いている。前世の轍を踏んではならない!」

 

その内車は官邸に到着する。その際秘書達からの出迎えを受ける。

 

「お帰りなさいませ。昔原閣下がお待ちです」

 

大高「おぉお見えか」

 

大高はその昔原という人物のいる部屋まで向かう。

 

応接室

 

大高「お呼びたてして申し訳ない」

 

大高の目の前には白長髪で顎に長い白髭を蓄えた老師がいた。彼こそが前世での石原莞爾こと昔原莞爾(せきはらかんじ)であった。

 

昔原「なぁにわしも今着いたばかりじゃよ」

 

彼は前世では日本の大陸への侵略や米国との戦争反対を抗議し言うことが奇抜な言動が見られた為奇想将軍と渾名され軍から追放されたのであった。そこの事情はこの後世でも同じだが実はクーデター実行後に首相に就任した大高を陰で支えるブレーンでもあったのだ。

 

昔原「で、この半分耄碌した老人を呼び出しとは何用かな?」

 

大高「はい、東方エルサレム共和国構想もそうでしたが……どうしても閣下の知恵袋をお借りせねばならん事案が…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昔原「ヒトラー政権誕生の秘密じゃと……?」

 

茶を啜りながら昔原が問う。

 

大高「ナチス第三帝国を敵に回すからにはその実態を知っておかなければなりません」

 

昔原「突飛なことと思われるかもしれませんが……」

 

大高「是非お聞かせ願いたい」

 

昔原「……奴は魔術を使っておる」

 

大高「魔術…ですか…?」

 

昔原「…ヒトラーは一見狂気のようにも見えるが実は狂いつつも冷めておるところがある。やる事は神がかり的だが恐ろしく計算され尽くしておる」

 

大高「情報によりますと、知能指数が150近くあるとか…」

 

昔原「ふふふw知能については気にしなくていい。わしもそのくらいはある。寧ろ問題は背後におるグループじゃよ」

 

大高「と申されますと…?」

 

昔原「例えば宣伝相のゲッベルスだ。知能指数が180を超えてるそうだ。ヒトラーは独裁者だが政権の中核は寧ろこの辺りの連中じゃよ」

 

大高「なるほど」

 

仮にそのチームが本当に政権の中核だとしたらヒトラーはそのチームの操り人形ということになる。

 

昔原「わが闘争(マイン・カンプ)をわしの研究所でも調べてみたが、あれはどん底にあえぐ民主にあてた行動方針だよ。あれ程明確に国家方針を掲げた書はあまり例がない」

 

大高「しかし、どう読んでもかなり妄想的ですが…」

 

昔原「いや、それが実は計算され尽くしておるのだよ。事実計画は成功し、少数党のナチスが政権を握ったではないか。少なくとも国民はヒトラーとナチスを支持しておる。なぜとお思いか?……魔術じゃよ」

 

大高としてもとても信じがたい話だった。

 

昔原「第三帝国の実態というか、その核心には明らかに魔術の原理がある。宜しいかな?このことを見誤ると対独戦略を間違うことになる!ーとわしから総理に忠告しておきたい」

 

 

やはり奇想将軍である。言うことがぶっ飛んでいるがある意味これはナチス第三帝国の本質を捉えた鋭い指摘でもある……。

 

昔原「総理は今のわしの話を信じますか?」

 

大高「……今のところはなんとも言いかねます」

 

昔原「…ははっw結構結構一国の首相が魔術の話に夢中になってもらっは困る。しかし総理の頭の片隅には入れておいて貰いたい」

 

大高は静かに頷く。

 

昔原「ところで話は変わりますが、総理はわしの言った例の言いつけを守っておりますかな?」

 

大高「はいその件に関しましても、学園艦からは必要以上な技術は得てはおりません」

 

学園艦の話を昔原が無論知らないわけがない、大高はみほ達との面会後こんな風に昔原に助言を乞うた。軍事的な技術が無いにしろ、未来の技術であることに変わりは無いため後世日本の技術は大高の予想を遥かに上回るスピードで発展しようとしていた。

 

ラジオも高精度のものが既に全国に普及しておるほか、一家に一台ずつ電話、冷蔵庫、洗濯機が置かれ最近ではカラーとまではいかないがテレビや車、更にはエアコンすら持つ家庭もちらほら見え始めている。

都市部も現在至る所で改修工事などが進められており帝都の一部は道路がコンクリート化している所もある。

 

昔原「それなら宜しい。どうも近頃、真新しいものをよく見るようになったのでな」

 

大高「それもこれも学園艦のおかげです。おかげで国内総生産が一昨年の倍にいきそうな勢いです」

 

昔原「それもそうじゃが、大洗で見つかった例の一〇式というのはどうなさっておるのですかな?」

 

一〇式戦車 現代における四代目の国産戦車にして自衛隊の最新鋭戦車だが、以前に大洗女子学園を訪れた蝶野亜美の残した置き土産が持ち主無しでこの後世へとやってきたのだ。

 

大高「現在わが陸軍が秘密裏の下、管理調査をしておりますが、なんとも凄まじいものです。未来の我が国があんなものを作れると知った時は私も舌を巻きました。ですが現状あれを量産配備は流石にしません、独国と戦うならば対等にやらねばなりませんから」

 

昔原「その言葉を聞けて安心しましたぞ」

 

 

午後3時を回った辺りで官邸にこの二人が訪れた。

 

前原「どうだ?少しはここの夏に慣れたか?」

 

みほ「はい、でも私たちがいた時代に比べたらそこまで熱くないように感じますね」

 

白のスーツに身を包んで前原と白色のワンピースを着たみほであった。

 

前原「ん?」

 

みほ「前原さん?」

 

官邸玄関の近くまで来たところで前原は足を止める。彼の視線の先にはちょうど官邸を後にしようと車に乗って行く昔原の姿があった。

 

前原(あの御仁は……)

 

みほ「?」

 

二人はそのまま昔原と入れ違いになる形で大高の下へと向かう。

 

大高「暑い中ご苦労さまです」

 

前原「内地より紺碧島の方が涼しいくらいです」

 

みほ「私は元いた頃よりはいいです」

 

大高「今日はまた特別です。あの日も暑かったですなぁ」

 

前原「は?」

 

みほ「あの日……?」

 

大高「あっいえ、先程まで昔原閣下がお見えでした」

 

前原「やはりそうでしたか……」

 

みほ「誰なんですか?その昔原って人……」

 

大高「一言で言えば私の先生のような方です。いずれ西住さんもお会いするでしょう」

 

前原「それで昔原閣下からはなんと?」

 

大高「ナチスとヒトラーについてのご意見を伺っておりました。昔原閣下は奇想将軍と呼ばれ変人扱いされておりましたが、なんのなんの!知識の深さは優に及ばず機略縦横の御仁でしてな。東方エルサレム共和国構想も元はと言えば閣下の考えでしてな」

 

前原「そのように伺っております」

 

大高「ヒトラーは若い頃画家を目指したそうですが、地球というキャンバスに戦車飛行機を絵筆代わりにして全体主義という絵を描こうとしている。額縁内の話ならまだいいが世界そのものを変えられてはたまりません!」

 

前原「ですが閣下も亜細亜の枠組みを変えようとしておられる」

 

大高「まぁその通りです」

 

扇子で仰ぎながら答える

 

みほ「でも大高さんのやり方はヒトラーなんかと違って争いごとを起こさないようにやっています」

 

前原「つまりは破壊無き新秩序建設です」

 

大高「理想はそうです。ですが戦争に破壊は付きものです、仮に我が国が一切の武器を放棄して完全平和国家を宣言したとしよう。日本はどうなるでしょう?」

 

前原「……少なくとも独立は保てません、大国の属州にでもなって守って貰わねば」

 

大高「現実は厳しいものです。僅かな兵力で滅ぼされたインカ帝国のようになってしまう可能性があります。現に中立を宣言したベルギーもルクセンブルクも第三帝国に蹂躙されています。もし仮に米国との戦争を避け、ハルノートを呑んでいたとしたら…」

 

前原「平和の代償として国民が払うのは貧困です。国民は慢性的な飢餓に苦しめられていたでしょう」

 

大高「現にそうなった国は沢山あります。独立前亜細亜の国々のように白人という主人に仕えることになるのです」

 

みほ「それじゃあ………私達がいた時代の日本も……」

 

大高「残念ながら事実上そうなってしまっています。未来の日本は自衛隊という防衛力を持ちながら米国に頼らざるを得なくなっております。周囲を北朝鮮やロシアという脅威に脅かされながら……」

 

みほ「そんな……!」

 

前原「堪えられることではありません」

 

大高「我々亜細亜民族は以前として欧米列強の収奪に喘ぎ続けなければならないと思っていました。ことの善悪は別として、前世の大東亜戦争はそれまで迫害の対象でしかなかった有色人種が初めて本格的に白人列強に戦いを挑んだのです!発展途上亜細亜、白人からの蜂起だったと私は思っています。ですが前世日本は方向を誤った根本的なミスをしたのです。そのせいで多くの人々に迷惑をかけたのです」

 

前原「総理。その償いの為、みほ達の世界のような未来にしない為にもに我々はこの後世日本転生してきたのです」

 

大高「我々もそう思いたい、そうすることで我々の罪も消されるでしょう………ところでお二人共」

 

前原「はっ、今日自分とみほがお伺いしましたのは我々も旭日艦隊に合わせて出撃するのでその挨拶に参りました」

 

大高「そう言えば貴官の艦隊は改装中でしたな」

 

前原「はい。新兵器の搭載と機関の性能向上為の改装です」

 

みほ「私はそれまでの間だけでもゆっくりしてってことで大洗に帰ってました。前原さんには昨日迎えに来てもらいました」

 

大高「おぉそうでしたか、大洗や他の学園の方も西住さんが帰って来たことでさぞ喜んだでしょう。それに伊500型潜には新たに噴式水戦が搭載されたと聞きましたが」

 

前原「はい、今回の作戦に辺り心強い限りです」

 

大高「…また苦労をかけます。西住さんも気をつけて」

 

みほ「はい!」

 

前原「…行ってまいります…!」

 

 

前世での敗戦の日、8月15日をもって後世世界はまた新たな局面に入ろうとしていた。

 

 

 

紺碧のガルパン 新章対独国戦編 新たな戦いです! 〜終〜




今回はプロローグということで新装紺碧艦隊出撃の最初の部分をまとめました。今後は旭日の黒森峰も順次更新していこうと思いますので宜しくお願いします!ご感想お待ちしております♪
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