ガールズ&パンツァー 鋼鉄の乙女と海の漢達 〜碧き海の世界の物語〜 作:短号司令官
第4話(最終章)まだ見れてないけど予告などからあんこうチームが序盤から離れるという事態から本作では久しぶりに登場します。
あと一言ブライト艦長
照和20年 3月 マダガスカル島陥落………
同じ頃米国ではパナマ運河第二運河完成……
照和21年 6月某日
ハワイより東南東に4000km、米本土ロサンゼルスより南に3000kmの太平洋の只中に我が紺碧艦隊の姿があった。
イ601
前原「上空直掩機射出急げ」
入江「電探に敵の機影艦影、共にありません」
品川「噴式春嵐を2機出します。一機は射出待機」
沙織「あ〜やっと出た〜」
麻子「やはり大きいとは言え狭いとかなわんな…」
華「でも久しぶりの潜水艦のご飯もとても美味しかったです」
優花里「こう言ってはなんですけど、比叡の方がまだ過ごしやすいかと…」
みほ「優花里さん、華さん、沙織さんに麻子さん、ご苦労さまです」
今回、インド洋から一度太平洋へと再び展開するに当たり、みほたっての希望であんこうチームの面々と共に航海をしたいとのことで、一度小笠原沖で大洗女子学園と合流、そこで四人を乗せてきたのだ。
前原「調子はどうだい?」
沙織「なんとかかんとか…って言ったところですかね…」
優花里「私達は兎も角、こんな艦内で生活してる西住殿はやっぱりすごいです」
みほ「えへへ…あの前原さん、今回すごいものが見られるって聞いてたんですけど」
前原「うん、艦長時間は?」
入江「はっただいま一三三〇…予定通りです」
前原「艦長は兎も角、みほ達は
優花里「鳴門……でありますか?」
みほ「前々から聞いてはいましたけど…」
入江「はい、楽しみであります」
春嵐が発艦した直後、調音から鳴門浮上との報告が入る。
11時方向、セイルは他艦と似た様な形だが艦体が大きく異なっている。
みほ「わぁ…!」
沙織「これは…」
華「まるで…」
優花里「なんと言うか…その…」
麻子「ケーキみたいだな」
入江「凄い…ものですな……!」
それに呼応するかのように次々に同型艦が浮上してくる。
入江「壮観でありますな!」
前原「鳴門の凄いところはここからだ」
彼の言うその凄いところとは?
二番艦を中心に各艦が妙な行動を取り始める。
一番艦が横に接舷したかと思えば、大型のフックが双方についており、それにより両艦は完全に接舷した形でロックされたのだ。
それと同じような行動を残りの艦がやり始める。
全12隻、それら全てが合体した姿はまさに……
麻子「ホールケーキ…?」
まさに海に浮かぶ一大要塞、この鳴門は現在ミクロネシアに配備されている特ロ型無艦橋潜20隻の補給、給油基地となる。
入江「これは凄いものです!ハワイをここまで移動させてきたようなものです!」
優花里「こんな兵器…私達の時代にも存在しませんよ……」
前原「鳴門は戦国時代の出城を模している。米国はいずれライン諸島かツアモツ諸島に前進基地を置いてハワイ奪回を狙うだろう」
みほ「成程…」
前原「仮にロサンゼルスやサンディエゴを起点とした場合、この鳴門は北上し背後を突ける」
入江「まさに出城そのものですな」
前原「軍令部はこれを"龍宮作戦"と呼んでいる」
入江「成程〜鳴門を龍宮に見立てるとは軍令部には中々のロマンティストが揃っておりますな」
前原「そっ…そうだな…」
優花里「前原殿…?」
華「どうかしたんですか?」
みほ「ふふふ」
前原は龍宮作戦を命名したのが自分だとは言えず、ただ笑うしかなかった。それを知るみほはニヤニヤしながら前原を見ていた。
前原「…みほ、そんな風に俺を見ないでくれ…」
みほ「はぁ〜い」
さて、鳴門は直径205mの円盤を12分割した各艦によって形成される。
一艦は全長99m全幅54.5m楔状の船型に尾部に特ロ型潜専用ドックを一基備えている。
単座水上機の搭載艦は4隻、12隻が有機的に分離、結合を繰り返し如何なる戦況にも対応可能なのだ。無論状況次第によっては結合状態での潜航も可能だ。
しばらくして、特ロ型潜の一隻が浮上し整備に入る。
この日より3日間に渡りミクロネシアに配備されている特ロ型潜20隻の補給、給油が行われその間紺碧艦隊が護衛の任務に就く。
イ601 作戦室
前原「特ロ型潜の補給が終わり出撃次第、我々もこの作戦に加わる。今作戦においては可能な限り秘匿性を保つことを責務として貰いたい」
「では攻撃は無し…という事ですか…?」
前原「そうだ当分の間は攻撃は禁止だ。各艦の艦長にも厳命済みだ」
それを聞き少々ざわつくが前原は続ける。
前原「諸君、よく聞いて貰いたい。戦争とは前線部隊だけがするものでは無い、全体が重要なのだ。戦術の前には戦略がある。さらに戦略の上には大戦略があるのだ。この大戦は
「……しかし勝てるのに負けねばならない、不満です…どうしても負けねばならんのですか⁉︎」
華「水雷長さん……」
前原「……負けねばならんのだ、我々自身の為にも。国家はシステムなのだ。それは継続されたものだから一朝一夕にも変えられん。だが敗戦を経験すれば、一気に変わる…いや、強制的に変えられる。急死に一生を得たものがよく人生観が変わったという国家もそれと同じだ。負けることによって、新しい時代へと適応できるようになる。だからと言って誰に負けても良い訳では無い第三帝国とソ連には絶対に負けられない。その理由は今更説明するまでも無いだろう。しかし!米国は民主国家だ!世論を反映しうる理性ある国家だ。大高総理曰く、負ける事に意味ある負け方をするのが米国だと……龍宮作戦はその大戦略の為の鳴門を要とした諜報活動なのだ。一見容易なようにも思えるが、将来の国運を決しかねない作戦であることを肝に命じて貰いたい」
補給と給油を済ませた特ロ型潜は直様鳴門を離脱、諜報哨戒を任務に米大陸へ向け発進した。
追って紺碧艦隊も始動、ここに龍宮作戦は本格的に始動されたのだ。
それから一ヶ月イ601は諜報、哨戒の任務をこなしながらパナマ沖を遊浴していた。
そんなある日深夜のことだった。
海中にまで響く謎の爆発音を聞きつけるのだった。
イ601
入江「調音どうした?……うん、録音を続けよ」
発令所の扉が開き、みほ達が起きてきた。
前原「やぁ、お目覚めだな」
沙織「こんな深夜になんですか……?」
麻子「さっきからドンドンうるさくて眠れないんだが……」
みほ「前原さん一体何が…?」
前原「あぁ艦長」
入江「はっパナマ方向よりの連続した爆発音を捉えたようです」
前原「第一配備深度50」
浮上する最中でも爆発音は続く。
前原は調音に通信を入れる。
前原「音源の確認はできるか?」
『いえ距離は約1万、しかしこの音は雷撃とは思えません』
前原「爆雷攻撃か?」
『いえ、違います』
前原(爆雷でも雷撃でもない……となると砲撃?すると海上艦か…⁉︎)
「調音、付近にスクリュー音は?」
『いえ、ありません』
そのまま彼は魚雷室に繋ぎ、音通魚雷を改造した偵察魚雷 海遊 を発射させる。
海遊はケーブル接続がなされており、ある程度の操作が可能である。
ともあれ海遊は浮上し、内臓された小型カメラを起動させる。
また米軍の無線も傍受、それによると商船が潜水艦からの攻撃を受けた為に、駆逐艦が爆雷攻撃を行ったとのことらしい。
前原「うむ…潜水艦なら爆雷攻撃の辻褄は合うが……」
みほ「砲撃音が引っかかりますね…」
前原「とにかく確認だ。海遊を即時回収しろ」
回収した海遊の捉えたカラー写真を現像し、確認する。
「写っているのは米艦艇ばかりです」
前原「うむ」
「写真で見る限り、砲撃に間違いありません。被弾痕から見て、15サンチ砲だと推定されます。それも一門では無く数門の…」
前原「だろうな」
入江「しかし、潜水艦がそんな砲を…?」
前原「俺もそう思う、だが事実は事実だ」
品川「
入江「新発想は我々だけでは無いということだ」
優花里「あの〜品川殿が仰った砲撃潜水艦ですが、発祥はドイツではありません」
一同「「えぇ?」」
入江「どういうことかね優花里さん?」
優花里「はい、それというのも砲撃潜水艦というのは史実でもそうですけど、既にフランス海軍が保有していたスルクフというのが存在していたそうです。こちらは主砲に20.3cm砲連装砲を一基搭載していたようであります」
入江「なんと…フランスが発想したとは」
品川「ですが20.3cm砲を搭載とは……写真の奴より強力だな…」
優花里「でも…」
前原「でも…?」
沙織「どうかしたの?」
優花里「口径は兎も角、この写真を見る限りですと、かなり早い発射感覚で撃っていたような感じなんですよね。それに、15cm砲も恐らく一基のみではなさそうです」
前原「だが問題は、何故そんな化け物を作ったかだ……理由は必ずある筈だ…」
???
「諸君!今日はよくやった乾杯だ!」
「「ジィク・ハイル!」」
フードリッヒ・フォン・ゴットシャルク大佐
「ハイル・ヒットラー!」
掲げたグラスからシャンパンを飲み干す。
フードリッヒ「諸君、本日我々は敵輸送船3隻とフリゲート艦2隻を血祭りに挙げた。この
「「ジィク・ハイル!ジィク・ハイル!…」」
イ601 調音室
「遠ざかります…敵速10、微弱な音源ではありますが、先日の奴で間違いありません。しかし、こんなやつ初めてです!特殊なスクリューを使用していると思われます」
前原「発令室、現在の距離を保ちつつ、追尾開始」
入江『はっ!』
発令室
みほ「どうします、攻撃しますか?」
前原「いや、それは敵の性能を確かめてからだ。事によっては戦局に重要な影響を及ぼすかもしれん」
着かず離れずのイ601の追跡は続いた……
そして、独艦の行先が朧に見えてくるのだった。
前原「総員に告ぐ、これより本艦は謎の独潜を追って、米勢域カリフォルニア湾に入る。各員第一戦闘配備、静粛を待って任務を続行せよ」
カリフォルニア湾に入った独艦は、米艦艇に見つかるのを警戒し、速度を絞り絞り、湾最深部を目指し航行していたのであった。
入江「湾内潜航2日目です。奴は一体どこへ行くつもりでしょうか?」
前原「湾の中なら獲物に不自由しないだろうが、湾の出口を塞がれたら追い回されて、撃沈は時間の問題だ。それを承知でやるということは…」
みほ「何か重大な目標、任務がある…という事ですか?」
前原「恐らくな…」
そう言って彼は戦闘配食のお握りを口にする。
UX99
フードリッヒ「本作戦の司令書を開封する」
内ポケットから司令書を取り出し、内容を目で読む。
フードリッヒ「…っ!これは…!」
それから司令書のコピーを幕僚達に見せる。
「目標が、まさか
フードリッヒ「諸君我々の目標は米国のプルトニウム製造工場だ。言うまでもなく、我が第三帝国でも製造中の原子爆弾の材料でもあり、世界を支配できる力だ。この任務は帝国の参謀に関わる重大任務だ!無論危険も伴うが、成功の暁には大きな名誉と我が第三帝国の勝利が手に入る!総統閣下の為にも全力をつくそうでは無いか!勝利を我が手に!」
「「ジィク・ハイル!ジィク・ハイル!…」」
独艦の目指す米プルトニウム製造工場は、湾奥にあるアンヘル・デ・ラ・グアルダ島にある。
UX99は浮上し、砲塔部のハッチが開き内部から15cm砲が出てくる。
また優花里の予想した通り、主砲は前後2基搭載されてあった。
諸元入力が終わり、大佐の号令で主砲が放たれる。
第1射で目標施設の電源が落ちる。さらに続けて第2射、第3射と毎分8発の速度で連続射撃を加える。
そして刹那、工場そのものに命中したのか大爆発を起こす。
これで攻撃成功と見た大佐は、砲塔を収納させ急速潜航、退避を計る。
砲撃潜水艦としての能力を遺憾なく発揮し、目標のプルトニウム製造工場を破壊したUX99は追撃する米軍の予想を遥かに超える深度で湾内を南下、一路太平洋へと出ようとしていた。
まさかの追尾者が居るとも知らず………
イ601 司令官室
品川「米国のラジオ放送では何も言っておりません」
前原「独国の無線傍受と東機関の情報によると、奴が襲ったのは原爆の製造工場だ」
入江「成程、それなら危険を犯す価値はあります。我々もやりましたからね」
「しかし、15サンチ砲を機関銃のように撃ちまくっておりましたが…凄い威力でした…!」
前原「やはり、大砲では独国に一日の長があるな。しかも、沿岸奇襲用の砲撃潜水艦とは恐れ入った」
みほ「撮影した写真を分析してもらったんですけど……」
前原「けど…どうした?」
優花里「あの潜水艦は、このイ601以上の大きさだったんです。前原殿」
前原「化け物だな全く…」
みほは落ち着こうとお茶を口にする。
前原「……いっそ捕獲したいなこいつを」
一同「「はぁ⁈」」
みほ「ブフゥーーー⁉︎」
その一言で一同驚き、みほは飲んでいたお茶を漫画でよくあるシーンかのように、口から勢いよく吹き出した。
優花里「にっ西住殿⁉︎」
前原「みほ⁉︎」
沙織「みぽりん大丈夫⁈」
みほ「ケホッケホッ…はいなんとか……あの前原さん…」
前原「なんだ…?」
みほ「今、なんて言いました……?」
前原「ん?…あぁ、この敵潜を捕獲したいな…って言ったが?」
みほ「え……」
前原「捕獲できれば得るものは大きい」
品川「しかし…」
華「可能…なんですか……?」
前原「不可能…だとは誰も言っていないだろ?まぁ聞いてくれ、ここに居るのは?」
そう言って彼は地図のある地点を指す。
麻子「鳴門が居るな」
前原「そうだ。俺も鳴門が居なければ、この計画は思いつかなかったが、作戦の要は砲撃潜水艦という点だ。奴らの絶対の自信を逆手に取る」
みほ「自信を……逆手に…?」
作戦の内容は、連絡気球を通して鳴門と各地に展開する特ロ型潜に伝えられる。
その間もイ601による追尾は続き、2日後の深夜。
独艦捕獲作戦が始動する。
雷洋と春嵐が発艦し、目標を探す。
その頃、目標のUX99は艦内の空気の入れ替えと補充の為、浮上航行していた。
『小型艇らしきもの接近!』
レーダーが捉えたのは、水上をスキー飛行する春嵐である。
UX99は機関砲での迎撃を試みるが直様上昇、大佐は急速潜航を命令。
潜り始めた時、春嵐はある爆弾を投下するが相手側はそれに気づくことはなかった。
春嵐が投下した爆弾は、親子型爆弾と呼ばれる中には超長波発信機が取り付けられた吸着弾が内臓されていた。
イ601
品川「司令官、電文です」
前原「うん、読んでくれ」
品川「はっ"発イ503宛イ601猫に鈴を着けた"であります!」
前原「よし、後は猫を鰹節まで引っ張って来る仕事だ」
特ロ02
「艦長きました!方位087、距離6500、敵速10!」
「よぉーし魚雷室!1、2番発射よぉーい!敵潜の鼻先を掠めてやれ!くれぐれも当てるなよ!」
『難しいですなぁそれは……諸元入力終わり!』
「ぅてぇーい‼︎」
2本の魚雷が敵潜を目掛けて進む。
UX99
「突発音確認!至近より魚雷が発射されました!」
「右転舵深度120!」
フードリッヒ「馬鹿な!こんなところで!」
魚雷は至近で爆発し、UX99も防御兵装で応戦する。
その後も似たような事を各地で待機していた特ロ型達が行う。
イ601
前原「よし、猫は網に向かっている。鰹節は先回りと行くか」
入江「はっ!第四戦速進路024」
前原の立案した独艦捕獲作戦、それは敵潜に取り付けた発信ブイにより、その行動を把握予測進路上に配置された特ロ型潜達が圧力をかけ続け、進路変更を強要、捕獲地点まで誘導する。
UX99
「艦長!敵からの通信です!」
フードリッヒ「何?!」
「交信を求めていますが……」
フードリッヒ「よし回線を開け!」
イ601
フードリッヒ『こちらはドイツ海軍UX99艦長のフードリッヒ・フォン・ゴットシャルク大佐だ』
前原「guten Tagゴットシャルク艦長、こちらは貴方方がX艦隊と呼ぶ艦隊の司令官の前原少将です」
フードリッヒ『なにぃ⁉︎…いやその…ヘル前原が何ようかね?』
前原「降伏を勧告します」
フードリッヒ『何ぃ!?』
前原「率直に申し上げて、貴官らは完全に補足されております。今までも撃沈は容易かったのです。我々の包囲網は完璧です。貴官の勝ち目は絶対にありません、これから指示する地点に浮上武装海上をお願いしたい……繰り返します、貴官の勝ち目はありません」
フードリッヒ『分かった降伏しよう。ただし!一つ条件がある』
前原「なんでしょう?」
フードリッヒ『我らをここまで追い詰めた貴官らの姿を、この目でで見たい。我々の浮上に合わせて、貴官らも浮上されたし』
前原「……分かりました。ではこれより当方の指示に従ってもらいたい」
フードリッヒ『分かった…』
両艦の交信はこれで終わる。
入江「やはり、条件を出してきましたな」
前原「当然だな。w何故なら本艦は鰹節だからな」
UX99
一方で、こちらの方では乗組員達が先の交信の内容に動揺していた。
「艦長‼︎」
「降伏するのですか⁉︎」
フードリッヒ「落ち着きたまえ!我が艦は砲撃潜水艦だ。浮上した敵潜水艦など、敵ではない!」
「あぁ!」
「そうか…!」
フードリッヒ「X艦隊を撃滅し、我らの戦歴をより高めようではないか!」
その後、指定海域にてUX99は一足先に浮上、砲撃準備を整える。
フードリッヒ「さぁ来いモビーディック、15cmの銛を撃ち込んでやる…!」
すると右舷にイ601を捕捉、気付かれる前に砲撃しようとするが……
イ601
前原「やはりやる気だな?いいだろう、それならもっと近づいてやる」
みほ「前原さん……」
傍らにいるみほが、不安げ前原の顔を見る。
前原「大丈夫だ、みほ。お前には俺がついているし、安心しろ。必ず上手くいく。2000まで微速前進衝撃に備えろ」
両艦距離尚も縮まる。
前原「頼むぞ、鳴門……」
「艦長、いつでもどうぞ」
フードリッヒ「射撃用意!」
だが、フードリッヒは気づいていなかった。このとき、己の足の下にさらなる刺客がいることも知らなかった。
フードリッヒ「砲撃……」
みほ「っ……!」
みほは恐怖から前原の後ろに身を隠す。
フードリッヒ「撃て…⁈」
彼がそう言い放とうとしたまさにその瞬間、目の前の波が盛り上がり壁ができたかと思えば、次の瞬間には艦体が傾く。
フードリッヒ「なんだ⁉︎」
船体は傾く、いや正確には押し上げられると言った方がいいだろう。
そして遂にUX99はバランスを崩して横転する。
前原「みほ……みほ」
みほ「…前原…さん?」
恐怖から目を瞑っていたが、彼の呼びかけでその瞳を開いた。
前原「もう大丈夫だ。ほら」
視線なら先には横倒しになったUX99、そしてそれを押し上げ捕獲した鳴門がいた。
みほ「……」
安堵からか、彼女はただただ目の前の光景を唖然と見ていた。
前原「なぁみほ、そろそろ服の裾を離してくれないか?」
みほ「ふぇ……?」
視線を落とすと、彼女の左手はしっかりと前原の服の裾を握り締めていた。
みほ「あっ…!?ご…ごめんなさい……///」
そのまま手を離して、恥ずかしさで顔を赤らめる彼女を見た前原は微笑する。
前原「いや、構わんよ。それより悪かったな怖い思いをさせて…」
前原は安心の為に彼女の肩に手を置く。
みほ「いえ……大丈夫…です///」
かくして、独海軍奇想新鋭潜水艦UX99は捕獲された。その後、この艦は日本に回航され、撤退調査の上日本造艦技術に大きく貢献するのであった。
しかし、配置直後の輝かしい戦果を誇るでもなく、鳴門は今も米国沿岸部にその身を隠し、龍宮作戦を続行しているのであった。
そしてまた、紺碧艦隊もその姿を海中深くに沈め、今日も戦っているのであった…………
〜終〜 次回へと続く
ここから次回などについて軽く説明しますと、
・幾つか飛ばします。