ガールズ&パンツァー 鋼鉄の乙女と海の漢達  〜碧き海の世界の物語〜   作:短号司令官

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長かった……


第7話 最終準備です!

 

遂に紺碧艦隊に出撃の命下る!

目標はアラビア海の制海権を確保し、独軍の補給路を締め上げることである。

ここに独水中艦隊、川崎司令長官率いる艦隊、そして前原の指揮する紺碧艦隊との決戦の時が来たのである!

 

 

 

紅玉艦隊は母港コーチンを出撃、印度亜大陸の左岸沿いに北上し、一路カンベイ湾を目指していた。

 

カンベイ湾の奥には、ロンメル戦車軍団が包囲網を敷くアーメダバードがあった、紅玉艦隊はその航空機動部隊をもってのアーメダバード守備隊支援が目的と思われたが……

 

果たして、早速北上中のところを独潜に補足される。

紅玉艦隊だと分かるや否や、即座に浮上し攻撃態勢に入る。

 

 

「大型艦に3本ずつ、2本は小型艦に」

 

魚雷発射管が開き、発射角を調整。

艦長が撃破を確信した……その瞬間だった。

 

「っ!高速推進機音!右後方至近!」

 

「何ぃ⁉︎」

 

突如正体不明の雷撃を受け、避ける間も無く沈められる。

 

 

 

 

イ601

 

「圧壊音確認」

 

前原「水雷長、今の攻撃見事なり。よくやった」

 

この雷撃は紺碧艦隊によるものであったようだ。

調音から、さらに敵艦発見の報が入る。

 

みほ「…はい……分かりました。接触を保ってください。前原さん、ホ八号に感二、方位250、深度50です」

 

前原「紅玉艦隊は余程うまい獲物と見えるな。鮫どもがウヨウヨよってくる」

 

みほ「老朽艦ばかりとはいえ、敵からしたら脅威ですからね」

 

前原「うん、よぅしもう一匹鮫退治といくか。回頭左245、最微速、トリム上げ」

 

入江「宜候、回頭左245」

 

前原「無音航行、電池群並列」

 

紅玉艦隊のアーメダバード支援はその実、紺碧艦隊による独潜殲滅戦の囮となることだった。

 

この時点でアラビア海には、紺碧艦隊の手となる水中マイクロホン網が敷設されており、独潜水艦の動きは逐一補足され丸裸にされていた。

このマイクロホン網の威力は凄まじいものがあり、紺碧艦隊総出で補足された独潜は、次々にアラビア海の海の藻屑と化した。

 

 

 

 

米利蘭土

 

「水中爆発音五つ目です」

 

囮役の紅玉艦隊も海中で何が起こっているか掴めていた。

 

ケイ「ヒュ〜海中じゃあ鮫退治が忙しいみたいね」

 

川崎「そのようだな」

 

 

 

 

 

 

それからしばらく経った……

 

日本国 首都 東京都

 

首相官邸

 

大高「バスラへの道は開けそうですな」

 

紅玉艦隊の活躍が書かれた新聞を見ながら高野に話していた。

 

高野「ベンガル湾の独潜退治とバスラ湾の補給線封鎖は、断じて行わなければなりません」

 

大高「状況は切迫しております。敵将は北アフリカで前世後世共に連合軍に猛威を振るったあのロンメル元帥です。迎える我が軍は猛将熊谷直元帥、相手にとって不足はありません」

 

高野「ただ、新鋭五式改が独軍戦車にどこまで通用するかです」

 

大高「攻撃力に不足はありませんが……心配なのは五式改の装甲が独戦車の砲撃力に耐えられるかどうかです……」

 

高野「総理、珍しく弱気ですが…?」

 

大高「いえ…ノモンハンのような敗北はしないでしょうが、なんせ、陸軍にとってはこれが本格的な開戦となるので、互角で良しとせねばならんのですが……」

 

高野「…何かあったのですか?」

 

大高「はい、実は青風会で黒森峰にあった独戦のデータ、そして大洗の秋山優花里さんの知識を下に、五式改がどこまで通用するか調査を行ったのですが、秋山さん曰く五式改は前世戦後に編成された陸上自衛隊の61式戦車に性能が近いと仰られていたのです」

 

高野「戦後車両と同等ですか」

 

大高「しかし…以前、五式改と黒森峰の方々からお借りした車輌で模擬戦を行ったところ、Ⅰ〜Ⅴ号程度までなら互角だったのですが、それ以上の(ティーガー)王虎(キングティーガー)勢子(ヘッツァー)相手にはどうも限界がみえたのです」

 

高野「成程…確か情報には、虎は印度戦線で確認されているのでしたな」

 

大高「はい…それ以上に、私は()()()()が出てこないことを祈るばかりです……」

 

高野「()()()()……?…ですか」

 

大高は椅子の袂に置いてあった鞄から手書きで[五式改対応不能車輌について]と書かれた方眼ノートを出し、高野がそれを手に取る。

 

高野「?…これは?」

 

大高「秋山さんが直筆なさったものです。高野さん、一番最後に書かれている車輌をご覧ください」

 

そう言われて、高野は一番最後のページに記された車輌のデータと性能を黙読した……

 

高野「こっ…これは……‼︎」

 

大高「最も恐るべき脅威です……!」

 

高野の見た最後のページに記された車輌、それは………

 

 

       マウス 重戦車

 

 

であった。

 

大高「秋山さんによると、この(マウス)は世界でたった二輌しかし製造されなかったとのことで…それも出てきたのは大戦末期の頃の話でして」

 

高野「ならば…心配は要らんのでは……?」

 

大高「私もそう思いました……しかし、可能性は皆無とは言い切れません。あのヒトラーのことです、開発され、数輌ほど前線に配備していてもおかしい話ではありません」

 

高野「それで…五式改は……?」

 

大高「……主砲は軽々弾き返され、砲撃で五式改は修復不能にまでに破壊されました……」

 

高野「なんと……」

 

大高「可能性は低いとは思いますが…知っていても損はありません」

 

高野「確かに独国の技術も、前世より数段早まっていますからな」

 

大高「熊谷元帥には、まず敵を知ることを第一と言ってあります」

 

高野「そこは、ロンメルも同じだと思います。まず遣印軍の熊谷の力量を測ってくるに違いありません」

 

大高「私もそう思います。不安と言えば英印軍司令官のマウントバッテン司令官です。恐ろしく気が強く、プライドが高い、扱い難い男だと熊谷が手紙を寄越してきました」

 

 

 

 

印度亜大陸 某所

 

この日、ここでも英軍と独戦車による駆け引きが起きていた。

パンターが効力射を与え、抵抗微小と分かるとすぐさま車体を敵陣に向け突っ込む。

対する英軍はセンチュリオンで対抗しようとするも、ここは後世だ。後世パンターも強化されている為、センチュリオンでは殆ど相手にならず押し潰されていた。

 

砲兵も支援、撤退の要請をするも返答を聞く前に………

 

 

 

英印軍司令部

 

マウントバッテン「弱音を吐くな!本国をナチ共に土足で踏み込まれていることを忘れたのか⁉︎今こそ奴らに不撓不屈のジョンブル魂を見せてやるのだ!」

 

しかし、彼の威勢とは裏腹に状況は最悪である。ケノマプラーや前線からは、支援もしくは撤退要請が出ていた。

 

「将軍我が軍の兵士達も、ジョンブル魂に恥じぬ戦いぶりを見せております。しかし敵の火力…兵力共に、我が軍を上回っております。このままだと、ここアーメダバード陥落も時間の問題かと……」

 

「どうか、日本軍の熊谷に増援要請を…!」

 

「司令官!東進していた独軍が、カンプール近くまで接近してきました!」

 

マウントバッテン「カンプールは…大丈夫だ……あそこには、精鋭一個師団が守備に着いている…」

 

彼とて馬鹿ではない…状況が最悪だというのは分かっているつもりだった。

 

マウントバッテン「それより、今はアーメダバードの防衛だ…!いいか諸君…」

 

「司令官…‼︎カンプールが……‼︎」

 

話を遮ったのは通信だった。

 

マウントバッテン「どうした⁉︎」

 

「こっ…これをお聞きください……」

 

通信機の回線を開いて、全員が聞く。

 

カンプール司令部…後方に…独空挺隊が降下…

 

マウントバッテン「何ぃ…⁉︎」

 

退路を絶たれ、挟撃を受けつつあり…救援を乞う

 

直後、爆発音と共にカンプールとの通信が途絶え、英司令部は鉛のように重い空気に包まれた……

 

 

空、陸からなる独軍の立体作戦の前に英印守備隊は圧倒されつつあり、カンプール攻略は時間の問題であった。

 

 

 

 

 

 

陸軍遣印軍司令部

 

事の詳細は、無論熊谷の知るところでもあった。

 

伊唐秋彦大佐

「司令官…大高総理はなんと?」

 

熊谷「当ててみよ」

 

伊唐「…ロンメルが動いても、待て……でありますか?」

 

熊谷「ほぉ、流石だな。総理に言わせると我々は盤上の駒ではなく、手駒だそうだ」

 

伊唐「しかも、駒といっても歩や香車では無く…」

 

熊谷「そう…ずばり、()()だ」

 

伊唐「しかし司令官、もしマウントバッテンが泣き言を言ってこられたらどうします?」

 

熊谷「大高総理もその事を懸念されて、電報を使わされたそうだ」

 

伊唐「安心しました。あの将軍が何を言ってきても、我々は動くべきではありません。絶対に、独自に動くべきです!」

 

熊谷「そのつもりでおるよ。マウントバッテンが何か言ってきても()()()()()()()()()と今から言っておく」

 

伊唐「は?」

 

熊谷「そのときは、"俺はいいがうちの参謀連中が[YES]を出さんのだ"…とか言ってわしは逃げる」

 

伊唐「…分かりました。憎まれ役は引き受けます…!」

 

熊谷「頼むぞ」

 

伊唐「はい!目一杯分からず屋になります!それと、カンプールですが…独戦車師団の急襲に遭い、危機的状況にあると考えられます」

 

熊谷「…マウントバッテンは撤退命令を出したか…?」

 

伊唐「いえ、まだのようであります」

 

熊谷「あの貴族将軍は負けるのが余程嫌らしいな」

 

伊唐「カンプールは交通の要所でもあり、印度北部の工業の中心でありますから、むざむざ陥落させたくないのも分かりますが…」

 

熊谷「…にしても敵の侵攻速度が早い。改めてロンメルと電撃戦の実力を知らされる気分だ」

 

伊唐「全くです。英印軍司令部には衝撃が走っているようでありますが、これもロンメルが計算した上での、先制攻撃ではないのでしょうか?」

 

熊谷「確かに心理的効果はあるな…カンプール防衛は放棄する事で合意していたが、すっかり舞い上がってしまっておる」

 

伊唐「カンプール攻略には、イラク兵の空挺部隊降下もあったようです」

 

熊谷「何⁈ロンメルはそんな手駒まで用意していたのか⁉︎」

 

伊唐「おそらく、この日の為に温存していたのでしょう」

 

熊谷「空陸一体の立体作戦か……」

 

頭を掻きながら熊谷は言う。

 

熊谷「やはり、航空支援がもっと必要だな……兎に角、戦況をよく掴み、我々も即時待機でいく!参謀本部は各隊への通告と共に、新しくきた車輌識別表を配布、大隊本部へと以上の通告をせよ!」

 

伊唐「はっ!」

 

 

 

 

刻、同じ頃。日本の大本営では大高総理の招集により首脳作戦会議が開かれていた。

 

 

大本営 会議室

 

大高「では、列席の皆さんに計りたいのですが、高杉艦隊の根拠地ハワイからの引き上げを実施したいのですが、如何でしょう?」

 

ハワイからの引き上げ、それが意味するのは日本の太平洋に於ける制海権を手放すことを意味していた。

 

大高「高杉艦隊の引き上げは、米国の三首脳のクーデターを待っての予定でしたが、我々の予想は覆り、第三帝国の英本土侵攻が繰り上がりました。これに呼応するように印度戦線でも急激な変化が訪れ、ここにおいて大きな決断を迫られている次第であります。そこで各位のご意見をお聞きしたいのですが」

 

桂「総理がそのようにご決断なさるのなら、参謀部に依存はありません」

 

高野「海軍軍令部も、であります」

 

大高「他には?」

 

すると外務大臣の木戸孝義が立ち上がっ発言する。

 

木戸「一言申し上げます。我々外務部も、鋭意米国の情報収集に当たってまいりましたが、米国の世論は対日講和へと傾きつつあります」

 

大高「木戸外相、確かですかな?」

 

木戸「はい、ヒトラーは英国侵攻に際し、大きなミスを犯しました。各位もご承知の上、アイルランドの首都ダブリンが爆撃を受け、市民を含め甚大な被害を受けました。つまりヒトラーは、アイルランドの中立宣言を一方的に踏み躙った訳です。その結果、米国内のアイルランド系住民が大憤激致しまして、いまや"ヒトラー討つべし!"の対独戦への大合唱です」

 

大高「…となると早まりますな」

 

木戸「はい、近日中にトルーマンは失脚するでしょう」

 

大高「しかし、万が一ということもあります。そのときの太平洋の備えは?」

 

高野「総理、米国の動向に関しましては鳴門が行なっており、現在鳴門は米国西海岸沿岸に潜んでおります」

 

大高「あぁそうでしたな」

 

高野「太平洋側の様子は逐一通報され、よもやの不意打ちなどに備えて

おります。しかしながら、対日講和が成立しますと、この鳴門が遊び駒となってしまいます」

 

大高「うむ…」

 

高野「そこで本席をお借りして、この鳴門の使い道をお聞かせ願いたいのですが」

 

大高「高野総長、それについては既に総長が良い知恵を持参されたのではないのですかな?」

 

高野はそう言われて周りを見渡すと笑い出した。

 

高野「…はははw総理には、叶いませんな」

 

「「はははw」」

 

大高「では海軍軍令部の考えを、お聞きしましょう」

 

高野「実は軍令部としましては、世界戦局の将来の天保を予想しつつ、目下新戦略ラインの確保を研究中であります」

 

大高「お聞かせてもらいたい。列席の各位にとっても重大な課題です」

 

高野の指示で世界地図を貼ったホワイトボードが運ばれてきた。

 

高野「では序論を省き、些か丹平急ではありますが、第三帝国は地中海、ギニア湾、アルゼンチンを結ぶ、戦略ラインの構築を狙っているものと考えられます。いわば南米大陸とアフリカ大陸を結ぶ二、大陸戦略線です。ヒトラーの考えは、このハーケンクロイツの鎌の完成により、アフリカのみならず南米の支配を目論んでいるのは明らかです。これに対し我々は、マ島、ナンガ連邦、ト島、フォークランド諸島に至るライン」

 

大高「フォークランド島は英領ですな?」

 

高野「はい、この要となるフォ島沖に鳴門を配置したいと考えております。その為にも、英国の了解を総理から話をつけてもらえないでしょうか?」

 

大高「成程、そういう着想でしたか」

 

高野「フォ島は大西洋に浮かぶ小さな島ですが、戦略上極めて重要な島だといえます」

 

大高「この島は幾度かアルゼンチン軍に攻撃されておりますが?」

 

高野「はっその都度、旭日艦隊自体が追い払っております」

 

木戸「かかる事情を垣間見ても、英国は快諾するでしょう」

 

大高「木戸外相、急ぎ取り付けてもらえませんか?」

 

木戸「承知しました」

 

高野「早速の承諾、ありがとうございます」

 

「ですが私が思うに、旭日艦隊は現在英本土防衛戦に参加しており、南大西洋の防備が手薄なのでは?」

 

高野「総理、もし対米和睦により坂元艦隊が本土防衛の任を解かれるなら、これをもって当てたいと考えておりますが、如何でしょう?」

 

大高「私はいいと思いますが、列席の各位は如何でしょう?」

 

その他のメンバーに関しても口を揃えて「意義なし」と返答があった。

 

大高「それにしても、一日も早い日英米三国のシーパワー同盟が待たれますな」

 

それからも、時に和やかに時厳しく会議は続き……

 

大高「ところで高野総長、印度戦線の緊迫化によって大本営はいよいよ健御雷(たけみかづち)の出撃を要請せねばならんのだが……あぁ!本日より口外模様を解除致します」

 

高野「軍令部でも健御雷の印度洋派遣は焦眉の急と心得、準備万端整っております」

 

「健御雷とは…?」

 

「海軍の秘匿兵器か?」

 

高野「艦隊決戦を目的として建造された超大型空母ですが、戦略空母として改造され、洋上試験、戦闘艤装も完了して、現在は陸奥湾の大湊にて待機中です」

 

大高「うむ、大いに結構です」

 

 

 

 

 

 

 

照和22年 8月末

 

 

 

        超弩級新鋭空母

 

 

         健御雷

 

          出撃

 

 

健御雷は坂元長官率いる本国艦隊護衛の下、陸奥湾を出撃。

健御雷とは、古事記の中の日本神話の神名に基づいたもので、後世日本の柔軟な新思考の下、戦略空母という概念を体現した超新鋭空母なのだ。

 

又、同型艦として健御名方が実戦配備間近である。

 

その規模は、基準排水量6万t余、全長320m、速力30ノット、全幅75m、蒸気射出機二基を備える異様である。

 

その強力な艦載機は、洋上より飛び立ち沿岸部のみならず、大陸内陸部へと侵入、敵へ追撃を加える。

 

つまり、比較的安全なベンガル湾より発進させ、敵戦線とその後方に十分攻撃を加えうるのだ。

 

大高首相が、熊谷印度方面軍司令に艦隊派遣が可能になるまで積極的攻勢を控えるように言ったのも、この健御雷あってのものだったのだ。

 

兎も角、健御雷は独潜を警戒しつつ太平洋を南下、トラック島を目指す。

高杉司令長官率いる太平洋艦隊と会合する為である。

 

 

そして、米国ワシントンでも新しい動きが起こりつつあった。

 

 

アメリカ ワシントンD.C.

 

ヴィクトリー・ノイマン国務長官

「極めて異例な会合だが、諸君らに集まってもらったのは他でもない、我が国の危急存亡の為だ。遺憾な話だが我が国の政府は()()()()と呼ばれる非合法の組織によって操られている。その手はCIAやFBIにも食い込んで来ている、さらにCIAはマフィアをも抱き込んでいる」

 

ハリマン「なんて事だ!CIAとFBIとマフィア、三者が手を組めば合衆国では不可能なことは無い!」

 

マッカーサー「アイゼンハワーも言っていたが、我々に残されたのは軍しかないようだ。クーデターを決行するかしないかは、あとは国務長官次第です」

 

ハリマン「将軍、行動計画はできておるのですな?」

 

マッカーサー「無論だ」

 

ハリマン「国務長官、我々は軍によるクーデター計画があったことは知っていました。長官は?」

 

ノイマン「知っているし、参画している」

 

ハリマン「成功するとお考えですか?」

 

ノイマン「……後は世論だ」

 

「それは我々ジャーナリストが!」

 

「いや、多数派世論はアイゼンハワーに傾いている」

 

ハリマン「今すぐ選挙があれば、間違いなく圧勝しますぞ!しかも合法的にです!」

 

ノイマン「しかし待てんのだ……このまま野放し日本しておけば、トルーマン大統領は影の政府によって暗殺され、憲法の規定によって下院議長のバートン・フーバーが大統領に就任する!無論フーバーは奴らの一味だ」

 

マッカーサー「そうなると国務長官もアイゼンハワーも解任され、この国は奴らの思うがままだ。長官、憲法違反を恐れてはならない!影の政府は国家の最も中枢に掬い、暗躍してきた」

 

ハリマン「確かにこのままにしていると、世界は争乱の中、数千万、何億という人々が苦しみを舐める事になる」

 

「この合衆国も同じです!内側から衰弱し、いずれ崩壊する!」

 

「世界の恒久平和は奴らの戦争索道の阻止と、諸権力からの排除しかありません!」

 

マッカーサー「その為のクーデターなのだ。長官、この後に及んで躊躇すべきではない」

 

ノイマン「確かに…世界から戦争を無くす為には、世界のシステムそのものを根源から変えねばなるまい。それがアイゼンハワーやリーガンと話し合った結果だ」

 

マッカーサー「この事は、日本のオオタカ首相とも考えが一致している。長官…!」

 

ノイマン「……うむ…!」

 

 

その後、連邦刑務所からある男が出所した。

その人物の名は[尾崎英雄]4年前、ワシントン上空で日米講和のビラを撒いたジャーナリストである。

 

それから、彼はホワイトハウスを訪れトルーマンより重大な使命を託される。

 

トルーマン「Mr.オザキ、私はこの国の未来の為に重大な決断をしなければならない。ついては、貴国のオオタカ首相に是非とも伝えてもらいたいことがある」

 

 

尾崎はトルーマン大統領から大高首相への親書を託され、米太平洋艦隊と共にハワイへと向かった。

彼の地では互いの和平の意思を確認した日本軍と米軍が合意、パールハーバー軍港を米海軍へと引き渡し、高杉艦隊はハワイより撤収トラック諸島を目指す。

そして、数日の後

 

 

 

トラック島

 

健御雷

 

「高杉司令長官に、敬礼‼︎」

 

第一連合航空機動艦隊司令長官 高杉英作

「でかいのぉ……」

 

健御雷を見て高杉が言う。

そしてメインマストには、艦隊旗"雷"がはためく。

高杉長官は直ちに高杉・坂元両艦隊を再編成し、第一連合航空機動艦隊とし、旗艦を比叡から健御雷へと移した。

 

 

第一連合航空機動艦隊 編成

 

旗艦 戦略空母 健御雷

 

戦艦 長門 陸奥 

   金剛 比叡 榛名 霧島

 

空母 瑞鶴 翔鶴 飛龍 蒼龍

   隼鷹 飛鷹 天城 葛城

   大鳳 大鶴

 

巡洋艦 愛宕 高雄 鳥海 摩耶

    妙高 羽黒 青葉 衣笠

    熊野 鈴谷 北上 大井

    白根 鞍馬 石狩 能代

    宇治 長良 天龍 糸魚

    吉野 四萬十 由良 九頭龍

    鬼怒 久慈 十勝 阿賀野

    庄内 雫石

 

駆逐艦 初月 若月 迎月 夕月

    朝霧 浜霧 夕霧

    白雪 初雪 残雪 吹雪

 

 

 

編成だけ見ても、戦艦六、空母十一、駆逐艦その他100隻を超える大艦隊であった。

 

 

健御雷

 

長官付特例従兵秋山優花里

「高杉殿、人員の補給、配置完了しました。出撃準備宜しです」

 

高杉「うん。艦載機は?」

 

健御雷艦長西絹代

「インダラ沖にて合流させ、直ちに訓練を開始させます」

 

高杉「宜しい」

 

秋山「全て新型機だと聞いています」

 

西「それも皆、腕の立つ者達ばかりです」

 

高杉「大変結構」

 

まさにそのときであった‼︎

本国軍令部から至急電が入ったのは!

 

「長官‼︎軍令部よりであります!」

 

高杉は受け取った電報を黙読すると驚きに満ちた表情を見せる。

 

高杉「‼︎」

 

優花里「高杉殿?」

 

高杉「秋山、西、お前たちこれを読んでみろ」

 

2人は手渡された電報の中身を見る。

 

 ー発海軍軍令部

 ー宛第一連合航空機動艦隊

 

  ベイコククーデターナル

  アイクダイトウリョウシュウニンス

  サクセンゾッコウサレタシ

  ツイシン ユウカンナレ

  

 

西「こっ…これは…!」

 

優花里「高杉殿…‼︎」

 

高杉「あぁ…遂に……‼︎全艦出撃!目標ベンガル湾!出港ぉ‼︎」

 

 

その電文は、海軍軍令部の高野五十六の下にも、届いていた。

 

高野(開戦以来六年…長かったが、ようやくここまで……)

 

この報は日本中で報じられ、瞬く間に反響を呼び…

大高も記者団からの取材を受けていた。

 

大高「感無量のものがあります、我々は一歩平和に近づいたと言えるでしょう。しかし第三帝国の脅威は欧州のみならず、この亜細亜にも迫っております。戦いは、これからです……!」

 

 

 

まさに、大高首相の指摘の如く、暗雲垂れ込める印度戦線は、第三帝国のランドパワー対日本艦隊のシーパワーという新たな局面を迎え、戦いの幕は切って落とされた。

 

 

健御雷

 

「全艦第一航行順調」

 

「対潜警戒、第三群に交代」

 

「直掩の翔鶴隊発艦!瑞鶴と代われ!」

 

高杉「軍令部ヘ打電!平文でいい、"高杉艦隊 これより印度洋へ突入する"以上だ!」

 

西・優花里「「はっ‼︎」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第7話 最終準備です! 〜終〜




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