ガールズ&パンツァー 鋼鉄の乙女と海の漢達 〜碧き海の世界の物語〜 作:短号司令官
前衛索敵機の通報を受け取った大石達旭日艦隊は、報告のア島南方千五百の地点へと向かう。
日本武尊
原「いましたな」
大石「うむ、航空機による敵航空戦力の攻撃を前衛艦隊に下命、無理押しは避けるように」
「はっ!手を考えます」
前原「我々はどうしますか?」
大石「無論突っ込む、貴様らは良い時に来たな、旭日艦隊の戦いをその目でじっくり見てってくれ」
前原「はっ、長官の実戦をその目で見させてもらえるのは願ってもない事ですが……欲を言わせて貰えば、もう一つお願いがあります」
みほ「お願い…?なんですか…?」
大石「その顔は何か企んでおるな?まぁいい言ってみろ」
前原「この戦いに我が亀天号、並びにラ號の参戦を許可願えないでしょうか?」
みほ「えぇっ…⁉︎前原さん……⁈」
大石「ほぉ?いいのか、あの新鋭艦二隻を出して?」
前原「はっ、運用は私に任されておりますので」
まほ「どうしますか?大石さん」
大石「……まぁいいだろう、一つ協力してもらおう」
前原「ありがとうございます」
紺碧艦隊司令前原は目の前の願っても見ないチャンスに、躊躇う事なく亀天号・ラ號の参戦を決意した。
実戦に於いてその実力を測る為に。
地下ドックを出た亀天は湾外を目指し、沖合海底で待ち構えていたラ號と合流し、その俊足を両艦とも活かして旭日艦隊の下へと急ぐ。
大石の指令は前衛艦隊にも届く。
前衛遊撃打撃艦隊
虎狼
前衛艦隊司令 中村勘助
「稼動機数は?」
「はっ!三艦合わせて二十五機であります!」
中村「総発艦用意‼︎」
虎狼より発光信号で後続艦に命令、V字型の飛行甲板に光武改が上がり、左右交互に発艦する。
一方………
独海軍第一機動艦隊
旗艦 ロートリンゲン
第一機動艦隊司令 アルフレッド・フォン・ラーべ中将
「第一次攻撃隊全機未帰還だと……⁈」
この時点で、日本海軍機密のロ号弾は独海軍の知らぬところであった。
ラーべ「1機も戻らんとはどういう事だ……⁉︎」
副官 ヴィルヘイム・ローゼンベルグ
「敵旗艦ヤマトタケルの対空砲は、濃密だと聞いております。このような事もあり得るかと」
ラーべ「口を慎みたまえ、ローゼンベルグ君」
ローゼンベルグ「はっ…」
ラーべ「兵士の命を想定にしてはならん、大体ヤマトタケルをやる事は、我々の本来の任務では無い。空軍の連中に任せておけば良い」
ローゼンベルグ「その空軍はイーサフィヨルズで全滅したようです…」
ラーべ「なんだと⁉︎」
ローゼンベルグ「無線傍受で確認しました。空軍が駄目なら我々海軍がやらねばならんでしょう」
ラーべ「しかし…」
ローゼンベルグ「長官はお忘れですか?航空艦隊創設に際して、我々海軍がいかに陰湿な空軍の妨害を受けたかを、資材・操縦士の提供拒否や艦載機開発への横槍」
ラーべ「うむ…」
ローゼンベルグ「これは空軍の連中を見返してやれる千載一遇のチャンスです!」
ラーべ「しかし、ゲーリングは既に追放されてるではないか?」
ローゼンベルグ「だからこそ航空機動艦隊が実現したではありませんか!我々海軍がその実力を示し、奴らを追い落とす絶好のチャンスです!ヤマトタケルにも損害は出ている筈です、ここは時を置かず二次攻撃隊を発艦させるべきであります!ヤマトタケルを沈めたとあれば、皇帝陛下もお喜びになられるでしょう!」
ラーべ「成程、確かに君の言うことにも一理ある。君がそこまで攻撃に固執するのであれば、私に反対する理由はない。但し……責任の所在をはっきりとしておくべきだ…と思うが、異論は無いかね?」
ローゼンベルグ「全く問題ありません、それこそ老婆心だと思います」
ラーべ「結構」(ふんっ…若造め、新貴族を華に掛け合って……)
ローゼンベルグ(身の保全しか考えない老耄が……!奴には第一航空機動艦隊司令の任は荷が重すぎる)
旗艦ロートリンゲンから各空母へ発艦命令が発令されるが……
空母 ナッサウ
「なんだと⁉︎」
怒りを露わにしたパイロットは壁を殴りつける。
「第一次攻撃隊が帰還しとらんというのに、何故そんな命令が出せる⁈」
「クソッタレ‼︎俺達は消耗品じゃねえんだぞ‼︎」
「新貴族だかなんだか知らんが、実戦の経験がない奴に戦争ができるか‼︎」
「やめておけ、総統の息子の耳に入ったらただじゃ済まんぞ……」
パイロット達は口々に愚痴を言いつつ渋々命令に従って発艦する。
またローゼンベルグの命により護衛機には直掩機も全て回した。
攻撃隊が早急の彼方に消えた、前衛艦隊より発進した艦攻隊は……
光武隊
『間も無く上昇点に着く』
『了解』
絶妙といえば、あまりにも絶妙過ぎた。
光武隊は敵レーダーの照射を避け、低空飛行で接近上昇する。
ロートリンゲン
「ん?」
レーダー手が画面に何か映ったような気がし、よく見るが何もなかった。
「どうした?」
「いえ、北6海里の地点に何か映ったような気がしたのですが……気のせいみたいです」
その報告は一応ラーべらに伝えられ、ローゼンベルグは気に留める必要はないと言うが、万一のことを考えラーべは対空戦闘を準備させる。
また、空母は南方へと退避行動を取らせる。
光武隊
『隊長…今機体に敵の電探が!』
『心配するな、こいつなら敵の電探に引っかかっても映りはしない』
単座式攻撃戦闘機 光武改 (外観:Fー22 ラプター)
本機の元となった機体も無論サンダース高校に在ったものだが、その機体についていたステルス塗料を解析、それからできた試作品をかつて闇鷹がつけその有効性が示され、光武改にはその生産型が塗られているがその威力はこの時代のレーダーではほぼ探知不能である。
また機体性能もほぼラプターそのものである。
『翁長一から翁長各機へ、上空に敵直掩機姿は認められず、最適発射点に変更無し座標点まで上昇続行』
艦攻隊は敵機の心配をせず、安心しながら上昇を続ける。
発射点に到着後、各機は底部及び主翼部の三つのウェポンベイを開く。
『翁長一から各機へ、空母方向へ弾道を修正し空雷を発射‼︎』
空雷の発射を見届け、攻撃隊は退避する。
ロートリンゲン
ラーべ「なっ……なんだあれは……?」
ラーべは攻撃隊の放った空雷を目にする。
空雷は突如、後部外装が剥がれると中から四枚の羽が傘の様に開きゆっくりと落下し始めた。
乗組員達は「あんなところからじゃ当たらん」とたかを括っていたが、弾頭部に設置された赤外線センサーが敵空母を捉えていた。
向かってくる謎の敵弾に危機感を覚えた彼らは回避・対空砲弾幕を張るが目標が小さいが故、近接信管が作動しなかった。
制御板で落下速度を落とされた空雷は、先端のシーカーにより目標へと向かう。かつて、独本土空襲を行ったTY弾その進化・発展した姿であった。
信管により作動した空雷よりナパーム弾が炸裂し、三隻を一気に薙ぎ払う。
燃料・弾薬に引火し瞬く間に撃沈される。
ロートリンゲン
ラーべ「なんてことだ……空母が……!これでは攻撃隊が帰還できない……」
ローゼンベルグ「しかしヤマトタケルさえ沈めれば、長官の功績は大であります!」
ラーべ「っ……!」
だがその時、第二波が迫っていた‼︎
第二艦攻隊
『燕各機へ二万で凌火を発射する、弾頭頭部感知装置起動、目標は空母・重巡・駆逐艦だ。この凌火の弾頭じゃあ戦艦はやらんからな』
到達後、ウェポンベイを開き空対艦ミサイルを発射し退避する。
ロートリンゲン
「高速飛行物体接近、ミサイルです!」
ラーべ「ローゼンベルグ君、何か意見は?」
ローゼンベルグ「はっ、回避運動と弾幕射撃を…」
ラーべ「馬鹿者‼︎分かりきったことを‼︎他に提案はないのか⁈」
各艦は回避運動を取りつつ、自由射撃で迎撃するが止められたのもせいぜい二、三発程度で残りは全て空母・重巡・駆逐艦に命中し炸裂する。
役目を終えた艦攻隊は帰途に着いたが、その一方で……
帰るべき場所を失った独攻撃隊は、悲壮なる戦いを日本武尊に挑もうとしていた。
『戦隊長、母艦が日本機の攻撃を受けています!』
『分かっている、だが我々の相手はヤマトタケルだ。全機に告ぐ、悔しければヤマトタケルを沈めて仇を取れ!』
その意気はそうとするも、旭日艦隊の備えは尚も厚い。
「敵戦爆連合、我が艦隊へ向け侵攻中」
急報は直ちに旭日艦隊の下へと届く。
直掩機隊は一万まで上昇し敵を待ち構える。
『敵編隊を視認、攻撃に入る』
「11時上方敵機だ…!くそぅ被られた‼︎」
双方互いを視認し、空中戦へと移る……が……
史実のドラケンの海軍版シードラケン、確かに戦闘機としては強いかもしれない。だが相手は閃電改…ではなく空対空装備の光武改である。
つまり、第二世代戦闘機対第五世代戦闘機であるのだが………
『くそぅ!なんだあいつは⁉︎攻撃が当たるどころか掠りもしないぞ‼︎』
『こちら4番機‼︎敵が後ろに…!くっ……来るなぁぁぁぁぁ‼︎』
独戦はほぼ一方的にやられ、
『燕二番、後ろに敵弾!』
『分かった、熱線放射弾投下』
結果は言わずもがなである。
ともあれ、直掩隊は少数ではあるが有利に戦闘を進め、独戦爆連合を圧倒していた。
日本武尊
「空中戦、始まりました」
大石「戦闘救助隊発進せよ、敵味方問わず全力で救助せよ」
まほ「駆逐艦も出しては?」
大石「うん、そうだな」
「対空戦闘準備」
原「爆撃による被害対策急げ!」
大石「いよいよだが、貴様の亀天号とラ號の出番はなさそうだな」
前原「いえ、既に旭日艦隊の直後に着き戦闘態勢に入っております」
大石「もう追いついたのか?対潜、近くに潜水艦はいるか?」
「いえ、前衛後衛共に感なし…何か?」
大石「いや…引き続き警戒を厳にせよ」
前原「二隻は水中において、電磁推進を用いれば海上艦の最大戦速をも軽く凌駕します!」
大石「‼︎……えらいものを持ってきたな……!」
前原の言う通り、ラ號と亀天はその俊足を活かし旭日艦隊後方にて、出番を待っていた。
ラ號
入江「最微速、浮遊電信柵をあげろ」
艦隊後方につけた二隻は浮遊電信柵を放ち、上空の電子警戒管制機に接触を図る。
星鵬
「分隊長、符牒亀と浦島より電信がありましたが、なんでしょう?」
「我々は知らなくてもいいらしい。全ての希望に応え、情報を送れと司令部から通達されている」
「分かりました。見猿・聞か猿ですね」
ここに空と海、そして海中からなる三次元の戦術が確立されんとしていた!
日本武尊
飛来した敵雷撃機に対し、猛烈な対空砲弾幕を浴びせまくり瞬く間に撃退、付近の利根型対空巡も応戦する。
なかには、果敢に弾幕内に飛び込み、堕とされながらも雷撃を敢行する機もいた。
しかしそれもマ式豆爆雷により全て迎撃される。
原「長官、前衛艦隊より入電"我 奇襲成功ス 後ハ日本武尊ニ託ス"以下、位置と予測進路です」
大石「うむ」
まほ「ということは、上の敵は帰るところを失ったわけですね……」
大石「そうだな…」
原「アイスランドに不時着するように伝えます。冬の北大西洋よりは助かる可能性があるかと」
大石「許可する、あぁ後…」
原「救難艦も出します」
大石「助かる、我が艦隊はこれより、敵艦隊を追撃する!」
原「第三戦速、進路一四〇」
富森『宜候』
その独残存艦隊は……
ロートリンゲン
「空母は三隻とも大破、ファルツは総員退艦が発令されました。航空機の収容は不可能です…」
ラーべ「回収地点に不時着水させ、駆逐艦を出せ!艦隊は後退する…ファルツは魚雷で自沈処分にさせよう…」
ローゼンベルグ「⁈」
ラーべ「損傷艦を伴っての砲撃戦では勝ち目がない……!」
ローゼンベルグ「貴方は逃げるのでありますか⁉︎」
ラーべ「何ぃ⁉︎」
ローゼンベルグ「貴方を敵前逃亡罪で告白させていただきます!」
ラーべ「黙れぇど素人が‼︎状況も読めん尻の青い貴様はさっさと帰ってお袋のエプロンでも泣いておれ‼︎」
ローゼンベルグ「‼︎………」
ラーべ「ファルツの総員対艦はまだか⁉︎」
「はっ!間も無くです」
「サクセンの火災消化不能です!」
『レーダー管制室から司令部へ敵旗艦を捉えました!ヤマトタケルです!』
ラーべ「来たか…よし各艦に通達、これより退避行動に…っ!?」
突如、後頭部に硬いものが押しつけられる。
ローゼンベルグ「さっきの言葉を取り消せ……‼︎」
彼の右手には銃が握られ、表情は怒りに満ちていた。
ラーべ「血迷ったかローゼンベルグ…‼︎」
ローゼンベルグ「総統閣下の覚えめでたきこの私に…屈辱的な言葉ひ許せん!」
ラーべ「上官に銃を向けてタダで済むかと思うなよ……反逆だぞ!」
ローゼンベルグ「私が貴様の忠誠心の欠如をSSに報告すればどちらを信用するか、それに無能な老耄を上官とは思っていない‼︎」
そのままローゼンベルグは後頭部を殴りつけ、ラーべはその場に倒れ気を失う。
ローゼンベルグ「今から第一航空機動艦隊の指揮は私が執る!異論のある者は前に出ろ!」
「……‼︎」
「‼︎………」
ローゼンベルグ「ふっ!諸君の賛同に感謝する!ではこれより、ヤマトタケルを迎撃する‼︎本艦の左右を重巡ゲシュライとフォルトシッケで固めさせろ、進路をヤマトタケルへ‼︎」
日本武尊
『電探より報告、敵影補足、大型艦三、距離四万一千、本艦へ向け直進中』
大石「向こうもやる気か…」
まほ「戦意旺盛なのか、はたまたただの馬鹿か……」
両艦隊は次第に距離を積める。
ロートリンゲン
ローゼンベルグ「ヤマトタケルとて何程のことがある!海軍のゲルマン魂を見せてやる‼︎」
「距離2万で主砲砲撃戦を始める!」
日本武尊
「敵艦視認、距離三万一千」
大石「主砲砲戦、用意!」
前原「お願いがあります、ここは我々にやらせてもらえないでしょうか?」
大石「今の命令待て!」
まほ「みほ、亀天でやるのか?」
みほ「亀天もそうだけど、ラ號でトドメを指すよ」
前原「願ってもない機会です。空・海上・海中による三次元立体戦術を試してみたいのです。それも二弾構えの…」
大石「うむ…」
まほ「どうしますか?私としては構いませんが…」
大石「いいだろう、やってみよ」
みほ「ありがとうございます」
まほ「総員、これからの前原少将の会話は全て忘れろ、いいな?」
「「はっ!」」
前原は無線機を装着し交信を開始する。
前原「竜宮より亀・浦島へ送れ、聞こえるか?」
入江『浦島、並びに亀感度良好!どうぞ』
前原「準備はいいか?」
入江『調音及び航空情報入力済み、』
前原「宜候、命令を待て、情報ば随時更新すること終わり」
「独艦取り舵をとりました。頭を抑えるつもりのようです!」
「距離二万五千!」
ロートリンゲンら3隻は回頭を終え、砲口を日本武尊ニへと向ける。
ロートリンゲン
「ゲシュライより通信、旗艦発砲まだか?」
「距離2万」
「発射準備完了!」
ローゼンベルグ「ってぇー!撃て!撃て!撃てぃ!」
号令で三隻は同時発砲、日本武尊からも確認される。
日本武尊
前原「敵、発砲今!着弾までおよそ四十秒」
大石「スラスター右舷一杯!」
日本武尊は艦首装備のバウスラスター右舷部が展開され、突如右へ大きく傾き戦艦ドリフトを披露する。
前原「おぉ‼︎」
みほ「うっうわぁ‼︎」
まほ「みほ、ちゃんとつかまって!」
大石「もっと振られるぞ!」
日本武尊は敵弾の着弾地点から下がった地点に並行に動く、ローゼンベルグはその光景を信じられずにいた。
ローゼンベルグ「馬鹿な…!何故戦艦にあんな軌道ができるんだ⁈」
ローゼンベルグの驚愕は最もであるが、さらなる恐怖が海中でその牙を研いでいた。
ラ號
「まだ爆発は治りません。調音不可能!」
入江「上からの情報だけでいけるか?」
「はっ!」
入江「電磁防壁があるとはいえ、急速潜航していなければ、艦砲の巻き添えを喰らっておったわ」
品川「空と海上からの情報があれば、我々二隻に不可能はありません!」
「全艦に誘導魚雷装填、主砲一番から三番、全門装填完了」
「百式及び九九式魚雷、解析値入力」
「魚雷は十秒後に両艦とも発射準備完了」
ロートリンゲンでは修正値を取ろうにも、どこに取ればいいか分からず四苦八苦しおり、海中にまで注意が回っていなかった。
「大佐、どうしますか?」
「大佐?」
ローゼンベルグ「もっと接近して直射か⁈…いや、各艦自由射撃か…⁉︎」
ラ號
「右舷、百式・九九式魚雷発射用意完了!」
亀天は発射管に注水、ラ號の魚雷は外付けになっている。
入江『浦島より竜宮へ、いつでもどうぞ!』
前原「第一段、魚雷攻撃!ってぇー!」
亀天
「艦首八式発射!」
「艦底部六三式改発射!」
ラ號
入江「右舷、百式及び九九式魚雷ってぇーー!」
二隻から放たれた魚雷が目指すのは重巡ゲシュライ・フォルトシッケを目指す。
「前方2千、魚雷多数!ゲシュライ及びフォルトシッケへ向け航行中!」
「回避を急がせろ‼︎」
「駆逐艦か⁉︎」
ローゼンベルグ「馬鹿な…何故魚雷が!?」
全弾命中し水柱が発生、二隻を一瞬にして海の藻屑と化した。
だが真の恐怖はここからである……‼︎
ラ號
「魚雷全弾、重巡二隻に命中した模様」
入江「砲術長、史上初めての水中砲撃戦だ上手くやれよ!」
「はっ!主砲一番から三番右舷旋回九十度!仰角二十五度!」
「発射用意よし!」
主砲51cm四連装砲三基十二門がロートリンゲンを捉える。
入江『浦島より竜宮へ、第二段いつでも!』
前原「第二段、主砲一斉射撃!ってぇい!」
入江「主砲発射ぁ‼︎」
水泡と共に、徹甲弾が発射され目標へと向かって直進する‼︎
「突破音確認‼︎」
「また魚雷か⁉︎」
「いえ、推進機音が確認できません‼︎魚雷でありません‼︎何かが…何かが本艦へと向け直進中!あぁ……当たる‼︎」
計十二発
右舷艦底部に全弾直撃し、ロートリンゲンは真っ二つにへし折られ大爆発を起こし海中へと消えた。
大石「最初のやつは、新型の誘導魚雷のようだな」
前原「対水上艦用の有線誘導魚雷です。上空の警戒管制機からの指示と亀天・ラ號の情報分析能力の賜物です。そして第二段はラ號の主砲射撃によるものです」
大石「主砲一斉射撃だと?!」
前原「ラ號の主砲には特殊な処理と加工が施されており、水中での発射も難なく行えます」
まほ「なんて船なの……」
みほ「凄いでしょ?」
大石「この日本武尊以上か……面白い……艦長」
富森『分かっております、救助ですな』
大石「あぁ頼む」
北の海の海戦は、こうして終わった。
潜水艦戦術を一新させる性能を持つ亀天の威力も実証され、ラ號もまた復活の雄叫びを上げた……が……
この戦いの裏に、もう一つの真の意味が潜んでいた。
ベルリン皇帝宮殿
ヒトラー「手酷くやられたな…」
マイントイフェル「まぁ、想定しておりましたが」
ヒトラー「爆撃隊は返り討ちに遭い、第一航空機動艦隊は壊滅か……」
マイントイフェル「閣下、それ故に得たものも大きいのです!今や旭日艦隊もといオオイシは丸裸も同然です!」
ヒトラー「自信満々かね、我が参謀総長?」
マイントイフェル(それに、思わぬ副産物も得られましたから…)
ヒトラー「まぁ期待しているぞ、マイントイフェル君、ふふふw」
アイスランド沖海戦での勝利とは裏腹に…
欧州戦線では独軍の反抗作戦が功を奏し、連合軍は上陸地点にまで押し戻されていた。全滅を避ける為、連合軍は独仏領ブレストにて、米・独・英の休戦協定を結ぶことになった。
それは即ち、ブレスト橋頭堡からの撤退と英ウェールズ要塞の明け渡しを余儀無くさせ、英仏海峡が欧州神聖帝国の内海となりマーレノストロ化を意味していた‼︎
しかし、英首相チャーチルにとっては英国住人3000万人を人質に取られての交渉とは、やむを得ないと言うしかない。
この結果、独占領地域の同胞に食糧などの支援が可能となったのだ…
ともあれ、その手法の是非は垢として世界はヒトラーを期代の戦略家と認めざるを得なかった……
危うし欧州、危うし後世世界……
第14話 大海戦です! 〜終〜 次回へと続く
ご感想お待ちしております。