ガールズ&パンツァー 鋼鉄の乙女と海の漢達  〜碧き海の世界の物語〜   作:短号司令官

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週末で終わるなこりゃ……


第16話 赤道で決戦です!

 

明日、出撃と知るや否や艦隊乗組員らの間では緊張が走っていた。

そんな中、前原は先だって大西洋に向かうべくみほと共にラ號に移り、艦内放送を通じて総員に呼びかける。

 

前原『全員その場で聞け、諸君…出撃命令が下った、今夜一九〇〇出港だ。戦場は再び大西洋だ。高杉艦隊との共同作戦となる!あるいは、旭日艦隊とも行動を共にするかもしれん。ラ號は一足先に戦場に入る為、先に諸君らの武運と健闘を祈らせてもらう。今更言うまでもないが…日頃培った技量と平常心を待ってすれば、苛烈な戦場に於いても勝機を失うことはないと信じている!……では諸君、大西洋で会おう!』

 

そう訓示を述べ、ラ號は紺碧島を出撃する。

 

ラ號は深度二百を維持し、印度亜洋から大西洋へと入る。

 

 

南大西洋 高杉第一航空機動艦隊

 

旗艦 健御雷

 

「長官」

 

高杉「おぅ」

 

「妙な水中探信音があると報告が……」

 

高杉「もっと正確な情報を挙げてこんか」

 

「はぁ…それが、今までに聞いたことのない推進音を探知したと報告がありまして…現在、前衛艦が追尾中で攻撃許可を求めておりますが…」

 

優花里「攻撃は待ってください!」

 

高杉「水中探信機にてモールス、キ音は二回ずつ反復」

 

「??」

 

高杉「返信のコ音連奏があったら、警戒解除。そのまま接近させろ、復唱はいい」

 

「はっ…?」

 

 

海中 ラ號

 

「モールスのキ音です」

 

前原「指令通りだな、水測コ音を発信させろ」

 

「はっ!」

 

その後、高杉・優花里は密かに護衛艦の一隻に移乗し、艦隊を離れる。

 

 

護衛艦 初雪

 

「長官…」

 

高杉「何も聞くな」

 

優花里「艦長殿、これから起こることも全て見なかったことに」

 

「はぁ……」

 

すると、早速

 

『こっ……こちらソナー室…左舷に……何か…巨大な何かが…浮上中……‼︎』

 

その海中からまず、巨大なドリルが出てきたかと思うと次に姿を現したのは、そのドリルを艦首に付けた巨大な戦艦であった。

 

「こっ……これ…は…」

 

高杉「疑問も質問も無しだ。艦長」

 

「……は……了…解…」

 

 

優花里「もう少しで攻撃を受けるところでしたよ。西住殿…!」

 

高杉「全くだ、攻撃の一歩手前まで来ておったよ」

 

みほ「御免なさい。こちらから言うことも出来ないから……」

 

前原「指令通りの暗号を、今かいまかとヒヤヒヤしながら待っておりました」

 

高杉「識別不能だから仕方無かろう」

 

高杉は初雪に移乗して来た前原達と話していた。

 

前原「ははっ識別されては困りますw」

 

高杉「はははwそれもそうだな」

 

前原「当艦隊は後続して来ますが、もう高杉艦隊には近づきません」

 

高杉「うむ、その方がいい……昨日、トリスタン・ダクーナ島が空襲を受けた」

 

優花里「あそこがやられては、ここでの戦いがやりにくくなります…」

 

みほ「大西洋で決戦が起きる……ってことですか…?」

 

高杉「アイゼンハワー大統領からも正式に支援要請があった。米国はアルゼンチンへ向け遠征艦隊を発進させるようだ。アルゼンチンに第三帝国の力が及べば…」

 

優花里「ハーケンクロイツの鎌が完成してしまったら、大西洋が第三帝国の内海になってしまいます…」

 

高杉「大石司令長官の旭日艦隊にも、支援要請が届いておる」

 

前原「では、いよいよ…」

 

高杉「うん」

 

すると傍から一つの新聞を出す。

 

高杉「これを見ろ。遂にスターリン軍が降伏した」

 

前原「ほぉ…?…"スターリンの生死は不明"……」

 

みほ「これって……」

 

高杉「いずれにしろ、二大全体主義国家間の戦争は終わった訳だ」

 

前原「ということは…」

 

高杉「そうだ、第三帝国と亜細亜連合の向き合う蒙古決戦が行われる訳だ」

 

みほ「蒙古決戦…」

 

前原「その間に、ヒトラーは米国侵攻の足場を築こうとしているのでは…?」

 

高杉「それが米国の推測であり」

 

優花里「この南大西洋決戦はその前哨戦ということです…!」

 

前原「南米大陸の要塞をどちらが抑えるか…ですな」

 

高杉「うむ…」

 

その時、何やら部屋をノックする音が聞こえる。

 

高杉「入ってくれ」

 

そこへ現れたのは……

 

前原「おまっ……‼︎」

 

みほ「貴方は……‼︎」

 

「「九鬼(さん)か‼︎」」

 

海軍海兵師団 九鬼鷹常中将

「よおぅ久しぶりだな、前原に西住ちゃん」

 

高杉「同期生だったか?二人は」

 

優花里「はい、そう聞いてます」

 

前原「久しぶりだなお前!」

 

九鬼「はっははは!まぁだ少将か貴様!それに西住ちゃんも見ねぇ内にまた綺麗になったな!」

 

みほ「えへへw」

 

前原「どこで何をしていた!」

 

九鬼「サモア以来、印度亜で特務陸戦隊を率いておった」

 

高杉「おいおい、それは軍機だろ」

 

九鬼「いや、ここに軍機の塊みたいなのが二人も居ますから!そいつと組んでの島嶼奇襲作戦!」

 

前原「…と言うと……?」

 

高杉「役者が揃ったようなので本題に入ろう。米遠征艦隊を阻止すべく、独地中海艦隊がギニア要塞を発進、南下中との情報が入った」

 

みほ「それじゃあ…」

 

高杉「米・独の艦隊がぶつかるのはリオデジャネイロ沖だと予想されているが…我々はこれを阻止する!まぁ座ってくれ、作戦を説明しよう」

 

それから、高杉司令長官と前原・九鬼、みほと優花里らの間で綿密なる作戦の打ち合わせが行われ、二人はラ號へと戻った。

 

高杉は潜航するラ號を見送りながら、艦内放送を始める。

 

高杉『総員に告ぐ、今沈みゆく船は幽霊船だ。記憶からの消去を命ずる』(しかし、前世の我々はとんでもない艦を作ったものだ……)

 

 

海中

 

ラ號

 

前原「我々の作戦によれば、独地中海艦隊はセントヘレナ島を目指すはずだ。よってこの線に沿って出てくる部隊を主力が叩く」

 

海図を指しながら前原は作戦を話す。

 

前原「集結地点はセントヘレナ島北西600km、間に合うか?」

 

そう彼は航海長に問う。

 

「いえ、間に合うように進路を設定します」

 

前原「ありがとう」

 

みほ「でも、あまり負担は掛けられませんよ……連続全速航行で行ったらどうですか?」

 

前原「そうだな…よし両側全速、深度200」

 

ラ號は零式動力炉の出力を活かし、速度40ノットで一気に海中を駆け抜ける。

 

 

 

皇帝別荘

 

マイントイフェル「大西洋上のUボートからの報告では、旭日艦隊は幾つかの小艦隊に分かれて行動しているようです」

 

ヒトラー「ほぉ、それで?」

 

マイントイフェル「()()()の一次量産と部隊編成が整いました、後は現地での慣熟訓練が終わり次第実戦態勢に入ります」

 

ヒトラー「うむ!楽しみにしているぞ。良い知らせを」

 

マイントイフェル「はっ!会心のご報告ができると確信しております!」

 

ヒトラー「ところで、肝心の米軍遠征艦隊への対策はどうなっておる?」

 

マイントイフェル「米軍に対しては、地中海艦隊・第2・第3機動艦隊を指し向けました」

 

ヒトラー「それだけで大丈夫かね?海軍はそれほどまでに信頼できるのかね?」

 

マイントイフェル「充分な数です。これ以上は海軍の責任ですが…後、若干のボートも指し向けましたが…よろしいでしょうか?」

 

ヒトラー「まぁ、よかろう」

 

マイントイフェル「ハイル・ヒットラー!」

 

 

 

独地中海第3機動艦隊旗艦 空母 ポメラニア

 

「索敵機からの報告です。米機動艦隊はブロンコ岬沖で進路を西南へ変更」

 

第3艦隊司令 トマス・フォン・ドルーデ大将

「やはりな、米軍の狙いはアルゼンチンか…しかし、我が第3艦隊とローボの第2艦隊を持ってすれば、米機動艦隊など簡単に葬れるぞ!そう思わんかゴジェット副司令?」

 

アンドレアス・ゴジェット少将

「はい、米機動部隊との対決のみであります」

 

ドルーデ「というと?」

 

ゴジェット「旭日艦隊の存在に加え新たなる艦隊、高杉艦隊をも考慮しなければなりません…楽観は禁物かと」

 

ドルーデ「……ふん…」

 

 

 

 

その夜、南大西洋アセンション島近く……

 

 

ラ號

 

前原「艦影・機影・逆探無し」

 

みほ「水中にも敵影ありません」

 

前原「特務潜水陸戦隊、発進用意!」

 

 

特務潜水陸戦隊 

選び抜かれ、破壊・情報収集・潜入の為、特殊訓練を受けた精兵達がラ號からアセンション島を目指す………

 

小型艇で海中を進む特戦隊を捉えつつ、前原達は会合点へ向かう。

 

 

 

 

アセンション島

 

「我々の目的は、攻撃隊が飛来する前にザ・ピークの電探基地を破壊することだ。行くぞ‼︎」

 

上陸を果たした特戦隊が目標へと向かう頃……

 

 

 

 

洋上

 

共同作戦をとる高杉艦隊の健御雷からは攻撃隊が発艦し始めていた。

 

 

 

アセンション島 ザ・ピーク独軍レーダー基地

 

各自所定の配置に着き、合図とともに携帯式噴進砲・機関銃が一斉に火を吹き敵兵を薙ぎ払う。

 

ある程度片付いたところで基地内部へ侵入し、爆薬を仕掛け通信暗号文を確保する。

 

「撤収!攻撃機に我々も吹っ飛ばされるぞ!」

 

「「はっ!」」

 

 

 

攻撃隊

 

接近しつつある攻撃隊は、電波反応が消えない場合はザ・ピークを破壊するよう命じられており、低高度で侵入、投弾準備を整える。

しかし間も無く、基地に仕掛けられた爆薬が起爆、電波が途絶えたことにより第二・第三目標へと向かう。

 

 

 

海中から攻撃成功の様子を確認した前原は、帰投する特戦隊の為に目視不能な赤外線発光信号を送る。

信号を確認し、接近して来た特戦隊を収容する。

 

「暗号文と機密書類であります」

 

前原「ご苦労でした…!

 

みほ「お疲れ様です!皆さん、あとはゆっくり休んでください」

 

「はっ!」

 

前原「これで偽電文を作れるか?」

 

「はっ!やってみます!」

 

 

程なくして作られた偽電文は、浮遊気球で空へと上げられる。

発する命令はこうである、"総統命令 第256号 高杉艦隊を殲滅せよ"

 

 

ラ號

 

前原「さて、敵は偽電文に引っかかると思うか?」

 

みほ「真に受ければ、引っかかると思いますけど…仮に確かめるならどうします?」

 

前原「そうだな…敵艦隊の前に出るのもありだな…」

 

みほ「……危険ですけど、確かめるならそれが一番だと思います」

 

前原「よし、進路変更!独艦隊の側面から前方へ回り込む!」

 

ラ號はその俊足で艦隊前方を目指す。

 

だが、前原の打った一手は地中海第2艦隊の老練な司令官カール・フォン・ローブ大将の疑問を呼んだ。

 

ローブ「おかしいな…これは……」

 

そして彼は、第3艦隊司令のドルーデ大将を自艦に呼んだ。

 

 

ローブ「貴官にわざわざ来てもらったのは他でもない、この総統閣下の緊急電を貴官はどう思うか?」

 

ドルーデ「どう思うか…と言われると?」

 

ローブ「この命令は戦力の二分であり、戦術原則に反すると思わないか?今艦隊を二分することは、ランチェスターの法則により戦力は4分の1になると…」

 

ドルーデ「私が第3艦隊から飛んできたのは、戦術理論を聞く為なのですか⁉︎」

 

ローブ「いや…無論そうではない……戦力の集中は原則であるとして…」

 

ドルーデ「要するに、どういうことですかな?」

 

ローブ「タカスギ艦隊を打て…という総統命令だが…」

 

ドルーデ「ローブ大将、貴官は総統命令に意見を差し挟むのかね?我々の義務は、皇帝陛下の命令には絶対服従ではなかったのかね?」

 

ローブ「いや…無論総統命令を批判するものではない…」

 

ドルーデ「では議論など時間の無駄、実行あるのみ」

 

ローブ「私が疑っているのは、この命令の真偽だ…!」

 

ドルーデ「なんですと…⁈」

 

ローブ「一応、確かめてからでもいいのではないかね?」

 

ドルーデ「ふむ……貴官は慎重すぎる!臆病とは言わないまでも、躊準は戦況を制すると皇帝陛下の常日頃のお言葉でもある。第一、無線封止をしている我々に本国に問い合わせる術などない、それとも敵に我々の位置を知られてまで本国に確認をとりますか⁉︎だが事後の責任は貴官がとって頂きたい!」

 

ローブ「いや……それは……」

 

すると、

 

『司令官!セントヘレナ島基地から緊急電であります!』

 

ローブ「なんだ……⁉︎」

 

 

 

 

セントヘレナ島

 

高杉艦隊

 

比叡

 

「後続艦、発泡を始めました‼︎」

 

高杉「弾の補給は幾らでもする!上陸部隊の為にも、弾庫を空にするまで撃ちまくれ‼︎」

 

上陸を目指す九鬼海兵師団の為、高杉らは艦砲射撃をもって海岸付近の敵基地殲滅に出ていた。

 

 

 

 

ローブ「タカスギ艦隊がセントヘレナ島を…⁉︎」

 

ドルーデ「ローブ司令官‼︎皇帝陛下はこの事を仰っていたのだ‼︎だから我々命令に即時従うべきだったのだ‼︎貴重な時間を失った責任は貴官にある‼︎」

 

ドルーデはそう吐き捨てて、部屋を後にする。

 

ローブ「馬鹿者め……臨機応変というのを学ばなかったのか…‼︎」

 

 

 

結局、ローブの第2艦隊はセントヘレナ島へ、ドルーデの第3艦隊は米艦隊を目指して直進することになった。

 

紺碧・高杉両艦隊の絶妙なタイミングと独海軍内の足並みの乱れが、比嘉の運命を決める。

 

 

海中 ラ號

 

「敵艦隊は二手に分かれました。セントヘレナ島方面に向かった艦隊は調音不可能、100km以上は離れました」

 

前原「セントヘレナに向かった艦隊は高杉艦隊に任せ、我々は直進する方を喰うぞ‼︎」

 

みほ「はい!先任さん暗号音通、宛亀天、迎撃点・時間・進路をお願いします!」

 

「はっ!定時連絡時に発信します!」

 

前原「紺碧艦隊主力との会合点へ移動する。敵艦隊の真下を突っ切るぞ…!」

 

ラ號は船体を百八十度回転させ、最大戦速を持って離脱を開始する。

その速度……およそ50ノット……‼︎

 

 

 

ポメラニア

 

ドルーデ「自然現象か…?」

 

不明音源としてラ號を探知したと、駆逐艦からの報告を受けたドルーデ。

 

ゴジェット「司令官、用心すべきです。日本海軍は新兵器を使い、時々奇策を仕掛けてきます」

 

ドルーデ「分かっておる!黄色人種は卑怯な欺瞞戦術を好むからな!」

 

全艦に警戒を徹底させつつ艦隊は進むが、突然の不明音源の出現により艦隊には重苦しい不安が漂った……

 

 

 

 

前方20kmの地点まで出たラ號は行動を起こす。

 

みほ「ねぇ前原さん、このまま行ったら敵の艦隊はすんなり来ることになりますけど、軽い足止めか何かしませんか?」

 

前原「というと?」

 

みほ「蛸雷、試してみませんか?」

 

前原「そうだな…布石として打っておくか。減速微速前進」

 

スピードを落としたラ號は、艦首部の凹凸部にある噴進弾発射口が開く。

 

前原「蛸雷、発射!」

 

浮遊機雷の一種である蛸雷は、海面下20mを浮遊し目標艦を探知・追尾するという攻撃型機雷である。

蛸雷放出後、味方との会合点に到達せんとした頃、

紺碧艦隊の罠は完成しつつあり、独第3艦隊はその罠に踏み込まんとしていた…

 

 

 

果たして、敵前衛駆逐艦を捉えた蛸雷は推進機が始動、回避を試みる駆逐艦の艦首に炸裂し沈められた。

 

 

ポメラニア

 

ドルーデ「せ…潜水艦か⁉︎」

 

ゴジェット「駆逐艦全周探索!」

 

潜水艦を探そうとするも、その姿は無く味方は次々に蛸雷の餌食と化していった。

 

ゴジェット「潜水艦を捕捉した艦はいるか⁉︎」

 

「いえ‼︎ありません!」

 

ゴジェット「司令官、浮遊機雷かもしれません!」

 

ドルーデ「やはり、さっきの自然現象か……!」

 

爆雷の投射・機銃の海面斉射で食い止めようとするも、ついに旗艦ポメラニアにも被害が及ぶ。

だが悲劇はそれだけにとどまらず、回避しようと左舷前方から現れた戦艦アウグゼブルグと衝突しドルーデが負傷する。

 

 

ラ號

 

前原「水測、状況はどうだ?」

 

「爆雷と蛸雷の爆発音が入り乱れていますが、大きな衝突音らしきものも捉えました。多分敵艦同士の衝突……」

 

前原「みほ、全艦位置についたか?」

 

みほ「最右翼のイ501潜がもうすぐです」

 

前原「うん」

 

 

 

海上の第3艦隊では、ドルーデが負傷の為、ゴジェットが代わりに指揮を取ることになった。

 

ゴジェット「機雷をばら撒いた奴が近くにいるかもしれん…!こんな嫌がらせのような攻撃だけで済むかどうか……」

 

ここで彼の頭の中には、ある1つの心当たりが出てきた。

 

ゴジェット(まさか‼︎…第三帝国海軍では禁句とされている、X艦隊…⁉︎)

 

 

 

 

ラ號

 

「司令、各艦攻撃準備完了。必要諸元は各艦亀天から通達済みです」

 

前原「久しぶりの艦隊殲滅戦だが、今回は一味違うぞ」

 

 

亀天

 

「敵艦攻撃射角内に入りました」

 

品川「発射管扉開け、注水開始」

 

「G7発射用意」

 

入江「G7発射ぁ‼︎」

 

 

亀天以下五隻からG7魚雷が放たれたとき、ラ號は不可思議な行動に出る。

 

前原「タンクブロウゆっくり、浮上だ」

 

他の艦と違い自艦のみ何故か浮上し始める。

 

 

一方、G7魚雷を受けた第3艦隊は先、の蛸雷のこともあってか混乱が増し始めていたそのとき……

 

 

入江「全艦統制雷撃戦開始、誘導魚雷ってぇ!」

 

五隻から六三式改・八式が発射され、正確な誘導の下敵艦を目指し直進する。

 

「突発音多数‼︎」

 

入江「続いて第二射ってぇー!」

 

無数の魚雷が敵艦隊に集中する中……

 

ラ號

 

前原「始まったな」

 

「はい、こちらも始めますか」

 

爆発音に紛れて、ラ號は浮上を終えていた。

 

前原「左舷砲撃戦用意」

 

十二門の51cm砲が遥か彼方の敵艦隊の方へと砲口を向ける。

 

前原「砲術長、主砲全門プラズマ弾装填」

 

「プラズマ弾ですか…⁉︎」

 

前原「威力を知る上でも絶好の機会だ、やってくれ」

 

「分かりました…!全主砲、プラズマ弾装填!」

 

指令を受けた砲塔内では作業が進められ、遂に尾栓が閉められる。

 

「主砲一番から三番、全門発射準備よし‼︎」

 

前原「砲撃開始‼︎」

 

「主砲ってぇー‼︎」

 

主砲用トリガーを引き、一斉射撃で放たれたプラズマ弾が第3艦隊を目指す。

 

 

第3艦隊

 

艦隊は正体不明の雷撃を受け、次々撃沈ないし大破していた。

 

「ケルンテルン吹っ飛びましたぁ‼︎」

 

「戦艦アウグゼブルグ大破、レーゲンツブルグ被弾、リンツは…」

 

そのときだった。

 

ゴジェット「⁈なんだあれは……⁉︎」

 

前方上空から飛来してくる光弾を発見、その光弾はリンツへと向かっていき、次の瞬間当たったかと思うと眩い閃光と爆発音がが炸裂する。

 

ゴジェット「なっなんだ⁉︎」

 

「リンツ……艦橋消滅……‼︎」

 

ゴジェット「なっ……⁉︎」

 

リンツの方へ目を向けると、艦橋があった箇所は何かによってきれいに削り取られ、艦の中央部から後部一帯にかけてがきれいに無くなっていた。

 

ゴジェット「な…なんだこれは……」

 

「司令、重巡2隻がリンツと同じ攻撃を受け…両艦とも消滅……」

 

ゴジェット(ありえない……雷撃はX艦隊かもしれんが、あの攻撃はなんだ⁉︎戦艦が消滅だと⁉︎)

 

「第2射きました‼︎」

 

ゴジェット「っ‼︎どっちだ⁈」

 

「両方です‼︎」

 

ゴジェット「っ……‼︎」

 

視線を向けると、海面には雷跡らしきもの、上空からは先程と同じ光弾が自艦に向かって来ていた。

 

ゴジェット「やはりX艦隊は実在した……だが……いや、もうここまでか……」

 

そこへ負傷しながらもドルーデが艦橋へと戻って来た。

 

ドルーデ「何をしている‼︎早く攻撃機を発艦させろ!」

 

ゴジェット「しかし…」

 

ドルーデ「貴様ぁ何をしていた‼︎軍法会議で追及してやる‼︎」

 

ゴジェット「……それができればいいでしょうな」

 

ドルーデ「なんだt…」

 

そこでその場にいた全員の意識はそこで途絶えた。

 

 

かくして紺碧艦隊は赤道近海にて、独地中海第3艦隊を撃滅せしめた。

 

 

 

作戦を終え、高杉艦隊と再び会合を果たした前原はそこで予想外の結果を知る。

 

比叡

 

みほ「米遠征艦隊が……壊滅⁉︎」

 

前原「如何なる事態が起こったのでありますか……⁈」

 

優花里「それが……潜水艦だそうです…」

 

「「⁉︎」」

 

高杉「何処から現れたかは知らんが、百隻近いUボートが米遠征艦隊を襲ったそうだ」

 

優花里「報告によると、新型のものから旧型までなんでもありの状態だったそうです」

 

みほ「それで……被害は……?」

 

高杉「文字通り壊滅だ……特に、上陸二十万将兵の殆どが犠牲になった…」

 

前原「それでアルゼンチン上陸は……」

 

高杉「作戦目標も…戦略目標も…消し飛んでしまった」

 

 

 

 

 

 

 

皇帝別荘

 

ヒトラー「諸君、祝いの盃をあげようではないか!我が第三帝国海軍は米軍の上陸作戦を打ち砕き、友邦アルゼンチンからも感謝の言葉があった。これは一重に我が参謀総長マイントイフェル君の卓越した指揮にある!」

 

マイントイフェル「恐縮であります!」

 

ヒトラー「我らが参謀総長に乾杯だ!」

 

マイントイフェル「只今、皇帝陛下より過分なるお褒めの言葉を頂きましたが、私からも陛下にお喜び頂けるご報告があります!」

 

ヒトラー「ほぅ!これ以上に余にとってまだ喜ばしい報告があるのかね!」

 

マイントイフェル「アースの実戦投入が可能となりました!これであの旭日艦隊の命運を尽きました!ご命令があれば、明日にでもヤマトタケルを引き裂いて見せましょう‼︎」

 

ヒトラー「でかしたぞマイントイフェル君!これで余の世界征服計画は、また新たなページをめくることになるぞ!諸君!いま一度盃を上げようではないか‼︎」

 

「「ジィク・ハイル!ジィク・ハイル!…」」

 

 

恐るべし、第三帝国の底力…!

大西洋をめぐる戦いはいよいよその激しさを増す!

 

危うし日本武尊!世界の運命やいかに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第16話 赤道で決戦です! 〜終〜 次回へと続く




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