ガールズ&パンツァー 鋼鉄の乙女と海の漢達  〜碧き海の世界の物語〜   作:短号司令官

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次回から後日談を書いていこうと思いますが、時系列は26年初頭〜末までのものを予定しています。


エピローグ 未来へ

 

照和26年末

 

日本国首都 東京都

 

首相官邸

 

大高「今年もくれますな…」

 

高野「そうですな、いつ以来でしょうか?こんな風に平和な年末を迎えることができたのは」

 

大高「そうですな……丁度、十年ぶりでは?」

 

高野「丁度…?あぁ…そういえば今日は……」

 

部屋にあるカレンダーに目をやると、日付は12月8日を指していた。

 

高野「あの日のことは、死ぬまで忘れんでしょうな」

 

大高「私も同感です。あれだけの戦争をしたんです。我々の行く末は…」

 

高野「地獄……ですな」

 

大高「はい」

 

高野「……そういえば、毎年この日は開戦記念日として紺碧会で集まる習慣があるのですが、今年は閣下もどうです?」

 

大高「無論です。桂さんと一緒に伺わせてもらいます」

 

そう大高が言った時……

扉が突然開き、姿を現したのは木戸外相であった。

様子はどこか落ち着きが無かった。

 

大高「おぉ木戸さん、どうしたのです?」

 

木戸「閣下、大変な事態に…!これは高野総長も、いいところに!」

 

高野「何があったのですか?」

 

木戸も席について話し始める。

 

木戸「はい、えぇ…何から話せばいいか…⁈」

 

大高「落ち着いてください木戸さん、落ち着けないということは、それだけ重要な事柄なのでしょう」

 

木戸は一度深呼吸をして落ち着きを取り戻し、話し始める。

 

木戸「ふぅ…失礼しました…それではいきなり本題を話しますが、よろしいですか……?」

 

高野「無論です」

 

大高「お願いします…」

 

木戸「えぇ……実は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒトラーが病死しました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「⁈」」

 

木戸「信じられないのも無理はありません。ですが確度は高いものです…!」

 

 

それは遡ること数ヶ月……

 

 

ベルリン 皇帝宮殿

 

ここのところ、ヒトラーの様子は変だった。以前から体重の減少が見られ始められ、時より猛烈な腹痛に悩まされることもしばしば…側近らにはそれを悟られぬよう振る舞ってきたが、腹痛に悩まされここのところよく眠れていない。

そのせいで目の下に隈ができていた。

 

ヒトラー(なんなのだ……余の体はどうしてしまったというのか……)

 

部屋の中を歩きながら考えるが、心辺りらしきものは何もなかった…だが次の瞬間、腹部に強烈な痛みが走る!まるで砲弾で抉られたかのような痛みだ。ヒトラーは唸り声を上げ、その場に倒れ込む。

 

ヒトラー「なんなのだ……これは一体どういうことだ……‼︎」

 

そう言い切った途端、意識を失った。

 

 

 

 

次に彼が目を覚ましたのは、寝室のベッドであった。

 

ヒトラー(ここは……?余は何故眠っている…?)

 

辺りを見回すと、腕は薬品を流す管につながっていたら、医師らしき人物も見られた。

 

「‼︎皇帝陛下!」

 

ヒムラー「お目覚めになられましたか!」

 

ヒトラー「ヒムラー君……余は何があったのだ」

 

ヒムラーはヒトラーの身に起きたことを事細かに、そして現在に至るまでの経緯を話した。

 

ヒトラー「そうか、余は一週間も眠っていたのか」

 

ヒムラー「はい、明日は演説の予定がありますが?」

 

ヒトラー「悪いが…キャンセルだ」

 

その後、医師から二、三質問を受け、それからしばらくヒトラーは安静にするように言われた。

 

そこから一週間後……

 

「皇帝陛下、診断結果が出ました…」

 

ヒトラー「それで…?どうなのかね?」

 

「はぁ……その……」

 

ヒムラー「どうした?早く言わんか」

 

「はっ!……申し上げます。皇帝陛下の症状は……癌です……」

 

ヒムラー「⁉︎」

 

ヒトラー「なんだと⁉︎」

 

彼からの説明によると、症状が現れ始めた今年の2月頃、その頃に発症したがヒトラーは計画を立てる為、健康診断に行くことがなく発見が遅れ、症状が進行し悪化、もはや延命措置を行なってももって一ヶ月が限界とのこと。

 

それからヒトラーは無論、延命措置をとったが一ヶ月後、肝臓癌が原因で死亡する。

 

ヒムラーはこれを隠すつもりでいたが、独軍上層部に残っていた親ロンメル派の者がこれを公表し、彼は大蓮へと亡命する。

 

公表され、第三帝国国内のみならず各国で混乱が見られた。

 

皇帝宮殿には連日記者団が押し寄せ、事実確認を取ろうと迫ってくる。

この状態にヒムラーは「もはや嘘だった。誤報だったというレベルで済むものではない」と悟り、覚悟を決めて事実であることを認めた。

 

 

 

 

大高「ヒムラー長官自らが言っている以上、確かに確度は高いものでしょう」

 

高野「第三帝国はどうなるでしょうか…?」

 

大高「今の第三帝国は、首の無い鶏と同じ状況です。指導者がいない以上、次に立つ人物次第で第三帝国の命運は変わるでしょう」

 

木戸「私としては、ヒムラーが立つと思われますが、第三帝国は混乱中ですし、そう長くは持たないかと」

 

大高「大いにありうることです」

 

その予想が当たったかのように、翌照和27年1月、フランスで地下に隠れていたレジスタンス、そして半ば強制的に独軍に協力させられていた元フランス軍が蜂起、2月1日にはエトワール凱旋門にフランス国旗が掲げられた。

これが火種となったのか、第三帝国の支配下にあった欧州各国・第三帝国の支配地域ではレジスタンス、義勇軍から祖国解放の為に蜂起した軍により各地で内乱が勃発、ヒムラーはこれを鎮圧するよう命じるが亜細亜でもこの機に乗じて動く人物がいた。

 

大蓮

 

ドイツ亡命臨時政府

 

ロンメル「そうか…ヒトラーの死は事実であり、欧州各国では今祖国解放の為に各国が動いているのか……」

 

「東シベリア共和国も行動を起こし、シベリア鉄道で志願者のみでありますが、支配地域の付近まで輸送する準備を整えております」

 

「仏・蘭の亡命政府も義勇軍を送る予定です!」

 

ロンメル「そうか……」

 

「閣下、我々も動きましょう!」

 

「今欧州で戦っている第三帝国の兵士達は、元々は我らと同じ同胞です!」

 

「ヒトラー亡き今、彼らは必ず閣下の意思に賛同する筈です!彼らの目を覚まさせるチャンスです!」

 

ロンメル「うむ……」

 

その後、大蓮からロンメルによるヒトラー圧政・民族政策の実態が彼の知る限りではあるが打ち明けられ、己の身をも狙われたことを明かす。

 

ロンメル「…これを聞いている第三帝国軍に属する同胞達よ!これを聴いたなお、君らは帝国に忠誠を誓うか⁉︎今こそ目を覚ますときだ、友よ!今こそ、第三帝国の圧政に苦しむ人々の為に立ち上がる時だ‼︎祖国を!欧州を取り戻すぞ‼︎」

 

「「おぉぉぉぉぉ‼︎」」

 

この"ロンメル解放讃歌"と後の世に語り継がれる伝説が生まれると同時に、ロンメルは欧州解放軍を結成、解放軍は東シベリア共和国の協力でシベリア鉄道で支配地域付近まで向かう。

道中、ロンメルの呼びかけに呼応した帝国軍兵士が次々に解放軍へ加わり、シベリアに到着するまでに総勢一千万人近くにまで上った。

 

また、欧州でもロンメルの呼びかけに応じた帝国軍兵士が、次々に寝返り・次々に支配地域は解放され、もはや第三帝国の領土はほぼ無かった。解放軍がドイツ本国を取り囲んだ頃、世界各国がようやく動いた。

 

米国は一個艦隊を派遣させる。

 

 

米派遣艦隊

 

旗艦 戦艦 モンタナ

 

空母 双胴空母 イエローストーン

 

巡洋艦 重巡 アラスカ グアム ハワイ

    軽巡 ファーゴ ハンティントン ウースター ロアノーク

 

駆逐艦 アレン・M・サムナー級駆逐艦20隻

 

揚陸艦 5隻

 

一個海兵師団

 

陸軍 戦車二個師団 三個空挺部隊

 

旗艦の戦艦モンタナに関しては、第二次大戦期から計画そのものは動いており、日米戦膠着期に極秘裏に決定、日米講和後に建造を開始、第二次大戦終戦直前に一番艦モンタナが完成、戦後の軍縮の影響で空母不足を懸念し、更に進水した二隻を急遽空母へそれも双胴型に改造。

 

 

また少なからずだが英国も動いた。

 

英派遣艦隊

 

旗艦 戦艦 ライオン

 

空母 ジブラルタル

 

巡洋戦艦 レナウン

 

巡洋艦 重巡 サリー

    軽巡 タイガー

 

駆逐艦 ウェポン級駆逐艦9隻

 

海兵二個師団

 

ライオン・ジブラルタル両艦に関しては、どちらも独海軍を警戒して密かに建造が進められていたもの。

レナウンはレパルスの二番艦として残っていたもの。

 

 

これらの艦隊の目的は、独立した欧州各国の支援と防衛を理由に出撃、また英国首相チャーチルは密かに日本にも出動要請を出す。

 

これを受けた大高は悩んだ。果たしてどの艦隊を向かわせるべきかと

現在日本海軍は、軍縮の煽りで艦をスクラップにはあまりしていないが、殆どの艦艇を独立間も無い亜細亜各国に払い下げていたり、在籍していても訓練艦として残っているものが多かったが…白羽の矢が立った者がいた、そう旭日艦隊だ‼︎

 

実は、照和27年に入って日本武尊を発見したと各国に報じたが、その頃に独国はそれどころじゃなくなっていた為、何も言ってこなかった。

派遣された旭日艦隊の編成は以下の通りである。

 

 

旗艦 超日本武尊

 

防空軽空母 尊氏

 

虎狼型航空巡洋戦艦 虎狼

 

新風型対潜駆逐艦4隻

秋月型航空駆逐艦4隻

 

もはや過去の栄光今何処、その数は最盛期の半数以下であった。

しかし艦そのもの、特に日本武尊に関してはとんでもない大改装が施されていた。

 

 

 

超弩級潜水戦艦 超日本武尊

外観は今までの日本武尊そのままだが、中身はまるで別物と化していた。

日本武尊は潜水戦艦として建造された経緯があるが、建造当時は技術的難点が多く半潜が限界であったが、これを解決したのがラ號である。

ラ號の持つ潜水能力をコピーしたものを日本武尊にも装備、また機関もラ號と同じ零式動力炉を後世の技術で完全再現、それにより電磁推進が可能となり海上・海中さらには空をも飛べるようになった。

主砲は51cm三連装超電磁砲(外観は普通の三連装砲だが中身は長距離用砲身を着け、小型化したストーンヘンジを三つ並列に並べてその上から砲塔を被せたもの)を三基九門装備、速射ができ搭載弾数も従来の6倍に増大しただけでなくこの砲身もラ號同様水中射撃が可能となっている。

また簡易的ではあるが対空レーザー砲を装備し、その他には艦首魚雷発射管を八門、水中発射も可能な噴進弾垂直発射機を前後甲板に装備、艤装煙突型の噴進弾発射機、そして零式動力炉のおかげで電磁防壁を展開させられるようにもなった。

因みに潜水時には艦橋の窓は防水壁が降りる仕組みとなっている。

 

 

 

ともあれ、この超日本武尊を旗艦とした旭日艦隊、及びそれに密かに随伴する紺碧艦隊は印度亜洋から地中海へと入る。

このとき欧州でも、戦いは大詰めを迎えようとしていた。

解放軍に宮殿を囲まれたことを受け、ヒムラーは降伏し全部隊に武装解除を命ずるが、海軍の一部が反発、残されていたグナイゼナウ二世や他の艦艇で紅海への脱出を測る。

 

これを探知した米艦隊が追撃を仕掛ける。

モンタナの砲撃でアドミラルヒッパー級三隻を撃沈し、イエローストーンとヘッセン・バイエルンが航空機のぶつけ合いを繰り広げ中、紅海より北上してきた紺碧・旭日艦隊が到着、日本武尊はグナイゼナウ二世を相手取り、紺碧艦隊は雷撃・ラ號の活躍によって独海軍最後の地中海第六艦隊をここに壊滅させる。

また北海に残って抵抗していたティルピッツ二世もライオンとの戦闘で沈められる。

 

 

 

これら一連の出来事は第三次世界大戦とは呼ばれず、欧州(ヨーロッパ)解放戦争と呼ばれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

照和27年 12月8日

 

神奈川県横須賀市

 

 

この日ここに、西住姉妹からの連絡を受けたあんこうチーム、エリカ、ダージリン、ケイ、カチューシャ、アンチョビらがいた。

 

沙織「ねぇゆかりん、みぽりん本当にここって言ってたんだよね?」

 

優花里「はい、手紙には基地の近くで待っててくれってありましたし」

 

カチューシャ「それにしても遅すぎるわよ‼︎いつまで待たせる気⁉︎」

 

ケイ「あの二人にしては珍しいわね」

 

エリカ「何かあったのかしら……?」

 

ダージリン「まぁ気長に待ちましょう。急いでも仕方ない、寝転んで待つのが第一だ…とも言いますし」

 

アンチョビ「…ダージリン、お前何か悪い物でも食ったか…?」

 

ダージリン「あら?大丈夫ですよ、今のは勝海舟の格言よ」

 

華「びっくりしました……ダージリンさんらしくないことを言われたので…」

 

麻子「全くだ……人の身にもなってくれ」

 

そんな他愛ない会話をしながら姉妹を待っていた一同の下に、彼女達はきた。

 

みほ「皆さぁーーん!」

 

まほ「おーい!」

 

麻子「おっ、来たぞ」

 

カチューシャ「やっと来たわね!」

 

少し遠くにいた為、二人の下に駆け寄るが……

 

優花里「お久しぶりです!西住ど…の……?」

 

一番先に駆け出した優花里が手前で立ち止まる。

 

沙織「ゆかりん?」

 

ケイ「どうしたの、オッドボール?」

 

彼女は亜然とした表情で姉妹の方を指刺す。皆がその方を向くと、優花里がそうなった理由が分かった。何故なら、二人はそれぞれ子供を抱き抱えていたのだ。

 

エリカ「えっ……」

 

「「えぇぇぇぇぇ⁉︎」」

 

みほ「?」

 

まほ「どうした?そんなに驚いて」

 

エリカ「いや…隊長……その…それは…」

 

まほ「あぁこの子か?この子は希穂、私の子供だ」

 

みほ「こっちは立穂、可愛いでしょ」

 

カチューシャ「いや…ミホーシャ、マホーシャ…そうじゃなくて…その……」

 

ケイ「貴方たち子供なんていつの間に……」

 

「「あぁ……」」

 

アンチョビ「いやいや、あぁじゃなくて……」

 

まほ「…とりあえず、説明の前にちょっとついて来てくれ」

 

言われるがまま、一同はみほとまほについていき、基地の中へと入る。

 

横須賀基地内

 

華「なんだか、人が多いような……」

 

沙織「確かに…なんか一般人の人をよく見るけど…」

 

麻子「今日は祭りか何かか?」

 

みほ「あっ!見えた‼︎」

 

そのまま向かった先にはある物があった。

 

優花里「おぉ‼︎」

 

ダージリン「これが…噂に聞く日本武尊ですか……」

 

視線の先には、停泊する日本武尊と埠頭で乗組員らしき人達と一般人が何やら交流をしていた。

 

 

ケイ「これってもしかして……帰還してきたの…?」

 

カチューシャ「それじゃあ……ミホーシャ達がここにいる理由って…」

 

すると、まほの手に抱かれた希穂が身を乗り出す。

 

希穂「とーたん!」

 

まほ「…あっ……!」

 

視線の先には第一種軍装・第二種軍装を身につけた人物が歩みよって来ていた。

姉妹は顔を見合わせて、その二人の下へ駆け寄る。

 

みほ「前原さん!」

 

まほ「大石さん」

 

大石「来てくれたのか、まほ」

 

前原「みほ、今戻ったぞ」

 

みほ「おかえりなさい」

 

まほ「お勤めご苦労さまです」

 

大石「あぁありがとう」

 

ダージリン「やはり……」

 

アンチョビ「予想はしていたが……」

 

優花里「実際、目にすると結構インパクトが……」

 

前原「君達も、久しぶりだな」

 

華「ご無沙汰です」

 

沙織「ねっねぇみぽりん……なんで今まで結婚したこと言わなかったの…?」

 

みほ「あぁ……ほら、前原さんってあれ戦死扱いされているから……」

 

前原「そうそう言えるもんじゃないんだ」

 

アンチョビ「じゃあなんだ、お前は今名前は…」

 

みほ「うん、私の名前は"前原みほ"です」

 

優花里「そうですか……それなら、今後呼び方を前原殿に…いや紛らわしいです……」

 

みほ「うぅん、いいよ優花里さん今まで通りで」

 

優花里「…はい!」

 

エリカ「それじゃあ、今貴方は西住蔵良でいいんですね?」

 

大石「は?」

 

まほ「え?」

 

エリカ「えっ?」

 

それを聞いて一瞬黙る一同。

 

ダージリン「えって閣下、まほさんとご結婚なさったなら…婿入りしたのでは?」

 

大石「あぁー…いや、していない」

 

「「えぇ⁉︎」」

 

前原「そう思うのも無理はないか」

 

みほ「あの人からあぁ言われたんですからね…」

 

ケイ「それじゃあマホ……貴方の名前って……」

 

カチューシャ「まさか……」

 

まほ「そう、私の今の名前は……"大石まほ"…だ」

 

大石「そういう訳で、まほは俺の嫁だ」

 

 

 

 

 

「「………えぇぇぇぇぇぇぇ⁉︎」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日横須賀基地に元気な叫び声が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

エピローグ 未来へ 〜終〜




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