ガールズ&パンツァー 鋼鉄の乙女と海の漢達  〜碧き海の世界の物語〜   作:短号司令官

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タイトルを見ていた方の中には既にわかって方もいると思います。
今回のは前からずっと書きたかった話です。どうぞお楽しみください!


第3話 軍神と幽霊

 

 生徒会と海軍との会談から2日、海軍の方から正式に軍港へ降りることが許可され、一部の生徒、住民は真珠湾軍港に降りていた。その中に彼女らの姿もあった。

 

 みほ「これが空母赤城……」

 

 沙織「学園艦をちっちゃくしたバージョンだねー」

 

 華「いろんな学園艦を見てきたから、なんだか可愛く見えますね」

 

 麻子「眠い」

 

 優香里「まさかこの目で日本海軍の艦を見るとは……夢にも思いませんでした!」

 この日大洗戦車道部は、真珠湾軍港を訪れていた。日本海軍の艦船をこの目で見れるということで、優香里やカバさんチームの誘いでみほ達も来ていた。初めはそうでもなかったがせっかくのハワイだから行ってみようと来てみたのだ。

 特に優香里とカバさんチームはやや興奮気味であった。

 

 優香里「あぁ……これで零戦も見れたらなぁ……」

 

 沙織「飛んでるのじゃだめなの?」

 

 優香里「飛んでたらよく見れないじゃないですか! 甲板に止まってるのを間近で細部まで見たいんです!」

 ややキレ気味で沙織に話していた。

 

 沙織「わっ分かったから、落ち着いて」

 

 麻子「なぁ、寝ていいか?」

 

 華「麻子さん、ここ軍港ですよ? 寝るなら戻ってからにしましょう?」

 

 麻子「え〜?」

 そんな友人達のやりとりをみほは微笑ましそうに見ていた。

 

 ??? 「おい! 秋山!」

 優香里を呼ぶ声が突然聞こえてきてその方を向くと、カバさんチームの

 エルヴィンがいた。

 

 エルヴィン「こっち来てみろ! もっとすごいのがあるぞ!」

 

 

 

 

 

 優香里「はぁぁぁぁ〜! こっこれはー!」

 優香里らの前には、戦艦金剛、そして比叡があった。

 

 エルヴィン「ドイツ海軍のものもいいが、やはり日本海軍だな」

 

 おりょう 左衛門佐 カエサル「「「うんうん!」」」

 優香里、カバさんチームは幸せに満ちた顔で金剛と比叡を眺めていた。

 

 優香里「西住殿」

 

 みほ「なんです? 優香里さん?」

 

 優香里「もう私ここで死んでも構いません」

 

 みほ「優香里さん?!」

 

 沙織「なっ何言ってんの! ゆかりん! 死んじゃだめだよ!」

 

 優香里「え〜? だって比叡も金剛も見れて私幸せなんですよー」

 

 華「零戦はいいんですか?」

 

 優香・カバさん「はっ!」

 華の一言で優香里達は我に返る。

 

 優香里「そっそうだ……まだ……海軍主力機を……」

 

 エルヴィン「……見れて……いなかった……」

 

 左衛門佐「でも……」

 

 カエサル「空母には……」

 

 おりょう 「乗れんぜよ……」

 途端に優香里達はさっきとは打って変わってすごく落ち込んだ。

 

 華「私、傷つけてしまったんでしょうか……」

 

 みほ「ははは……」

 それにはみほも苦笑いするしかなかった。

 

 ??? 「君たち大丈夫かね?」

 すると誰かが近づいてきた。軍服を着ていることから、海軍の高官であると分かる。

 

 優香里「! ……あなたは?」

 

 坂本「坂本支援艦隊の坂本良馬だ」

 

 おりょう 「りょうま⁉︎まさかあの⁉︎」

 

 坂本「??」

 

 エルヴィン「落ち着け、おりょう 多分お前の思ってる方とは違うぞ」

 

 おりょう 「あっ……すまんぜよ」

 

 坂本「いやいや、気にすることはない。ところで君たちはここで何をしているんだ?」

 

 華「ハワイに来てるということで降りて軍港を見学しているんです」

 

 坂本「なるほど、それで? どうかね?」

 

 エルヴィン「なかなか楽しめているのですが……」

 

 左衛門佐「零戦が見れていなくて……烏滸がましいかもしれませんが、見せていただくことなんてできませんよね?」

 坂本は少し考えた。

 

 坂本「我々の艦隊の瑞鶴に搭載してあるのでいいなら、構わんよ」

 

 優香里「いいんですか⁉︎」

 

 坂本「あぁ構わんよ」

 

 5人「やったぁ──ー!!」

 

 優香里「皆さんはどうしますか⁈」

 みほ達に優香里が聞く。

 

 みほ「う〜ん、私達はいいかなぁ」

 

 沙織「戦艦とか見れただけでも充分だし」

 

 華「それに麻子さんが今にも寝そうなので」

 麻子はうつらうつらしていた。

 

 優香里「そうですか……なら仕方ありませんね、私達だけ行ってきますね。また学園艦の前で会いましょう」

 

 みほ「うん、優香里さんも楽しんできてね」

 

 優香里「はい! では行ってきます!」

 

 そうしてみほ達は優香里、カバさんチームと別れた。

 

 沙織「じゃあ私達は戻ろっか」

 

 華「そうですね」

 

 みほ「華さん、沙織さん、私トイレ行ってきていいかな?」

 

 沙織「いいけど場所わかるの?」

 

 みほ「軍の人に聞けばわかると思うから」

 

 華「分かりました、じゃあ私達は先に戻ってますね」

 

 みほ「うん、それじゃまた後で!」

 こうしてみほも離れ、華と沙織は、今にも寝そうな麻子を抱えて戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくして……

 

 

 優香里「いや〜それにしても、よかったですね! もう大満足ですよ♪」

 

 エルヴィン「まったくだ、零戦も大戦初期の二一型だったし」

 

 おりょう 「瑞鶴にも乗れて」

 

 左衛門佐「九七式も見れて」

 

 カエサル「おまけに九九式ときた」

 とそんなことを話しながら、一同は学園艦へと戻りつつあった。

 

 学園艦前

 

 優香里「おっ! 武部殿と五十鈴殿ですね」

 

 左衛門佐「なんか、様子が変じゃないか?」

 

 おりょう 「確かにそうぜよ」

 

 エルヴィン「おーい! 二人とも!」

 

 華「皆さん!」

 

 カエサル「二人ともこんなとこで、どうしたんだ?」

 

 沙織「みんな、戻ってくる途中でみぽりん見なかった?」

 

 優香里「えっ? 西住殿なら、お二人や冷泉殿と一緒だったのでは?」

 

 華「それが、トイレに行くと言ったきり戻ってこなくて……」

 

 左衛門佐「携帯は?」

 

 沙織「何度かかけたけど電波が悪いから繋がらなくて」

 

 エルヴィン「確かにこの時代の通信技術は私達の時代ほど発達していないからな」

 

 沙織「もしかして、攫われたんじゃ?!」

 

 優香里「軍港内に限ってそんなことは無いかと」

 

 カエサル「道に迷ったんじゃないか? ここもかなり広いし」

 

 おりょう 「でも、万が一のこともあるぜよ!」

 

 左衛門佐「みんなで手分けして探そう!」

 

 優香里達はみほの捜索にでた。

 

 

 一方でその本人はというと……

 

 

 みほ「ここどこだろ?」

 案の定道に迷っていた。

 トイレに行った後いざ戻ろうとしたが、今自分がどこにいるかがわからなかった。

 

 みほ(どうしよう軍の人らしい人もいないし、多分今頃みんな私を探してるよなぁ)

 そう考えながら歩いていると、

 

 みほ「! ……なんだろこれ……?」

 

 みほの前にはトンネルがあった。そのトンネルはフェンスで覆われており、そこには英語で[ KEEP OUT ]という標識と日本語で[ 関係者以外立ち入り禁止 ]という標識があった。それにフェンスの扉が少し開きかけていた。

 

 みほ(これって、軍事機密とかそういうのかな? でも早くもどらないとみんなが……)

 

 みほは自分の好奇心と戦っていた。もし中に入って関係者に見つかりでもしたら何をされるかわかったものではない。それにこの先に入ってさらに迷ってしまったら友人達にさらなる迷惑をかけることになるが……

 

 

 みほ「…………ちょっとくらい……いいよね」

 

 彼女は好奇心に抗えず、扉を開けてその先へ進んだ。

 

 

 トンネルに入って少しすると階段があった。階段は下に通じており、降りた先には長い通路が伸びていた。通路の所々には先の真珠湾攻撃の爪跡が残されており、壁にはひびが入り瓦礫が通路の片隅に集めてあった。

 

 みほ(この先に何があるんだろ?)

 そう思いながら進んでいると、

 

 みほ「! ……明かり……?」

 

 曲がり角の先から光が漏れていた。その先へ進むと、広い空間へ繋がっていることがわかった。

 みほは戻るべきだと思いつつもその足を進める。そしてその先に出ると

 ……

 

 みほ「‼︎……わぁぁ!」

 

 彼女の目の前には、海中にその巨体の半分を沈めその身を休ませる。巨大な潜水艦があった。

 

 みほ「これってもしかして…………潜水艦……?」

 

 彼女にはそれがただの潜水艦ではないことがわかった。それに一隻だけでなく、四隻もあった。

 彼女の目の前の潜水艦には[イ601]と表記された艦があった。

 

 みほ「イろっぴゃくいち?」

 

 みほは目の前の潜水艦に気を取られ背後から迫る人物に気がつくことはなかった。その人物はみほの背後まで来ると、彼女の肩に手を置いた。

 

 みほ「ふぇ?!」

 驚いて振り返るとそこには軍服をきた一人の男が立っていた。

 

 ??? 「こんなところでどうしたのかな? お嬢さん」

 

 みほ「っ──ー! えぇぇっと、あの⁈」(どうしよう?! 軍の人に見つかっちゃった!)

 みほはその場から走って逃げようとも考えたが、相手は軍人だ。逃げ切れるわけがない。そしてみほは決心した。

 

 みほ「ごっごめんなさい!」

 

 ??? 「!!」

 

 みほ「はっ入っちゃダメだってわかってたんですけど、そのえっと……」

 

 ??? 「好奇心に負けた……ということか?」

 

 みほ「…………はい」

 

 ??? 「まぁ入ってしまってここまで見られたら仕方がないさ、大丈夫だ上に報告したりはしないよ」

 

 みほ「えっ……?」

 

 ??? 「高杉司令に言われてな、"もし仮にお前のところに大洗の学生が来ても大目に見てやれ"……とな」

 

 みほ「許してくれるんですか? でもなんで私が大洗の生徒だって……」

 

 ??? 「簡単さ、ここでそんな格好をした日本人の女の子といえば一つしかないからな。ところで君、名前は?」

 

 みほ「あっ、西住みほです。えっと……」

 

 ??? 「あぁすまん俺がまだだったな、俺は前原一征だ」

 

 みほ「よろしくお願いします、前原さん」

 

 前原「あぁこちらこそ宜しくな、みほ」

 

 みほ「ところで前原さん、ここは一体なんなんですか?」

 

 前原「ここは見ての通り、潜水艦の秘密ドッグだ。元々ここは米軍のものだったんだがそれを拝借して今は俺達が使っている。そしてこれらの潜水艦は俺の艦隊のものだ」

 

 みほ「それじゃあ、あなたは艦隊の偉い方なんですか!?」

 

 前原「あぁ、艦隊の司令官だ」

 

 みほ「すごいですね! 私今まで潜水艦を見たことがなくて、つい見入ってしまいました」

 

 前原「それで俺が近づいてくるのも気が付かなかったなか」

 

 みほ「あはは、はい」

 

 前原「はは、当然か俺も初めてこいつを見たときは、驚きのあまり5分近くその場に立ち尽くしたよ。ところで話は変わるが聞くところによると、君達は未来から来たと聞いたが本当かい?」

 

 みほ「はい、私達本当に未来から来たんですけど……」

 

 前原「けど、なんだ?」

 

 みほ「私達の知ってるのとちょっと違うんですよね」

 

 前原「! ……というと?」

 

 みほ「はい、私達の知ってるのじゃ日本軍は真珠湾を攻撃しただけでハワイ島を占領したなんて聞いたことがないんです……って前原さん?」

 

 前原は高杉から聞いた話を思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜2日前 会談後〜

 

 前原「未来から?! ……司令それは本当なんですか?」

 

 前原は高杉からの説明を受けていた。

 

 高杉「あぁ本当だ。それも前世の未来からだ」

 

 前原「前世からの?! ……一体どういうことですか?」

 

 この説明にはさすがの前原も驚きが隠せなかった。自分達のもといた世界の未来からからなど考えられるものではなかったからだ。

 

 高杉「最初は俺も耳を疑ったよ。だがこれを見て本当だと確信したよ」

 

 そう言って高杉は手帳を見せた。

 そこには前世の"昭和"とこの後世の"照和"の二つが書かれていた。

 

 前原「確かにこれを見てあの前世の未来から来たと信じないわけにはいきませんな」

 

 高杉「それだけではない、前世での俺達の戦いのことも話したよ」

 

 前原「! ……ではあの悲劇も」

 

 高杉「あぁ……あれのこともな」

 

 そう言って二人はあることを思い出していた。前世大戦末期 米軍が追い討ちをかけるように、広島、長崎へと二発の原爆を投下し多くの罪もない命が失われた。

 

 高杉「もしこれが神が俺達に新たなる何かを与えたのかもな」

 

 前原「はい、恐らく守るべきものとして」

 

 高杉「できればあの娘達はこの戦争に巻き込みたくはないな」

 

 前原「自分も同感です」

 

 

 

 

 

 現在

 

 みほ「前原さん?」

 

 前原「! あぁすまんつい考え事をしてしまったよ。それより帰らなくていいのかい?」

 

 みほ「あっ! そうだった! 早く帰らないと!」

 

 前原「道はわかるか?」

 

 みほ「えっと…………わかりません」

 

 前原「ははは、分かった俺が送ってやろう」

 

 みほ「いえ! いいですよ! 前原さん忙しいでしょうし」

 

 前原「いやそうでもないよ、俺は暇を持て余してここに来たんだ。どうということはない」

 

 みほ「……分かりました! それじゃお言葉に甘えさせてもらいます」

 

 このあと、みほは前原に案内されて無事学園艦に戻ることができた。

 

 

 その道中

 

 みほ「あの、前原さん」

 

 前原「ん? なんだい?」

 

 みほ「前原さんってさっき、艦隊の司令官だって言ってましたよね?」

 

 前原「あぁ、そうだが?」

 

 みほ「前原さんの艦隊の名前ってどんな名前なんですか?」

 

 前原「名前か……俺の艦隊の名前は……紺碧艦隊だ」

 

みほ「紺碧艦隊……」

 

 

 学園艦に戻った後優香里や沙織達に泣きながら抱きつかれたのは……また別のお話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 東京都

 

 首相官邸 応接室

 

 この日高野はハワイ島の高杉艦隊らからもたらされた情報とある作戦書を携えて、首相の大高のもとを訪れていた。

 

 

 大高「高野さんお待たせしてすみません」

 

 高野「いえ、ご心配なくそれほど待っていません」

 

 大高「それで高杉さん達から例の件について情報があったと」

 

 高野「はい、いくつかありますがまずはこれを」

 

 そう言って高野はいくつかの航空写真を大高に見せる。

 

 大高「これは!」

 

 高野「やはり未来のものと見て間違いありませんか」

 

 大高「そうですな、確かにこの写真から見てわかる通り、この時代のものとは違う建築物が見えますな」

 

 高野「それに、転生した我々しか知らないこともあります」

 

 大高「すると!」

 

 高野「はい、これに書き出してきたのですが」

 

 高野が差し出した。紙には前世大戦の主な戦いなどがいくつか書かれていた。

 

 ・真珠湾奇襲攻撃

 

 ・珊瑚海海戦

 

 ・ソロモン諸島海戦

 

 ・レイテ沖海戦

 

 ・サイパン島上陸作戦

 

 ・広島.長崎への原爆投下

 などごく一部ではあったが前世大戦における主な戦いが記されていた。

 

 大高「こうして見てみると改めて前世で我々がどれほど酷いことをしてきたかが分かりますなぁ」

 

 高野「同感です」

 

 しばらくの間両者の間で沈黙が流れる。

 

 高野「ところで話は変わるのですが、彼らの世界ではある変わった武道が行われているそうです」

 

 大高「変わった武道? どんなものです?」

 

 高野「それが……戦車道……というものらしいのですが」

 

 大高「戦車……道?」

 

 高野「高杉君曰く、名前の通り戦車を用いた武道で、乙女の嗜みらしいのですがどう思われますか?」

 

 大高「いや……なんとも分かりかねます。男がやるなら兎も角、乙女の嗜みですと?!」

 

 高野「はい、当初は自分も耳を疑いました」

 

 大高「詳しいことは?」

 

 高野「さぁ、高杉君達からはこれくらいしか送られて来ませんでした」

 

 大高「……なるほど、とにかく詳しいことはその人達に聞きましょう」

 

 高野「はい」

 

 こうして帝都の夜はまた一晩更けてゆく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?タイトルの由来がわからない方へ説明すると、
みほ→軍神 前原さん→幽霊 ということになります。なぜ前原さんが幽霊かというとOVAで高野総長が前原さんを幽霊と称していたからです。次回も楽しみにしててください。
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