ガールズ&パンツァー 鋼鉄の乙女と海の漢達  〜碧き海の世界の物語〜   作:短号司令官

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対米国戦編第1話です。遅くなってすいません!どうぞお楽しみください。

おまけの話は自己満足のために書いたものです。
すいません。


対米国戦編
第1話 爆撃します!


昭和18年 ブーゲンビル島上空で戦死したある一人の提督の死からこの物語は始まった。前世の歴史をなぞりながら、照和17年の正月を迎えていた。提督の名が前世と異なるが如く年号も又前世とは又微妙な違いを見せつけて、歴史は異なった足跡を記しつつあった。

 

 

 

 

そして、ここにもその異なる足跡があった。

 

みほ「う〜ん……今何時?」

そう言ってみほは薄暗い部屋の中の時計を布団の中から寝ぼけ半分に見た。

時計は午前6:30分を指していた。

 

みほ「いけない!もうこんな時間!」

そう言って勢いよく布団を出てたたみ、着替えようと服を脱ぎかけたその時ここが大洗の寮ではないことに気付く。

 

みほ「そっか…ここ…潜水艦の中だった!」

 

 

 

 

 

 

伊601 発令所

 

発令所から前原は潜望鏡で何事かを見ていた。

 

前原「美しい……東太平洋で見る初日の出もまた格別だ」

前原は新年の初日の出を見ていたのだ

 

前原「ありがとう、艦長」

そう言って艦長に潜望鏡を譲る。

 

入江「あれはクリッパートン島に間違いありませんな」

 

前原「うん、予定通りの航海だ」

 

入江「攻撃目標までほぼ1600海里であります」

 

前原「いよいよ敵の陣か……これからは昼夜を問わず潜水航行で行かねばならんな」

 

入江「はっ!潜望鏡を降ろせ!」

 

品川「潜望鏡おろしまーす」

潜望鏡が降ろされる。

 

入江「深さ50を保ち、速力7 以後は水中荷電装置の使用を禁ずる」

 

品川「了解、深度50 速力7」

 

「ヨーソロ」

 

入江「進路は指示あるまでそのまま」

 

品川「進路そのまま、パナマに向け進路を維持せよ」

 

「ヨーソロ」

 

 

すぐる、ハワイ沖海戦の勝利の影の功労者はこの海中の艦隊にあった。前世大戦末期、完成を見ながらその遅すぎた完成に恨みを残す潜水空母と謳われた伊400型を発展させた伊500型、伊600型、伊700型からなる"紺碧の艦隊"である。

 

発令所の扉が開き、パンツァージャケットを着たみほが入ってきた。

 

みほ「前原さん、皆さん、おはようございます!」

 

一同「おはよう」

 

前原「おはようみほ、そして新年おめでとう」

みほは発令台に近づく。

 

みほ「はい、明けましておめでとうございます前原さん」

 

入江「西住くん、相変わらずあんこうチームの中じゃ君が一番早起きだな」

 

品川「他のみんなはどうしたんだい?」

 

みほ「みんなはまだ寝てました。すいません」

 

前原「気にする必要はない、ぐっすり寝かせてやれ」

 

みほ「はい、そうですね。ところで前原さん、その壁に掛けてあるのって…」

そう言って壁の方を指差す。

そこにはしめ縄が掛けてあった。

 

前原「おぉ!これはいい!」

 

品川「ははっ、せめて松の内だけでもと思いまして」

前原達は礼拝する。

 

品川「閣下、お叱りを承知でこのようなものを用意したのですが…」

 

前原「うん?」

 

みほ「?」

 

品川の合図で屠蘇が運ばれてきた。

 

前原「おぉこれはこれは用意がいいな」

 

そう言って盃を取る。

 

前原「しかし俺の分だけでは…」

 

「「ご心配なく!」」

 

前原「?」

 

みほ「えっ?」

 

するといつの間にか全員コップや茶碗、それに日本酒まで持ってきていた。

 

前原「!っはっはっはっはこれは一本参った」

 

みほ「みっ皆さんいつの間…」

 

それから各員に酒が注がれていき前原にも注がれた

 

「さっ西住くんも」

 

みほ「えっ私もですか⁉︎」

 

するとみほにも酒の入って盃が差し出された

 

前原「あぁもちろんだ、お前も我が艦隊の一員だからな」

 

みほ「…それじゃあ」

 

そうしてみほも盃を受けとる。

 

前原「では…諸君新年おめでとう!」

 

一同「「おめでとうございます!」」

 

皆が酒を飲んだそのときだった。

 

「さぁさぁ通してくれ、熱いぞ!どいたどいた!閣下雑煮であります!」

 

給仕長達が雑煮を作って持ってきたのだ。

 

前原「雑煮か!これはいい」

 

雑煮が茶碗に注がれて各員に手渡れ、

 

「さぁ西住くんも食ってくれ」

 

みほ「わぁ!ありがとうございます!」

 

前原「…うまい!」

 

このあと起きてきた優香里や麻子、華や沙織達も参加し皆正月を楽しんだ。

また華が一人で発令所の分の雑煮の三分のニを食い尽くしたのは…また別のお話。

 

緊張の中にも余裕を含み、紺碧艦隊は東太平洋の波浪の下を行く。

目的のパナマ沖まであと5日の航海であった。

 

 

東京都

 

照和17年 帝都の正月は例年と変わらぬたたずまいを見せていた。

前世においては真珠湾奇襲攻撃に沸き沸いた正月だったのだが…

 

神楽坂の料亭 若狭

 

高野「穏やかな正月でありますなぁ」

 

大高「誠に結構なことです」

 

高野「ハワイでの戦果を控えめに発表したせいか、世間にうわついた雰囲気は見当たりません」

 

大高「それでいいのです。国民に勝った勝ったの気分がみなぎり、その上の慢心が何よりも危険です」

 

高野「国民はさておき、将兵達も振り回されてしまう。前世での大本営の発表の誇張たるや酷いものでしたなぁ」

 

大高「陸軍と海軍が手柄を競い合う期間さえありました。高野さん軍部と軍人そのものを変えませんとこの戦は続けられません」

 

高野「全く同感です大高さん。我が紺碧艦隊はその思想そのものでもあるのです。前世軍令部は潜水艦の使い方を間違えました」

 

大高「駆逐艦より巡洋艦、巡洋艦より戦艦、空母と派手な獲物を狙いたがるものです」

 

高野「だが潜水艦における効果的な作戦は通商破壊にこそあるのです」

 

大高「だからこそ紺碧の艦隊は己の姿を秘匿し、パナマ運河を撃つのです!」

 

高野「パナマ運河こそ巨大米国のアキレス腱です」

 

アメリカの工業力は五大湖周辺に集中している。そこで生産された軍需物資や艦船などはパナマ運河を通り、移送される。無論鉄道もあるが大量輸送となると船舶の比ではない。もしこのパナマ運河が潰されれば米国の太平洋戦略は根本的に見直さなければならなくなる。

 

大高「パナマ運河さえ潰すことができれば……」

 

高野「彼ならやってくれます、前原ならば」

 

 

 

その頃、両雄期待の潜水戦隊司令の前原一征少将は目的地を目前に士気鼓舞のため、入江艦長、品川専任士官及び大洗女子学園戦車道部の西住みほ率いるあんこうチームを伴い紺碧の艦隊旗艦伊601潜の艦内巡検にまわっていた。

 

魚雷室

 

「よし!ピッカピカだぞ!準備万端怠りなしだ!…?」

 

すると突然魚雷室の扉が開き、前原達が入ってきた。

 

「かっ閣下⁉︎」

 

突然のことで水雷長は工具を落としそうになるも持ちなおす。

 

「けっ敬礼!」

 

前原「諸君、新年おめでとう」

 

一同「「おめでとうございます」」

 

前原「みんなくつろげ、当分君らの出番は無い」

 

「退屈で退屈で、みんな毎日魚雷磨きに明け暮れております」

 

優香里「ほぉそれでですか、さすがの62式酸素魚雷がすり減って細く見えますねぇ」

 

みほ「あっ本当だ」

 

前原「おぉ本当だなぁ」

 

「えぇ⁉︎…ごっご冗談を……」

 

前原「っはははははは…」

 

優香里「えへへへー」

 

みほ「クスクス」

 

伊601潜の魚雷発射管は全て艦首に集めてある。その数八基、スリーブを入れることで口径の小さい53式魚雷も併用する工夫がなされている。

 

前原「それにしてもだ、空母レキシントン、戦艦アリゾナ、オクラホマの撃沈といい、一撃でこの62式を命中させた君らの腕は大したものだ」

 

優香里「聞くところによりますと3キロも先から命中させたそうですね」

 

「それはこいつの性能が抜群でありますから、我々の腕ばかりではありません」

 

前原「ははは謙遜せんでいい、普通の腕では扱えんのが62式だ」

 

みほ「皆さん誇っていいんですよ」

 

「いえいえ、まぐれかもしれません」

 

前原「慎重だな、しかし結構慢心は厳に慎むことだ。以後もよろしい頼む」

 

一同「「はっ!」」

 

魚雷室の巡検を終え、次の発令所へ向かう

 

 

 

発令所

 

「定時連絡、格僚艦異常なし」

 

「ヨーソロ」

 

前原達が入ってきた。

 

「!司令官に敬礼!」

 

「あぁ皆そのままでいい」

 

操舵手の所に寄った

 

前原「どうだ?本艦はずうたいの割に扱いやすい艦だろ?」

 

「はっ!驚くべき性能だと思います。舵の効きが良く全く疲れがありません」

 

前原「こいつは最新式の動力添加装置といってな、まぁあちらさん(米国)の言葉で言うと、パワースペアリングとでも言うのかな」

 

すると麻子が入江に対しこんな質問をした。

 

麻子「なぁそういえば潜水艦ってどうやって水中の様子とか探るんだ?」

 

 

入江「いい質問だ、それは音だ」

 

沙織「音?」

 

華「カメラとかじゃダメなんですか?」

 

入江「いや、ダメなわけじゃないんだが暗い水中だと灯りを使わにゃならんだろ?それだと敵に位置を知られてしまうからな、だが音なら出さない限りはばれることはない。それに音の伝わる速さ空気中の約4〜5倍になる、だから音の方がいいんだ」

 

華「なるほど」

 

前原「しかし、いざ本番というとき本艦の運命を決めるのは諸君らの腕次第だぞ」

 

それから彼らはこの艦の心臓部とも言える機関室へ向かった。

 

 

機関室

 

「今日もいい音だ」

 

「ワルター腹水タンクの圧力に気をつけろ」

 

そういいながら機関長は雑煮を食べいた

 

「はっ、今コンマ71正常です」

 

ちょうどその瞬間前原達が入ってきた

 

「むぉ!けっ敬礼!うっむぐ」

 

前原「はは驚かせてすまん」

 

「いっいえ」

 

前原「諸君らは昼夜休みなしで大変だな」

 

「とんでもありません、睡眠不足は食欲で補っておりますので」

 

前原「何をどんなに食ってもいいが、腹痛なんぞで赤坂軍医の世話にはなるなよ」

 

「ご心配なく、自分達の胃袋は筋金入りであります!」

 

整備兵が笑うが品川の咳払いで収められた。

 

前原「結構、ところで機関の調子はどうか?」

 

「はっ我が腹のごとく順調であります。どうぞ」

 

そうして機関部に入った。

驚くべきことに我が紺碧の艦隊にプロペラシャフトは存在しない。

ポンプ式噴射水流推進法で航行するのである。紺碧会技術陣の大きな勝利のひとつであった。

 

「ポンプ式噴射水流推進法はスクリュー推進と比べて燃料の消費に雲泥の差があります」

 

前原「土方機関長、水中推進効率の良さはそれだけではないぞ。本艦をすっぽり包んでいる軟性ゴム被膜の効果も大きく起用している。それもまた敵の放った各種電波を吸収する効果がある」

 

沙織「ねぇゆかりん、今言ってたスクリュー推進とポンプ式…えっとなんだっけ?」

 

みほ「噴射水流推進法?」

 

沙織「そうそれ!その二つってどう違うの?」

 

優香里「う〜ん自分でもどう説明したらいいかわかりませんが、簡単に言うとポンプ式噴射水流推進法というのは、ポンプで水を一度取り込んでそれを噴射してそれで推進力を得るというもので、スクリュー推進法はプロペラシャフトを回転させて進むというものですね」

 

沙織「なるほど、そういうのなんだ」

 

だが、紺碧の艦隊が艦隊たる所以はそれだけではなかった。

 

 

次の巡検場所に向かう途中、

 

前原「みほ」

 

みほ「はい」

 

前原「君達はなぜ本艦がここまで大きいか考えたことはあるか?」

 

優香里「う〜ん、なんででしょう?」

 

華「ただ大きくしたかったから?」

 

沙織「それはないと思う…」

 

麻子「何か理由があるのか?」

 

前原「ふふ、その答えを今から見に行く」

 

この後前原の言ったことの意味を彼女達は理解する。 

 

 

 

 

???

 

部屋の中にブザーの音が鳴り響く。

 

「こら!ここは関係者以外立ち入り禁止だぞ!」

 

そう言ってハッチから顔を出したのは前原であった。

 

「まっ前原閣下!」

 

前原「邪魔してすまん、みんな張り切ってるな」

 

あんこうチームの面々も入ってきた。

 

優香里「よいしょっと…えぇ⁉︎にっ西住殿みっ見てください!」

 

みほ「えっ?…えぇ?!」

 

華「まぁ!」

 

麻子「すごいな…!」

 

沙織「ここって……潜水艦の中だよね?」

 

彼女らの目の前には主翼を折りたたんだ二機の航空機があった。

するとそのうちの一機から誰かが降りてきた。

 

「敬礼!」

 

大竹「閣下、新年おめでとうございます」

 

前原「うむ、大竹大尉君は毎日三回は操縦席に着くそうだな」

 

大竹「はっ感覚を鈍らせんがためであります」

 

前原「狭い艦内での暮らし堪えているんじゃないか?」

 

大竹「はっ自分ら飛行機乗りはどちらかと言うと閉所恐怖症でありますので早く飛びたいであります」

 

前原「もうすぐ飛べるではないか」

 

大竹「まだ三日もあります」

 

前原「うん?まだ三日か…はははは」

 

紺碧の艦隊が艦隊たる所以はまさにこの航空戦力にあった。

 

伊601艦載機"雷洋"800キロ爆弾もしくは45式航空魚雷を搭載できるのだ。その特徴はまず夜間攻撃能力を持ち、航続距離と速度性能に優れており伊601にはこの雷洋を二機搭載してある。

他にも僚艦の伊501、502、503には各三機の"春嵐"が搭載されている。

 

"春嵐"戦爆両用機であり急降下爆撃を行う、投弾後は高速小旋回戦を行う戦闘機である。また伊701潜には二機の"星電改"が搭載されている。"星電改"は先のハワイ開戦で活躍した電子偵察機"星電"の水上機使用である。

 

つまり、紺碧の艦隊は小規模ではあるが明らかに航空機動艦隊としての能力を有しているのだ。

 

前原「本艦隊の建造は高野閣下の責任のもと、6万トン級戦艦大和型の建造を全て取りやめその資材と予算を当てたものだ。であればこそ、いやその何倍もの仕事をせねばならんと俺は思ってる」

 

大竹「はっ承知しております。必ずや高野閣下のご期待にそう仕事をしてみせます」

 

前原「あぁ頼むぞ」

 

 

 

 

前原司令官の艦内巡検から三日後、艦隊はパナマ沖300海里に位置するマルべロ島の近くに達していた。

攻撃目標であるパナマ運河、ガツン閘門まで600キロ。旗艦伊601では白熱の作戦会議が行われていた。

 

 

入江「本艦の位置から攻撃目標のガツン閘門までおよそ600キロ、往復1200キロは攻撃機の航続距離ギリギリだが…」

 

「しかしこれ以上北上させると海上の唸りがきつく、機の発着が困難となります」

 

品川「どうだろう?爆倉を小さくして増槽をつけるという手もあるが…」

 

大竹「いえ!爆倉は減らしたくありません!そのかわり艦長、収容地点にできるだけ近づけてくれませんか?!」

 

入江「それは危険だ。艦隊が敵に発見される可能性がそれだけ大となるのだ」

 

大竹「それでは!危険と判断した時点で引き返していただいて結構です!」

 

入江「馬鹿者!海に落ちて死ぬというのか?!」

 

大竹「辞さぬということです!」

 

入江「大竹大尉、私が言いたいのはな…」

 

前原「入江艦長、大竹君のいう通りにしてやろうではないか」

 

入江「しかし閣下…」

 

大竹「ありがとうございます!」

 

前原「僚艦に伝え!明フタマルマルマルをもって出撃とす、各員準備にかかれ!解散!」

 

この様子をみほ達はドア越しに聞いていた。

 

 

みほ「すっすごい…」

 

沙織「本物の作戦会議聞いちゃった」

 

優香里「ドア越しとはいえ…すごい迫力があります!」

 

華「私たちも今後こんな風に作戦会議しませんか?」

 

麻子「他のみんながどう思うか…」

 

 

"フタマルマルマル"パナマ現地時間1月13日午前6:00 出撃

 

かくして、乾坤一擲の大作戦はそのスタートをきったのである。

 

 

格納庫

 

大竹「時計を合わせる、19時50分10秒前……4…3…2…1…今!」

 

前原も腕時計で時間を確認、時計は19時50分を指していた。

 

大竹「閣下、行って参ります」

 

前原「うむ、大竹大尉かならず帰ってこいよ」

 

大竹「はい」

 

前原「天候その他不測の条件により攻撃が無理だと判断した場合、即刻引き返せ、わかったな?」

 

大竹「はい」

 

 

 

艦隊は海上の安全を確認し、攻撃隊を発艦させるべく浮上する。

 

艦橋

 

前原達がセイルへあがると丁度頭上を星電改が通過して行った。

 

前原「701潜の星電改か、張り切ってるな」

 

双眼鏡で確認すると、その他伊500型や700型も浮上し、701潜は2機目の星電改を発艦させていた。

 

みほ「すごい…!」

 

優香里「こうして見ると、どの艦もすごく大きいですね!」

 

入江「格納庫ハッチ開け!」

 

〈ハッチ開きまーす〉

 

すると半球状の扉が開き、雷洋の1番機が押し出されてきた。

 

優香里「おっ!雷洋も発艦ですね!」

 

整備兵の掛け声で発動機のプロペラが回転し始め、折り畳まれていた主翼が展開する。

射出機の圧力を上げ、入江の合図で大竹大尉の乗る1番機が発進する。

一方で春嵐及び、星電改の発艦が済んだその他艦は潜航し始めていた。

2番機の発進も済み、整備兵たちは所定の位置で点呼をとり終わり格納扉を閉め始めていた。

 

前原「見事だ!6分とかかっていない!」

 

双眼鏡で攻撃隊の合流を確認する。

 

前原「成功を祈る」

 

みほ「前原さん、攻撃隊の人たち大丈夫でしょうか?」

 

前原「そうだな、攻撃隊はこれが初めての実戦だからな…たが大竹大尉達ならきっと戻ってくると俺は信じる。さぁ俺たちも中へ入ろう潜航するぞ」

 

みほ「はい」

 

伊601潜以下、紺碧艦隊は作戦終了時の会合点へ向かうべく、その姿を再び海中へと没した。

 

一方出撃した攻撃隊は、

 

雷洋1番機

 

大竹「おい宮城兵曹、各機に異常はないか?」

 

宮城「はっですか星電改の姿が見当たりません。」

 

するといきなり目の前に星電改が姿を現す。

 

宮城「あぁ!来ました」

 

大竹「ふん!勿体ぶりおって、よろしくパナマまで先導頼むぜ。星電改さんよ」

 

大竹飛行長率いる攻撃隊は、一路パナマ運河を目指し東進していた。

 

パナマ運河 南北両アメリカにつながる地峡にある大運河で、総延長65キロメートル 太平洋側のパナマ市からミラ・フローレス閘門、ペドロ・ミネロ閘門があり、ガツン湖へと至る。湖の大西洋側にガツン閘門があり、大西洋のリモン湾へ抜けている。

攻撃隊が狙いを付けたのはガツン閘門である。パナマ運河封鎖作戦において、太平洋側の2閘門の方が距離的にも近く有利ではあったが、破壊目標として規模も大きく修理に時間のかかるガツン閘門に決定されたのだ。

 

 

攻撃隊は敵による発見を恐れ、パナマ市上空を避け山間部を超低空から侵入を図った。

山間部は霧が濃かった。

 

雷洋1番機

 

大竹「どうだ?みんなついてきとるか?」

 

宮城「はい!もちろんです」

 

しばらくして、

 

 

大竹(予定で行けば、そろそろ大西洋に抜けるはずだか……海は…大西洋はまだか?!)

 

すると霧が晴れ、陸地と海が見えた。

 

大竹「出た!大西洋だ!」

 

先導の星電改はここで任務を完了し攻撃隊の成功を祈りつつ帰路に着いた。以後は紺碧の艦隊に近づく敵機の哨戒の任務につく。

星電改が帰路に着くのを見届けた攻撃隊はガツン閘門を目指す。

 

宮城「!飛行長あれです!」

 

大竹「おぉリモン湾だ!」

 

攻撃目標は近い。

 

宮城「米戦闘艦多数」

 

大竹「よぉし!突っ込むぞ!」

 

攻撃隊は雷洋を先頭に突撃する。

 

 

一方でガツン閘門周辺の米軍はというと…

 

「〜♪〜〜♪」

 

攻撃隊の接近に気づかず甲板から鼻歌を歌いながら小便を海にしていた兵すらいた。

 

 

「〜♪〜♪…?」

 

航空機が飛来してくるのを見て双眼鏡を覗く。すると機体には日の丸があるではないか。

 

ミートボール(日の丸)!奴らだ!」

 

飛来した春嵐は主翼に取り付けられた爆弾を投下し、艦船や周辺施設を破壊していった。

 

全くの油断であった。まさか日本軍の編隊が大西洋側にまでくるとは考えもしていなかった。

 

大竹「迎撃機が上がってくるのも時間の問題か…さっさとぶちかますとするか!」

 

2番機と共に水門の方へ向かう。

 

大竹「2番機、落差の大きい湖からやるぞ」

 

〈了解!〉

 

爆撃倉が開き魚雷が姿を現す。

湖側へ回り込み、攻撃体制をとる。

 

大竹「行くぞぉ!」

 

宮城「はい!雷撃安全柵解除!」

 

大竹「ヨーソロ!」

 

投下レバーに手を掛ける。

2番機は隣の水門へ向かう。

1番機の目の前には艦艇がいた。艦と壁の間をうまくすり抜け、体制を戻した。

 

大竹「行けぇ!」

 

投下レバーを引き魚雷を投下する。機を水門のぶつかるスレスレのところで上昇させ、上空へ退避する。魚雷が命中し水柱があがるが水門に変化は見られなかった。

 

大竹「びくともしねぇぞ、失敗か?!」

 

宮城「いえ!見てください」

 

するとどうだ水門に空いた穴から水が噴き出し、崩壊した水門は水圧に押し流され、大量の水が流れ込む。艦船を押し流し、周辺施設を破壊していった。

 

大竹「なんと凄まじい!」

 

宮城「電探に感知!敵機です!」

 

大竹「きたか!こちら富嶽1番!全機引き上げるぞ!」

 

がしかしそう簡単にはいかなかった。

 

宮城「正面に敵機数12!」

 

大竹「よーし、身軽になったところでひと暴れといくか!」

 

操縦桿の発射スイッチのカバーを開け、機関銃を撃つ。

敵は旧型のカーチスP40だった。いずれも雷洋、春嵐の敵ではなかった。

激しい空戦が行われ、P40は瞬く間にその数を減らす。

雷洋も機首部の機銃や後部機銃で敵機を落としていく。

 

数機が逃走を図った。

 

大竹「追うな!こちら富嶽1番!各機集合せよ、被害状況を知らせ!」

 

〈全機健在!我が方被害ありません!〉

 

だがそのとき、

 

宮城「後方、新たな敵!数21!飛行長!」

 

大竹(これ以上付き合ってると燃料が持たん!)「全機に告ぐ!これより高高度をもって敵の追撃絶ち、一気に会合点へ向かう!」

 

雷洋、春嵐共に実用上昇高度9900メートルを誇る高性能機である。

性能に劣る敵機の追撃は不可能であった。

こうして攻撃隊は無事パナマ運河を脱出することができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パナマ運河封鎖成功の上、味方機の損害も0と幸運の女神に見守られているかに思えたが、最後の最後、艦隊との会合点にて試練が待ち受けていた………

 

 

 

宮城「飛行長!見えました標識素です!」

 

大竹「おぉ!うっいかん!」

 

そこには驚くべき光景があった。なんと標識素の周辺に米軍の駆逐艦が爆雷攻撃を行っていた!

 

宮城「飛行長!PBY!」

 

大竹「あの野郎が知らせやがったのか!くそ!」

 

大竹はPBYに接近し、機銃を撃とうしたが照準が合わなかった。だが春嵐の攻撃で被弾したところをうまく撃退できた。

 

宮城「やりましたね!飛行長!」

 

大竹「そうも言っておられんぞ宮城兵曹」

 

そう言って燃料計に目をやると、燃料はほぼ0を指していた。

敵機を振り切るため高高度での飛行が燃料の消費を加速させた。

これではいつ燃料が切れてもおかしくはない。仮に切れたとしても、機体にある折りたたみ式のフロートで着水すればいいのだが、着水したとしても敵の攻撃で沈められるのがオチだ。

 

大竹(このままでは我々も海ポチャだ!ならばせめて艦隊を救うためにも敵艦に体当たりを…!)

 

だがその瞬間大竹の脳裏に出撃前に前原が自分へ向けて言った言葉が蘇る。

 

前原[大竹大尉、かならず帰ってくるんだぞ]

 

大竹「はっ!こちら富嶽1番より各機!燃料を節約し、ギリギリまで粘れ!いいか絶対に早まった真似はするな!」

 

 

 

その頃海中の紺碧艦隊は、

 

 

伊601 発令所

 

「またきます!左舷上方2!」

 

そして爆雷が爆発したのか船体が揺れる。

 

沙織「なっなんでバレたんですか?!」

 

華「標識素を出してたら、目立つし普通にバレるかと…」

 

入江「まぁそれも承知での作戦だからな」

 

品川「雷撃が近くなっています」

 

みほ「前原さん、本当に大丈夫なんでしょうか…」

 

前原「なぁに心配することはないさ、みほ。敵はまだ本艦の位置を掴んだわけではない海上の標識素の周りをかき回しとるだけだ」

 

品川「ですかこのままでは敵のラッキーパンチが当たらんとも限りません!」

 

刹那、また爆雷が爆発し、船体が揺れた。

 

みほ「ひゃっ!」

 

揺れでみほは倒れそうになるもの前原に受けとめられる。

 

前原「おっと、大丈夫かみほ?」

 

みほ「あっ…はい///」

 

みほは思わず頬を赤らめてしまった。その様子を沙織達はばっちり見ていた。

 

沙織〈今みぽりん顔赤くしなかった?!〉

 

優香里〈はい!見間違いでなければ…!〉

 

入江「閣下、本職としましては攻撃隊の燃料がそろそろ心配かと…」

 

優香里「はっ!そうですよ!大竹殿達もそろそろ戻ってきてるころでしょうし!」

 

前原「うむ……よし!()()を試すか」

 

入江「はっ!戦術G()7()ですな!」

 

その瞬間みほ達は()()()G7を思い浮かべた。

 

沙織「G7って確か主要先進国のことじゃないっけ?」

 

麻子「あぁ確か年明けのテストに出ると言われてたぞ」

 

沙織「えっ!うそマジ?!」

 

みほ「えっとどこだったけ?」

 

前原「まぁ君たちがどのG7のことを話しているかは知らんがそれ置いといてだ。僚艦に伝え!これより戦術G7をもって各個に敵駆逐艦を迎撃せよ!」

 

入江「水雷長!G7の準備はできとるかね?」

 

入江が無線で魚雷室に連絡をとる。

 

〈はっいつでもどうぞ艦長!〉

 

入江「結構!日頃の猛訓練の成果を見せてやれ!」

 

〈はっ了解であります〉

 

魚雷室

 

「ところで艦長」

 

〈なんだ!〉

 

「駆逐艦相手に62式は勿体無く思います。攻撃は53式で充分かと…」

 

〈任せる!〉

 

「はっ!……おい!いよいよG7発動だぞ!」

 

発動の一報を聞き魚雷室は歓喜が起こる。

 

潜水艦の天敵は駆逐艦であった。こいつに狙われるとただひたすら海中に身を潜め、忍の一字であった。だが紺碧の艦隊は新兵器と新戦術でこの無念を打開する。

 

「魚雷室より発令所、G7発射準備完了!1番艦であります!」

 

〈早いな水雷長!〉

 

発令所

 

前原「ちょっと変わってくれ」

 

入江は前原に通信機を渡す。

 

前原「前原だ」

 

〈はっ〉

 

前原「いいか水雷長、G7攻撃成功の可否は今後の作戦行動に大きく影響する」

 

 

魚雷室

 

前原〈これが最初の実戦だうまくやってくれ!〉

 

「はっ!任せてください!」

 

発令所

 

前原「うむ、艦長に代わる」

 

前原は通信機を艦長に返す。

 

〈艦長、敵艦の状況を〉

 

入江「調音者!」

 

「はっ方位23、距離4500!」

 

入江「うむ、聞いたな?」

 

〈はっ了解しました〉

 

 

魚雷室

 

「いよいよだ、うまく誘い込んでくれよ!」

 

魚雷の調整を終える。

 

「よーし!込め!」

 

魚雷が発射管に入れられる。

 

「ポンプ開け!」

 

「ポンプ開きます!」

 

ポンプが開き、魚雷発射の準備が整う。

 

「1番管、圧搾圧力よーし!」

 

「いつでもどうぞ!」

 

発令所

 

前原「よし、囮魚雷、発射!」

 

発射管より魚雷が発射された。少しして、魚雷から何故か気泡が出始めた。果たしてこれはどういうことなのだろうか?

 

「G7発動」

 

 

 

海上 米駆逐艦

 

「後方6時の方向に気泡発見!敵潜です!」

 

すると気泡のする方に駆逐艦が向かい始めた。

 

 

 

伊601 発令所

 

「敵艦進路を変更!食いつきました!」

 

前原「よし!」

 

「魚雷室!方位48、距離3800、敵速22!」

 

戦術G7とは、囮魚雷の発する気泡に引き付けられた駆逐艦に雷撃をくわえるものであった。

 

「第4目標、距離17……」

 

G7成功の可否は敵速、距離、海流、海水密度、水温などの密なる計算が元となる。

 

魚雷室

 

「全門発射準備完了!」

 

発令所

 

入江「ってぇーーー!」

 

魚雷が駆逐艦へ向け発射される。

海上では魚雷が命中し、駆逐艦に水柱が上がる。

 

上空

 

雷洋

 

大竹「見ろあれはきっと前原閣下のG7発動だ!」

 

宮城「あぁ!こっちも!」

 

 

次々と駆逐艦は撃沈され、さらに追加の囮魚雷も入り駆逐艦隊は混乱に陥れられていた。

 

 

駆逐艦

 

艦長「くそっ、まだ敵潜の位置は掴めんのか?!」

 

「はぁ、これだと敵潜の数は20隻以上になるかと…」

 

艦長「ソナールーム!スクリュー音も探知できんのか?!」

 

敵駆逐艦の索敵機能は麻痺同然であった。

紺碧艦隊各艦のG7一斉掃射に加え、ポンプ式噴射推進はスクリュー音をもたないからである。

 

 

前原「残るは1艦のみか、艦長こいつは俺にやらせてくれ」

 

入江「はぁ?はっ」

 

前原「よし、潜望鏡深度まで浮上!」

 

「ヨーソロ」

 

前原は通信機をとり魚雷室に繋げる。

 

前原「水雷長、すまんが近接信管に替えてくれんか?」

 

〈はっなんなりと、近接信管ヨーソロ!〉

 

「深度13」

 

入江「潜望鏡上げぇい!」

 

前原が潜望鏡から駆逐艦の位置を捉える。がそれは駆逐艦からも見えていた。

 

「後方7時の方向、潜望鏡!距離2500、敵潜です!」

 

それを聞き、艦長らが出てくる。

 

「くそっ舐めおって、ぶち当ててやる!機関全速!」

 

「アイアイサー!」

 

前原は自艦に向かってくる敵艦の姿を捉える。

 

前原「ってぇ!」

 

魚雷発射管から2本発射された。

 

前原「潜望鏡下ろせ!急速潜航!」

 

入江「トリムダウン15!」

 

「ヨーソロ」

 

急いで潜望鏡深度から潜航する。

魚雷の命中までの間艦内には緊張が走った。そして、

 

「命中確認!スクリュー音消えました!」

 

品川「やりましたね閣下!」

 

華「これで一安心ですね」

 

前原「うむ」

 

入江「よーし浮上する!ベント開け!」

 

「ヨーソロ」

 

上空 雷洋

 

宮城「やりましたね!飛行長!」

 

大竹「あぁさすがだ!」

 

海中から続々と艦が浮上してくる。

 

伊601 セイル

 

品川「各艦に所属機の収容を急がせろ!」

 

入江「格納庫ハッチ開け!」

 

前原も双眼鏡で全機の無事を確認する。各機の収容が開始された。

その光景をあるもの達が見ていた。

 

「なっなんてでかいサブマリンなんだ!」

 

「サブマリンのくせにボンバーまで載せてやがる!」

 

「見間違いならいいんだが、レディが乗ってるようにも見えるぞ」

 

駆逐艦の脱出した乗組員達だ。

 

 

入江「閣下、我が艦隊の姿を見られてしまいましたが!?」

 

前原「やむを得んだろう。まさか彼らを撃ち殺すわけにもいくまい」

 

みほ「おまけに私達の姿も見られてます…」

 

前原は平静を装いつつも胃袋を締め付け来る緊張感に耐えていた。

なぜなら艦載機を収容するこの時間こそ危ないからだ。果たして…

 

〈星電改より入電!敵攻撃機接近!〉

 

入江「数は!?」

 

〈東北東距12000!数9!〉

 

前原「やはり来たか!みほ!君達は急いで艦内に戻れ!」

 

みほ「はっはい!」

 

入江「対空迎撃用意!」

 

品川「雷洋格納急げ!」

 

〈敵機来襲!〉

 

機種P40であった。いくら旧型でもこの場合はまずい。

対空迎撃が開始された。敵も負けじと機関銃を撃ってくる。

 

大竹「クソッタレやられてたまるか!おい急いでくれ!」

 

入江「搭載機格納急げ!」

 

他の艦は潜航し始めていた。

 

前原「艦長!格納状況はどうか?」

 

入江「はっ」

 

そのとき敵機が向かってきた!

 

入江「閣下中へ!」

 

前原「構うな!」

 

敵は爆弾を投下したが海面で爆発した。

 

前原「被害はどうか?」

 

入江「はっ異常ありません、艦載機の収容終わりました」

 

品川「他の艦も潜航しました、閣下も中へ」

 

対空迎撃を終了させ、潜航を急ぐだが敵もまだ諦めておらず爆弾を投下してきた。

 

爆風で上がった波に品川が押し流され落ちてきた。

 

前原「先任士官大丈夫か?!」

 

品川「申し訳ありません。ハッチを!」

 

前原「俺がやる」

 

なんとか前原はハッチを閉めた。

 

発令所

前原「まさに間一髪だったな、びしょ濡れだ」

 

品川「申し訳ありません」

 

前原「気にするな」

 

先に戻っていたみほが来た。

 

みほ「前原さんびしょ濡れじゃないですか!大丈夫ですか!?」

 

前原「あぁ大丈夫だ少し濡れただけだ」

 

入江「どうだ先任士官?あとは帰るだけだ。代わってくれんか?」

 

品川「はっよろこんで、失礼します。よーし!今からお前達を南海の楽園に連れてってやる!」

 

「楽園と言いましても、山羊と豚だけでしょう?」

 

沙織「何言ってるんですか、ここに可愛い乙女もいるじゃないですか!」

 

「そりゃそうだが君らはまだ子供じゃないか」

 

沙織「いいじゃないですか!もぉー!」

 

「はっはっはっはっはっ…」

 

こうして紺碧艦隊は作戦を終了し、帰路に着く。

これより数週間後紺碧島に到着するのであった。

 

 

 

一方でパナマ運河の爆撃はこの男にも伝わっていた。

 

 

 

ホワイトハウス

 

大統領執務室に一本の電話が入ってきた

 

ルーズベルト「なんだね?…なんだと!?パナマ運河が!?何故なんだ!?ハワイから8000キロも離れているというパナマ運河を何故航空攻撃ができるのかね!」

 

ルーズベルトはパナマ運河の爆撃を信じられずにいた。

 

ルーズベルト「潜水艦だと!?しかし航空……()()()()だと?まさか日本海軍がそんなものを持っているはずが…………あぁもういい!」

 

そう言ってルーズベルトは電話を切った。

 

補佐官「大統領閣下…」

 

ルーズベルト「至急、閣僚を集めてくれ対策会議を開かねばならん」

 

補佐官「はっ」

 

 

 

 

 

日本 東京都 海軍省

 

高野(紺碧の艦隊…これからが我が帝国がより良き負けを得るための真の戦いが始まるのだ)

 

 

 

 

 

 

 

次回へ続く

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

作戦終了後後

 

前原自室

 

前原は作戦の報告書を書いていた。

 

前原「我が方は損害なし……っとよしこれで終わりだ」

 

みほ「終わりましたか?」

 

前原「あぁひとまずはな」

 

みほ「お疲れ様です。前原さん」

 

前原「あぁお疲れ様みほ」

 

ここは前原ので自室である。それなのに何故みほがいるのか?それこんな理由あった。出航する際空き部屋四つしかなく誰かが一人で別に寝なくてはならなくなり、あんこうチームはじゃんけんで決めた結果みほは一人別で寝ることになったのだが、それを聞いた前原は「自分の部屋で寝るか?」という事で彼女はここにいるのだ。尚、前原の部屋にはベットが二つあり、空いてたベットを貸している。

 

前原「今回の作戦に同行してみてどうだった?」

 

みほ「はい、なんていうかすごく疲れました。戦車道をやっててもここまで疲れたことありませんでしたし…」

 

前原「はは同然だ、俺も精神的に疲れたよ…そういえばみほ」

 

 

みほ「はい?」

 

前原「お前はいつから戦車道をやっていたんだ?」

 

このとき前原は高野から戦車道についてある程度聞いており、大抵の知識は知っていた。

 

みほ「だいだい5歳のときには戦車に乗ってました。戦車道を始めたのは大体中学の時です。」

 

前原「へぇそんな時からやってたのか」

 

みほ「私お姉ちゃんがいるんですよ、だから高校に進学するときはお姉ちゃんと同じ高校に進学してそこでも戦車道をやっていたんですけど…………」

 

急にみほが話すのをやめたので前原は何事かと思った。

 

前原「どうした?」

 

みほ「その…戦車道の全国大会に出たんですよ…それに勝てば私達の高校は10連勝できたんですけど……」

 

前原「けど、なんだ?」

 

それからみほは大会で何があったか、そして今に至る経緯を話した。

 

前原「……そうか…それは辛かったな」

 

みほ「…」

 

前原「すまなかったなそんなことがあったとも知らずに聞いて」

 

みほ「いえ、大丈夫です」

 

前原「それにしてもだ、そのお母さんや学園の人の話を聞くと前世の軍令部の馬鹿ども顔が浮かんでくるよ。前世の軍令部はたとえ負けたとしても、反省する素振りすら見せなかった、それどころか関係ない人物に責任を押し付け、自分達はのうのうとその場に居座り続ける。いささか怒りを覚えるよ」

 

みほ「前原さん…」

 

前原「全く、自分の娘が人の命を助けたというのに破門だと?馬鹿げてる。そんな母親一度会って殴ってやりたいぐらいだ」

 

みほ「えぇ!?」

 

前原「まっ冗談だがな、最も高野総長や大高閣下なら本当にやってるかもしれんな」

 

みほ「はっ……はぁ」

 

前原「だがそのお前の元いた高校を辞めて大洗に転校できたのは良かったのかもな」

 

みほ「えっ?」

 

前原「だって、お前は大切な仲間を友達を見つけているじゃないか。武部君や秋山君、五十鈴君に冷泉君それにさっき言った同じ戦車道部の仲間達がそうじゃないか、それに自分だけの戦車道ってやつを見つけられたんだろ?ならいいじゃないか。それにそもそもその戦車に乗ってた生徒を助けたのも間違っていなんかいない、仮にお前がその人を助けず試合を続け試合には勝った、だがその人たちは死んだとする。それは心から喜べる勝利とは言えない。むしろ負けたてよかったんだ。俺や高野総長でもお前のその時の立場ならそうしているはずだ」

 

みほ「前原さん……!」

 

前原「それに俺たちにも会っていなかったかもしれんからな」

 

みほ「…はい…そうですね」

 

みほ泣きながら答えた。

 

前原(泣くほどこの子は辛い思いをしていたのか)

 

前原は心の中で悲痛な思いに浸っていた。

 

みほ「前原さん…ぐすっ…ありがとうございます」

 

前原「みほ……」

 

すると前原は何を思ったかみほの横に座り彼女を優しく抱きしめた。

 

みほ「まっ前原さん…!?」

 

前原「みほ、泣いていいんだ辛かったな」

 

みほ「っっ!前原さぁぁぁぁん!」

 

みほは前原に抱きしめられながら泣き続けた。しばらくして泣き疲れたのかみほは前原の腕の中で眠っていた。

前原はみほを抱き抱え、ベットに運んだ。

 

前原はみほの頬に触れた

 

前原「おやすみ、みほ」

 

そうして前原も部屋の電気を消し、自分のベットに入り眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて次回は帝都初空襲です、あの学園を出すか……どうぞお楽しみにしてください。
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