-1章1話 He is gone
「知らない天井だ」
建物の周囲に見えるのは、屋外に広がる果てしない荒涼とした荒野であった、建物がまるで空から降ってきたかのように、ポツンと荒野に佇んでいる。
「ここはどこだ······(装備はフルカスタム済みのM13BとSTRELA-Pにグレネードとフラッシュバンか。
マップによると、ここはシラクーザとカズデルの国境付近…知らない地名だ。
インベントリにはCODやWar thunderで所持済みの装備が有る。
ショップではアイテムの購入と所持アイテムの売却が出来て、特に源石を高額で買い取る······いや源石って何?
分からんから次行くか······
基地は居住区画と格納庫、各種運用設備を設置して機体と搭乗員を配置しなければ稼働できないのか、とりあえず全部設置しよ。
んで、航空機を哨戒に出撃させて、地上部隊を陣地に配置すれば完成だな。)」
「今戻ったよ。」
「問題はありませんでした?」
「前方4kmの地点にサルカズの傭兵の野営地があるけど不審な動きはないね。今のところこのエリアは安全だよ。地図と比較しても、方角は合ってるし、このまま半日ほど南西へ進めば、ロドスの事務所があるロコモティバに着くよ。」
「外勤小隊が最後の定期連絡を行った場所からかなり離れてるけど大丈夫なの?」
「事務所に着けば、何らかの移動手段が得られるから任務が楽になるはずだよ。」
「よかったー! やーっと徒歩での旅が終わるのね。靴がすり減ってなくなるところだったわ。」
「たくさん外を歩けば体にも良いし、フランカのダイエットにも役立つよ。」
「あなたね!」
「通信機の調子はどう? 通信ノードに繋がった?」
「相変わらずダメです。この様子だと、ロコモティバに着くまでロドス本艦と直接連絡を取ることは難しそうです。高出力の発信器が手に入れば話は別ですけど······」
「夢みたいなこと言わないの。この近くには他の移動都市もないし、そんなの見つかるわけないでしょ。」
「だから出発前に十分な食料と水を持って来たんだよ。ロコモティバに着くまで補給が厳しいからね。僕の記憶だとこの近くには小さな集落があったはずなんだけど、天災がこの地域を襲う前の話だから、今でもあるとは言い切れないね。」
「プロヴァンスさんは、このエリアにお詳しいんですか?」
「もう昔の話だよ。もうずっとこの辺りの荒野には来てないんだ。」
「その地図は、プロヴァンスさんがご自身で?」
「そうだよ。天災時の救助活動用に昔作った地図がまだ役に立つとはね。ここら辺の地形が天災で変わり果てていないのは幸いだったよ。」
「今回もプロヴァンスさんにお手数をかけてしまって、本当に申し訳ないです。」
「気にしないで。今の状況は僕にも責任がある。もし事前に、あのような事態に備えた予備プランを用意していれば、こうはならなかったはずだから。」
「あのような事態······商人が言っていた、正体不明の傭兵が倉庫を襲撃して、しかも偶然にも私たちの移動手段を奪って行ったという話ですか? そんなの、信じろと言われても無理があります!」
「きっとあの商人がコッソリあたしたちの車を持ち出して売りさばいたのよ。それで適当に苦し紛れの言い訳をでっち上げたんだわ。」
「珍しくフランカに同意。」
「「珍しく」 は余計じゃない?」
「BSWなら、あんな簡単に商人の言葉を信じたりはしなかったと思います。」
「だけど今はロドスのオペレーターとして働いてるからね。僕はできるだけ地元の者と衝突したくない。表向きの任務だった薬は無事送り届けて、向こうも報酬をごまかしたりしてない。 むやみに疑ったりもできないよ。」
「それでも精錬源石錐を携帯したまま荒野を歩くのは危険過ぎるわね。」
「彼らの説明はほころびだらけだったけど、 元よりサルカズの傭兵が素直に話すことは期待しない方がいい。 次回からは、僕ももっと気を付けなきゃいけないね。だけど、帰ってから車を失ったと報告することを思うと、今から気が重いね。はぁ······カズデルはそういう「場所」だから仕方ないんだけど。」
「そういえば、みんなどことなく身構えてるけど、もしかしてあたしたちってもうシラクーザに入ってる?」
「今朝の時点でもうシラクーザに入ってるよ······しっかり気を引き締めておかないと、何かあってもフォローしないよ。」
「ムカつくわね。」
「待って! 動いちゃダメだ!」
「······何か聞こえた?」
「皆、動いちゃダメだよ。 何かが接近中だ。」
「「!!」」
「あれは······飛行機?」
「飛行機って、 こんなんだったっけ?」
「1機、2機······いや、多すぎる!」
「見て、サルカズの傭兵の野営地の方へ向かって行ってる!」
「何か発射したわよ!」
「※サルカズスラング※ヤツらが来たぞ!伏せろ!」
「前方にヤツらの仲間が居るぞ!ブッ殺せ!」
「野営地からサルカズの傭兵がこっちに来るよ! 迎撃体制!」
だが、サルカズの傭兵の大半が彼女達の元へ辿り着くことは無かった。
彼女達が目にした飛行装置の群れ、A-10AとSU-25、Harrier GR.7の混成部隊からAGM-65を撃ち切ったA-10Aが2機離脱した。そしてGAU-8でサルカズの傭兵に30mm砲弾の雨を降らせ、離脱して行った。GAU-8による30mm砲弾の雨から生き残ったサルカズの傭兵が彼女達に襲い掛かる。
「これが最後の一人だね。誰もケガはしてない?」
「問題ありません。」
「こっちも大丈夫よ。」
「通信機器は無事?」
「はい。」
「それにしても辺境に大量の飛行機が展開してるなんて······どうも変だね。」
「······うーん······軍による掃討作戦という考えは?」
「こんなところに移動都市なんて来ないし、工場や鉱山もないわ。そんな場所に高価な飛行機を派遣したりする?」
「じゃあ······PRTSの記録には、参考になるような情報はない?」
「ないわね、 クルビア軍の野心的なプロトタイプですら、あんな高速で飛行する飛行機は確認されてない。」
「相手が誰であれくれぐれも警戒を怠っちゃダメだよ。」
「わかりました。」
「考えすぎるのも良くないし、今日はここで休まない? 疲れちゃった。」
「そうだね、日も暮れてきたしここで休もうか。」