─ジェシカが一時停止せずに交差点へ車を進入させる。
「「待って!左から車が······」」
「右側だ······!」
─交差点へ侵入してきたノーバディー達を乗せた車にリスカムとプロヴァンスが気付いたが既に手遅れだった。車の横腹に突っ込む形で衝突し、ゴーストとソープ、ノーバディーを乗せた車が横転した。
「「「ぐあっ······」」」
─衝突の衝撃で漏れた燃料へアスファルトと車体が擦れて発生した火花で火が付き2台の車は瞬く間に火に包まれた。
「脱出だ!脱出しろ!」
「車が燃えてる!脱出するよ!」
─リスカム達がドアを開けようとするが衝突の衝撃でフレームが変形し開かなかった。
「リ、リスカム先輩······ド、ドアが······ゲホッゲホッ」
「0-7は周囲を警戒しろ!」
「了解。」
「7-1は俺とあの4人を助けるぞ!」
「了解!」
「ドアを抉じ開けるぞ! 1、2、3!」
─ソープとノーバディーがドアを抉じ開けて4人を救出した。同時に追い付いた追手とその場で銃撃戦が始まった。
「あの4人も連中の仲間だな。殺せ!」
「リスカム先輩!後ろ!」
─ジェシカがリスカムを狙われている術師に気付く。その術師からアーツが放たれる前にノーバディーが術師の脳幹を撃ち抜き倒した。
「術師がやられた!撤退しろ!」
「撤退だ!」
─切り札だった術師を倒された敵は撤退して行った。
「全員大丈夫か?」
「私は大丈夫です。他のみんなは?」
「大丈夫よ。」
「ボクも大丈夫だよ。」
「大丈夫です。」
「······つまり、あの連中はクーデターを目論んでいて、そのためにウルサス帝国から買った神経剤を街へ撒こうとしている。そして、あの子はウルサス帝国軍の試作アーツユニットのために狙われたってこと?」
「ああ、これが原因でロドスの外勤オペレーター4人は殺害された。」
「······どうしてそんな事が分かったのかな?」
「依頼でウルサス帝国と繋がりのあるマフィアの武器密売について調べている最中に、薬物により発情させられ監禁されているリサを発見、保護した。すると、それ以降マフィアから親の敵と言わんばかりに攻撃された。そこで連中を調べてみるとこの事実が見つかったのさ。」
「あの3人、みんな銃を持ってるけど、どっからどう見てもサンクタ人じゃないわよね?」
「サンクタ人が『蛍光灯』をしまう方法を編み出したなら、話は別だけど······」
「サンクタ人でもない傭兵が、大型の銃器を装備してるなんて、そんなの絶対ビッグニュースになるわよ。」
「BSWの装備開発部の人たちが知ったら、絶対発狂する。」
「フランカ先輩、リスカム先輩。『シャドウカンパニー』の皆さんに聞こえますよ。」
「シャドウ0-1からゴースト0-3へ、問題発生だ。」
「すまないプロヴァンスさん。少し席を外す。」
「別に構わないよ。」
「こちらゴースト0-3、シャドウ0-1どうした?」
「ゴースト0-3へ、偵察衛星がそっちへ移動する敵の1個旅団を発見した。傍受した通信によれば敵の作戦目標はロドスのオペレーターを含めたそこに居る全員の殺害だ。すぐにロドスのオペレーターを連れて基地へ帰還した方が良い。」
「了解した。通信終了。プロヴァンスさん。」
「どうしたのかな?」
「ここに居る全員を殺すために憲兵隊が動いたと仲間から連絡があった。」
「えっ!?」
「マズイ状況だ。他の3人と一緒に我々の基地へ来て貰えるか?」
「うん、ボクは構わないけど、他の皆はどう?」
「私も問題ありません。」
「問題ないわよー」
「わ、私も大丈夫です。」
「さて、ハインドを使うか······」
─空き地に突如としてMi-35Mが現れた。
「うわっ?!」
「わわっ!」
「······これは予想外だったわねー」
「0-7はガンナーを、7-1はロドスのオペレーターの方々へ座席の説明をしてくれ。」
「了解。」
「了解!」
─Mi-35Mに7人全員が乗り込むと離陸準備を始めた。
「大佐、座席の説明が完了した、いつでも行ける。」
「了解した。上昇を開始する。」
─Mi-35Mが基地へ向かって飛び立った。