「『シャドウカンパニー』の基地へようこそ。」
─リサが護衛の兵士達と共に走って来て、リサがノーバディーに抱きついた。リサに遅れず付いて来た護衛の兵士達は、M4やM13B、M13C、SO-14、Tempus Torrent、Bruen Mk9、PULEMYOT 762を構えて周囲を警戒している。
「ノーバディーお兄さん!事故に遭われたと聞きましたが大丈夫ですか?」
「見ての通り、ピンピンしてる。大丈夫だよ。」
─ ノーバディーがリサを撫でつつ、そう伝えた。
「依頼じゃないのにかなり力を入れて護衛しているみたいだね。」
「ここの基地を管理してる傭兵たちがこの半年ぐらいの間ずっとあの子を守ってくれてたってこと?」
「率先して感染者を守るなんて、今時、珍しいですね。」
「感染者に対して差別意識がなくて、むしろ率先して感染者を守る傭兵ねえ。あたしの疑い過ぎかもしれないけど、そんな聖人が本当にいるの?」
「あの傭兵たちには、感染者を守ったという意識すらないみたいだね。」
「感染者を『差別してない』というより······『鉱石病なんて気にしてない』って感じよね?」
「ですが、彼ら自身が感染者というわけでもなさそうでした。」
「リスカム先輩、フランカ先輩。彼らのような傭兵は見たことがありません······『シャドウカンパニー』という名前も初めて聞きます。」
「何はともあれ、彼らがあの子を助け出して、保護してくれたことは事実だよ。疑うべきじゃない。当面の急務は『シャドウカンパニー』の人たちと協力して、マフィアの手からあの子を守ることだよ。まずは彼らと話し合っておこう。」
「あの子をマフィアの手から半年間も守ってくれてありがとう。この件は上層部へ報告して後日お礼をさせてもらうよ。」
「そのお礼として、ロドスへの長期滞在許可を貰うことは出来ないだろうか?」
「それはロドスの上層部に確認しないと駄目だけど、必ず伝えておくよ。」
「所属する会社を教えていただけますか? あなたたちのような優秀な傭兵はめったに見ないもので。」
「······」
「差し支えが有るなら結構ですよ。」
「『シャドウカンパニー』という名前は部隊名で所属している会社は無いんだ。はるか南からやってきた身元不詳のよそ者を歓迎してくれる場所は無かったからな。」
「はるか南? シラクーザを南下するとラテラーノやイベリアが有って、そこからさらに南下すると海が有るけど、海を越えてきたのかな?」
「ああ、海を越えて来たんだ。」
「へえー、海を越えた先に国が有るのね。」
「これは衝撃的だね······」
「ノーバディーお兄さんたちは天災や鉱石病の概念が存在しない、すごく遠いところから来たそうなんです。」
「天災や鉱石病がない、平和な国ってことですか?」
「残念ながら、そうではないのさ。俺たちの故郷がある地域一帯は肌の色で人を差別し、信じる神の違いやエネルギー資源、水、食料といった様々な理由で人々が殺し合い憎しみ合ってきた。ハッキリ言ってここら辺のほうがまだ平和だ。」
「······理解しました。」
「リスカムー。話が脱線してるわよー。」
「······この先、ロドスからの回収機を手配するにしても、回収機の到着まで敵の攻撃に耐える必要があります。」
「なら、こっちに手を出せないように連中を叩き潰しておこう。リサが搭乗している回収機を撃墜されるのはマズイからな。」
「どうやるのかしら?」
「車両で敵陣に突撃する。まあ昔ながらのよくある戦い方だ。」
「へえー、こういう部分はどこも変わらないのねえー。」
「レッド、状況は?」
「もうすぐ、戦いが始まる。」
「そこから撤退して私と合流しろ。」
「分かった。」