「ウォッチャー1よりホテル0-3へ、作戦エリア内で民間人を発見した。映像をそちらに送る。」
─映像に映っていたのは緑色のワンピースの上に白衣を羽織ったフェリーンの女性(※ケルシー)がマフィアに拘束され人間の盾にされている姿だった。
「ホテル0-3からウォッチャー1へ、映像を確認した。引き続きを監視を継続しろ。通信終了。※英語スラング※、連中は民間人を人間の盾にしてきやがった·····」
─夜が更けるにつれて作戦の準備が整い、
装甲師団と航空軍による大部隊が荒野の一角に集結していた。
「そんなに熱心に画面を見つめて何を見ているのかしら······!?ケルシー先生が人質にされてるわね······」
- ノーバディーの端末をフランカが覗き込むと、ノーバディーが画面を熱心に見ていた理由を察したと同時に途端に強ばった表情をした。
「彼女を救出する作戦の開始まであと3時間か······」
「その作戦には私たちも参加するわよ。」
「無理だ。」
「どうしてかしら?」
「専門の訓練を受けていないのに高度1万メートルから敵陣のど真ん中へ向かってパラシュート降下するのは自殺行為だ。」
「そんな方法で救出に行くのね······」
「大佐、輸送機の搭乗時刻です。」
「フランカたちは地上部隊に同行してくれ、俺たちは先行してケルシー先生を確保する。」
- ノーバディーとソープ、ゴースト、プライス大尉を乗せた輸送機が高度14,000m付近を飛行してた。
「降下20分前、機内減圧開始。」
「分隊各員、降下装備に問題はないか?」
「0-6は問題無し。」
「0-7も異常無し。」
「7-1も全て異常無し。」
「0-3も問題無し。分隊全員の装備確認完了。」
─装着している装備を点検し、プライス大尉、ゴースト、ソープ、ノーバディーの順に答えた。
「作戦開始と行こう。ゴースト0-3からウォッチャー1へ、民間人の現在地は?」
「ウォッチャー1からゴースト0-3へ、現在地はADFの116だ。」
「了解した。」
「機内の減圧完了。降下6分前、後部ドア開きます。外気温 摂氏-53度」
─開いた後部ドアから摂氏-53度の風が吹き込んでくる。
「降下2分前。」
「起立せよ。」
─4人が座席から立ち上がる。
「降下1分前。」
「後部に移動しアクティブ迷彩を起動せよ。」
─後部ドアの前に分隊全員が移動し、アクティブ迷彩を起動した。
「降下開始」
─暗視装置によって真緑に光る夜の空へアクティブ迷彩で透明になった4人が飛び出して行った。
「······へドリー。」
「どうしたイネス?」
「······元依頼主の所にお客さんが接近中よ。」
「······数と動きは?」
「数は4人、かなり高い所を飛んでる飛行装置から元依頼主の所へ直行よ。おそらく例の全員が銃で武装した傭兵部隊ね。」
「······あの仕事は降りて正解だったな。W、元依頼主の動きを見張っておけ。もし、元依頼主がこっちに逃げてくるなら殺せ。」
「了解。」
「アーミヤ代表、ケルシー先生の護衛の方から緊急連絡です。」
「こちらに繋げてください。」
「了解。繋げます。」
「アーミヤ、ケルシーが武装集団に捕まった。救出が必要。」
「······わかりました。ケルシー先生の位置はどこですか?」
「座標、送った。」
「座標を確認しました。ケルシー先生の救出に向かいます。ケルシー先生の方に動きが有れば連絡をくださ」
「アーミヤ。ケルシーの方に動きあった。」
「!何がありました?」
「ケルシーの側で誰か戦ってる。」
「了解しました。すぐに救出に向かいます。ブレイズさん、ロスモンティスさん。」
「どうしたの?アーミヤちゃん。」
「どうしたの、アーミヤ?」
「先ほど、ケルシー先生が武装集団に拘束されたと護衛のオペレーターから連絡がありました。すぐに現場へ向かい敵を制圧、ケルシー先生の安全を確保してください。」
「了解。ケルシー先生が怪我をする前に片付けるよ子猫ちゃん。」
「うん、ケルシー先生を傷つけそうなものは全部壊すよ。」
─ブレイズとロスモンティス、アーミヤがバッドガイ号に乗り込むとバッドガイ号が緊急発進して行った。
「ゴースト0-3から各員へ、人質を確保。繰り返す人質を確保。」
「よし、※英語スラング※をブッ潰すぞ。ライノ1-1から各員、前進せよ。」
「※サルカズスラング※対装甲榴弾が効いてない!」
「逃げるぞ、急」
─攻勢部隊先頭のT-80BVMがケルシーの監禁場所から約100mの地点に差し掛かった時、側面から複数の携行対戦車兵器による攻撃を受けた。だが、被害は爆発反応装甲が剥げただけで即座に発砲点に向かって反撃し3OF26で携行対戦車兵器の射手を挽肉にした。
「それにしても凄いわね······」
─戦車旅団と機械化歩兵旅団による攻勢部隊が敵陣へ突撃し、先頭の戦車集団が敵陣に砲撃する姿をプーマ歩兵戦闘車の側から見渡したフランカがそう呟いた。
「フランカ、戦車隊と合流したら※英語スラング※の頭上に支援攻撃をブチ込む。車内で待機してくれ。」
「準備は出来てるわ。他のみんなは?」
「準備は出来てるよ。」
「ボクも大丈夫。」
「わたしも大丈夫です。」
「ボギーコンタクト、11時方向 低空で友軍地上部隊に向かって飛行中。隊長、どうします?」
─戦闘哨戒中のJAS39C分隊が低空で友軍地上部隊に向かって飛行しているバッドガイ号を発見した。
「友軍地上部隊とかなり近いが、規定通りにやれ。無警告で撃墜して非武装の民間機だったなんて事態は大問題だからな。」
「了解。」
「所属不明機に警告する。貴機は飛行禁止区域を飛行している。ただちに空域から退去せよ。従わない場合、貴機を敵機と見なし撃墜する。繰り返す、貴機は飛行禁止区域を飛行している。ただちに空域から退去せよ。従わない場合、貴機を敵機と見なし撃墜する。」
─JAS39Cがバッドガイ号の前方で無線警告と自機の翼を振る『我に続け』の警告を見せて離脱した。
「アーミヤ代表、警告に従いますか?」
「無視してください。今はケルシー先生の救出が最優先です。」
「了解。」
「所属不明機、反応ありません。警告射撃を実施します。」
「相手の速度はかなり遅い、失速に注意しろ。」
「了解。
ただちに空域から退去せよ。従わない場合、貴機を撃墜する。繰り返す、ただちに空域から退去せよ。従わない場合、貴機を撃墜する。」
─JAS39Cがバッドガイ号の右前方に割り込んでBK-27を発砲し、警告射撃を実施した。
「アーミヤちゃん。相手はやる気満々みたいだよ! どうする?」
「彼らの要求には従えません。皆さん交戦準備を!」
「所属不明機、依然として反応ありません。隊長、どうします?」
「条件付きで交戦を許可する。まず、攻撃前に再度の警告射撃を実施しても反応が無いこと。次に、正当防衛の場合でも狙うのはエンジンのみだ。分かったか?」
「了解。再度警告射撃を実施します。」
「アーミヤちゃん。相手が来たよ!」
「はい。行きます!」
─アーミヤが接近してきたJAS39Cへアーツを放つが、圧倒的な機動力を持つ機体を歴戦のエースパイロットが操縦しているゆえに即座に回避された。
「所属不明機から攻撃を受けた! 繰り返す、所属不明機から攻撃を受けた! 正当防衛射撃を開始する!」
「狙うのはエンジンだけだぞ、分かってるな?」
「ええ、分かってます。隊長は右のエンジンを頼みます。」
「ああ、分かったよ。攻撃開始!」
─2機に装備されているBK-27から極めて正確な狙いで放たれた27mm弾がバッドガイ号のエンジンを2基とも破壊した。
「エンジンをやられた!不時着します!」
─バッドガイ号は破壊されたエンジンから火を吹きながら滑空し、交戦中の機械化歩兵旅団の目の前に不時着した。
最初の方はバッドガイ号はPantsir-S1の95Ya6に撃墜される予定でしたが、それだとどう考えても死人が出るのでJASのBK-27によるエンジン破壊に変えました。