杏仁豆腐を明日作ろうと約束をして、部屋に戻ってきた。
皆は二軒目に行くらしく、一人寂しく帰ってきたわけだ。というのも……。
(の、飲みすぎた……)
それなりに飲めると自負していた自信は、飲み始めて一時間ちょっとで崩壊していた。
誰一人として顔色を変えないのである。そして変えないままに同じペースで飲み続ける。しかも
粋怜と祭さんは
それよりもどういうことだ。白酒は宋の時代になって作られるようになる蒸留酒だ。本当になんでもアリだな三国時代。いや、三国時代と呼ぶのも間違っている気がしてきた。
ともかく、消毒用アルコールを作るための手間がかなり短縮されることになった。60度以上あるからそのまま使っても問題ない。思わぬ収穫だったのだが。
「気になってるって言ったからって、無理やり飲ませるか……」
流石に視界も揺らぎ、自分は吸い込まれるようにベッドにトライを決めたのだった。
明晰夢をご存知だろうか。
認知度は上がっているが簡単に説明すると、『これは夢だと自覚しながら見ている夢』のことだ。経験者は夢の状況を自分の思い描く通りに変化できると語ることが多い。
では、この三国時代に迷い込んだこの状況は明晰夢だろうか。答えは否である。
明晰夢の中で更に夢を見るなんて器用なこと、俺にはできない。そういえばそんな映画があったような気がする。
ちなみに、人は覚えていないだけで、毎日三つから四つは夢を見ているのだそうだ。
どこか分からない城の中にいた。外から
庭に出てみれば、琴を弾く者が
「貴方も聴きに来たのね、慶」
「月の綺麗な夜に、風流だなと思ってな。酒も持ってきた」
まだ飲むつもりか、夢の中の俺。
「贅沢なものね、私の演奏で酒を嗜むなんて……でも丁度良いわ、聴いていきなさい」
この人は誰なんだろうか。楽師でないことは間違いない。凄い偉そうだ。
対酒当歌 人生幾何
酒を楽しんでは是非とも歌おうではないか。
人の寿命は、どれほどあるのか。
譬如朝露 去日苦多
例えるなら露のように儚いものだろう。
去った日ばかりが多いではないか。
慨当以慷 幽思難忘
それを思い慨嘆すれば、高ぶりは止まることがない。
心配事はなかなか胸から去らないものだ。
何以解憂 唯有杜康
この憂いは何で晴らせばよいのか。
酒だ、酒以外には何もない。
聴き終える頃には、気が付けば俺は大粒の涙を流していた。
次は手術の夢だった。
先程まで琴を弾いていた人の手術だろうか。
綺麗だった髪を剃っていることから、これから開頭手術を行うようである。
しかし夢の中で脳外科手術とは……。しかも直感的に脳腫瘍の摘出手術だと理解する。メスを持った瞬間に夢が切り替わった。
次は大戦乱の夢。
「炎蓮さん!」
俺は夢の中で叫んでいた。
「応! 慶よ、この軍勢はなん……うるぉらぁァッ!」
俺を呼びながら、敵を斬っていく炎蓮さんは修羅そのものだった。
「申し上げます! 五胡の軍勢が乱入してきた模様です!」
もう分からない。様々な夢が入り交じっている。
自分も衛生兵ではなく、一人の将として戦っている。
そして一本の矢が炎蓮さんに飛んでゆき……。
「……っ!?」
自分は夢から醒めたのだった。
意味も分からず、涙を流したまま。
恋姫で一番好きな陣営
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魏(燈、霞、傾、三姉妹など含む)
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呉(美羽、黄祖など含む)
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蜀(白蓮、麗羽、天子様、漢軍など含む)
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漢女(華陀、于吉など含む)