鹿目まどかは自称特別捜査隊   作:鳩胸な鴨

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アイツが来る。


一時釈放

「改めて、鳴上悠だ。見滝原には、シャドウワーカーとしての職務で来た」

「はいはーい!シャドウワーカーって何?」

 

打ち上げが開催された悠の自宅にて。

到底、大学生が家賃を払って暮らせるとは思えないほどに立派な部屋で寛ぎながら、悠がこの町にきた目的を話す。

と。シャドウワーカーと聞き慣れぬ単語に、さやかが元気よく手を上げた。

 

「警視庁と桐条グループによって共同設立された秘密部隊だな。シャドウや神が絡んだ事件への対応が目的とされている。

主力がペルソナ使いというのも特徴だな」

「…ん?聞いていい話なの、これ?」

 

なにかと物騒な単語が乱立した情報に、さやかが冷や汗を流す。中学生ながらも、その情報の危険性は理解できたらしい。

その問いに、悠は真顔で首を横に振った。

 

「ダメに決まってる。でも、君たちにも関係のある話だから説明してる。

気をつけろ。他言したら怖いぞ」

「……ハイ。気をつけマス」

 

流石に、警察と世界有数の複数企業をまとめて敵に回す度胸はない。

魔法少女よりも嫌に現実味のある危機感を前にガチガチに固まったさやかに、まどかが苦笑を浮かべる。

 

「そこまで気にしなくていいよ。

魔法少女云々の話もお父さんやお母さんには話してないよね?あんな感じで」

「そ、そっか…」

 

年頃の中学生なのだ。隠し事の一つや二つくらいある。今更一つ増えたところで、何も変わらない。

さやかは深呼吸して緊張をほぐし、悠の話に耳を傾けた。

 

「まどかが魔法少女のことを俺に相談してくる前日、シャドウワーカーで勤務している後輩…直斗から連絡があった。

なんでも、『シャドウの反応を感知する装置をアップデートしたところ、地球上の至る所で反応が出た』らしい」

「ぅひぇっ!?」

 

その情報の衝撃に、思わず珍妙な声を漏らしてしまうまどか。

シャドウワーカーにはそういった技術があることは聞かされていた。もちろん、その正確性も身をもって知っている。

問題は、『世界中でシャドウが感知された』ということだ。

 

「機械の故障とかじゃないかしら?

いくら正確なデータを出すとは言っても、異常があればその限りではないでしょ?」

 

無論、マミの言う可能性も十分に考えられる。

むしろ、そちらを疑うのが正常だろう。

だがしかし。無情にも、悠はその可能性を否定した。

 

「もちろん、最初は故障だと思って、全員本気にしていなかった。『多少はいるかもしれないが、流石にここまでの大規模ではない』というのが総意だったな。

が。その翌日にそんな呑気なことも言ってられない情報が入ってきた」

「………あっ」

 

全てを悟ったまどかが、小さく声を漏らす。

魔女とシャドウは酷似している。

出来の悪いまどかの頭でも感じた違和感に、探偵王子と謳われた頭脳を持つ直斗や、それに匹敵するほどの知識を持つ悠が気づかないわけがない。

 

「まどかの情報が入った直後、俺はすぐにシャドウワーカーや自称特別捜査隊の皆に連絡を入れた。

試しに八十稲羽近辺の反応を十箇所ほど調べたところ…、最悪なことにその全てが『魔女』だったと判明した」

 

なぜだろうか。目眩がする。

再び直面した途方もない規模の危機に、まどかは表情が引き攣るのを感じた。

 

「加えて、直斗から『まどかたちが暮らしているここに一際強い反応があった』と聞いてな。

無茶を言って、シャドウワーカーにバイトとして雇ってもらったんだ」

 

経緯を話し終えた悠は、喉を潤そうと、結露して湿ったコップを手に取った。

一際強い反応ということは、それだけ強大な魔女がいるのだろうか。

そんなことを思っていると、ふと、まどかの頭に一つの疑問が浮かんだ。

 

「…菜々子ちゃん、どうしてるの?

堂島さん、今は『風見野のATMが破壊され続けてる事件で応援に駆り出されてる』とか言ってたよね?」

 

びしっ、と悠の動きが固まる。

堂島菜々子。慈母神のような優しさを振る舞う、純真無垢な最愛の従妹。

その名前がフリーズした脳に浸透した途端、無表情だった悠の顔が苦痛に歪んだ。

 

「…………天城に預けた」

「…マシに、なったんだよね?」

「大丈夫。最悪、菜々子は自分で作れる」

 

不安が残る人選である。

完二曰く、「板前による修行で矯正されてはいるらしいが、洋食となると途端にその凶悪さが花開く」とのこと。

再び彼女が病院の世話になるようなことがありませんように、と二人して失礼なことを天に祈っていると。

マミが空になったティーセットをトレイに乗せ、立ち上がった。

 

「紅茶、おかわり淹れてくるわね」

「ああ。火を使うんだったら気をつけてな」

 

台所へと向かうマミの背に声をかけ、悠は今度こそコップに入った水を飲む。

と。退屈していたさやかが、テーブルに置かれた袋に目を向ける。

 

「はぁー…。高そうな袋ですけど、これ、なんですか?」

「りせがくれたクッキーだな。

まどかと一緒に食ってくれとメッセージカードも渡されたことだし、せっかくならみんなで食べようかと…」

「あ、そっか。りせちーと友だちなんだっけ、まどかって」

 

さやかは言うと、中身の見えないその袋をなんとなく開いた。

それが災厄を封じていたとは気づかず。

 

♦︎♦︎♦︎♦︎

 

「……な、なにが、起きたの…?」

 

楽しいはずの打ち上げ、及び鳴上悠の歓迎会が開催されていたはずの居間にて。

追加の紅茶をと席を外していた巴マミは、目の前に広がる地獄絵図を前に、ごくり、と唾を飲んだ。

床に倒れ伏し、ぴくぴくと痙攣するまどかたちの口から、なにやら怨念のような紫色の煙が漏れ出ている。

彼女らが取り囲んでいたテーブルの真ん中には、クッキーらしきものが置かれていた。

 

「ま、マミさ…。ごふっ…」

 

それだけ言うと、だん、と音を立てて額を床に叩きつけるまどか。

その元凶となったであろうクッキーを、マミは恐る恐る摘み上げる。

 

「…な、なに、これ…?」

 

それを表現するなら、顔だった。

マミは知らぬだろうが、「ミタマ」と呼ばれる種類のペルソナと形状が酷似している。

それだけならまだしも、その凄絶な味を表すかの如く、極限まで不幸のどん底に落ちたかのような表情を浮かべているのだ。

口に含むことさえ躊躇うレベルである。

何故、こんな物体Xを食べようなどと思ったのだろうか。

マミが疑問に思っていると、テーブルに置かれた一枚の紙切れが目に入る。

 

「『雪子先輩たちと作ったよ!まどかちゃんと食べて!感想、聞かせてね!先輩のアイドル、りせちーより』…。

…りせちーと知り合いって、ホントだったのね…」

 

先ほど、まどかと悠には、アイドルの久慈川りせと面識があったと聞いた。

なんでも、同じペルソナ使いなのだとか。

嘘かどうか判別がつかなかったが、どうやら本当のことだったらしい。

しかし、そんなアイドルがこんな危険物を「クッキー」などと宣い、送りつけるような真似をするだろうか。

そんなことを思いながら、マミは恐る恐る、手に持ったソレを口へと運ぶ。

 

「……い、一応、ね。アイドルの、手作り、だものね。こんな体験、二度とないものね」

 

そんな言い訳を並べ、マミは己の好奇心に負けた。

好奇心は猫をも殺す。

そんな言葉の通りに、倒れ伏す骸が一つ増えただけに終わった。

 

「あんっじゃこりゃぁああっ!?」

 

同時に、ばっ、と起き上がったさやかの怒号が、部屋を揺らす。

さやかは叫び終わると、流れるように水を手に取り、一気に呷った。

 

「んぐっ、んぐっ…、ぶっはぁ!!

人類ってこんな危険物生成できんの!?

しかもアイドルだよ、コレ作ったの!!

こんな冒涜的なシロモノからもっとも遠い存在がだよ!?

裏家業で殺し屋でもやってんの!?

どんなアサシンでもそんなダブルワークしねェーーよォオオオーーーッ!!」

 

一息に叫び終わると、さやかは込み上げてきたモノを抑えるように口を抑える。

全くもって同意である。

慣れている悠とまどかですらもノックアウトするほどのムドオンクッキング。

かつて、林間合宿で生成されたカレーをも上回るほどの破壊力を前に、悠も冷や汗を流し、残り一つとなっても尚、存在を主張するソレを見やった。

 

「クッキーって普通、サクサクとか、しっとりとかでしょ!?

コレ『ぶよぶよ』なんだよ!!」

 

さやかの暴走は止まらない。

事実陳列罪なる罪状があれば、確実に重罪判決を受けそうな勢いで捲し立てる。

 

「クッキーなんでしょ!?なんで一切甘いところがないのよ!!あっても辛いとか、言葉にしようのないエッグいマズさだけ!!

トッピングもそうだよ!普通チョコチップとかナッツとかでしょ!?唐辛子とベーコンとギョニソとなまこってなによ!?

食感とか見た目とか味とか全部が悪い意味で奇跡的にマッチしてて、なんかもう全部が気持ち悪いんだよぉお!!」

 

がんっ、がんっ、とテーブルを叩き、ぶつけようのない怒りをぶちまけるさやか。

その姿がどことなく、林間学校でカレーを食した時の花村陽介と重なった。

 

「…どうする?捨てる?」

「いや…。そんなことをすれば、せっかく作ってくれたりせたちに申し訳ない…」

「付き合ってもないのに彼氏みたいなこと言うよね、悠さんって…」

「ん?贈り物を残さないのは、普通のことじゃないのか?」

「そうだった。天然ジゴロなんだった」

 

惜しくも恋破れた特捜隊メンバーの苦笑が、ありありと目に浮かぶ。

まどか自身は、「親戚のお兄ちゃん」のような感覚で接してるため、悠に恋心を抱いたことはない。

しかし、彼の立ち振る舞いが女性を惹きつけてしまうのも、あの一年で理解していた。

幸いだったのは、悠に良識があったことだろう。悠は1人の女性を選ぶと、その他に目移りすることはなかった。

これでもし節操なしだったのなら、目も当てられない大惨事が巻き起こっていただろう。

見滝原でもやらかさないかな、などと心配と呆れを込めた目で悠を睨め付けていると。

よろよろとマミが起き上がったのが見えた。

 

「よくわからない走馬灯が見えたわ」

「マミさんが言うと洒落になりません…」

「洒落じゃないもの」

 

真剣な顔つきである。

マミは水の入ったコップに口をつけ、その中身をぐびっ、と下品な音を立てて飲み干す。

その姿はとてもじゃないが、優雅に紅茶を嗜む趣味がある少女とは思えない。

ぶはっ、と息を吐き出し、マミはテーブルの上にある物体Xを見やった。

 

「…で。どうするの、これ?

私、食べないわよ。昨日の今日で死にたくない」

「あたしもパース。こんなモン食ってたら、胃がストライキ起こすわ」

「……なら、私が…」

「自殺行為だぞ、まどか。俺が…」

「愛する人を遺して死ぬつもりなの!?悠さんはもっと自分を大事にして!!」

 

ただクッキーの処理について揉めているだけなのだが、いつのまにかデスゲームが開催されていた。

ああでもない、こうでもない、と四人が意見を交わしていると、インターホンと共に、聞き覚えのある声が響く。

 

「巴マミ、いるんでしょう?少し聞きたいことがあるの」

 

暁美ほむらの声に、全員が顔を見合わせる。

その表情を喩えるならば、「悪魔の囁きを聞いた顔」であった。

 

♦︎♦︎♦︎♦︎

 

「…………何か弁明は?」

「「「「ごめんなさい」」」」

 

口の端から毒々しい色の液体を垂らしたほむらを前に、全員が正座する。

無理もない。悪魔の囁きに負けた四人は、残った物体Xをほむらに押し付けたのだ。

まどかの懇願に負けたほむらは、躊躇いなくその劇物を飲み込んだ。

結果。ほむらは声帯が潰れたニワトリみたいな奇声を発し、泡を吹きながら昏倒した。

まどかは涙を流し、「許して…!許して、ほむらちゃん…!」と今生の別れのように懺悔したものの、許されるはずもなく。

復活したほむらによって、全員もれなくゲンコツをもらうこととなった。

ほむらは乱暴に口元を拭い、四人を睨め付ける。

 

「クッキーの名を冠した劇物を押し付けたことは、これで許してあげる。

今日は巴マミの経過観察に来たの」

「経過観察って…。私みたいに魔女化から戻れるのって稀なのかしら?」

 

マミが首を傾げると、ほむらは呆れたように深いため息を吐く。

 

「稀どころの騒ぎじゃない。奇跡よ」

「そうやって断言するってことは、以前から魔女化のことを知ってたんだな」

「………」

 

悠の鋭い一言に、ほむらの言葉が詰まる。

ほむらはそれを否定も肯定もせず、悠から目を逸らすようにマミへと向く。

 

「とにかく、巴マミ。あなたがこうして生きていることすらあり得ないことなの。

魔女化は不可逆なもののはずだった」

「…改めて思うけど、清々しいほど無様にキュゥべえに騙されてたのね、私」

「騙していた、と言う感覚さえなかったでしょうね。アレはそういう生き物よ」

 

自嘲地味に笑うマミに、慰めかどうかよくわからない言葉を投げかけるほむら。

もしや、キュゥべえについても、何か知っているのだろうか。

まどかがほむらに問うべく、おずおずと手を上げようとしたその時。

 

「騙していたわけじゃないよ。聞かれなかったから言わなかっただけさ」

 

そんな平坦な声が響いた。

全員が一斉にそちらを見ると、どの面を下げてきたのか、変わらぬ表情でこちらを見つめるキュゥべえがいた。

マミとほむらは即座に変身し、各々の獲物をキュゥべえへと向ける。

しかし、キュゥべえは臆することなく、淡々と言葉を並べる。

 

「驚いたよ、まどか。魔法少女の絶対の運命を覆してしまうだなんて。

君は持つべくして、理を打ち破る力を授けられたのかもね」

「あいにく、コレは私のじゃない。私の…名前も知らない友達の力」

 

まどかの言葉に、キュゥべえの瞳が揺れた。

少なくとも、動揺ではない。

例えるならば、サナギから孵ろうとする昆虫を見るような視線が、まどかを捉えた。

 

「…へぇ。僕ですら観測できない力の正体も、薄くだが理解しているのか。

つくづく惜しいなぁ。君の素養さえあれば、どんな無茶苦茶な願いだって叶うのに。

あらゆる過去を作り替えてあげる。あらゆる未来を君の手に授けてあげる。あらゆる現実を捻じ曲げてあげる。

ほら、願ってごらんよ。僕がなんだって叶えてあげるからさ」

 

ゆっくりと、キュゥべえがまどかに迫る。

小さなぬいぐるみのような体躯だが、まどかにとっては、それがひどく醜悪なものに思えてしまった。

その足音が近づくたびに走る嫌悪に、まどかは小さく悲鳴を漏らす。

と。彼女を庇うように、悠が前に出た。

 

「何が起ころうが、何を言われようが、まどかがお前の手を取ることはない」

 

悠の気迫に、キュゥべえの足が止まる。

目の前の男は、何かが違う。

本来は見えないはずの自分を認識し、真っ直ぐに怒りを向けるその双眸。

そこに白い仮面の異形が重なって見えたのは、気のせいではないだろう。

悠をまじまじと見つめるキュゥべえに、マミが声を張り上げる。

 

「答えなさい、キュゥべえ!魔女を生み出したのもあなたなの!?」

「うん。そうだよ」

 

あっけらかんと答えたキュゥべえに、マミは忌々しげに彼を睨む。

しかし、キュゥべえはその理由がわからないのか、こてん、と首を傾げた。

 

「君は家畜に『何故、自分たちを産んだのか』と聞かれたとして、『利用するため』以外にどう答えるんだい?」

 

その言葉が全てを物語っていた。

マミが絶句するのを横目に、キュゥべえは悠へと視線を戻した。

 

「…さて、鳴上悠。君は一体何者なんだ?

第二次性徴期の少女というわけでも、素養があるわけでもない。

なのに、君は確かに僕を認識し、僕の言葉を理解している。

他の人間と比べ、明らかに異質だ」

「シャドウワーカーのバイト、自称特別捜査隊リーダー、大学生、ペルソナ使い。生憎だが、俺はこの四つの肩書きくらいしか持ってない」

 

悠の言葉に納得したのか、これ以上の問答は無駄だと思ったのか。

キュゥべえは「そうか」とだけ言い残し、この場を去っていった。

その場に残穢が残っているような気がして、全員が苦々しくキュゥべえの座っていた場所を見つめていた。

 

♦︎♦︎♦︎♦︎

 

「へぇ…。魔女に魔法少女ねぇ…」

 

その頃、とある刑務所の出入り口にて。

くたくたの背広を羽織った男が資料を手に、ぼりぼりと頭をかく。

碌に手入れもできなかった環境に居たがゆえ、少しばかりフケが資料に落ちた。

どこかの銭湯に入って洗い流すかな、と思いつつ、馬鹿馬鹿しい言葉が羅列した資料を読み進める。

 

「…あっはは、すごいすごい。

この世界ってファンタジーなんだねー。びっくりしちゃったー、なーんて…」

 

わざとらしく声を上げ、露骨に顔を歪める。

その視線の先には、一人の女性がナイフのように鋭い瞳で男を睨め付けていた。

 

「あのねぇ…。こう言うガキの自由帳に描いてるみたいなくだらない妄想は、幼稚園卒業と同時に終わらせといてよ。

キミ、もう社会人でしょ?

今年で何歳?世間の皆々様が聞いたら鼻で笑うよ?」

「だが、事実だ」

 

小馬鹿にするような態度に眉一つ動かさず、女性は淡々と告げる。

揶揄い甲斐がないな、などと思っていると。

男はふと、自分を出迎えた婦警に見覚えがあることに気づいた。

 

「あれ?キミ、警察になったの?

僕みたいなこわーい殺人犯も出しちゃうくらいクソつまんない職場をわざわざ選ぶなんて、酔狂なことだねぇ」

「あんたと一緒にしないでくれる?

アタシはあんたのお目付役。いつだって、その顔面に靴跡つけてやれるんだから」

「おー、怖い。相変わらず正義感強いね」

 

警戒をあらわにする婦警を前に、男は心底どうでもいいと言いたげに適当な言葉を投げかける。

婦警は「人手不足じゃなかったらこんなやつ…!」と愚痴を吐き、ぐしゃぐしゃと短い髪を掻きむしった。

 

「で、僕はどこ行きゃいいの?」

「アタシたちが行くのは、風見野って場所。

…シャドウワーカーへの協力と引き換えに、魔女事件の終息まで監視付きで釈放っての、忘れんじゃないわよ」

 

婦警の言葉に、男はうんざりしたようにため息をついた。

 

「はいはい。…頼むから、楽させてよ?」

「ヤ。堂島さんの分までコキ使ってやるわ」

「ははっ。そりゃ怖いねぇ」




ムドオンクッキー…キュゥべえがブチギレるレベルの味。一袋5枚入り。口にするどころか視界に入れるのも躊躇う危険物。

???…キャベツ。シャドウワーカーへの協力を条件に一時釈放。釈放されて真っ先にしたのは、近場の焼肉でタン塩を食うことだった。

暁美ほむら…ストーキングして居場所特定余裕でした。
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