WBクルーで一年戦争   作:Reppu

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W重ショワームタンクにボコられたので初投稿です。


112.0083/10/21

「オイオイ、ここはガンダムの見本市かい?」

 

運び込まれる3機のガンダムを見てアルファ・A・ベイト中尉が戸惑いの声を上げた。俺のMkⅡも含めればアルビオンで4機、更にグレイファントムに2機配備されている事を考えればそんな発言も無理はあるまい。

 

「少佐!あのガンダムはパイロットが居ないって本当ですかい!?」

 

興奮した声音でそう聞いてきたのはモンシア中尉だ。ガンダム試作0号機、開発コードブロッサム。開示された連邦系技術でどの程度の機体が出来るのかを検証する為に建造された概念実証機。同じ0号機のコードを与えられているエンゲージと呼ばれる機体はテストパイロットごと出向してきたのだが、オマケとして渡されたこちらはパイロット無しの状態だった。聞けば一度連邦軍に引渡されていて、月面での哨戒中にテログループと交戦。その際に大破し、アナハイムに返却されたのだと言う。その後一応修復と調整はされたらしいが提供先だった連邦軍から不要との通達を受け倉庫に眠っていたのだそうな。因みに提供まで社内で稼働試験をするどころか提供寸前まで組み立てすらもしていなかったそうで、アナハイム側はテストパイロットも用意していなかったのだそうな。巫山戯てるのかな?

 

「乗りたいか?モンシア中尉」

 

「使い物になるってぇんなら使わん手はないでしょう?不肖このモンシア、ガンダムのパイロットを立派に務めて見せますよ!」

 

そう言われて俺は迷ってしまう。正直なところブロッサムは1号機以上にパイロットを選ぶ機体だ。多機能型高性能機と言う謳い文句だが装備からすれば遠距離砲戦を主眼に置いた設計だし、1号機と同様の構造を採用しているから推力に対して耐G機構が追いついていない。加えて1号機のようにユニバーサル・ブースト・ポッドを採用していないから運動性ははっきり言って悪い。寧ろ余計な大推力は姿勢制御の難易度を上げていて射撃戦で足を引っ張っているまである。一応ビームサーベルは装備しているが、背負い物のせいで格闘は不得手ときている。…これ正直使わねえ方が良くないか?

 

「因みにベイト中尉は希望するか?」

 

「俺ぁジム・カスタムが性に合ってます」

 

となると適性も含めれば三人だな。

 

「解った。モンシア中尉、アデル少尉とキース少尉の三人から適性を見て決める」

 

「…俺じゃ不足って事ですかい?」

 

俺がそう告げるとモンシア中尉は少し声を低くしてそう尋ねてくる。中尉は随分とガンダムに思い入れがあるようだ。

 

「不足じゃなくて適性だよ。MkⅡやガンダムだったら中尉に任せたんだが、ありゃ見ての通り砲戦重視だ。何でもこなせる中尉を宛がうのはもったいないのさ」

 

いっそMkⅡを中尉にまわして俺が乗ろうかとも考えたが、MkⅡは機密扱いの機体なので勝手に乗せると問題になる。何かいい手はないかと悩んでいると、モンシア中尉が照れた様子で口を開く。

 

「あ、あのう。俺の腕が信じられないって事じゃないんですね?」

 

は?

 

「中尉の腕が信じられないなら俺達の中で信じられるパイロットなんて居なくなっちまうよ」

 

一年戦争を生き抜いたMSパイロットの腕が信じられねえとかありえんからな?そう返せば中尉は何とも複雑な表情で頭を掻くと搬入されているガンダムへと視線を向けた。

 

「失礼します。ディック・アレン少佐でいらっしゃいますでしょうか?」

 

「ん?ああ、俺がそうだが。君は?」

 

微妙な雰囲気を崩したのは若い女性の声だった。振り返るとそこには何と言うか幸薄そうというか、苦労人っぽい雰囲気を纏った女性が立っていた。

 

「アナハイムエレクトロニクスより出向してまいりました、エンゲージゼロのパイロットを務めております、ペッシェ・モンターニュと申します」

 

そう言うと彼女は一瞬敬礼をしかけて、慌てて頭を下げた。その姿を見てモンシア中尉は目を細める。

 

「ああ。宜しく、ペッシェさん。しかし大丈夫か?」

 

「え?」

 

困惑した表情になる彼女へ俺は言葉を続ける。

 

「月でテロリストと交戦経験があるとは聞いているが、我々が対応するデラーズフリートは規模が遙かに大きい。間違いなく集団同士での戦闘になるぞ?」

 

軍事産業のテストパイロットが実戦に参加すること自体は難しい話ではない。一時的に軍籍に入れてしまえばいいからだ。だがそれと本人が納得しているか、理解出来ているかは別問題だ。

 

「はい、問題ありません」

 

「本当かねぇ?」

 

そう答える彼女に対し懐疑的な言葉が飛ぶ。見ればモンシア中尉が手すりにもたれかかりながらペッシェを冷たい目で睨んでいた。

 

「…経験を疑問視されているなら――」

 

「疑ってんのは腕じゃねえ、アンタ自身だよ。アンタジオンだろ?」

 

モンシア中尉の言葉にペッシェが顔を強ばらせる。それがなによりの証拠となり、彼は追求を続ける。

 

「動きを見りゃ元軍属かどうかくらい直ぐ解るんだぜ?元お仲間に銃を向けられるのかよ?第一」

 

ゆっくりと周囲を見回してモンシア中尉は息を吐いた。

 

「アンタと同じアナハイムから来た元ジオン野郎のせいでこの騒ぎだ。とてもじゃねえが俺ぁアンタに背中を向けられないね」

 

その一言で周囲に緊張が走る。何せここに居るのは第1小隊の面々と俺だけ、全員が一年戦争に参加した人間だ。それだけに軍人の仲間意識や連帯感などは良く解っている。そして友軍へ銃口を向ける忌避感もだ。そしてNTではない俺達に彼女の本音は解らない。だから土壇場でペッシェがジオンを取って俺達に銃口を向けないなんて保証は誰にも出来ないのだ。出来ないのだが。

 

「そこまでだ中尉。彼女の作戦参加は決定事項だ、俺達の気持ちでどうにかなるものじゃない」

 

「少佐は信じるってんですかい?そのジオン女を?」

 

まあ原作の知識からすれば彼女は信用出来るけども、俺が信用しているのはそっちじゃないんだな。

 

「ウチには勘が良いのが居るからな。怪しいことを考えた時点で後ろから撃ってくれるさ。だから彼女とセットで動いて貰えば問題は無いな」

 

まあ本当に撃った場合判断理由がNTの直感になるから、確実に責任問題になるが。とは言えその責任は俺に回ってくるから大した事ではない。強いて言えば俺とララァ中尉、そしてグリーンリバー少尉にペッシェと少々変則的かつ母艦が違うメンバーが小隊を組まねばならない事くらいだ。

 

「幸いバニング大尉も復帰するし、第2小隊は大尉とウラキにキースで担当して貰う。ペッシェ・モンターニュ」

 

「…はい」

 

「彼の一件について君になんら責任が無い事は承知しているが、それと君を信頼出来るかは残念ながら別問題だ。そこで一つ提案がある」

 

「何でしょうか?」

 

「君の機体は見たところ非常にデリケートなようだ。不幸にも出撃のタイミングで機体トラブルが起きる事もあると思わないか?」

 

出撃の度に何らかのトラブルをでっち上げて出撃させない事も出来る。そう伝えると彼女は目を見開いた後、真剣な表情で彼女は口を開く。

 

「あの子に使われている技術は、今は軍事技術です。けれどその技術は、いずれ後世の多くの人を救うと私は信じています。ですからそのご提案はお受けできません」

 

「後ろから撃たれるかもしれなくてもか?」

 

「…今の私にとって敵と呼ぶべき人が居るとしたら、それは終わったはずの戦争を続けて平和を壊す人達です」

 

「だそうだ、モンシア中尉」

 

「口じゃなんとだって言えますよ」

 

俺が話を振ると、彼は視線を逸らしてそう口を開いた。だが俺は知っている、モンシア中尉がこう見えて情に厚い人間である事を。

 

「けどまあ、少佐が決めたんなら従いますよ。俺ぁ軍人ですからね」

 

ぶっきらぼうに言い捨てる彼を見て、ベイト中尉とアデル少尉が苦笑しながら肩を竦める。どうやらこちらも納得してくれたらしい。

 

「さて、それじゃあ改めてブロッサムの適性試験としゃれ込むか。モンシア中尉とアデル少尉は30分後に機体の前に集合してくれ、俺はキースを呼んでくる」

 

「あの、テストでしたら、私に相手をさせて下さい」

 

俺がそう告げると真剣な表情でペッシェがそう提案してくる。意図が解らずに見返すと彼女は笑いながら口を開く。

 

「私の技量を知って頂く良い機会ですし、ブロッサムについても多少ですが知識があります。何かお役に立てるかもしれません」

 

「それでしたらキースは自分が呼んできます」

 

彼女の提案を聞き、すかさずアデル少尉が申し出る。ふむ、確かにパイロット同士の交流にはこれが一番か、割と脳筋な気もするが。

 

「解った、だがどうせならペガサス級の名物といこう」

 

「は?」

 

「ウラキにも声を掛けてくれ、後バニング大尉もだ。ベイト中尉、君もパイロットスーツ着用の上でハンガーに集合だ」

 

「は、あの少佐?」

 

「折角の機会だからな、全員の技量把握も踏まえて改めて総当たりの模擬戦だ」

 

幸い友軍艦隊との合流までは時間があるからな。存分に訓練と行こうじゃないか。何故か驚きの表情を浮かべる皆に対し、俺は笑顔でそう告げた。




オールS取得前にボスナーフされてしまったワシは敗北者。

どうでも良いですがペッシェは83時が一番可愛いと思います。
是非幸せになって欲しいですね!
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