麻雀狂 ミダリ   作:かさばる

4 / 23
第四話 懐疑

連荘が一切起こらないというルール。それは、チョンボが起こった場合も同等である。

東四局が、流局後、妄のノーテンリーチの発覚によるチョンボで終了。この局はやり直しとはならず、場は南入。南一局、妄の親である。

 

点数状況

 

妄:17000(前局のリーチ棒は本人に戻っている)

豆生田:23000

会長:36000

清華:24000

 

 

ドラは{⑤}、妄、配牌。

 

{一一二二三四七九九258東東}

 

なるほど。今度の配牌は、メンツ手で3シャンテン、七対子でリャンシャンテンか。悪くない。勿論悪くないが、今までの絶好配牌のような不気味さは薄い。

 

妄、第一打を{8}とする。まあ当然だ。メンホンに七対子、リーチで跳満。そこを狙って行くのが堅いだろう。

 

同巡、清華が打{4}

 

「ポン」

 

{44横4}

会長が鳴いた。そして打{2}

 

(まずいな、会長は早そうだ。まさに急所を鳴けてさぞ嬉しいだろうな)

 

次巡、妄{發}をツモ。ホンイツのパーツが一つ増えた。そして打{2}。

三巡目、今度は{東}をツモ。これにより妄、{東}暗刻。場は南場だが、親の為これは翻牌だ。

 

同じ三巡目、下家の豆生田から{九}が出る。

 

妄はこれが欲しかった。{九}は対子で持っている牌。ポンと思わず言いそうになり、すんでの所で我慢した。もう勝負は後半戦、何としても面前であがりたいのだ。

それも、赤を入れて。

 

そんな妄の我慢が実を結び、次の巡目で妄、{東}をツモ。だが、残念な事に、テンパイにまだ遠い状態での槓子の完成。妄は{東}をツモ切りする。

 

まだ大丈夫だ。これはバカヅキじゃない。まだまだ正当な方向への、つまりあがりへの可能性は、この手牌に残されている。

 

そして、次巡、妄。

 

(来たっ……!)

 

         {横赤五}

{一一二二三四七九九發東東東}

 

最高のツモ!処理に困っていた{一一二二三四}の六枚。これは、一二三の一盃口になりそうに見えなくもないが、既に一組持っていて受けが被る、二度受けのペンチャンなんて、しかも面前で引けるとは思えなかった所だ。そこに最高のツモ{赤五}。これで順子が一つ完成し、{一}と{二}の対子ができた。

 

妄、この手番を打{發}。

 

しかし。

 

「……ちっ」

          {横白}

{一一二二三四赤五七九九東東東}

 

……ツモ切り。

 

          {横中}

{一一二二三四赤五七九九東東東}

 

……ツモ切り。

 

 

そして、その後の二巡、{中}を連続で引いてツモ切り。結果論である為、嘆いても仕方無いが、できていたはずの暗刻をふいにしてしまった。あったかも知れない小三元への未練が頭をかすめる。

 

そんな雑念と、ツキの無駄使いにより影が差したか。妄、逆転と挑戦のホンイツ手が、イーシャンテンから動かない。

 

そして、気が付けばもうあと二巡で流局だ。そんな時。

 

「ポン」

 

豆生田が。

 

{⑤赤⑤横⑤}

 

動く。終局間際でのドラポン。

 

「ポン」

 

{五五横五}

 

下家の会長からの鳴きの為、豆生田の打牌の後、再び会長の番となり、会長は打{五}。これにより豆生田、二鳴き。

 

「ポンッ……!」

 

{5赤5横5}

 

豆生田、三回目のポン。三色同刻にドラ三。そして赤々。跳満だ。

 

「ポンッ……!」

 

{11横1}

 

豆生田、裸単騎……!

 

つまり、トイトイも確定し、倍満。テンパイである事は確実である。

 

 

そして、そんな土壇場で妄、持ってくる!面前リーチに至る牌、カン{八}を!

 

{一一二二三四赤五七八九九東東東}

 

{九}切りでテンパイ。しかしもう次のツモがちょうど海底。豆生田の待ちは何だ?まさかこの{九}という事はあるまいな?

 

……豆生田は、裸単騎に至る直前で、{②}と{④}を切っている。と、いう事は、{②③④}のメンツを崩して裸単騎に移行した?わざわざメンツを崩したのは当然、手を高くする為、か。

だとすれば豆生田は{③}単騎だ。妄が打ちたい{九}は当たらない。

 

(次のツモはちょうど海底……そうだ)

 

「リーチ!」

 

妄、{九}切りでリーチを宣言。それは裸単騎には当たらなかった。そして…………

 

「ツモッ!」

 

{一一二二三四赤五七八九東東東ツモ二}

 

「リーヅモ一発、海底にメンホン、東と赤一、裏々で十一翻だ!」

 

三倍満炸裂か。しかも妄は親だった。だが、ここで妄は。

 

「さあ、何点か教えてくれよ。会長」

 

………………

 

会長は答えた。

 

「満貫よ。4000オールになるわね」

 

今のあがりで確認できた。良いあがりだった。特殊ルールがいかにも絡みそうな偶発的な役、一発、海底、赤、裏を、全て含めてあがる事ができた。

 

「会長、こういう事だろ?面前で赤が含まれた手の得点は、一律満貫になる。しかし、面前を崩して赤を使えば、赤は通常通りドラになる」

「その通りよ。よく見抜いたわね。妄」

 

点数状況

 

妄:29000

豆生田:19000

会長32000

清華20000

 

 

南二局、妄は北家。

 

「ツモ!リーヅモ赤!満貫!」

 

妄、この南二局のあがりによって、ついに会長を逆転、37000と30000で、7000点のリードを有した。

 

しかし、そんな好機に対する逆風のように、南三局。ドラは{北}。

 

「ダブルリーチ」

 

{横北}

 

 

会長が、親番でダブリー。

 

なんてこと。この土壇場で。

 

だが、会長も妄も、その本性、感性は賭ケグルイ。このまま妄の意思、いや、意思以前にもその配牌が引き下がる訳も無く。

 

妄、配牌。

 

         {横六}

{一一一二三四四五③③③68}

 

 

「…………!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。