歌姫カガリのマクロス風SEED世界   作:ソロモンは燃えている

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アウラのサクセスストーリー2

 

 

 

 アウラは、日本地区の芸能界にデビューしてから順調にファンを増やしていった。

 彼女の才能や実力は大したものではなかった。

 高い実力や完成度を求める他の地域では、成功することなど出来なかっただろう。

 彼女の実力では、そもそもスタート地点にすら立てなかったはずだ。

 

 しかし、日本地区だけは別だった。

 未熟で未完成なままデビューすることを許容する土壌があった。

 

 他の地域にはない独特なアイドル文化。

 本来なら客を満足させる高いレベルの歌やダンスを提供することで対価を得る。

 なのに、ここではアウラのような未熟な存在に金を落としていくファンがいる。

 今のアウラには、それに相応しい実力がないというのに。

 

 彼らはなぜ金を落とすのか?

 それは未来への投資。

 いわゆる推し活と呼ばれるものだ。

 彼らはいずれこう言い始めるだろう。

 

「アウラは俺が育てた」

 

 その言葉は、間違ってはいない。

 彼らが出したお金でアウラは生活し、歌やダンスのレッスンを受けることが出来るのだから。

 彼らが応援してくれなければ、アイドルを続けていくことすら出来ない。

 彼らがいるから、アウラはその実力を高めていくことが出来るのだ。

 

 未熟な存在を応援し、その成長の過程を見守る。

 まるで保護者のような視点でアイドルを育てる文化がかつての日本にはあった。

 アウラは、そんな失われつつある日本文化を復活させるきっかけになっていた。

 

 

 

 そんな順風満帆のように思えたアウラのアイドル人生にも危機が訪れようとしていた。

 

 芸能界はなんでもありの魔境と呼ばれている。

 成功を妬み、足を引っ張ろうとする存在は何処にでもいるものだ。

 アウラの人気にケチを付けようとスキャンダルのネタを求めて調査していた記者がついに彼女の隠された真実を手にしてしまった。

 

 とあるセンテンスでスプリングな週刊誌にセンセーショナルな記事が掲載された。

 

 衝撃の事実!あの人気アイドルが年齢詐称!?

 

 本誌の記者が取材を重ねたところ、信じられない事実が判明した。

 現在、人気急上昇中のアイドルであるアウラさんが過去にコロニー『メンデル』で研究員をしていたことが明らかになった。

 その事実が示す彼女の実年齢は50代。

 サバを読むどころの話ではない。

 かつてこれ程、プロフィールと実年齢がかけ離れている芸能人が存在しただろうか?

 彼女は幼い外見を利用し、ファンの心を弄んでいたのだ。

 

 センテンススプリングキャノンと呼ばれる暴露記事は、アウラのファンを騒然とさせた。

 俺たちは騙されていたのか?

 幼い彼女が頑張る姿を応援していたのに!

 

 非難の声が上がり、瞬く間に炎上してしまう。

 アウラは火消しのための釈明会見を行わなければならなくなった。

 

 

「ぐぬぬぬぬぬ・・・」

 

 

 釈明会見でアウラは厳しい追求を受けていた。

 実に40歳以上というサバを読むどころではない、前代未聞の年齢詐称を責め立てる急先鋒となった女記者の追求に対し、事実故に歯噛みをすることしか出来ない。

 

 本来、幼い子供が歯を食いしばり、辛そうにしている姿は見ていて胸が苦しくなるものだが、アウラの実年齢を知っている記者は良心の呵責を覚えることなく厳しい言葉を投げつけていく。

 

「ええい!うるさい!うるさいなのじゃ!

 妾だって、好きでこの姿になったのではないのじゃ!」

 

 幼い身体に引っ張られているのか、彼女の自制心は強くない。

 別の時空では、少し挑発されただけで戦略兵器の照準をオーブから戦艦であるミレニアムに変更してしまうくらいに煽り耐性が低い。

 そんな彼女が厳しい追求を前にしてキレてしまうのはある種、必然のことであった。

 

「なのじゃ?妾?」

 

「はっ!」

 

 しまったなのじゃ。

 つい封印していた口調が出てしまったのじゃ。

 

 彼女は新国家ファウンデーションを建国し、そこで女帝として君臨する予定だった。

 そのため、幼い姿では不足する威厳を補うために古めかしい口調を練習していた。

 追い詰められて精神的な余裕がなくなったことでその口調が出てしまった。

 

 どうする?

 どうすればいいのじゃ?

 いや、出てしまったものは仕方がないのじゃ。

 どうせ実年齢もバレているのじゃから、もうどうにでもなれなのじゃ!

 

「そもそも、お主は何様のつもりじゃ!

 妾は、いずれ(ファウンデーションの)頂点に君臨する者じゃぞ」

 

「(芸能界の)頂点にですって!?」

 

「そうじゃ!

 妾にはそれだけの器がある」

 

「そ、そんなちんちくりんな姿で何を言って・・・」

 

「これでも包容力には自信があるのじゃ!

(オルフェ達)子供たちも妾に膝枕されて頭を撫でられるのが好きじゃと言うておる」

 

「子供達!?」

 

 突然の別キャラ。

 芸能界の天下取ります宣言。

 子持ち。

 次々と繰り出される衝撃に記者達もタジタジになってしまう。

 

「もう隠し事はせぬ。

 これが全てをさらけ出した、ありのままの妾じゃ。

 気に入らぬと言うなら好きにすれば良い」

 

 ブチ切れたアウラは、その勢いのまま押し切り、会見を終了させた。

 

 

 

 

 とある掲示板にて

 

 おい、センテンススプリングの記事を見たか?

 

 ああ、あれってマジなのか?

 

 アウラちゃんを大人にしたような姿の写真も掲載されていたし、本当っぽい

 

 マジかよ、あの姿で実年齢50代って

 

(悲報)ロリだと思っていたら年上のお姉様だった件

 

 お姉様ってかBBAじゃねえか!

 

 本当はBBAだったなんて失望しました

 ファン辞めます

 

 落ち着けよ、この件に関して釈明会見するみたいだし、それを見てからでも遅くないだろ

 

 なあ・・・俺、思いついてしまったんだけど

 

 なんだ、碌でもない予感がするが聞いてやる

 

 今までアウラちゃんが幼女だと思ってたからコンプライアンス的なものに触れないよう気をつけてきたわけだけど

 

 おい、ちょっと待て!

 

 それは!

 

 ガタ!

 

 ガタガタ!

 

 もし、アウラちゃんのエッな写真集とかが発売されたとしても、どんな法律や条例にも引っかからないんじゃないか?

 

 天才か?

 

 確かに50代女性の写真集でしかないからな

 

 て事は、アウラちゃんは合法ロリ?

 

 合法ロリが実在するなんて、日本国時代の創作物の中にしかいないと思ってた。

 

 待ってくれ、記事にあるメンデルって20年近く前にテロの被害で放棄されてる

 

 ブルコスのテロか

 

 当時は結構な騒ぎだったらしいな

 

 記事のアウラ博士はその時から消息不明になってる

 

 今の姿になったのはその時ってことか

 

 つまり?

 

 10何年も今の姿のままってこと

 

 まさか、あの伝説の?

 

 ああ、エターナル・ロリータでもあるんだ

 

 なっ、なんだってーーーー!

 

 

 

 

 さて、釈明会見が始まったわけだが

 

 アウラちゃん、ぐぬぬぬぬって

 

 幼女が悔しがる姿、いいよね

 

 あの女記者、言葉がキツくね?

 幼女相手に大人気ない

 

 まあ、相手の実年齢は50代なわけだが

 

 嫉妬だろ

 若返って、子供特有のプルプル肌を取り戻してるわけだし

 

 あー、そういうことね

 

 くそ〜、あの記者、アウラちゃんをイジメやがって

 

 

(会見でアウラがキレる)

 

 のじゃロリ来たーーーーー!

 

 何、この口調、こんなキャラまで隠してたの!?

 

 何処まで俺たちを惑わせるんだ!

 

 なあ、ちょっと前に特定班の連中が騒いでたよな?

 

 ああ、アウラちゃんが実は名家の出身でお嬢様だったとか

 

 世が世なら王族とか貴族をやってたかもしれない血筋だって

 

 これが本来の口調ってことか

 

 

 アウラちゃん、はちゃけたな

 

 芸能界の天辺取ったる宣言は草w

 

 草に草を生やすな

 

 いや、さすが俺たちのアウラちゃんだ

 

 

 ちょ、待って、子持ちなの!?

 

 情報、多すぎ!

 個性が渋滞してるよ!

 

 会見前の時点で持ってた属性

 合法ロリ、エターナルロリ、高貴なお嬢様

 

 会見で新たに加わった属性

 のじゃロリ、女帝キャラ、実は子持ち(今ここ)

 

 どんだけ属性詰め込んでるの!

 

 ただのロリっ娘だと思ってたけど、実はすごくすごかったんだな

 

 あまりの衝撃に語彙が壊れてるぞ

 

 しょうがないだろ

 他にこんな娘いる?

 

 唯一無二だろうな

 個性の強さだけならカガリが霞んでしまうレベル

 

 言いすぎ!と言えないのがすごいな

 

 マヂでこれ

 

 これは押すしかないでしょ

 

 本人も芸能界で天下取ること望んでいるんだし、俺たちがアウラちゃんを押し上げるんだ!

 

 

 

 会見後のコンサート

 

「「「「アウラ様ーーーー!」」」」

 

「皆、よく来てくれたのじゃ!

 妾の新たな門出を祝ってくれなのじゃ」

 

 会見後、一部炎上したものの新たに熱狂的なファンを獲得することに成功。

 芸能界を引退するどころか、逆に話題を全て掻っ攫ったことで人気は急上昇し、女帝キャラとして新たなスタートを切る。

 

 アウラが持つ様々な属性は、多くの日本人の性癖に刺さった。

 目覚めた日本人達に支えられ、アウラは今日も歌う。

 

「妾に傅くのじゃーー!」

 

 アウラ帝の前進は今日も止まらない。

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