長篇ドラゴンクエストⅢ ASTEL・SAGA   作:ちこちろん

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はじめまして。ちこちろんと申します。ハーメルンでは初めての投稿です。
何かと至らぬ点があるかと思いますが、私の小説が皆様のお暇潰しになれたら幸いです。





序章

 

 アリアハン帝国。

 かつてこの世界の全ての領土を支配していた最強の国だった。

 

 しかし皇帝の独裁制を良しとしなかった部族達が手を取り合い、反旗を翻す。

 

 皇帝に加勢する部族はないに等しく、やがて疲弊し劣勢に追い込まれたアリアハン皇帝軍は、大陸から大陸へと渡る転移魔法装置〈旅の扉〉にて、広大で豊かな西の大陸から海を越え、遥か遠く南の孤島へと撤退する。

 

 転移後、皇帝は直ぐ様〈旅の扉〉を封印し、領土を放棄した事によって皇家は滅亡から免れた。

 

 アリアハンは帝国から王国へと名を変え、鎖国の時代を迎える。

 

 アリアハンが手放した領土には新たな六つの国が誕生した。

 

 時は流れ、アリアハンを含む七つの国の国主が、全能神を奉る中立地帯ダーマ神殿に集い、停戦協定を結んだ。

 

 こうして長く続いた戦争は終息し、世界はついに安息の日々を迎えた。

 

 

 戦争の過去はやがて歴史となり、人々の記憶から薄らいだ頃。

 

 世界の平穏は突如として破られる。

 

 

 魔王バラモス。

 

 大地神ガイアを崇めるグランディーノ王国の領地に大穴を開け、彼の者は配下の魔族を率いて現れ、王国を強襲した。

 王国を守る兵団も神官、魔法使いもバラモスの牙と爪に引き裂かれ、または吐き出す炎の塵となった。強き聖力を秘めた王族はバラモス自らが、か弱き民草は魔族や魔物が屠り、喰らった。

 聖なる王国は一夜にして滅び、美しき城は異形な魔王の居城に成り代わった。

 清らかなる湖は腐臭漂う毒の沼地と化し、草花は枯れ、魔物達が徘徊した。自らの領域を汚された事に大地神が怒ったかの如く、ギアガ山は噴火し続けた。

 

 後に人々はこの大陸を、死を司る大地〈ネクロゴンド〉と呼ぶようになる。

 

 

 魔王出現により、世界各地に元来生息していた魔物達にも異変が起こる。

 息を潜めるように暮らし、夜間に行動する魔物達が、凶暴化し昼夜問わず人里に降りて来て人々を襲いかかるようになり、一つまた一つと村集落が地図上から姿を消した。

 

 魔王の進行を食い止めんと数多くの勇敢な強者達が立ち上がったが、その全てが凶暴化する魔物達の餌食となるか、または魔族の奸計にはまり苦汁を飲まされた上、悲惨な末路を辿った。

 魔王の足元、ネクロゴンドの地に辿り着くことすら叶わない現状に、やがて人々は魔王に立ち向かう事を諦め始める。

 

 魔王バラモスの地上侵略は着々と進んでいった。

 

 

 アリアハン王国。

 小さな島国のこの地より、愛する祖国、愛する家族の為、魔王を討たんと一人旅立つ男がいた。

 

 男の名はオルテガ=ウィラント。

 

 国一番強く、そして勇猛果敢な男だった。アリアハン王はその勇気を讃え、彼に〈勇者〉の称号とその証を与えた。

 行く先々で人々を襲う魔物を駆逐し、自らの命を狙う魔王の刺客をも退け、今まで誰も成し遂げられなかったネクロゴンドの地についに降り立ったが、ギアガ山の荒ぶる火口付近でその消息を絶つ。

 

 彼をネクロゴンドまで送り届けた船乗りは、船上から空を覆わんばかりの魔物達が火口目指して飛び立つのを目撃したという。

 







《グランディーノ》という国はゲーム内にはありません。

これからよろしくお願いいたします!
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