長篇ドラゴンクエストⅢ ASTEL・SAGA   作:ちこちろん

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仲間

 

 

 「勇者誕生だってよ!」

 「勇者オルテガの子は娘じゃなかったっけか?」

 「十六になったばかりだろう? もう旅立つのか?」

 「勇者になりたい娘なんだろ? 筋肉ムキムキの女なんじゃないのか?」

 「俺知ってるぜ! この酒場の向かいのでっかい家が勇者の家だ。勇者の妻がえれぇ美人なんだが、娘もこれまた美少女なんだよなぁ」

 

 ルイーダの酒場は真っ昼間だというのに賑わっていた。この酒場を利用するのはもっぱら旅人や流れ戦士達。

 何故ならここは旅人に仕事を斡旋したり、通行手形を発行する旅人〈ギルド〉でもあるからだ。

 そして今注目の話題は勇者オルテガの子が、女だてらにその後を継いだ事だった。

 勇者となり、旅人となったその娘は必ずこのルイーダの酒場に立ち寄り、ギルドの加盟と手形の発行の手続きをする筈。

 もしかしたら旅の同行者も募るかもしれない。

 世界にその名を轟かせた勇者オルテガの娘を一目見たいとわざわざ船の便を一日遅らせて待つ旅人もいた。

 

 (今夜宿屋は盛況するだろうな)

 

 タイガは思った。

 この男、年齢(とし)は二十歳半ばくらい。背は高く、短く刈上げた黒髪はアリアハンでは珍しくないのだが、塗物のような光沢のある漆黒は彼が異国の者だとわかるものだった。

 筋骨逞しい体に緑の武闘着を纏い、白いズボンに、動物の革で出来たしなやかな黒の靴にリストバンドと、その風貌は己の体躯を武器とする武闘家そのものだが、腰帯にはその武闘家が使う事は滅多にない剣が下がっていた。

 半年前からこのアリアハンに滞在し、ここルイーダの酒場で路銀稼ぎの為、配膳係兼用心棒に勤しんでいる。

 隻眼なのか、右目には黒の眼帯をしているが、漆黒の左目は穏やかで、その笑顔は人慣っこい。

 

 カランっとドアベルが鳴る度、店内は静まりかえり、皆が一斉に店の出入り口に注目する様が面白かった。

 お目当ての人物ではないと知ると、再び店内は賑わう。

 首を傾げた来店者は事情を知ると、我も……と椅子に腰掛け、本日誕生したばかりの勇者の登場を待つ。

 そんな連中で店はぎゅうぎゅうとごった返していた。

 (そろそろ椅子が足りなくなるな……)

 空の酒樽でも持って来て代用しようかとタイガが思案していた、その時。

 

 「へえ~! そんな可愛こちゃんなら是非お兄様が旅の手解きしてやらないとなぁ!!」

 「手取り足取り腰取り……ってかぁ?」

 

 中年の戦士風情の男二人組の下品な笑い声が店内に響き渡る。

 いかん と、タイガが思った時既に遅く。

 

 「アステルにぃえっちぃ事ぉ言わないでぇ!」

 

 猫なで声と共に酔っ払い二人組の頭に強烈なお盆攻撃が見舞われる。

 お盆は四角く、そして角で打ったと見た。

 タイガは片手で顔を隠してあちゃーと唸る。

 頭を抱え痛みに悶える、二人組の前に仁王立ちするのは金髪巻き毛の見目麗しい娘。

 ミルクの様に白い肌、減り張りのある魅惑的な肢体を、スパンコールを散りばめた柔らかい桃色薄絹のローブが包み隠し、動きやすそうなしなやかな赤い靴を履いている。

 紅髄玉(カーネリアン)の瞳を猫のように釣り上げ怒っているが、なんとも愛らしい。

 

 「マァム……」

 

 踊り子の彼女は、勇者騒動で今は誰もステージを見てくれないので、配膳係を手伝ってくれていたのだが。

 

 「いってェ……! 血ぃ出てやがる……このアマ!! 何しやがるっ!!!」

 「天誅ぅ~!」

 

 なおもお盆を振りかざす娘。

 戦士は娘のその胸ぐらを掴もうと手を伸ばすが、いつの間にかその側に移動していたタイガのさらに大きい手に手首を捕まれ阻止される。

 念の為マァムのお盆を掴む手首も掴んでおく。

 

 「マァム。腹が立ったからって手を出しちゃいかん。この人達に謝るんだ」

 「むううぅ! でもぅ! その人達がぁっ!!」

 

 タイガの言葉にマァムは子供のように地団駄を踏む。

 

 「マァムがアステルの為に人を傷つけたって知ったら、優しいアステルは悲しむんじゃないのかなぁ?」

 「うっ!?」

 「だからちゃんと謝って。傷も治してあげるんだ」

 「ううう~!」

 

 タイガは大きな背を屈めマァムの顔を覗き見る。マァムは不服そうな表情のままお盆を近くのテーブルに置き、戦士の頭に手を翳した。

 

 「……ホ~イミ~」

 

 マァムの手から暖かな癒しの光りが放たれ、戦士の頭の裂傷がみるみると消える。

 流れた血は戻らないので、タイガがおしぼりを差し出した。そうしてる間にもマァムはもう一人の男にもホイミをかけ傷を癒した。

 

 「……ごめんなさいぃ」

 

 渋々といった感じで謝罪するマァムにタイガがやれやれと眉尻を下げ、彼女を援護する。

 

 「こうして謝って、怪我も治した事だし許してやってくれないか?」

 「そいつ全然悪いと思ってねぇだろ!! 怪我だってそいつがやった事だろうが!! 治したからって、恩着せがましく言ってんじゃねぇ!!!」

 「いや……そんなつもりはないんだが、そう聞こえたのなら すまなかった」

 「んな……っ「あたしからも謝るよ。娘が失礼したね」

 

 声がした方を向くと、店のカウンターテーブルで頬杖をつく中年女性が見ていた。

 紺に近い黒く長い髪を結い上げ、金の簪で飾っている。露出の多い真っ赤なドレスを上品に着こなしている、威圧感のある美女。

 

 「マダムの……娘?」

 

 戦士は苦々しくマァムを見下ろした。

 アリアハンの旅人ギルドマスター マダム・ルイーダ。その娘。

 そうとわかれば最早手は出せない。

 ギルドマスターに喧嘩を売ってもなんの得にもならない。

 下手な騒動を起こせば手形没収。ギルドからの除名処分になりかねない。

 ルイーダは酒棚から一本の葡萄酒(ワイン)を取り、タイガへ放り投げる。タイガはそれを難なく受け取ると男達のテーブルに置いた。

 

 「そいつは詫びだ。あと今まで飲んでた麦酒(ビール)と飯の代金は無しにするからさ。許してはくれないかい?」

 「まっ……まあ、マダムがそこまで言うんなら……」

 

 舌打ちをし、戦士は椅子に腰かけた。

 ルイーダは一つ息を吐き、そしてにっと笑うと声を張り上げた。

 

 「今日は希望の勇者の誕生日だ! 皆、大いに盛り上がってくんな!!」

 

 

* * * * * * *

 

 

 先程の悪い空気が払拭し、酒場が賑わい取り戻した頃、再びドアベルが鳴り、来店客に一斉に視線が集まる。

 しかし、今までと違いその沈黙が長かった。

 来店客の方も、酒場に所狭しと(ひし)めく酒場の客の人数と、その全員に見詰められて思わず固まる。

 その男は美しかった。女と見間違える程に容姿端麗だった。

 まず目を惹くのは、世にも珍しい銀色の髪。次に肌。透き通るような青白く女性的な肌。切れ長なその瞳は、火酒(ウィスキー)の様な琥珀色が妖しく煌めいていた。

 銀髪の男は視線を振り切るように颯爽とカウンターへ進む。

 

 「手形の更新依頼なんだが、窓口はここでいいか?」

 「ああ……いやっ、登録と更新は二階の窓口でやってんだよ。あんた名は? 所属ギルドはあるかい?」

 「スレイ=ヴァーリス。所属は盗賊ギルドだ」

 

 喋るうちにルイーダは落ち着きを取り戻す。男は華奢に見えるが、無駄な筋肉が一切付いていない、鍛え抜かれた体躯をしている。なにより使い込んだであろう黒装束に、革の鎧、手袋(グローブ)長 靴(ロングブーツ)が熟練の旅人である事を物語っていた。

 

 「しっかし あんた珍しい毛色だねえ。悪いけど人間かどうか疑っちまったよ」

 「うんうん。童話に出てくるエルフみたいですよね!」

 「そうそう! 妖精まで噂の勇者を見に現れたかと思ったわ!」

 「大抵どこでも珍しがられているが、そんな事を面と向かって言われるのは子供の頃以来だ……」

 

 半ば呆れたように言う彼に、ルイーダは腰に手を当てハハハッと笑う。

 

 「この子は意外とロマンチストな所があるからねぇ」

 「意外とって、どういう意味ですか!」

 「ところで勇者とは?」

 「今日新しく誕生した勇者。勇者オルテガの娘 アステルさ」

 「あっ、それ私の事です。アステル=ウィラントっていいます」

 「そうそう! この子がアステル……って、え?」

 

 『え?』

 

 皆の視線が一斉に銀髪の男の隣に立つ少女に注がれる。

 襟元がたっぷりした紫紺の外套(マント)を羽織り、その下は白の綿のブラウスに、丈夫そうな生地で出来た青のチュニック。白いズボンに革の長 靴(ロングブーツ)を履き、二の腕まである長手袋(ロンググローブ)をしている。背には真新しい鋼の剣を背負い、短い黒髪に額を飾るのは。

 彼女の瞳の色と同じ瑠璃の宝玉が填まった額環(サークレット)───〈勇者の証〉。

 

 『勇者 いつの間に~~っ!!?』

 「「一緒に入ってきたよ(ぞ)」」

 

 皆の叫びに二人は平然と答えた。

 

 「……って、いうわけで スレイさん」

 

 皆が二の口を告げられぬ中、アステルはスレイを見上げる。

 

 「宜しければ私と魔王討伐の旅に出ませんか?」

 

 (((軽いっ!!)))

 

 皆が皆、心の中で叫んだ。

 

 「いいけど」

 

 (((即答っ!!?)))

 

 アステルの無謀にしか思えない誘いに、考える間も見せずあっさりと承諾したスレイに、またもや皆が心の中で叫んだ。

 

 「マァム、タイガ!! 二人ともいいでしょ?」

 「アステルが決めたのなら俺は構わんぞ」

 「あたしも~!」

 

 アステルの登場と行動にマァムもタイガも特に驚かない。アステルに目敏い所があるのも、決めたら即実行な性格なのも二人は知っている。

 

 「二人は?」

 「私の旅に一緒に来てくれる仲間です。タイガ、マァム。私達二階で手続きしてくるね」

 「ああ。こっちも休憩に入ったら二階に行く」

 「じゃあ、二階の休憩所でね。ルイーダさん二階に上がってもいい?」

 「あっ……ああ。どうぞ」

 

 どこまでもマイペースなアステルはスレイを連れて二階へと階段を昇る。

 途中、別に普通に喋って良いぞ。オレの事も呼び捨てで良い。と、じゃあ、そうさせてもらうね スレイ。という二人の会話を聞きながら二人が二階へ姿を消すまで、人々はただ、ただ黙って見送った。

 

 

* * * * * *

 

 

 「入り辛いなぁ……」

 

 アステルはルイーダの酒場、入り口手前で口に拳を当て途方に暮れていた。酒場の中はいつも以上に人が入り、賑わっているのが外からでもわかる。繁盛している原因は恐らく〈自分〉だろう。

 物珍しく見られ騒がれるのも、冷やかされるのも、酔っ払いに絡まれるのも出来れば避けたい所だった。

 

 「入らないのか?」

 

 背後から声が掛けられ、アステルは振り返り見上げた。そして、大きな瑠璃の瞳を更に大きく見開いた。太陽に透けてさらさらと白銀の光を溢す髪に、此方を見下ろし煌めくその瞳は宝石(アンバー)

 

 (────妖精がいる)

 

 アステルはそう思った。

 水際だった容姿とはこのような若者の事をいうのだろう。とも思った。

 

 (……顔だけ見たら女の人と間違えるよ)

 

 だが、細いながらも精悍な体つきは明らかに男性のそれで、先程掛けられた声は低く耳当たりがとても良かった。ならば役者かと思う所だが、ただの役者が全く隙のない佇まいをするわけがなく。

 若者の観察を続けるアステルは、彼の頑丈そうな革の腰ベルトに携えた武器の数に驚く。まず鋼の刃の付いたブーメラン。

 

 (あれ、私が使ったら間違いなく怪我する……)

 

 それに竜を模した鞭に、針の様な武器、ダガー……と。武器は近接戦、遠隔戦両方に対応出来る種類だった。

 

 (これ全部扱って、旅をしてきたのならこの人は物凄く強い)

 

 アステルは彼がどのようにこれらの武器を扱うのか、どんな風に戦うのか見てみたかった。

 

 「……い、……おい! 大丈夫か?」

 

 黙りこくっていたアステルに、若者は身を屈めて訝しげにその顔を覗き込んだ。

 

 「っ、……すみません! 大丈夫です。ちょっと緊張してて……」

 

 ややあって我に返ったアステルは、慌てて手を振り、頭を下げる。初対面の相手を、不躾にじろじろと見てしまった事を恥じた。

 

 「今日初めて、旅ギルドに加盟手続きするんで」

 「……もしかして、酒場に来るのは初めてか?」

 「いえ、実家がこの近くなんで。ここにお酒買いによく来るし。なにより友達の家なんで」

 「と、いう事は 武者震いか?」

 「そんなとこです。邪魔してごめんなさい」

 

 照れ臭そうに頬を掻くアステルに、彼はふっと表情を和らげる。

 

 「だったら一緒に入るか?」

 「いいんですか!?」

 

 ぱっと顔を上げるアステルに若者は首を傾げた。

 

 「大袈裟な……一緒に店に入るだけだろう」

 「いいえ。……すっごく助かります」

 

 アステルはにーっこりと笑った。

 

 

* * * * * *

 

 

 「……狙っただろ?」

 

 二階に上がり、開口一番若者……スレイは。アステルに言った。

 

 「ごめんなさい」

 

 そう。アステルは狙っていた。

 スレイの人を惹く容貌で。オルテガの娘見たさに(たむろ)っている、酒場全員の視線を全て彼に向けさせられるかもと。

 謝るアステルだったが、スレイは特に根に持ってないらしい。むしろ面白がっている。

 

 「なかなかずる賢いな。勇者どの?」

 

 アステルは頬を指で掻きながら苦笑いし、もう一度ごめんなさいと謝った。

 

 「で、だ。同行のお誘いもその場凌ぎのデマカセか?」

 「違うっ! それは本気のお誘いっ!! スカウトってやつ!!!」

 

 両手に握りこぶしを作り、懇願するよう言うアステルにスレイは、ハッ!と笑って彼女の頭にぽんっと手を置いた。

 

 「それを聞いて安心した」

 

 言ってスレイは手形更新をしに、窓口へと足を運ぶ。アステルもその後を慌てて追いかけた。

 

 

 手続きを終えると、二人は二階の休憩所に向かった。休憩所には既にタイガとマァム、そしてもう一人。

 背の高い娘だった。健康的な小麦色の肌に、珊瑚色の長い髪を、金の髪止めで結い上げている。青く染められた麻のベストを羽織り、白のチューブトップとサルエルパンツを纏っている。足元は革のショートブーツを履き、首元と両手首と二の腕に金のチョーカーとバングルを身に付け、耳には瞳の色と同じ翡翠のイヤリングが揺れていた。

 

 「シェリル。お仕事終わったの?」

 「おーう、アステル! なんとか店の引継ぎ済んだで。……おや、新入りさんか? えらい別嬪さんやないか」

 「そう! つい今さっき、仲間になったの。じゃあ、皆揃ったとこで改めて自己紹介をしましょう!」

 

 アステルはぽんっと両手を合わせ、席に着く。スレイは無難に同性のタイガの隣に座った。

 

 「一人ずつ名前、年齢、職業、戦い方……えっと、使える呪文や特技。あと、旅の目的があれば教えて欲しいかな」

 「旅の目的はバラモス打倒だろ?」

 「うん。確かにそれは私の目的だけど。けど、皆にそれ以外の目的があるのなら、私も力になりたいと思ってるから。」

 

 じゃあまず私からと、アステル。

 

 「アステル=ウィラント。十六歳。勇者。特技は剣術。使える呪文はメラとホイミ。呪文はまだ二つしか使えないけど、頑張って修行します!」

 

 次あたしぃとマァム。

 

 「マァム=ヴェルゼムだよぉ。歳はぁ多分じゅぅはちぃ。職業はぁ遊びにーん! 特技はぁ鞭でびしばしぃ!! ホイミとぉキアリーがぁ使えるよぉ! 目的はぁ、アステルのぉ力にぃなる事ぉ! ヨロシクぅ!!」

 

 スレイにウィンクを贈るマァム。何故、遊び人が回復呪文が使えるのか、何故歳が多分なのか。問いたい事が咽の手前まで持ち上がったが、なんとか飲み込んだ。

 

 ほな、次ウチな とシェリル。

 

 「シェリル=マクバーン。十九歳。商人や。呪文は使えへんけど、武器は大抵の物は扱えんで。戦い以外じゃ、武具、道具の鑑定能力は呪われとるかどうかまで見極められるレベルや。パーティーの財産管理も任せとき! 旅の目的は幼馴染のアステルの手助けってのもあるけど、いつか自分の商会立ち上げる為にも、世界中の市場見て廻って見識を深めたいってのもあるな。宜しゅうな!」

 

 そう言ってシェリルは手を差し出す。スレイは求められるまま、握手を交わした。

 

 「……成る程な」

 

 ニヤリと笑うシェリルにスレイは首を傾げ、手を離した。

 

 「因みに私とシェリル、マァムは幼馴染同士です」

 

 ねーっと、顔を合わせ笑い合う女子三人組。

 

 じゃあ、スレイは最後に、とタイガ。

 

 「タイガ=ヤクモ。二十五歳。武闘家だ。呪文は使えん。武器は爪とこの体だな。旅の目的は武道を極める事か。皆ほどなにか出来るわけじゃないが、宜しく頼む。因みにこの剣は御守りみたいなものだ。あまり気にせんでくれ」

 

 そう言って、タイガは自分の腰帯に下がる剣の柄に触れた。

 

 皆の視線を受け、スレイが口を開く。

 

 「スレイ=ヴァーリス。二十一歳。盗賊。だが、盗みはしない。オレは発掘調査や宝探し専門だ。武器は投擲(とうてき)・鞭・短剣・長剣が扱える。あと盗賊ギルドに入る為のスキルは全て身に付けている。使える呪文はレミラーマとフローミ。……物探しと迷宮探索の呪文だ。オレの旅の目的はガイアの剣という伝説の剣を探している。一人での探索に限界を感じ始めていたから、アステルの誘いに乗った。

 こんな理由だが仲間に入れて貰えるか?」

 

 アステルは瞳をきらきらとさせ、突然スレイの両手をがしっと掴み、ぶんぶんと上下に振った。

 

 「全然! むしろ大歓迎!! このタイミングで発掘のプロが仲間になるなんて、なんて幸運なんだろう!! 宜しくお願いします!!!」

 「? ……あっ、ああ。こちらこそ」

 

 アステルの尋常じゃない喜び方に、スレイを始め皆たじろぐ。

 

 「なんや、アステル。なに、そんな興奮してんねん。」

 

 「実はね……」

 

 アステルは城で受けた、王の依頼を皆に話した。

 

 

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