長篇ドラゴンクエストⅢ ASTEL・SAGA   作:ちこちろん

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賢者は眠る

 

 

 岬の洞窟は自然に出来たものに、人の手が加えられたものだった。

 そして暗くて湿気の多いこの場所は、魔物にとっても好条件なのだろう。地上で遭遇する時よりも活発で厄介だった。魔物達を蹴散らし地下へ地下へと暫く歩く。

 

 「ホ~イミ~~!」

 

 マァムの癒しの呪文の光が、腰を下ろしてたアステルに降り注ぎ、傷を癒す。

 

 「ありがと、マァム。マァムは怪我してない? 呪文使って疲れてない?」

 「へぇ~きだよぅ! まだまだイケるっす」

 

 「雄忍(オス)っ! 」と、拳を突き出すマァムにアステルは笑って自分の拳を当てた。

 「今俺達はどこを歩いてるんだろうな」

 ストレッチして筋肉を解しながら、タイガは呟く。

 

 「おそらく海の真下だな」

 

 と、自生していた薬草を見つけ、回収しているスレイが答えた。

 

 「……あかん。今、ここで地震なんか起きたらとか、考えてもうた」

 

 崩落を想像し、ぶるるっと身震いするシェリル。

 

 「アリアハンに地震は滅多にこないよ。こないけど……さっさと出たいね」

 

 アステルも顔を若干引き釣らせて、立ち上がった。

 

 その願いが通じたかのように、この階で昇り階段を見つけた。長い階段を昇り続けると、今度は大きな水路の遺跡に出た。

 ここは完全に人の手で造られた空間だった。高い壁から絶え間なく膨大な海水が滝のように流れ落ちているが、底は一定の水量を保っていた。おそらくどこかで再び海へと排水されているのだろう。

 その風景に一行は、ほうっと感嘆の息を吐いた。

 

 「大昔の人って明らかに私達より文明が進んでるよね……」

 「古代大戦でこういった機能している遺跡は、ダーマやイシスを除いて、ほぼなくなったと聞いていたが、戦火を逃れたこの大陸にはまだ残ってたんだな」

 

 スレイも興味深げに辺りを見回した。

 階段を見つけ、更に昇って行くと、青煉瓦の壁の建物内へと辿り着く。一階は出入口が吹き抜け仕様で、潮っ辛い風が入り込んでくる。辺りはもう暗く遠くが見通せない。洞窟に入っている間に、日は暮れてしまったようだ。

 アステルは一旦外に出てみた。そこは断崖絶壁。回りは夜の黒い海。

 そして背後には───ナジミの塔。

 仰ぎ見過ぎてふらつくアステルの手を、スレイが素早く掴んだ。

 

 「何してる。危ないぞ」

 「あ、ごめん」

 「アステルーーっ! この塔、宿屋があんでーーっ!!」

 「泊まれるってぇ~~っ!」

 

 シェリルとマァムが両手をブンブン振って嬉しそうに叫んだ。

 

 

 宿屋といっても、塔の小さな地下室に流し台と竃を設置し、雑魚寝出来るよう床に分厚いラグが敷かれた簡素なものだった。しかし、魔除けの結界かなにか張られているのか、魔物が入ってくる気配が全くない。

 

 「いや~っ! 嬉しいなぁ。久しぶりのお客様だ」

 

 宿屋主人の中年男性は笑顔でアステル達を接待した。海で釣った白身魚や海老を、炒めた玉葱とニンニクと一緒にトマトスープで煮込んだ魚介のスープ。それにパン、暖めたワインをアステル達に振る舞った。

 

 「これぇ! このすーぷ、ぅおいしいィ~~!!」

 「うん。いい味だしてるな」

 

 マァムとタイガは盛んな食欲をみせた。

 

 「こんな塔の地下に宿屋なんかやってて儲かるんか?」

 

 シェリルはワインを傾けながら主人に聞く。

 

 「ここは元々アリアハン王国兵団の鍛練場なのは知ってるかい?」

 「聞いとるけど……」

 「この下の水路の階に鍵が掛かった扉が幾つかあったろう? あの中の一つにアリアハン城内に通じてる扉があるんだよ。そこから訓練に来る兵士がたまに来て利用してくのさ」

 「へえ~っ!」

 「ここアリアハン城とも繋がってるんだ……」

 

 シェリルとアステルは驚いた。ずっとアリアハンに住んでいたが初耳だ。

 

 「有事に、城の中から外へと脱出する非常口のような役目を担ってるんだよ。この塔と洞窟は。……あれ、そこの銀髪の兄さん。遠慮しなくてもまだまだおかわりあるぞ?」

 

 主人の言葉に皆がスレイを見た。スレイはスープを一杯だけ頂き、あとはパンで腹を膨らませているようだった。

 

 「いや、もう充分だ」

 「もぅしかしてぇ~、スレイお魚さん食べれないのぉ?」

 「……食べただろう」

 

 マァムがスープをすすりながらニヨニヨと指摘すると、スレイはあからさまに眉間に皺を寄せて、ムッとする。

 

 「……それより、あんたはここに住んでいる賢者の事知ってるか?」

 「話ぃ反ぉらしぃたぁ~。スレイはお魚さん食べれないのぉ? おっ子ちゃまぁ~~」

 「黙れ」

 

 スレイがギッと睨むと、マァムはきゃ~っとわざとらしく叫んでタイガの背中に隠れた。

 「まあまあ……」主人がスレイを宥める。

 

 「でも賢者というより、あの爺さんは仙人だね。四階の最上階にいるよ。たまに、うちの料理食べに来るんだ。なんだ、会いに行くのかい?」

 

 「はい」と、アステル。

 

 「そうかい。機嫌良く起きるといいね」

 「え?」

 「あの爺さん常は寝てるんだ。下手すりゃ食わずに一週間以上眠り続けた事もあった。前にガリガリボロボロの姿で、ここに現れた時には幽霊かと思ってそりゃびびったよ」

 「え……」

 「修練に来てた兵士が興味本位で最上階の爺さんに会ったんだが、どんなに大声だしても、揺すっても起きなかったらしい。たまに起こすのに成功した奴がいたが、爺さんの機嫌損なわせて、燃やされてた」

 「燃やす……?」

 「勿論生きてるがね。頭チリヂリにして、黒焦げ姿で。まっ、いくらなんでも可愛い娘さんを燃やすなんて事しないだろうから、頑張って最上階目指してね」

 「はあ……」

 

 

* * * * * * * 

 

 

 夜が明け、宿屋の主人に見送られたアステル達はナジミの塔二階へと上がる。二階までは洞窟内にいた魔物と変わりなく、撃退しながら進んで行く。

 しかし三階に辿り着くと住み着いてる魔物達に変化が現れた。

 

 「きゃ~~んっ!!」

 「マァム!!」

 

 逃げ回るマァムにアステルが叫ぶ。人の丈より大きい蛙の魔物、〈フロッガー〉が非力な人間をうまく狙う。三匹が三匹とも長い舌を伸ばしマァムを執拗に狙う。

 

 「こなくそっ!!」

 

 シェリルが蛙の腹部を貫く。蛙は塵となって消える。その影から人の顔を持った不気味な蝶が奇声をあげ発光しながら、シェリルのまわりを飛び回った。

 

 「しまっ……た!!」

 

 シェリルは槍を突き出す。なにもない空間に向かって。彼女は何故か、あさっての方向にむかって我武者羅に槍を繰り出し続けていた。

 

 「シェリル!? ……もう邪魔っ!!」

 

 アステルはフロッガーを切り伏せた。

 〈人面蝶(じんめんちょう)〉がニヤリとし、彼女の背後にそっと回りこみ、喰らわんと口を大きく開ける。それをスレイのドラゴンテイルが弾き飛ばした。

 

 「幻惑呪文マヌーサだ! アステルも気をつけろ! シェリル、呪文の効力が切れるまで下がれ!」

 

 スレイがそこらを飛び回る人面蝶二匹に、刃のブーメランを投げて始末する。

 

 「くそっ! すまん」

 「シェリルぅ! こっちぃ!!」

 

 マァムがシェリルの手を取る。その前に黒いローブを纏った人の形をしているが、人ならぬもの……〈魔法使い〉が二匹立ちはだかる。その手が印を結ぶ。

 

 金切声で呪文発動の〈力ある言葉〉が発せられた。火球が二人目掛けて飛んでくるのを、タイガが阻止せんと躍り出る。

 

 「ぅおりゃっ!!」

 

 初等火球呪文(メラ)を二発まともに受けた彼は、火傷した両手を物ともせず魔法使い達を殴り飛ばした。二匹の魔法使いは壁に叩き付けられ短い悲鳴をあげ塵と化す。

 

 「タイガぁ!! ホォイミ~~!!!」

 

 マァムの初等治癒呪文(ホイミ)が火傷を瞬時に癒す。

 

 「ありがとう マァム。」

 

 アステルはスライムが緑色になってドロドロになったような魔物〈バブルスライム〉三匹と対峙する。

 

 (あれを……!)

 

 剣を左手に持ち替え、右手で腰に差したブーメランを投げ放つ。貰ったその日から、空いた時間を利用してスレイにコツを教わり練習した。戦闘で初めて使用したブーメランは、一匹には躱されたものの、二匹は捉えて霧散する。

 

 「よしっ!」

 

 帰ってきたブーメランを上手に掴み取り、喜々とするアステル。しかし無事だったバブルスライムが素早く床を這い進む。

 

 「えっ……きゃあっ!!」

 

 彼女の足元で大きく弾けたバブルスライムの体が、とっさに顔を庇った腕に付着し、嫌な臭いと煙をたてた。アステルは慌ててそれらを払い落とす。バブルスライムは弾けた体を元に戻し素早くアステルの背後に回る。アステルは剣を右手に持ち替えようとしたが取り落とした。

 

 「なっ……!?」

 

 強烈な目眩と吐き気が襲う。腕を見ると袖が小さく切り裂かれ、肌に出来た小さな傷口が青黒く腫れあがっている。

 

 「くっ! ……メラっ!!」

 

 アステルは迫ってくるバブルスライムを指差し火球呪文を唱える。放たれた火の玉によってバブルスライムはじゅっと蒸発して消えた。

 スレイは、しつこく仲間を呼び続ける〈蠍蜂(さそりばち)〉を撃退すると、腕を押さえ跪くアステルに駆け寄った。

 

 「……ごめんなさい、ドジしちゃった」

 「喋るな、毒が回る。……マァム!」

 「ん~~っ! キィアリィィィ!!!」

 

 マァムの手から暖かな治癒呪文ホイミの光と違う、清浄な青の光が放たれる。解毒呪文キアリーの光がアステルの傷や服に付着した毒を消し去った。

 

 「んでもってぇ、ホォイミィ~~!」

 

 受けた傷が癒え、毒で消耗した体力が回復する。アステルはふ~~っと息を吐くと、笑った。

 

 「ありがとう、マァム」

 「アリアハンにも呪文使う魔物がおったんやなぁ。あ~~やっと視界が元に戻ってきたわ」

 「もぅアタシが三人に見えないぃ?」

 「うん。ちゃんと一人や」

 「さあ、あまり長くここに留まってるとまた魔物が寄ってくるぞ。移動しよう」

 

 タイガの言葉に皆が頷いた。

  

 

 塔の三階は内部が多少複雑になっており、魔物も呪文や特殊攻撃を使うもの、ひたすら仲間を呼ぶものなど、と厄介だった。探索に長けてるスレイを先頭に、魔物の気配に聡いタイガを殿に、アステル、シェリル、マァムは二人に挟まれる形で、塔の上に昇る階段を探しながら進む。途中、宝箱なども見つけた。

 

 「小ぃさなぁメダルぅ~~っ!」

 

 マァムが得意気にメダルを掲げ、はいっとスレイに手渡す。

 

 「宝箱にメダル一枚って。しょぼって思うとこなんやけどなぁ~。これが稀少アイテムに変わるんやしなぁ」

 

 腕を組んで溜め息をつくシェリル。

 

 「それより勝手に持っていっても良いのかな? 一応ここお城が管理してる場所なんじゃ……」

 

 と、心配気に呟くアステル。

 

 「多分、城はこの塔の内部をすでに把握してる。その上で放っている宝だ。取られても痛くないんだろう。気にするな」

 

 平然とスレイはメダルを袋にしまった。

 

 

 そうして四階に続く階段を登る。

 赤色の扉がある部屋へ入った途端、魔物の殺伐とした気配が遮断され、空気が凪いだ。

 そこは真っ赤な絨毯が敷かれ、大量の本とそれを納める本棚が部屋を囲っていた。ベッドはなくテーブル一つと揺れるハンモックチェア、その中で安らかに眠る老人。小柄な老人は尨犬(むくいぬ)のように真っ白な長い髪と眉毛と髭で顔を隠している。老人に近寄るとちゃんと胸が上下に動いているのを見てほっとした。アステルはそっと手を伸ばし老人を揺する。

 

 「あの……賢者様、起きて下さい」

 

 暫く揺すっていると、老人が「ん~~っ」唸って動いた。

 

 「なんじゃ。誰がわしの眠りを妨げる……んっ!?」

 

 アステルははっとした。

 

「焼かれて真っ黒焦げにされる」という宿屋の主人の言葉を思い出した。

 

 「あっ、あの! 待って下さい! 私たち貴方にお願いしたい事があって……!」

 

 ───むにっ

 

 「……へっ?」

 

 アステルは思わず固まった。賢者は両手でやわやわとアステルの胸を揉んでいる。

 

 「ほほう? 思ってた以上にあるわい。お主、着痩せするタイプじゃのう」

 「ひっ、やっ……!」

 

 ───ドカッ! バシッ! ゴスッ!

 

 スレイが頭を殴り、シェリルが頬をひっぱたき、倒れた所をマァムが踏みつけた。タイガは涙目で硬直するアステルを持ち上げ、賢者から遠ざける。笑顔だがこめかみにうっすら青筋が浮いていた。

 

 「おぬしら、寄ってたかっていたいけな老人に容赦ないのう」

 「「黙れ。エロジジイ」」

 「ぐぅ~り、ぐぅ~り」

 

 地面に伏したまま宣う賢者に、絶対零度の眼差しを向けるスレイと拳を鳴らすシェリル。マァムはなおも踏みにじる。

 

 「夢に出てきた勇者が、まさか《おなご》じゃとは思わんかったからのう。確かめたかっただけじゃい」

 「むあっ?」

 

 マァムが踏みつけていた筈の賢者がふっと消え、よろけた彼女をシェリルが慌てて支えた。

 

 「おぬしが求めとるのはこいつじゃろう?」

 「え?」

 

 いつの間にかアステルの前に立ち、一つの赤銅色の鍵を突き付ける。アステルはタイガに抱えられたまま、それを受け取った。

 

 「これ……〈盗賊の……って、あれ?」

 

 鍵から目を上げると、すでに賢者がいなかった。

 

 「ぬわっ!!」

 

 シェリルの驚く声に視線をやれば、賢者はシェリルの前に移動していた。

 

 「動きが全く見えん……」

 

 タイガの呟きにアステルも頷く。

 

 「ぬしにはこいつじゃ」

 「なっ……ぶふぉ!!」

 

 賢者はどこから取り出したのか、手提げ袋を殴るようにシェリルの顔に押し付けた。

 

 「わしが作ったなんでも、いくらでも入る〈大きな袋〉じゃ。試しにお主の槍でも入れてみい」

 「はあ!? いくらデカイかて、槍なんか入るかい! これ折り畳み式ちゃうで!!」

 「突き破れるもんなら、破ってみい」

 

 シェリルはそこまでいうなら、と槍を袋に入れる。槍は袋にどんどん吸い込まれ……入ってしまった。

 

 「って、ゆうか!! なくなってもうたやん!!!」

 

 シェリルは袋を逆さにして振るが、なにも出てこない。

 

 「むおぅ!! いりゅ~~じょんんっ!!」

 

 マァムが目を大きくさせる。

 

 「やのうて!! こぉんのジジイ!! ウチの槍返せっ!!」

 

 袋をポイッと隣にいたスレイに放り投げ、シェリルは賢者の胸倉を掴み上げる。

 

 「慌てるでないわ。先程の槍を思い浮かべながら手を袋に突っ込んでみい」

 

 スレイはシェリルの槍を思い出して、袋に手を入れる。すると、手に何かの柄を握った感触がした。

 そのまま手を引き上げると……。

 

 「ウチの槍!!」

 

 シェリルはスレイの手から槍を引っ手繰り、異常がないか確認する。

 

 「物の形、大きさ、重さ関係なくいくらでも入る袋じゃ。食材の鮮度も保ったまま貯蔵も可能じゃ。何を入れたかは持ち手に付いとる飾りの水晶板に品名が表示される。……入れ忘れ防止対策じゃ」

 

 マァムがスレイの持つ〈大きな袋〉を貸して貸してぇとせがむ。

 

 「んで、ぬしにはこいつを託そう」

 

 賢者は赤い革張り表紙の本のようなものをスレイに押し付けた。袋をマァムに渡し、それを開く。それは各地の地名が記入された世界地図だった。すると、挟んであったピンク色の羽ペンが自力で立ち上り、アリアハン大陸の一部を素早く色づけ、丁度ナジミの塔のある位置で羽が立ったまま止まる。

 

 「その地図は〈妖精の地図〉。今いる場所を表示し、行った事のある大陸は色づく。世界を探求するのに役に立つじゃろうて。

 ……あと、そこの娘。袋の中に入るのはやめといたほうがええぞ。人間が入って五体満足で出てこれる保障はない」

 「むおう?」

 「マァム!!!」

 

 袋の口を大きく広げ、片足を突っ込んだマァムをシェリルが慌てて引き上げる。

 

 「ではな、勇者アステルよ。わしは夢の続きを見るとしよう」

 

 押し付けるだけ押し付けて、賢者は音もなくハンモックチェアへと戻った。

 

 「あ、ありがとうございました……って、」

 「もうぅ寝てるぅ~~」

 

 マァムが賢者を指でつんつんとつつく。

 

 「一体なんやったんや。このジジイ……」

 「アステルを夢に見たとか、言ってたが……」

 

 シェリルとスレイはそれぞれ渡された〈大きな袋〉と〈妖精の地図〉を見詰めた。

 

 「夢見か、先見か……」

 

 タイガはアステルを下ろし、頭を掻く。アステルは手にある〈盗賊の鍵〉を握りしめた。

 

 「このお爺さん……賢者さん。父さんやバラモスの事とか、なにか知ってたのかな」

 「いや、多分知ってても、教えなかったと思うぞ。この手の神憑り的なのは。お役目以外の事は絶対に行わない」

 

 「詳しいな。タイガ」とスレイ。

 

 「知りあいに似たようなのがいるんでな」

 「アステルぅ~~お爺ちゃん起きなぁ~~い」

 

 言いながらマァムは賢者の頬を引っ張ったり、眉毛や髭を引っ張ったりしている。

 

 「こら、マァム。やめなさ……」

 

 アステルが嗜めた、その時。

 

 「こんの悪ガキどもがぁ!! 用が済んだならサッサッと出て行かんかぁ!!!」

 

 なんと賢者はかっと目を見開き、火球呪文(メラ)をこちらに向かって連発してきた。

 

 「あっ、ありがとうございましたぁ!!!」

 

 アステル達は一目散で部屋を出る。扉もしっかり閉める。

 

 

 残された賢者は、こてんとハンモックチェアにもたれ、再び眠りについた。

 

 

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