長篇ドラゴンクエストⅢ ASTEL・SAGA   作:ちこちろん

94 / 100
本音①

 

 

 

 波の音とゆらゆらと身体が揺れる感覚。

 既に馴染んだ船の自室のベッドにて、アステルは暫く微睡む。肌寒さを感じて、手繰り寄せた上掛けに顔を埋める。

 上掛けからは自分のものではない、嗅ぎ慣れているような、そうでもないような匂いがした。

 

 (でもこの匂い、凄く落ち着く……好きだなぁ)

 

 顔をほころばせ、上掛けに頬擦りして、それからぱちっとアステルは目蓋を上げた。

 がばっと身体を起こして、辺りを見回せば、やはりそこは船の自室のベッドの上だった。窓からは柔らかな朝日が射し込む。

 

 「あ、あれ? ……えっと?」

 

 確か寝付けず、深夜に宿を出て散歩していた筈。

 

 (……で、海辺でスレイと会って、話を聞いてもらって、それからそれから……)

 

 ぷつりと途絶えた記憶。そこから導き出される答えは。

 

 (私、外で寝ちゃった!!?)

 

 そして恐らくはスレイの手によって、ここまで運ばれたのだ。

 はたっとしてアステルは無意識に抱き締めていた上掛けに目を落とす。

 それは上掛けではなく、防寒用の外套(マント)だった。もちろんアステルのものではない。さあっと血の気が引く。

 

 (───スレイのだぁっ!!)

 

 アステルは慌てて皺がよってしまった外套をベッドの上で伸ばす。幸い皺跡は残らなかった。丁寧に畳んでひと息つくと、今度はじわじわと面映(おもはゆ)さが込み上げてくる。

 

 (……そうだ。この外套の匂いに包まれてたら、凄く安心して寝ちゃったんだ……)

 

 またスレイに抱えられて運ばれてしまった事はもちろん、スレイの匂いが好きだとはっきりと自覚してしまい、顔が熱くなるのが止まらない。打ち鳴らされてる心臓が苦しい。

 この状態も落ち着かせてくれるだろうかと、アステルは誘惑に抗えず目の前に畳まれた外套にそっと手を伸ばす。

 

 「あ~すてぇるぅっ!!!」

 「ぴゃああああっ!!?」

 

 ばーんっと豪快に開かれた扉に、アステルは思い切り変な悲鳴をあげてしまった。

 

 「なんや? 今の悲鳴(こえ)……お、いたいた。アステル! ま~た黙って宿出て! 心配するやろっ!」

 

 部屋に飛び込んで来たマァムに続いて、シェリルが部屋に入ってきてアステルを叱る。

 

 「ご、ごめんなさい……おはよ、マァム、シェリル」

 「おっはよぉ~~っ!」

 「おはようさん。……なんや? 顔赤いで。風邪か? 夜中に出歩くからやで」

 「ち、違うから。大丈夫」

 

 火照る顔を手うちわで扇ぐアステルに、シェリルは首を傾げた。

 

 「……? ならええけど。ほら、宿に置きっぱやった荷物や」

 「ありがと。顔洗ってくるね」

 

 シェリルは〈大きな袋〉からアステルの旅装や鎧などの装備品を取り出しては、ベッドに並べてく。

 早々に洗面所から戻ってきたアステルは寝巻き代わりのワンピースを脱ぎ、いそいそとそれらに着替える。

 鎧はどうしようか迷ったが、結局身に付けずにいた。

 額飾り(サークレット)を被り、最後に腰ポーチを身に付ける。ポーチにはスレイから貰ったキーホルダー〈うさぎのしっぽ〉と、それに結び付けた黒髪の少年から貰った空色の〈幸運のリボン〉が下がって揺れている。

 アステルは二つのお守りにそっと触れて、目蓋を閉じて祈る。

 

 「───よしっ! お待たせっ!」

 

 目蓋を上げて、気合いを入れたアステルはマァムとシェリルに振り返った。マァムとシェリルは目をぱちくりとさせる。

 

 「昨日とは打って変わって、えらい吹っ切れとるやん」

 

 そこでシェリルは「はは~ん」っとニヤつく。

 

 「……もしかしてぇ。どっかの誰かさんのおかげかぁ?」

 「ふぁっ?!」

 「むうううっ!」

 

 わかりやすくアステルが動揺を見せると、マァムは膨れっ面でアステルの腕に抱き付いた。

 

 「ウチらが言うんと、こんだけ反応(ちご)うたら流石に妬いてまうなぁ」

 「ちがっ! スレイだけのおかげじゃないからね!? シェリルとマァムが話を聞いてくれて、傍にいてくれるからっ」

 「ほうかほうか。やっぱスレイのおかげなんや」

 

 語るに落ちたアステルは顔を真っ赤に染めて口ごもる。

 ふと。風を切る音にアステルとシェリルが目を向ければ、少し離れた所でマァムが雷の杖で素振りをしていた。

 

 「……マァム。お願いだからそれでスレイを打ったりなんかしないでね?」

 

 アステルのお願いだったが、マァムは珍しく返事をせず、可愛らしい笑みを返すだけだった。

 

 「まっ。なんにしても、いつものアステルに戻ってよかったわ。朝食食べたら早速あのコに会いに行くんか?」

 「うん。……今度はちゃんと話す」

 「ウチらも一緒に行ってええか? もちろん離れて見とるから」

 「ええ~~~」

 

 不平の声を上げるマァムの頭をシェリルが小突く。二人のやり取りにアステルはくすりと笑った。

 

 

 「お、おはよう」

 「目ぇ覚めたか。嬢ちゃん」

 「おはよう。ごめんなさい、すぐ朝食の準備するから。もうちょっとだけ待っててね」

 

 厨房への通り道、船内の憩いの部屋で腰掛けて寛いでいたタイガとカンダタが、アステルに気付いて声掛ける。

 酷く思い詰めた表情のアステルは今朝はいなかった。それにタイガは朗らかな笑みを浮かべ、テーブルに頬杖をついたカンダタは意味深ににやにやとする。アステルは敢えてそれらに突っ込まず、彼等から顔を逸らした。

 シェリルはそのまま部屋に入り、タイガの隣の席に腰掛ける。

 

 「おはよう。朝ごはんの準備手伝う」

 「おはよう。ぼくも手伝う」

 「おはようノエル、トエル。ありがとう」

 「アステルぅ! あたしも手伝うっ!」

 「ありがとね。マァム」

 

 とてとてと歩み寄ってきたトエルとノエルにアステルが微笑み、マァムも双子に張り合って声を上げる。マァムと双子を伴って部屋を出た所でスレイと鉢合わせた。

 

 「す、スレイ。おはよう」

 「……ああ、おはよう」

 「ごめんね、寝坊しちゃって朝ごはんの準備まだなの。すぐ用意するから」

 

 変に緊張して声が裏返ってしまうアステル。しかしスレイはそれに気にせず、彼女の顔をまじまじと見詰めていた。

 

 (今はあんまりこっち見ないで欲しい……)

 

 顔が熱くなってくる。思わず持っていた外套をぎゅっと抱き締め、はっとしてアステルは慌ててそれを差し出した。

 

 「そうだ! これ、あ、ありがと」

 「ああ。……顔が赤いが、風邪なんかひいてないだろうな?」

 「おかげさまでひいてないから!」

 

 外套を受け取りながらスレイが訝しげに顔を覗き込んでくるので、アステルはたまらず後ずさった。

 

 「……えっと、昨日は色々とごめんなさい」

 「ああ。野宿に慣れたからって、所構わず寝るのはやめてくれ」

 「……うう」

 

 恥ずかしさに呻くアステルにスレイは苦笑する。頭にぽんっと手を置かれ、アステルは目を上げた。

 

 「今日はがんばれ」

 

 柔らかく細められた琥珀の瞳に、アステルはひゅっと息を呑んだ……と。

 

 「───っ!!?」

 

 突然ばちんっと音をたてて、スレイの身体に電撃が走った。

 アステルは驚き目を見開き、スレイは身体を硬直させたまま目だけを動かし、アステルの背後にいる人物を忌々しげに睨んだ。

 にたりと不気味に笑うマァムと、その手が握る雷の杖の緑竜の像の(まなこ)が、彼女の心と呼応するかのように紅く光ってスレイを嘲笑っていた。

 

 「……だぁいせいこうぅ~~♪」

 

 密かに放たれた電撃は焼き焦がすようなものではないが、全身に走った衝撃は痺れとなって残り、思うように身動きが取れない。

 どうやらマァムは以前愛用にしていた魔封じの杖と同じく、神鳥の力で雷の杖の新たな使い道を見出だしたようだ。

 声を出そうものなら情けない呻き声が出そうで、スレイは歯を食い縛り、ただただマァムを睨む。

 

 (……こ、のっ、アホ鳥……っ!)

 

 「え? え?ど、どうしたの?」

 「あ~すてるぅ! ほらほらぁ、みんな朝ごはん待ってるよぉ~!」

 「早く、早く」

 「お腹すいた、カンダタ達も待ってる」

 

 不自然に固まったまま黙りこくるスレイに、アステルは手を伸ばすも、その手はマァムに取られて持ってかれる。続け様に腹ぺこの双子達にも背中を押され、動かないスレイを置き去りにしたまま、アステルは厨房へ連行されてしまった。

 

 

 

* * * * * 

 

 

 

 いざ、アニーと話をしにアステルは船を降りる。

 ムオルの空は灰色と薄い水色が混じり合った空で、日の光は弱々しい。

 シェリルとマァムだけでなく、スレイとタイガも付き合ってくれたのだが。

 ポポタの家に向かいながら、アステルは前を歩くスレイの背中を見る。

 先程から不機嫌極まりないスレイに対し、自分の隣を歩くマァムは上機嫌に鼻歌を歌っている。アステルは嘆息を漏らした。

 

 アステル達が立ち去った後、たまたま部屋を出たシェリルによって硬直状態で見つけられたスレイは、与えられた麻痺を治す満月草(まんげつそう)により身体は動くようになったものの、びりびりとした不快な痺れはいつまでも消えずに残っていた。スレイ自身で緩和呪文(キアリク)をかけてみても、状態は大して変わらなかった。

 アステル達が出来上がった朝食を手に四人の元に戻ると、隙あらば痺れている身体を突っつかれ、怒鳴るスレイに愉しげに笑うカンダタとシェリル。まあまあと諌める困り顔のタイガで部屋は騒然としていた。

 

 (杖で打っちゃダメって言ったけど、まさかそんな方法でちょっかい出してたなんて……)

 

 アステルははぁっと再度溜め息を吐く。

 

 (……でも。スレイには悪いけど、おかげでだいぶ気が紛れた……かな?)

 

 隣でニコニコしているマァムに、「もうしちゃだめだよ」と軽く小突いて叱ると、マァムはむうっとほっぺを膨らませて、アステルの腕に抱き付いた。

 

 途中にある小さな木の橋を渡り、村外れの小高い場所にある、木と煉瓦造りの小さな家が薬師ポポタ親子の住まいである。

 扉の前に立ち、アステルはごくりと唾を呑み込んでから、ノッカーを叩く。

 暫くして扉が開き、ポポタが顔を出した。

 

 「あ、おはよう」

 「お、おはようございます」

 

 挨拶を交わすも、ポポタが「あっちゃぁ」と呻いたのでアステルは小首を傾げた。

 

 「えっと……アニーに会いに来たんだよな?」

 「は、はい」

 「実はさ。アニー、明け方早くにお袋と一緒にヌーク草を取りに出掛けてまだ戻らないんだ」

 「……え」

 「女二人で大丈夫なのか? 村の外なんだろう?」

 

 タイガが尋ねると、ポポタは心得顔で頷く。

 

 「もちろん二人だけじゃないよ。他の村の奴らとお義父さ……ロダンさんみたいな腕の立つ奴も一緒だ」

 「おじさんが……」

 「用心棒としてね。覚えてるかなぁ? アニーの親父さんがアリアハンの城の兵士だったの」

 「はい」

 

 アステルは頷く。勿論覚えている。アニーの父ロダンとアステルの父オルテガは兵士時代に知り合って仲良くなったのだから。

 

 「おじさん、元気ですか?」

 「ああ! 元気も元気。お義母さんもね。この土地に慣れるまでは大変そうだったけど、今じゃすっかり馴染んでるよ」

 

 アニーの母ソニエはアリアハンの人間だ。そしてアニーの母は、アステルの母にとって姉のような存在だったのを思い出した。

 ……しかし。アステルが来るとわかっていながら出掛けるという事は、やはり避けられているのだろうかと、アステルは俯いてしまう。

 暗い表情になるアステルに気付いたポポタは慌てて捲し立てた。

 

 「別にアステルちゃんを避けたわけじゃないよ! ヌーク草は短い夏季にしか採れないし、ムオルはこの通り小さい村で人手が足りないからさ。体調崩したとかそんな理由がなけりゃ収穫を休めないんだよ」

 「そうなんですね」

 

 少しだけほっとして顔を上げるアステルに、ポポタは笑顔で頷く。

 

 「昼には帰ってくるからさ。このまま家の中で待ってなよ」

 

 家の中に招き入れられて、アステルははたっとする。ポポタが先程アニーがアステルを避けてないと否定した言葉に。

 アニーに避けられる理由がアステルにあるという事を、彼が気付いている事に。

 

 「……ポポタさん、もしかしてアニーから何か聞いてますか?」

 「あ」

 

 アステルに尋ねられて、しまったとばかりにポポタは口を押さえる。溜め息を吐きながら頭を掻いて、それからアステルに苦く笑った。

 

 昨日と同じ部屋に案内されて、それぞれ腰を下ろした。お茶を配り終えたポポタも腰を下ろすと、口を開いた。

 

 「アニー達がアリアハンからこのムオルに来たのは、丁度今頃の時期だったかな。

 アニーが病み上がりだったってのもあって、村に来てすぐに薬師のお袋の元に家族揃って挨拶にやって来たんだ。

 おれはアリアハンがポカパマズの故郷だっての知ってたからさ。

 ポカパマズの事を尋ねたんだよ。

 ロダン(お義父さん)ソニエ(お義母さん)はピンとこなかったようだけど、アニーはすぐ反応した。

 ポカパマズを知ってるのが嬉しくて、おれはついアニーに詰め寄ったんだ。

 ポカパマズは元気にしてるのか。そっちには帰ったのか。お前もポカパマズに遊んでもらった事あるのか。……今はどこを旅してるのか……って。

 ……そしたら、アニーが突然泣き出したんだよ」

 

 懐かしそうに語るポポタの目にはアステルではなく、かつてそこに座って泣き出した小さなアニーの姿が映っていた。

 

 「アニーは泣きながらひたすら『ごめんなさい、ごめんなさい』って繰り返し謝ってた。

 泣きじゃくるアニーを抱き締めながら、《ポカパマズ》とは一体なんなんだっ! て、お義父さんに怒鳴られたよ。

 こんな事になると思ってなくておろおろしてるおれの代わりに、付き添って来ていたジルさん……アニーにとっちゃお祖母さんが慌てて説明したんだ。

 ポカパマズは以前、ムオルにやって来た旅の戦士が子供に語り聞かせた物語の英雄の名前で、その戦士も子供達にポカパマズと呼ばれて慕われていたって。

 本当の名前はオルテガといって、故郷がアリアハン王国なんだって。

 それを聞いてお義父さんは頭を抱えてたよ。……こんな偶然があるのかって」

 

 アステルは言葉をなくした。

 ポカパマズの物語を聞く時、アニーもその場にいた事があるので、彼女も当然ポカパマズを知っている。

 オルテガがムオルの村に滞在していた事を友人やその家族に明かさなかったのは、恐らく死にかけた事を伏せたかったからだろう。

 

 アニーの両親は娘をアステルから遠ざける為に、このムオルに移り住む事を決めたのだろうに。

 

 

 「ポカパマズが……オルテガさんが死んだって聞かされた時は、そりゃ驚いたよ」と、ポポタは悲しげに目を伏せた。

 

 「めちゃくちゃ悲しかったし、なんでどうしてとも思った。

 ……けど。目の前で壊れてしまいそうなぐらい泣いてる子の事の方が気になってさ。ポカパマズを慕ってたとしても、反応が普通じゃないし。

 薬師として患者の状態を知る為に、今度はお袋が一体この子になにがあったんだってお義父さん達に尋ねたんだ。

 ……で、事のあらましはそん時、大体は聞かされた」

 

 俯き、膝の上でぎゅっと両手を握り締めるアステルを見て、ポポタは表情を緩めた。

 

 「……でも。アステルちゃんがまた来てくれて本当によかった」

 「え?」

 

 その言葉に弾かれるようにアステルが顔を上げると、ポポタは穏やかな顔でこちらを見ていた。

 

 「何も言わずにムオルを発たれてもおかしくないから。……けど、こうしてちゃんとアニーと向き合おうとしてくれたからさ」

 「……なんで」

 

 そんな事を言うのか。

 魔力暴走でアステルがアニーの心身に大きな傷を負わせた事を、それで苦しんでいる姿を知っているのに。彼にとって大切な人を傷付けた自分は、責められてもおかしくない筈なのに。アステルにはわからず狼狽えた。その時。

 

 「───ポポタっ! ポポタいるかっ!?」

 

 切羽詰まった声と激しく叩かれた扉に、ポポタは表情を引き締め、すぐ様玄関へと走り、アステル達も立ち上がってその後を追った。

 ポポタが扉を開けると、負傷した腕を押さえながら立つ若い男の姿があった。

 

 「テッド!? どうしたその怪我……っ!」

 「かすり傷だっ! それよりもヌーク草の栽培地に魔物がっ! 小悪魔どもが大量の魔物を率いて現れたんだっ! 逃げ遅れた女達もいる! とにかく男手がいるっ! 武器を持って向かってくれ!」

 「私達も行きます! 案内してください!」

 

 ポポタとテッドと呼ばれた若者の間にアステルが割り込む。強い眼差しと凛とした声、彼女が発っする気迫に押されポポタは一瞬たじろいだ。つい先程まで年相応のか弱そうな娘だったというのに。

 

 「………っ! 助かるっ!」

 

 ポポタが薬草の入った鞄と、壁に掛けられた剣を取って背負う。そのほんの僅かの間に、マァムがテッドの腕の傷を治癒魔法(ホイミ)で癒した。

 

 「───敏速強化呪文(ピオリム)

 

 スレイがこの場にいる者達の素早さを上げる呪文をかける。テッドとポポタは己の体が急に輝きだしたのに、声を上げて驚く。

 

 「わ、なんだ!? これ!!」

 「身体が軽くなった!?」

 「素早く動けるようになる魔法だ。急ぐんだろ」

 「さあ、行きましょう!」

 「あ、ああっ!!」

 

 アステルの声に背を押されたテッドが駆け出し、次いでアステルが、ポポタが、彼女の仲間達が後に続く。

 ポポタは外套を靡かせて前を走る少女を見た。

 

 ───歳も、性別も、声音だって全く違う。

 

 なのに。心を奮い立たせてくれるかのような力を秘めた声は、ポカパマズを彷彿とさせた。

 

 

 

 『───アステルはね。勇者だから。だからわたしは───』

 

 そのような場合ではないのに、妻の寂しげな顔をポポタは思い出していた。

 

 

 

 

 








※いかづちのつえ※
マァムのチート能力発動回です(笑)
スレイが受けたのは身体に害のない程度の感電攻撃です。全身麻痺症状でそれだけで済むのかって話ですが、まあ神鳥の奇跡(いたずらともいう)って事であまり突っ込まないで下さると助かります。
《いかづちのつえ》にはベギラマの効果があります。
ギラ系って閃光(ビーム)が対象に当たって生じる炎(確かDQアニメアベル伝説はこっち)と火炎放射的な炎のどちらか。
ゲームは後者だと思うのですが、当物語では前者を起用しております。
ですので閃光呪文と書いてギラと読んでます。
《いかづちのつえ》も同じく、本気の攻撃の際は電撃が対象にぶつかって燃えてる感じで表現しています。
ちなみにアステルの魔力暴走の際に放たれた光も同じようなものです。アニーは閃光(ビーム)によって貫かれ、痛みを感じる間もなく意識を奪われ焼かれたわけです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。