僕は少し焦っていた、ホクトちゃんは有名な家の出なのは知っていたので、後々ライバルになると感じていた
苦手と言っていたダートで、あのフォームで何故あそこまで鋭い脚を使えるのか、芝ではどれだけ伸びるんだと驚愕した
しかし、るっちゃんに関しては全く違った
最初は抜けてる娘だなと思っていた
実際、僕の名前どころかホクトちゃんの名前すら覚えていなかったし、この模擬レースのことも聞いていなかった
本人は話題を逸して誤魔化せたと思っているようだけど
でも、レースが始まると全然違った
タイミングを間違えると前に届かない差しという戦法を、きれいに決めていた
尚且つ、コーナー出口で妨害まで入れていた
傍から見れば、相手の娘が外に膨らみぶつかったように見えるだろう
だけど、るっちゃんは外に逃げて捲りきるだけの脚は持っているように見えるし、体勢を崩されないようにしているように見えた
相手の娘もそう思っていたんだろう
レース後に思い切り睨んでいた
ただ、確証がないからるっちゃんがそっちを見たら逃げた...ように感じた
その時のるっちゃんは顔は見えなかったけど、少し怖かった
そういえば、挨拶が終わった時の雰囲気も同じような…?
そこまで考えた所でスタートの合図が鳴った
考え事をしていたとはいえ、ゲートにも入らないスタート程度で出遅れる事は無い
逃げは...二人
2〜3馬身程離れて先行集団の頭を引っ張る
コーナー手前でのペースは少し遅い感じがする
逃げ切られるペース配分なのが怖い
少し早いけど仕掛けに行く!
ちらりと後ろを見たけど、反応が遅れて慌ててついてきていた
1バ身、1/2バ身と近づいた所でコーナーの半分を過ぎる
ペースを作っていた先頭の娘がこちらを見る
ニコッと笑ってあげると慌てて前を向き加速を始める
キツかったけど無理に笑ってよかった
さて、後ろの娘は届くかな?
僕はもう一度スパートをかける為に2番手の娘の真後ろにつける
息遣いが聞こえたのだろう、ここまで振り向かなかったこの娘は驚いて更に足を伸ばす
少し離れるがここは追わない
1/2バ身離れた所でコーナー出口を迎える
残り200mもう一度スパートをかける
残り100m逃げていた二人と並ぶ
残り50m最初にペースを作っていた娘が落ちるがもう一人は粘る
ゴール手前でその娘も落ち完全に抜け出した
そして、そのままゴールした
結果は1着僕、2着は最後まで競っていた逃げの娘、3着に恐らく差しの娘(後を見たとき見えなかった)だった
2着の娘はペースを作れないように見えた、先頭に立つとペースを抑えられない娘なんだろうと思えたから、正直なところ、マークする必要のないように思える
でも3着の娘は、ホクトちゃんに聞かないと分からないが、マークしておいて損はないように思えた
逃先の有利なコースと距離でここまで出来るのはあの二人だけだと思っていたから
とりあえず、二人のところに行こう
僕はコースを後にした
思った通り、二人共ヤバかった
ホクトちゃんは苦手なダートな上に出遅れ、そもそも最終直線は200mと短い、差し不利なコース
ここまで揃っていてクビ差勝利は、流石G1バ(予定)としかいえない
コウちゃんは、スローペースな競バを自分から仕掛けて乱すだけの頭があって尚且つ単純に速い
少なくともG3勝ってそうだよなぁ
んで、コウちゃんのレースで3着に入った娘、ちょっとやばいかも?
そんなふうに考えていると、コウちゃんが合流した
「ふたりともお疲れさま。僕の走りはどうだった?」
「凄かった!皆、コウちゃんの動きに合わせようとして疲れてたよね?あれってどうやってたの?」
「あはは、企業秘密かな?ところで3着の娘ってどんな感じに走ってた?」
「キレイな、るっちゃんの走り…ですかね?」
「え?どうゆうこと?」
「あー、ありがとう。よくわかったよ」
「ちょっと!どういうこと??私の走り方って汚いの?!」
「…競争上手だと、僕は思うよ?」
「そうですね。さっき言った事は訂正します。私もるっちゃんと走りたくないですね」
もしかしてキャラ作ってるのバレてるのかな?
「酷い!私は寧ろ二人と走ってみたくなったのに!」
「…手加減してくださいね?」
「僕も、手加減してくれると嬉しいかな?」
レース前に言ったことを言われてしまって何も言えなくなった
3着の娘は、後々出てくるかもしれません
そうです、見切り発車です。
後、補足ですが佐賀競馬場の900はスタートからコーナーまで400、コーナー間300、最終直線距離200です
逃先有利すぎて差し馬が馬券内に来ると3連単が凄い跳ねるイメージが投稿者にはあります