続くかどうかはハッキリとわかりません。
「……」
無惨に荒らされたその場所にジジモンは無言に立ち尽くした。
昨日まで平和だった集落が嘘かの様に破壊された。
ジジモンが居ない瞬間を狙い、何処からとなく現れた暗黒のデジモンが襲い掛かった。
ジジモンに留守を任されたデジモン達が必死に抵抗をしたがその抵抗があんまりにも虚しく彼らは次々と散っていた。
そしてジジモンが戻って来た頃には集落に残されたのは傷だらけの成長期と成熟期達だけだった。
「すまなかった……ワシが集落を空けなければこんな事にはならなかった筈じゃ……」
震えた声でジジモンが傷だらけのその赤いデジモンに謝った。
「あんたは何も悪くねぇ、あの偉大なるデジモンとの交渉にはあんたにしか出来ねぇよ……ただ……」
赤いデジモン、【ティラノモン】は悔しそうな表情を浮かべた。
「……まさかあの【エンジェモン】が内通者だと思いもしなかった」
この惨劇を招いた裏切り者の名を聞いてもジジモンは然程驚かなかった、それだけあのエンジェモンは危うい存在だったのだ。
「そうか……彼奴は暗黒の力の誘惑に負けたのじゃな……」
「挙句の果てにあいつは【デビモン】に進化し、まだ生まれていないデジタマが眠っている家をぶっ飛ばした……オレたちが回収出来たのは……アレだけだ」
ティラノモンが指差すのはポッツンと置いてある三つのデジタマだけだった。
「……そうか」
ジジモンは優しくそのデジタマ達を抱きしめた。
”パキッ“
デジタマのうちの一つの殻にヒビが入り、中から真っ黒なフワフワしたデジモン、【ボタモン】が出てきた。
「……」
生まれたばかりのボタモンはジジモンをじっと見つめている。
そして次の瞬間、ボタモンはジジモンの顔に泡を浴びせた。
「何やってんだオマエ!?」
突然のその行動にティラノモンは驚いた。
怪我が何のと言わんばかりに彼はジジモンからボタモンを取り上げた。
一方、ジジモンはただ優しく笑っただけだった。
「ほほほ、ワシからすればまたヤンチャな子が生まれたとしか思わんのぅ……ティラノモンよ、お主もそう思わんか?」
「え? い、いや……お、オレは……」
その言葉にティラノモンは声を裏返った。
何を隠そうと彼自身は生まれて直ぐジジモンの手を噛んだ覚えがあるからだ。
そんなティラノモンの姿を見て、暗かったみんなの雰囲気が少し和らいだ。
「みんなの者よ、暗黒デジモン達が戻って来る前にここから一刻も早く出るぞ」
ジジモンの言葉を聞いてやや困惑気味のデジモン達。
その中に一匹の【アグモン】が恐る恐る手を挙げた。
「でもジジモン、ボク達は一体どこへ逃げればいんだ?」
アグモンの疑問も最もだった。
暗黒デジモン達はこのエリアに来てから次々と集落が破壊された、そしてやっとの事で逃げて来たデジモン達が集まって作ったのはこの集落だ。
「ワシは何の為に集落を空けたのか? お主達は覚えておるのだろう?」
ジジモンはある方向に指を刺した。
「ワシらが目指すのは偉大なる【グレイモン】様の縄張りである【ファイル島】じゃ!」
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『こうして【私たち】の物語は始まった』