社畜系TS魔法少女(旧題TS魔法少女と終末世界)   作:無知覚

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1話「魔法少女フォルテ」

 今、私は空を飛んでいる。

 下には大量の外敵と呼ばれる化け物がいる。粘度を固めたような見た目の丸い胴体に、その上から魚や動物などの一部をくっつけたような、奇妙な姿形をしていることが多い。生物を狙い攻撃をしてその後取り込むことや倒すと時間の経過とともに消えることなど、そもそも外敵というものについては分かっていないことばかりだ。

 

「外敵を確認しました。排除を開始します」

 

 下に見える数十匹程度の敵の数ならば問題は無い。魔法による炎の弾を発射して遠距離から攻撃を行う。飛行型の敵はおらず私のいる空にはたまに魔法による攻撃がとんでくるくらいでただの作業のようなものだった。

 

 ひたすら上から魔法で攻撃を続けてしばらくすると外敵は全て死んだようで動くものはいなくなった。

「外敵の反応は?」

 通信で他に敵がいないか確認する。

「エネルギー反応はありません。外敵の排除が完了したようです」

 

「そう、じゃあ帰還するわ」

 帰ってゲームやって小説読んでネット見てゴロゴロしたい。こんな終末世界じゃなければもっと多くの娯楽もあっただろうに。

 

 私は化け物が大量にいる世界にいる。元々いたわけじゃない。私は普通の世界で死に、化け物と魔法少女のいる平行世界へと転生した。もとの世界と同じような歴史を辿り、科学が発展していたが、最近は外敵という生物のような何かのせいで魔法も発展した世界になった。外敵は物理攻撃は効かず、魔法でしか倒せない。そんなヤバいやつがいる世界で私は魔法少女になる素質があるとかでその外敵(ヤバいやつ)の排除をさせられている。外敵は強すぎて最初にこの世界に現れたときは滅亡寸前だったのだが魔法少女という外敵に対抗できる存在が現れたことで世界は滅亡を免れているというところだ。まあ魔法少女ですら敵わないレベルの外敵もいるらしいので結局いつかは滅亡しそうな気がするけど。

 

 転生した当初は外敵と戦わなければいけないことに絶望してたけど今ではもうそれはどうでもよくこの世界にある娯楽作品を楽しむことだけのために生きている。ここで死んだら地球にまた転生できるかもしれないし最初は外敵に殺されてもいいやとか思っていたのは内緒。

 

 魔法少女は若い女の子だけど外敵排除という仕事があるので学校は行かない。希望すればいくらでも教育は受けられるけど。

 そんなわけで私は特に何もすることがないので仕事による給与を大量に消費して娯楽を無限に楽しめるのだ。

 

 まあ外敵排除のための緊急の依頼が来たりすると途中だろうが行かないといけないけど。とか思っていたら、突然スマホに連絡が来た。どうやら緊急依頼らしい。でかい外敵でも出てきたのかな。

 場所は、割と近いな。あ、そういえば昼食まだだった。さっさと終わらせて何か食べようかな。

 

 急いで現場(むじんとう)に到着、既に魔法少女たちが排除しようとしているみたいだが、大きな外敵がいて、魔法少女たちも攻めあぐねているようだ。

 

「魔法少女フォルテ、到着しました」

 

 通信を開始してそう言うと、今の状況を伝えられる。どうやら今回の外敵はかなり強くすでに今いる魔法少女たちは限界に近く戦線崩壊寸前らしい。という話を聞いているうちにすでに死にそうな魔法少女がいた。ビル程にでかいのにかなり俊敏な動きをする外敵に体当たりされて吹き飛びさらに追い打ちをかけられそうになっている。

 

 私はとりあえず魔法少女を拾い上げに行き、攻撃を回避しながら1発爆発する魔法を撃つ。爆発系の魔法はあまり見た目よりは威力がないが、相手と距離をとりたいときに便利なんだよね。傷ついた魔法少女は適当にその辺にいた魔法少女にポイッと引渡し、外敵の元へと向かう。

 

 外敵はピンピンしていて、さっきの攻撃ではダメージがないみたいだった。まあそれならもっと強い魔法を使えばいいか。

 

 この外敵は見た目としては巨大な卵型をしていて、かつ魚みたいな鱗や皮を持っている。おそらく魚を取り込んで擬態をしているタイプなのだろう。攻撃は基本的に体当たりしかしてこないがその大きさが数十メートルはありそれだけでかなり脅威ではある。それでも私の方が強いけど。

 

 攻撃をかわしつつ魔法での攻撃をしていくがいくら大きいとはいえ、なんかあまりに硬い。いや、表面で魔法が滑ってる?傷もほとんどついていないのは異常だ。どの攻撃なら通じるだろう。

 

 爆発系は当たるけどダメージになってるかは怪しいな。

 

 もっと規模のでかい攻撃をするならどうだろう。

 

 あ、通じてそう。まあそれでも大きすぎて馬鹿みたいな耐久あるけど。

 

 やっと倒せた。通信で討伐完了だと返す。他にも何か言いたげな感じを出しているけど言わないなら切る。

 

 さて、もう仕事も終わったしなんか適当にご飯食べて帰ろう。と思っていたらさっき助けた魔法少女に話しかけられた。さっきのお礼がしたいとかなんとか。お礼なんていらないんだけどな。欲しいものとかないし。

 

 正直に要らないと言うと、魔法少女の子の目に涙が浮かんできた。う、なんか罪悪感出てきちゃった。ちょっと断り方が悪かったかな。「お礼なんか要らない」なんて言うんじゃなかった。お前のお礼は受け取る価値もないみたいなニュアンス入っちゃったのかもしれない。

 

 お礼は言葉だけで十分すぎるからこれ以上のものは貰えないというと魔法少女の子は一応納得してくれたようだ。良かった。そう思っていたら私のお腹の虫が鳴り出した。

 

 魔法少女の子に美味しいお店を知っているからそこで一緒に昼食食べませんかと提案された。デザートのケーキとかの話がとても食欲がそそられてしまったので行くことにした。そこで初めてこの子の魔法少女名が分かった。名前はセイントというらしい。

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