社畜系TS魔法少女(旧題TS魔法少女と終末世界) 作:無知覚
今日は普段通りの外敵退治の時間だ。最近は変わった外敵が出てくることが多いらしく魔法少女の負傷率が上がっているとか。まあこの前怪我したから他人事ではないんだけど。
「魔法少女フォルテ、外敵の排除を開始します」
空を飛びやってくる外敵を撃ち落としていく。複雑な軌道で空を飛ぶため当てづらかった。普段なら数で圧殺していただろうけど今回はきちんと狙いを定めて丁寧に撃つ。何体も同時に攻撃しているため全てが当たるというわけではないが結構な精度で当てることが出来た。
そんな感じでちまちまと攻撃していたので段々近くに外敵が迫ってきた。さすがに数が多いので結界を張りつつ広範囲に攻撃出来る魔法を用意する。攻撃はされるが無理やり結界を保たせて時間を稼いでいる間に魔法の構築を終えたので撃つ。自分を中心として爆発のようなものが広がっていき近くの外敵は全て吹き飛び遠くにまだ少し残っているのみになった。残りは1発ずつ狙い撃ちして撃ち落としていく。
途中で1匹だけ、他と違う姿のやつがいた。濁った肉塊のようなものの側面に白いナニカがある。細くて小さい。よく見ると人の腕のようだ。どうやら人の死体が取り込まれているらしい。
気持ち悪いなとは思うが特に強くなっているわけではないので問題なく潰せた。すでに何億もの人々が犠牲になってるのにそれで動揺してやるほど甘くはない。見た目は最悪だけどそれ以外になにかあるわけではないし。
それでもなんでこんなものを見なきゃいけないのかと思わずため息をつくと通信で何かあったかと聞かれてしまった。なんでもないと答えて誤魔化しておいた。
それから少しして外敵を倒し終えたので帰還する。今日は下級、中級魔法少女の訓練を行う日だ。そろそろ魔力の節約をある程度できるようになってきたし、サボってる人が出てきたから別のことをやろう。下級魔法少女と中級魔法少女が同じ訓練をすることに不満を感じている人が多いという話を聞いたので今回は別のことをやろう。下級魔法少女は近接戦闘の練習を、中級魔法少女は回避の練習でもさせようかな。結界での防御はみんなできているけど、結界に魔力を消費しすぎると攻撃しにくいからね。
そんなことを思っていたのだが、訓練を始めようとしているといきなり訓練場の結界が崩れた。
訓練場の結界はそこまで耐久性はないと聞いてはいるが簡単に壊れるほどでもない。それがこんなあっさりと無くなるってことは明らかに結界を破壊しようとした犯人がいるはずだ。変身して飛行して周りの様子を確認しようかと考えていると建物の屋上の方から魔法が飛んできた。私以外を狙っているようだったので結界を張り全て防ぐ。が、かなり威力が高く結界が破壊されてしまった。
魔法が飛んできた方向を見るとそこには少女がいた。腰まで伸ばした白い髪に前髪の隙間から見える赤い目といった特徴的な見た目をしており服装からも魔法少女で間違いないだろう。その小さな体躯に見合わないほど大きな鎌のような武器を持っていて魔法であろう黒い玉を浮かべておりその姿はまるで死神のようだ。
「……特級魔法少女ふぉるて、お前を殺しにきた」
そう言うとその少女はこちらに向けていた手を下ろす。それと同時に浮いていた黒い玉がこちらに向かってきたので結界で防ぐがかなり威力が高く1発で結界が壊れてしまった。残りも瞬時に結界を張り直すことで防いだがこれが私以外に向かったのならやばそうだ。周りにいる訓練生たちに援護してもらうのは危険そうだし撤退させよう。
「建物内の設備で安全な場所へと退避してください!」
私は声を大きくして指示を出すとすぐに全員が動き出した。アレと戦いたくないと思ってくれたのだろうか。まあなんにせよこれで周りのことを気にせずに戦える。そう思った瞬間のことだった。
「そうは問屋が卸さないってな。特級魔法少女の足枷外すわけないやん」
そう言いながら現れたのは青い髪をサイドテールにして顔には狐のお面をつけた魔法少女だった。現れると同時に魔法を放ち訓練生たちへと攻撃する。咄嗟に結界を張るが移動中だったこともあり結界の外に出てしまった子がいてその子に魔法が直撃してしまった。
すぐに牽制しつつ負傷者を回収し、隙をみて結界を一瞬解除し中に放り込む。
他の子が回復魔法を使ってくれたのでこれで死ぬことはなさそうだがこれでは結界を破壊されれば無防備な子達に魔法を撃たれてしまいかねない。
結界を移動させることはできないし、解除すれば攻撃されるのであれば結界内の魔法少女たちを逃がすことはできなさそうだ。
とりあえず結界を何重にもすることで破壊されにくくし強度もできる限り強くする。
死神のような魔法少女の攻撃が結界に当たらないようにしないといけないし攻撃も大規模なものや高威力すぎるものは使用すると結界が壊れやすくなってしまうと、そういうことか。縛りプレイは嫌いなんだよなあ。