社畜系TS魔法少女(旧題TS魔法少女と終末世界) 作:無知覚
またテロが起きた。今度は国会で色々あったらしい。なぜ他人事なのかというと、私が北海道にいたときに起こっていた事件だったからだ。
既にテロ対策部隊によって鎮圧済みで今回は
私はもう少ししたら暇になれるんじゃないかと思っていたがこの分だとまだダメそうだ。
そろそろテロ対策の訓練なんかは終わったかと様子を見てみるとかなり問題が起きているようであまり期待できそうになかった。もうこれ諦めた方がいいと思うんだけど。そんな思いが通じたのか、単にやったという実績があれば良かったのか、その1週間後にはこの訓練はなくなり魔法少女たちが解放され訓練にまわされた魔法少女たちが戻ってきた。
これで私の仕事が減り暇になると思ったのが何故か特級魔法少女にもテロ対策訓練を行うとかいうことになった。
特級魔法少女たちが同時に訓練してると問題なので私ひとりでだ。
特殊部隊の中に1人というのは中々面倒だなあ。知り合いもいないし、と思っていたが訓練のときにこの前私に襲いかかってきた双子が謝罪と訓練相手になるということを伝えに来た。
訓練所にはかなり人がいた。ここでやるのかとため息をついているとどこかで見た双子が私を見ると、開口一番すみませんと改めて謝罪をしてきた。アレだ、以前襲いかかってきた双子だ。お菓子まで渡されたのとは関係ないが許すことにした。迷惑だとは思ったけど勘違いでワザとじゃないから1回くらいはね。仏の顔もなんとやらとかいうし。
「あの、ところでまだ自己紹介すらしてませんでしたよね。私は双子の妹、リーフです」
リーフは薄い緑と白の衣装のようだ。
「私は双子の姉のリーン。あなたのことは有名だしこの前のこともあるしもうわかってる」
リーンは濃い緑と紺の衣装だ。リーフはタレ目でリーンはツリ目だ。双子だけど区別はつきやすそうだ。
その後、今回の訓練について詳しい話を双子から聞いた。どうやら私の訓練相手はこの双子になるらしい。正直人選が間違っているのではないかと思ったがそれは双子も思っていたようで少しだけ気まずい雰囲気ができてしまった。一応間違いではないらしいので拒否するとかそういうことはせずに教えを受けることになった。のだが、私を見に来たらしい魔法少女たちがいて気が散る。
「ではフォルテさんも聞いているかもしれませんが、改めて今日からの訓練の内容について説明させていただきます。魔法から身を守るためには結界を使うことが多いですが、結界には弱点もあります。まず、攻撃の魔法が強すぎて結界を維持できないことがあること。そして、身体の全体を覆うように使うことで無駄な魔力を消費してしまうこと。これらを解決するのがテロ対策部隊の部分結界です」
妹のリーフがそう説明しながら分かりやすい図を書いたノートを見せてくれた。
「部分結界というのは、こういうもの。結界の一部だけを取り出して使うようなイメージなの」
今度は姉のリーンが実際に部分結界というものを見せて説明する。
「結界の面積が少ないからより魔力の消費は抑えられる。小さいと危ないと思うでしょう? でもこれは対人戦用だから大丈夫。外敵でもなければ魔法を放つのは自分の近くからしかできないからね。まあ、だから外敵相手には使えないんだけど。けど、もう1つの利点の方は外敵との戦闘にも使えるの。結界での防御は普通ただ魔法の威力を減衰させるだけなんだけど、こうやって面を作って、魔法に斜めからあてるようのすれば、魔法を受け流すことができる! 外敵の強力な攻撃だって結界で受け流すことも理論上可能なのよ」
部分結界は昔使ってたな。けど、基本的には躱す方が効率が良かったから受け流しなんて考えつかなかった。
「他に学ぶべき魔法や魔法の使い方はありますが、まずはこの部分結界から覚えていきましょう」
部分結界を作るのは慣れているのですぐに目の前に展開した。少し大きな盾くらいのサイズだ。浮遊させて私の意思で動かすことだってできる。
「わ、1回で成功したんですね。すごいです」
リーフが目をキラキラさせてそう言ったのですでにやったことがあるといいにくい感じになってしまった。
「え、ええ。そうですね」
「すぐできるなんて、やっぱり特級魔法少女なだけあるわね。でも、部分結界作るのはできても受け流しができないと意味が少ないわ。まずは基本的な練習からやるわよ」
なぜかワクワクした様子のリーンに連れられ訓練所の端に行くと、木の剣と盾を入れた箱があった。
「最初はこの剣と盾を使って受け流す感覚を練習するのよ。実際に部分結界を使うとすぐ魔力がなくなるから、これで練習する方法をとっているの」
魔力に対してはあまり心配してないけれど、剣と盾で戦うのは興味がある。それに、素直に従った方が話が早いし。
その後、剣と盾で受け流しの練習をしたがあまりやったことのない動きだったためなかなか思うようにはできなかった。コツとかを教えてもらってはいるが上手くできない。練習していくしかなさそうだ。
「かわしたり盾でガードするのは上手いわね。実践的ってことなのかしら。受け流しは私達も苦労してできるようになったから気にしないでいいと思うわ。これから私たちを練習相手にして習得しましょう」
「外敵との戦闘ではなかなか受け流しはしませんから仕方ないと思いますよ」
双子に慰められつつ訓練を終えて帰宅する。最近まで本部に寝泊まりしてたせいか静かすぎてちょっと落ち着かない気分になった。
なぜかなかなか寝付けなかったせいで寝不足になりつつ起きた。今日は外敵退治の日だ。さすがに私がずっと対人戦の訓練なんてやってたら他の人が忙しくなるからね。
大量の外敵がいるということで私は現場に到着し次第魔法で制圧を開始する。飛んでくる魔法に対して部分結界で受け流しの練習をしてみようと思ってたら失敗ばかりで結構避ける羽目になった。
実践で練習しても仕方ないということがよく分かったので処理速度を上げてさっさと仕事を終えた。
少し遠くに行ったため帰宅しようとしたときには夜になっていた。
帰りに買い物だけすることにする。最近やっと自宅で過ごせるようになったのはいいのだが、家に今ご飯が何もないので面倒だけど今日の晩ご飯と明日以降のご飯を買う。
買い物を終えてスマホでニュースを見ながら帰路に着く。ニュースでは民主主義の危機!? なんて見出しで煽りがあったりした。国会襲撃の件だろう。特に被害らしい被害もなかったというのに。外敵と戦う魔法少女の方がよほど被害に遭ってるよ。テロ組織だけじゃなく外敵相手も。
ため息をつきつつ、他のニュースを流し見していると、もうすぐ魔法少女適性検査が行われるというニュースがあった。毎年春に身体検査とかと一緒にやるやつだ。中学生になったら検査して、適性が見つかったら基本的には高校生で魔法少女になる。希望すれば中学生でもなれるけど、そんな子はあまりいない。私は中学生で魔法少女になったけど、それは特殊なケースだ。この適性検査は色々と物議を醸しているみたいだが、そうでもしないともうこの国は滅んでただろうし仕方ない部分もある。昔はふざけるなとか思ったけど立場が変わると意見も変わってしまうのはいいことなのかわるいことなのか。私にはもう分からないや。
他は特に大したニュースもなかった。家に帰ると疲れからかもう眠たかったのでシャワーだけ浴びて寝た。朝起きてスマホを見ると、魔法少女のメアリーから連絡が来ていた。とにかく本部に来いという旨の内容だった。今日の予定はないので行くことにする。
本部へと着くとスタッフに私宛の荷物があるとか言われた。この前の北海道土産のお返しらしい。しかも大量にある。そんなに渡されても困るんだけど。そう思ってたら特級魔法少女に割り当てられている部屋に冷蔵庫を入れてそこにお返しを既に入れてあるとか言われた。そこまでやられてしまうともう受け取るしかないとあきらめた。部屋に戻るとクソデカ冷蔵庫があった。業務用かというくらいデカい。部屋が急に狭くなってしまったような気がする。普段そんなに使ってなかったけど。
そういえばとメアリーのところに行くと本部に来いというのはやはりあのお返しの話だったようでじゃあ帰るかと思っているとまた身体の検査をされた。今回は思った以上にしっかりとした検査が行われた。レントゲン撮ったりとかそういうやつだった。
「問題ありませんでした。……検査お疲れ様。良かったら少し話でもどう?」
メアリーに誘われたので近況を話したり聞いたりした。テ対(テロ対策部隊)は最近大人しくなったらしく喧嘩などは起きていないようだ。関わらないようにされてるだけで態度自体は悪いままらしいのでまた一悶着ありそうで嫌だな。縦割り社会の悪いところが出てるのかな。他にもメアリーから他の特級魔法少女たちが面倒くさいだの言うこと聞いてくれないだのという話が聞けた。まあ偏屈なやつもいたし仕方ないと思うけど。
「あなたくらい真面目だと嬉しいんだけど」
私はまあ真面目にやってるけども。真面目にやりすぎてるから他の人が普通なんじゃないのとは思う。
なんだかんだ話すこともなくなったので自然と別れて家へと帰った。