社畜系TS魔法少女(旧題TS魔法少女と終末世界)   作:無知覚

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3話「定例会」

 セイントと一緒に食事をした。美味しいと聞いたお店はめちゃくちゃ美味しかった思わずおかわりまでしてしまった。食い意地張ってると思われたかもしれない。デザートにケーキも食べたけどそれも美味しかった。

「とても美味しそうに食べるんですね」

 とか言われてしまった。美味しいものは美味しく食べるのが大事だからね。しょうがない。セイントとの会話は普段あまり人と話さないからか、すごく楽しかった。会話の内容は殆どが食べ物の話だったけどそれでも十分楽しめた。私は普通の女の子の話題を振られても分からないだろうからその方がよかったかもしれない。

 

 お別れを告げるとまた会えますか? って聞かれたけどまあ運が良ければ会えるでしょと答えておいた。

 

 せっかく外にいるんだし色々買い物してから帰ろうかな。最近本屋さん行こうと思ってたしちょうどいいか。本屋さんに寄って本を大人買いしたせいで帰りはちょっと大変だった。もう少しこまめに出かけるべきだったね。家に帰り本を読んでいるとすぐに寝る時間になった。

 明日は緊急依頼とかないといいなあ。

 

 で、翌日。私は緊急依頼のせいで朝早くから家をでなければならなくなった。今度は食事を摂れたけどちょっと眠たい。

 今回の依頼は都市の近くにまでやってきた外敵を排除することらしい。まあ都市と言っても東京って名前の都市なんだけど。ここは前世にはなかった魔法少女がいたりするから私としては同じ都市とは思えない。平行世界だから仕方ないのかも。

 というか海岸部まで外敵が来てるなんて、あんまりないんだけど。来てるならもっと早く連絡されてると思うんだけどな。

 目的地に到着すると、外敵たちの姿が遠くに見えた。

「魔法少女フォルテ、到着しました」

 報告しながら様子を見ていると今回も魔法少女たちが戦っているようだった。都市に近いからか結構人数がいる。

 ……あれ私いなくても勝てそうじゃないかな。数の暴力で押し切れそう。やたら速いけどそれだけって感じだ。万が一魔法少女たちがやられちゃったらやばいから呼んでいそう。

「なにもしなくてよさそうね」

 突然魔法撃ち込んで蜘蛛の子を散らすように外敵たちがバラバラになってしまったら魔法少女たちが危ないしなあ。

 仕方なく適当に魔法少女と離れた位置にいた外敵をプチプチ潰して暇つぶしをしているといつの間にか終わっていたようだ。流石に数が多かったから早いね。しかし、この魔法少女たちの戦い方を見る限り、どうにも効率が悪い戦い方をする子が多いみたいだ。

 みんなで集まって1体の外敵に一斉に攻撃したりしている中級魔法少女っぽい子達がいるけれど、それは下級魔法少女たちがやるべきことなんだけど。

 

 下級魔法少女たちと中級魔法少女たちはどう区別されているのか。

 もちろん戦闘力で区別されることもある。けどこれは例外中の例外で、実際には固有魔法の発現。これが下級と中級とを分ける大きな差だ。固有魔法とは魔法少女たちがそれぞれ持つ独自の魔法だ。どんなものかは人によって千差万別であり発現するまで分からない。共通点としてはどれも強力であることや燃費の良さが挙げられる。だからそれが発現しているかどうかの差は大きい。発現できても制御できなければ中級魔法少女にはなれないけど。

 まあ確かにみんなで下級魔法少女も使える汎用魔法を使って攻撃するのは強いけど燃費が悪い。固有魔法は攻撃系のものが多いから数十人もいるのに攻撃系以外ばかりではないだろうしそれぞれが固有魔法で攻撃する方が効率がいいんだけど。役割分担大事。私はやらないけど。

 

 ……まあいいか。そういうのは私の仕事じゃないし私がやってないし。

 都市が危険に晒されてるってことは分かるけどさ、こうも気軽に呼び出さなくてもいいんじゃないかなと思う。上級魔法少女くらいでも余裕で対処できるレベルだったじゃん。

「外敵の反応はありますか?」

 通信で聞くと、もう反応はないとのことだった。外敵がもういないなら帰るかと思っていると、通信で定例会に参加しろと言われた。定例会?ってあれか、特級魔法少女たちで集まって話し合いするってやつ。でもあれ確かいつも10人中3人しかいないから私だって1回行ったきりのやつだったはずなんだけど。それがなんでわざわざ通信で言われたんだろう。まあ行けばわかるかな。定例会は2日後ということだったのでそれまでは外敵討伐と家でゴロゴロするのを繰り返していた。

 2日後、都市内のとある施設にある会議室へとやってきた。そこにはもう何人か集まっていた。私は特級魔法少女は全員顔を合わせたことがあるというわけではないため知っているのは4人だけだ。

 今ここには私を含めて5人いる。いつもより多い。だから呼んだのだろうか。そう思いながら定例会の時間まで待っていると、さらに魔法少女が3人やってきた。これで合計8人もの特級魔法少女がいるということになった。たぶん。

 管理局のスタッフ以外にはそれ以上人が増えることはなく、定例会が始まった。

「皆さんお集まりいただきありがとうございます。ではまず始めに一応自己紹介からでもしておきましょうか」

 そう口火を切ったのは元々この定例会にいた3人の中の1人で回復系の固有魔法を持つ魔法少女メアリーだった。

 特級魔法少女といっても別にみんな近くにいるというわけではない。私は東京を中心とした関東で主に活動しているが、ほかの特級魔法少女たちはまた別の地方で活躍していたりするから特に関わりがない。だというのに持ち場を離れて会議なんて一体どうしたんだろう。

 自己紹介が始まったがみんな大体同じ内容だ。自分の名前とどこに住んでいるかを言ってただけだった。

「さて、今回の議題ですが。……実はここ最近従来の外敵とは異なる外敵が出現しています。それもかなり強力で今までの外敵とは別物と言ってもいいほどです。今回こうして皆様に来てもらった理由はそのことについて話し合うことと、対策を話し合うためなのです」

 へえ、意外と真面目な話だった。前はもっとくだらない話だったのに。

「それで、具体的にどういう風に厄介なのかは教えて貰えるのかな」

 そう言ったのはラクティスと名乗っていた魔法少女だった。他の人たちも気になるのか興味深そうにしている。

「そうですね。例えばですが、これまでは外敵の群れは一体一体は同じような性質を持っていたりしましたが、一体ごと属性が異なっていたり、能力に差があるようなことがあったようです。また、空高く飛び上がることでまるでミサイルのような動きを行い警戒網をくぐり抜けるようなこともあったようです」

 なるほど。確かにそんな感じの敵は結構面倒そうだね。

「その外敵と戦った、フォルテさんはどう感じましたか?」

 え? そんなのいたっけ。全然覚えてないや。

「……ぁ、あれですか」

 アレか。2日前の外敵。普通に中級魔法少女と下級魔法少女たちで対処出来てたやつ。私も一応戦ったけどそうか、弱すぎて特に気にしてなかったけどアレ属性違ったのか。どうりで1発で死なないやつもいたりしたわけだ。あとそういう理由で東京の近くまで来てたわけか。それは予想外。というか忘れてた。

 最近雑にやりすぎていたなあ。ちょっと戦闘の勘とかが鈍ってそうだ。さすがにちょっとどうにかしようか。というのはまあ置いといて今はあの外敵か。確かに属性がばらばらだったりはしたけどそもそもがそんなに強くなかったんだよなあ。

「あの外敵は確かに属性がばらばらだったようでしたが上級以上ならば問題にもならない程度でした」

 そういうとなんだ、とかそんなものかという感じの反応が返ってくる。

「いえ、今までこのような変異種と呼ぶべき外敵は現れたことがなかったのです。つまり、人間に魔法少女が現れたように外敵にも変異するものたちが現れた可能性があるのです。実際、他国でも同じような傾向が見られるそうです。もしこれから先特級魔法少女が対処する危険度の外敵がこのような変異を起こすとすれば、その対処は今までよりもずっと難しいものとなるでしょう」

 そう管理局側のスタッフが口を挟む。すると魔法少女たちの顔も少し真剣なものに変わる。

「だからこそ、その対策が必要だと思うのです。お分かりいただけましたか?」

 メアリーの問いにみんな無言で肯定の意を示す。すぐに対策に必要なものはなんなのかという会議が行われる。まずは外敵の属性耐性を突破する方法とか。耐性を貫通させる方法はない訳では無い。耐性を低下させる妨害系(デバフ)の魔法を使ったり、貫通力を上げる支援系(バフ)の魔法を使うと抜けたりする。このような魔法を使うことに長けた魔法少女の部隊の作成などが提案された。あと固有魔法の属性と異なる属性の汎用魔法の練習だとか、特級魔法少女が直接下位の魔法少女を育成して全体の戦闘力の増加に努めようという話が出ていた。また仕事が増えそうだなあ。魔法少女育成は私とほか3人に役割が割り振られた。まあ戦い方を考えると下位の魔法少女に教えるなら私か。私は関東だけでなく東北とか北海道まで担当することになった。正直そんな距離移動したくないと思っていたのだが、どうやらそれをなんとかする手段があるらしい。

「実は、最近魔法を用いた転移が行えるようになったのですよ。今回の定例会にもほかの地方の皆さんに転移で来てもらいました。この転移を利用して魔法少女たちをこちらに呼び出せますので、こちらから出向く必要はありません」

 ちょっと衝撃的だった。転移か。魔法でそういうことできるのね。うわあああ、なんかこのその手があったかみたいな感覚でもやもやする。ゲームとかではよくあるやつじゃんか。そういう魔法使いたい。実質どこでもドアじゃん。便利そう。と思ったが転移には専用の施設が必要なうえ距離の制限もあるためどこでもドアではなかったようだった。自分で似たような魔法作れないかな。

 その後、色々細かいことを決めたり情報共有とかがあり定例会が終わったころにはもう日が暮れ始めていた。昼ごはんは大したものを食べれなかったのでもうお腹が空いてふらふらしてきた。

 これだと家まで持たないな。どこかで食べていこう。地図アプリで家までのルートでお店を検索するとこの前セイントと行ったお店があった。あそこのデザート美味しかったしまた行ってみようかな。

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