社畜系TS魔法少女(旧題TS魔法少女と終末世界) 作:無知覚
魔法少女育成計画を進めているうちに1週間ほど経過した。
とりあえず中級魔法少女と下級魔法少女の育成を行うことになっているのだが、その数が多すぎてまともに指導しようとすると時間かかりすぎる。だから、まずはひとつのことだけを教えることにした。
特に下級魔法少女たちは固有魔法がなく魔法少女なら誰でも使える汎用魔法しか使えないが燃費が悪い。だから燃費を良くするための魔力の節約方法を教えようと思う。中級魔法少女はまた別の理由があるけど下級魔法少女と同じことを教える。
魔力を節約するコツは3つあってひとつ目は魔法の効果範囲を制限すること。ふたつ目は発動時間を短くすること。みっつ目は近くで使うことだ。まあみっつ目は特に危険だから教えないけど。責任なんて持てないからね。
基本的に全部外敵相手にやるには難しい。練習ならいくらでもできるだろうけど、本番だと外敵の弱点を狙ったりするとか、防御が崩れた瞬間を狙ったりするとか、そして特にギリギリまで近づくといったことは失敗すれば大怪我につながるし、最悪死ぬかもしれない。
まあそれでも、この方法はある程度慣れれば難しくとも実戦で役に立つはずだ。それにうまくいけば固有魔法ほどじゃなくとも汎用魔法でもそこそこの戦力になるかもしれない。戦力が少しでも向上する可能性があるならやるべきだろう。
そして当日、私は魔法少女の訓練場にきた。すでに魔法少女たちが集まっていた。みんな緊張しているのか表情が硬いな……。みんなの前で話す私の方が緊張すると思うんだけどなあ。
時間になったのでマイクを使い私の自己紹介と今回やることを伝えた。理屈自体はそこまで難しくないのでみんなすぐに理解したようだ。ただ、実際にやってみないと訓練だろうとできるようにはならない。
ということで私がお手本を見せたあと実践してもらうことになった。まずは手始めとして簡単な魔法からだ。お手本は私が一番派手だと思う魔法にした。火球を飛ばす初心者がよく使う攻撃魔法だ。
まずは普通に使う。これは特に変わったことは無い。次に範囲を人1人くらいにまで狭める。そしてさらに発動時間もわかりやすいくらいに縮めてみる。何度も見せてみるがあまり反応がない。
反応がないのはちょっと悲しいんだけど。そう思いながらとりあえずそこらへんにいた魔法少女に何か分からないところがないか聞いてみる。しかし別に何か分からないというわけではなく単にこんなの難しすぎるという話だった。まあそりゃやったこともなければそうなるだろうって感じだけど、訓練でならこれくらいできるようになるはずだ。すぐにできるようにはならないことも分かっていると伝えると安心したような表情をしていた子が割といたのが気になった。そんなに私の雰囲気怖いのかな。
どのようにやるのかの説明をもう少し詳しくやって今度は実際に魔法少女たちにやってもらうことにした。範囲制限や発動する時間の短縮をそれぞれ練習してもらう。片方だけならまだ簡単だろう。
結局、その日のうちにできるようになった子はいなかったが、次の日にはできるようになった子がそこそこいた。そして日が経つ事にできる子が増えていき4日後には全員できるようになった。
まあ練習でできても実践でできるかどうかは別問題ではあるけれど。範囲を変えたり発動する時間を変えたりできるだけと魔力の節約のために使えることとかは全く違うことだからね。
途中でセイントもこの訓練に参加していたことが分かり彼女はかなり真面目に取り組んでいてくれたのが印象に残った。思ったより筋もよさそうだし、将来有望かもしれない。
その後は魔力の節約しながら魔法を撃つことを繰り返しやってもらうことにしていたのだが、ちょっと地味すぎてやる気が続かなかったらしく数日程度であまり上手くなる子もいなくなってしまった。
まあこんな地味なことするのは誰だって嫌か。それにしてもやる気を出させる方法なんて思いつかないな。
魔力の節約をして上級とか特級魔法少女が来るまで時間稼ぎできれば被害とかは少なくなると思うんだけど。
まあいいか。これはあくまで保険みたいなものだし、強くなるという本来の趣旨とはちょっと外れてるからね。もう訓練ではできるからあとは練習を続けてもらえばいいや。次は何を教えようかな。
そう思っていると緊急依頼がきた。こうなったら外敵の排除という本来の仕事をしなくてはいけない。
現場へと急いで出発する。さて、どんな敵がいるのかな。