社畜系TS魔法少女(旧題TS魔法少女と終末世界)   作:無知覚

8 / 19
8話「害虫駆除」

 育成計画もなんとかひと段落したので、ようやく暇な時間ができてきた。それぞれ自主練習してもらうことで半分以上時間が空いた。たまに新しいことを教えるときは時間がなくなるけど。

 

 そんなこんなで久しぶりに本を読んだりゲームをしたりしていた。自分の部屋でゲームをして本を読んで外敵を倒してと前の生活に大分戻れていた。

 けれど最近は変わったことも多い。セイントがよく連絡してきたり、ある特級魔法少女に絡まれたりが多くなってきた。絡んでくるのはヴィオラという名前の魔法少女だ。火炎系の固有魔法で有名な魔法少女だったはずだけど、なぜか私に話しかけてくる。といっても友好的に話しかけられるというよりは対抗意識みたいなものがあるのか模擬戦を挑まれるんだけど。模擬戦でどちらかが怪我しても面倒だし時間がやたらかかるからやってないけどどうしてそんなに戦いたがるんだろうね。

 

 そしてそんな至福の時間(おやすみ)に、仕事が入ってしまった。

 大陸の方からたくさん外敵がやってくるという毎年ある面倒な時期になってしまったので、その対処をする仕事だ。もっと早い時期に呼び出されるはずだと思ったら転移できるから少し遅くなってるらしい。なんか管理局の仕事雑になってないか? 

 

 

 管理局へと着くとヴィオラがいた。彼女は固有魔法の範囲が馬鹿みたいに広く大量の外敵相手には強いから連れてこられたのだろう。管理局本部から転移装置を使い転移を行う。転移装置はどこでもドアってよりは長距離の瞬間移動を行う感じの動かすことは想定されてなさそうな装置だった。こういうの個人で使えるようになったらすごい便利そうなんだけど。

 転移が始まると視界が歪み、平衡感覚がなくなってきた。しばらく気持ち悪いなと思っていると視界が元に戻ってきた。転移に成功したらしい。ふと隣を見ると真っ青な顔をした魔法少女がいた。さっきので酔ってしまったらしい。私も少し気持ち悪いけど、ヴィオラの方がよほど重症のようだ。

 転移先のスタッフがヴィオラを横になれるところに連れていくということになったので私は先にブリーフィングを受けることになった。今回の作戦は1人でできる規模を超えているからね。他の人の動きも理解しないといけない。

 

 今回の外敵は既にわかっているだけでも1万体を超えているらしい。大型の外敵もいることまで分かっているとか。大型は私が相手して、雑魚はヴィオラにという役割分担でやれとのことだった。もちろんヴィオラだけではさすがに無理があるのでほかの魔法少女たちもいるが。

 ブリーフィングが終わりしばらく待機していると、ヴィオラがやってきた。どうやらブリーフィングを受けてきたらしい。顔色も良くなっているのでもう大丈夫そうだ。

「またせたわね。さ、準備は終わった?」

「ええ、もちろん」

 ヴィオラ待ちだったからね。

 私たちは変身し、管理局の支部から直接外敵の方へ飛んで行った。

 しばらく飛び、外敵が遠くに見えてきた。今回の外敵はバッタのような見た目をしている。バッタにしてはサイズが大きすぎるけど。人よりも大きい虫とかもう見るのも嫌だな。

「外敵を確認しました」

 遠くからでも数の多さはよくわかる。あんなのまともに相手してられないよね。

「魔法少女ヴィオラ、ただいまより戦闘を開始します」

 ヴィオラがそういうと同時に巨大な魔法陣を展開する。あれが彼女の固有魔法だ。魔法陣からは火柱が噴き出し、そのまま一気に拡散していく。炎熱系魔法を操る魔法少女の中でも最も強いと言われるだけはあり、圧倒的な火力だ。外敵がみるみるうちに減っていった。

 しばらくそれを眺めていると、大型の外敵が現れた。雑魚とは違い見た目としては虫というよりは獣みたいだ。あれは私の獲物だろう。現にヴィオラの魔法でも耐えているし。もちろんヴィオラがあいつだけに攻撃すれば倒せるだろうけどそれじゃほかの雑魚が処理できないからね。

「あのデカブツなんとかしてちょうだい!」

「ええ、すぐに。魔法少女フォルテ、排除を開始します」

 さすがに距離が遠すぎるので飛行しながら外敵へと近づく。大型の外敵はヴィオラに対して敵意を向けているのでさっさと注意をこちらに向けさせる。

 炎熱系に対する耐性とかもあるかもしれないので氷雪系の魔法を使ってみるが反応が鈍い。弱点なのかはよく分からなかった。仕方ないので魔法を色んな種類使ってみて数でごり押す。攻撃を続けると外敵がこちらを向いたのであとはひたすら逃げつつ攻撃していく。ヴィオラの方に行かないようにだけ注意する。

 

 しばらく続けてだんだん弱ってきたのでそろそろ倒せそうだ。と思った瞬間、焼けるような熱波に襲われた。咄嗟に防御魔法を使ったがあまりの熱で多少ダメージを受ける。念のため防御魔法を準備していたからある程度防げたけれどと、思わず後ろを振り返りそうになったが、目の前の外敵の様子が変わっていることに気づく。

 頭部みたいな場所に大砲のような感じの見た目の部位が増えている。あそこから熱を吹き出しているようだ。あんな熱をずっとは耐えてられないので防御魔法を使いながら攻撃をしてとどめを刺そうとするが殺しきれない。

 また攻撃を続けていく。動きが鈍くなってるとはいえでかいだけあって耐久力が高すぎる。と思っていると突然熱以外での攻撃がきた。雷とか暴風とか冷気とかだった。属性が多すぎて防御魔法を突破されてダメージを負う。

 さっきまで熱以外での攻撃はなかったのになんでと疑問に思っているとまた攻撃がとんでくる。今度は受けずに回避を選択する。また複数属性での攻撃だった。

 一体どういうことなのだろうかと考えながら回避に徹していると攻撃が止んだ。次に雷系の魔法を使ってみる。しばらくすると雷での攻撃がとんで来た。

 ……つまり、魔法の吸収と放出といったところだろうか。弱っていると思ったのも単に動きが鈍いだけ? 

 じゃあ物理で攻撃してみる。すると一撃で外敵が死んだ。このデカさであんなに脆いわけないから弱ってはいたということなのだろうか。ちょっとよく分からない敵だったな。

 

 ダメージを受けたので回復魔法を使って傷を癒しながらヴィオラの方まで戻ると、既に終わっていた。

「思ったより時間かかったわね。もう雑魚はいないわよ……って怪我してるじゃない!」

「ああ、思ったよりも酷かったのね」

 汎用魔法で治療したものの怪我が残っていたようだ。興奮していたのか痛みを忘れてしまっていた。

「ちゃんと治さないと傷が残るでしょ。ほら、早く治療室行くわよ」

 ヴィオラにそう言われて船の治療室に連れられていき怪我を診てもらうと、特に火傷が酷かったようで、固有魔法での治療をしてもらうことになった。汎用魔法じゃ治しきれなかったらしい。火傷の痕は残らなかった。

 

 

 外敵退治が終了したので管理局の支部に戻り本部へと転移した。

 また隣で青い顔をしている魔法少女がいたので今度は私が治療室まで連れていくと、そこには特級魔法少女のメアリーがいた。

「あら、こんなところに来るなんて珍しいわね。今回は……ヴィオラさんの転移酔いかしら?」

「ええ、まあ。じゃああとはよろしくお願いします」

 そう言ってヴィオラを引き渡して立ち去ろうとしたのだが、何故か私の肩を掴まれてしまった。

「怪我をしたって聞いたわ」

「すでに治療してもらいました。痕も残ってませんよ」

「たまに診ておかないと怪我を隠してそうで怖いのよ。前科もあるし」

 前に死にかけたときにそれ以外の傷が全部バレたことがあった。でもアレはもう無くなったから隠す意味もないんだけど。

「とにかく、怪我がないか診るからちょっとまってて。すぐ終わらせるわ」

 とヴィオラをどこかへと連れていった。私は特にすることもないので椅子に座って待つことにした。しばらくスマホを弄っているとメアリーが戻ってきた。

「もし逃げてたら呼び出そうと思ってたけど逃げてなくて良かったわ」

 怪我してないか見るからと個室で服を脱ぐように言われたので脱いだ。

「確かに怪我はしていないみたいね」

 ぺたぺたと背中を触られるとすごくくすぐったい。メアリーはその後も色々診てたがすぐに終わり私は解放された。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。