ここは神次元ゲイムギョウ界。この世界には4つの国がある。
女神、アイリスハートが納める、プラネテューヌ。
女神、ブラックハートの納める、ラステイション。
女神、ホワイトハートの納める、ルウィー。
女神、グリーンハートの納める、リーンボックス。
その四つの国がいがみ合っていたその時。ある少女が勇敢にも女神となり立ちあがり、四つの国を友好な関係に導いたという。
その少女の名はピーシェ、イエローハート。
□ □ □
「はぁぁ!!」
暗い森の中、一人の少女が凶暴なモンスターに一人で向かい、見事に撃破した。
「……はぁ」
その少女はため息をつきながら、持っていた小型のダガーナイフを懐にしまい、自分の黄髪のロングヘアーを翻した。
歳は二十代くらいだろうか。大きく青い双眸に、黄色いハーフアップの長髪が特徴的な女性で、白いタンクトップの上に黄色いプルゾンジャケットを羽織り、下はプリーツスカートを穿いている大人っぽい女性だ。
「粗方終わった…かな」
少女はあたりを見渡しながら、そう呟いた。
あたりにはモンスターの影もなく、まるでこの一帯をたった一人のこの少女が、モンスターを殲滅したようだった。
「ピーシェ、こっちは終わったわよ、そっちは?」
「終わったよ、お疲れ様。アイエフ、コンパ」
木の陰から出てきた二人の少女に向けて、ピーシェと呼ばれた少女は微笑みを浮かべた。
陰から出てきた少女の一人は、おっとりしているが、大きな注射器を持っている
もう一人は片手に拳銃を持っていて、葉っぱのようなリボンを靡かせている。
「こっちのほう、アンタ一人に任せて悪かったわね」
「大丈夫、気にしないで」
そういうとピーシェは、ポケットからプリンシェイクをとりだし、アイエフとコンパに投げ渡した。二人ともそれを受け取り、飲み始める。
「大丈夫です?ケガはしてないですか?」
「大丈夫だよ、ほら」
そう言ってピーシェはクルクルと回って見せる。まるで戦闘など無かったかのように無傷で汚れていない。
「それなら良いですけど……」
「アンタ最近頑張りすぎよ?
「あはは……、努力するよ」
ピーシェは優しい二人の言葉に苦笑いで答えた。
「努力するって……ピーシェちゃん? アイちゃんが言ってるのは───」
「あ〜えっと……、ちょっと向こうの方も見てくるね!」
「あっ、ちょっと!!」
なんとなくその場に居辛くなったピーシェは、そそくさと逃げるようにその場から立ち去ってしまった。
□ □ □
『ピー子はこれ持ってって?』
紫髪の女性にそう言われ、ピーシェは渡された袋の中を確認すると、ねぷのプリン、と書かれた何かの食べ物だった。
『ねぷてゅーぬ……なに?これ…』
『……っ』
ピーシェは何かわからずそう言うと、紫髪の女性は少し悲しそうな顔をした後。
『……世界で一番おいしいたべものだよ!』
そう言った。
ピーシェは何も言えず、ただそのねぷのプリンと書かれているものを見つめることしか出来なかった。
『ピーシェちゃん…行こう』
プルルトにそう言われ、ピーシェは言われるがまま、光の柱へむかった…。
そして何人もの人に見守られる中……ピーシェは思い出した……、もう会えないかもしれないこのタイミングで……思い出してしまった……。
『……ねぷてぬ?』
今までぽっかり空いていた、ネプテューヌ、ねぷてぬとの楽しかった記憶、笑いあった記憶……。
そして喧嘩して。結局『ごめんなさい』を一言も言えなかったことを……。
□ □ □
「また……会えたらいいな」
ピーシェはそう呟いた。誰も見ていないところで、一人寂しくそうに――
「ねぷてぬ……」
別の次元にいる、その大切な友達の名前を口にした。
「また会って、必ず『ごめん』って言わなきゃ」
このピーシェと言う少女がネプテューヌという少女に迷惑をかけたことは、決して謝って済む問題では無い。しかしピーシェはどうしても謝りたかった。
自分を大好きと言ってくれたあの親友に。
□ □ □
「あ、ピーシェちゃん、おかえり〜」
「うん、ただいま、プルルト」
プラネテューヌの協会、真っ先にピーシェを出迎えた髪がボサボサのこの女の子は、プルルート。
神次元ゲイムギョウ界、プラネテューヌの守護女神だ。
「あ、ピーシェさん、お疲れ様です(^^)」
そして、この本に乗っている小さい妖精はイストワール。ピーシェの母親的存在だ。
「うん、いーすん様もお疲れ様」
そう言ってピーシェは料理を作り始める、基本的にプラネテューヌで料理を作っているのはピーシェだ。そんなピーシェをよそに、プルルートはいつもの事のようにぬいぐるみを作り始める。
「そういえばピーシェさん(・_・)」
「なに?いーすん様」
「ピーシェさん宛に荷物が届いていましたお渡しします<(`・ω・´)」
そう言って、イストワールは小さい小包を渡してきた。確かにピーシェへ、と書いてある。
「うん、後で見ておく」
ピーシェは片手で卵を割りながら、小包を胸ポケットの中へ入れた。
「よろしいのですか? ビッキィさんに『女神様宛は不審物の可能性があるので、最初は自分を通してください』とあれほど……(^_^;)」
「いいよいいよ、こんな小包みにあの子の時間を割くわけにはいかないでしょ?」
「ピーシェちゃ〜ん、おなかすいた〜〜」
「はいはい」
いつも通りすぎるプルルートに苦笑いを浮かべながら、ピーシェは料理を手早く作り、プルルート、そしてイストワールと共に食べた。ちなみに炒飯だ。
□ □ □
「さて、中身、中身っと」
ピーシェは夕食を食べた後、書類仕事を手早く片付け、軽くベッドでゴロゴロした後、自分の机においていた小包に手を伸ばした。
「……ゲーム?」
入っていたのはディスクのゲームだった。特に特徴はないが、ピーシェが見たことがない物だった。
「そもそも、誰からのおくりもの?」
今思えば、差出人が書いていなかった。一旦ディスクをおいて、落ち着くためにプリンシェイクを一口飲んだ。
「うー……ん」
特に変な小細工が仕込まれている痕跡はないし、かと言って普通のゲームにしてはメーカー書いてないし、見つめても謎は深まるばかりだった。
「……とりあえず起動しよっかな」
考えても答えは出ないと判断し、ハードを起動させてディスクを挿入した。
その刹那――、
「うわっ、な、なに!?」
ピーシェの視界は目映い閃光に包まれ、ピーシェの意識は暗転した。