五等分の花嫁・あなたと共に過ごした記憶   作:angelika

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第十三話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 不眠症。

 これは、現代において止まることのない話題だ。国際的なデータによれば、世界の半数以上が不眠症に悩まされているという。その名の通り、何かしらの要因によって「眠る」という行為が妨げられる状態。医学的には入眠障害とも呼ばれる。他の国がどんな対処法を取っているのか、原因が何かは国それぞれだろう。だけど、日本においてはコツコツ型の不眠がよく見られると言われている。その主な原因は社会からのプレッシャー。つまり、仕事と人間関係。

 うん、よくある話だ。

 もちろん、学園内でもこの問題は軽視できない。実際、不眠症には大きく分けて二つのタイプがある。一つは途中覚醒、もう一つは早朝覚醒。

 ここから先は、私の専門分野じゃないからあまり語れない。そもそも医者でもないし、カウンセラーでもないし。ただ一つだけ言えるのは私は前者。原因? まあ、それはちょっと伏せさせてもらおうか。ヒントを言うならこいつだ。こいつと知り合ってから、私の生活は明らかにおかしくなった。無理やり、領域外のことを押し付けられて。それが、地味にストレスになってる。でも、まぁ、徐々に改善しているのも事実だ。ただし、後遺症は出ている。元々、私は四時間睡眠だった。それが一時間減って、三時間。

 いや、これは地味にキツい。眠り直しても、三時間。毎晩それだ。本当に、つらい。

 

「仕方ね。起きるか、朝だしな」

 

 考えすぎると、睡眠時間がさらに削られるかもしれない。よし、顔でも洗ってくるか。

 私は太郎を起こさないように、そっと寝室を出た。階段をゆっくり下りる途中、ふと五月さんの部屋のドアに目がいく。

 大丈夫、かな。あまり、自分を追い詰めないで願いたい。

 そんなことを考えながら、風呂場のドアを開けた、その瞬間。私は動きを止めた。いや、凍った。そこには、タオル一枚を身にまとい、歯ブラシを口にくわえたままの蝶々がいた。お互い、しばらくガン見。何秒だったか、数える余裕もなかった。けれど、頭の中では思考回路が猛烈なスピードで動き始めていた。そして私も彼女も、その場で漫画でよくある行動を取った。

 

「キャアアアア。。。ん!」

 

 私は蝶々が叫ぶより一瞬早く、その口を手で塞いだ。さらに、暴れないように、もう片方の腕で彼女の両手の動きを封じた。

 ちょ、ちょっと待って!?これ、漫画でよくある“当たり前の行動”じゃないよね!?ていうか、これやばいって!!まじでやばいやつじゃんこれ!!!どう見ても私の好きなあの漫画の、あの、ヒロインがちょっとアレなシチュに巻き込まれる系の、アレだよね!?完ッ全にアレだよね!?!?って、この状況で私の脳、何考えてんの!!!

 

「ごめんなさい!ごめんなさい!本当にすみません!わざとじゃないんです!こんな時間にお前がいるのを思えなくて!故意はないんです!顔を洗うつもりできたんです!本当にやましいことをするつもりはないんです!だからごめんなさい!勘弁してください!お願いします!」

 

 私の巧言令色で全身全霊の謝罪を強調した。

 さっきまで激しく暴れていていた蝶々が少しずつ涙目で落ち着いていた。私も力加減を自重した。

 よかった。

 

「わかってくれ。。。」

 

 この時油断した。

 

「この。。。ど変態がああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 蝶々はこうやすやす許すはずはなかった。彼女は一切躊躇なく、全身の力を振り絞って、言葉で表現できないところを狙って蹴飛ばされた。

 それから意識は朦朧なためなにがあったのか覚えていない、ただすごく罵倒されたて朝ご飯を作らせる羽目になった。作っている最中もちろん彼女の脅しはかけられなかった。

 

「こら、さっさと皿を準備しなさい。早くしないと五月に言いつけるわよ。嫌われたくないでしょう。この襲い魔!」

 

「はい!ただいま!」

 

 熱々の湯に酢を少し垂らして、割った卵を一つそっと落とす。白身がまとまり始めたら、箸で優しくぐるぐる回す。一方で、マフィンのようなパンをトースターで軽く焼いて皿に乗せ、香ばしく焼けたベーコンをその上に。最後に、半熟のポーチドエッグをそっと乗せて、仕上げにパセリをぱらりと散らせば。。。ジャジャン! エッグ・ベネディクトの完成!英式料理は初めてだったけど、案外いけるじゃん。

 時計の針が朝の八時を指した頃、姉妹たちがぞろぞろとリビングに集まってきた。ただし、三女だけはまだ姿を見せていなかった。

 

「おはよう、アンくん。朝早いね」

 

「おっはよございます!」

 

「おはようございます」

 

「みんな、おはよう。朝食作ったから熱いうちに早く顔を洗って食べて」

 

「天使さんが作ったんですか?美味しいそう」

 

「もちのろんですよっと言いたいところだが、こいつから学んだ」

 

「ちょっとこいつって誰のことよ」

 

 こいつとは文字通りこいつである。漢字で書いても此奴である。気にしない気にしない。

 

「ごめん、天使さん。私はちょっと離れますが先に食べてください」

 

 オーケー、オーケー、案ずるな。熱は逃げるけど、エッグ・ベネディクトは逃げないよ。でもなんだ、先に食べてもよかったのに。

 

「あ、五月さんは特別に一番大きいのを差し上げます」

 

 五月さんは食いしん坊だからな。

 

「いえ、普通の量で結構です」

 

「そうっか、普通でいいか。ではええええええええええええええええええええええ!」

 

 あの五月さんが普通でいいだと!なにか具合の悪いもの食べたのか!いや、飯の前になにか食べたならいいけど、それを五月さんに通じる!?

 

「ちょっと五月、大丈夫」

 

「大丈夫です」

 

「ならいいけど」

 

 大丈夫と言っても私は繰り返ししつこく聞いてみる。結局答えは同じだった。

 

「普段の私はなんだと思わっていますか」

 

「「暴食お化け」」

 

「おば!。。。二乃はともかく天使くんに言われたくありません!」

 

 あ、よかった大丈夫そうだ。

 

「はは!二乃とアンくんは相変わらず息ぴったりだね」

 

「「は!そんなわけないでしょう!」だろう!」

 

「ほら、阿吽の呼吸になっている。実は二人が裏で付き合ったりして」

 

「一花、それは冗談でもやめなさい」

 

 いや、そこで冗談でいけよ。五月さんは妙に動揺してるし。

 

「こいつはね。今朝私を。。。」

 

「ああああ!そういえば三女と太郎はまだ起きてないようだね!」

 

 言わせねよ!

 

「三玖は私が起きた時いなかったから四葉は探しに行ったよ」

 

 朝っぱらから元気だな。だから先に行ったのか。

 

「あれ?でも三女っていつ外へ出たんだ?」

 

「あれ?じゃ二乃は?」

 

「私はこいつとずっと一緒に厨房でいたから見てないわ」

 

 え?蝶々も見てないの。朝早く先に出かけるようなタイプに見えないですけど。じゃどこへ?

 

「そうか見てないか。。。っで二乃となにがあったの?」

 

「。。。五月さん。彼とはどうだった?」

 

「無視?」

 

「そうですね。どうも彼とは馬が合いません。この前も諍いを起こしてしまいました。些細なことでムキになってしまう自分がいます」

 

 確かに彼女と太郎の相性は災厄だ。まさに犬猿の中かな。

 

「私は一花や三玖のようにはなりません」

 

 。。。五月さん。

 

「なれるよ」

 

 急に一花が言いました。

 

「ここの髪を持ってきて。三玖のできあがり!」

 

 おおお、見事に三女だ。あとヘッドホンを付ければ完璧。

 

「私は真剣に言ってるんですが!」

 

 まあ、まあ、怒らない怒らない。

 

「あんたたち!髪の分け目は逆よ。もっと寝ぼけた目にして」

 

「髪をストレートで」

 

「この毛が邪魔だな」

 

「私で遊ばないでください!」

 

 五月さんはやめろと言いながらも私たちは止めることはできませんでした。むしろ悪ふざけさらに重ねていた。一花はこの変装を使って三女の部屋で寝ている太郎を驚かそうと思った。

 あいつは姉妹たちを未だ見分けるできないからその醜態をスマホに収めておこうか。

 早速実行に移った際から一花に止めれた。そしてさっきの問題を聞いてきた。

 

「ね、さっき二乃となにがあったの?」

 

 目を離した隙に不意打ちはやめてくれません。おい、助けろお前も知られたくないだろ。。。あ、こいつ微笑いをしたな。したよね。私が困るので楽しんでるよね!オンノレ!私が話すわけなだの知ってて意地悪している!

 

「えっと。。。あれだ。。。彼女と激しい運動をしていたのよ」

 

「違うでしょうが!」

 

 ブッシャ!

 

「いった!なにをする!」

 

「あんたがセクハラしてきたんでしょう!」

 

「人がせっかくいいこと言って誤魔化せるつもりなのになんだその態度は!」

 

「もっと別の言い方があるのでしょう!ああ、いやだいやだ。さすが国語赤点の人頼りないわね」

 

「あ!今全世界の文系に苦手な人を馬鹿にしたな!勉強できないくせに!」

 

「できないですけど、なにか。一々細かいことにムキになる男はモテないわよ」

 

「なによ!」

 

「なによ!」

 

 石田三成と徳川家康はこの会議にてお互いの理想は噛み合わないのため決裂した。この境に天下を決める大いなる戦いの幕を開けるとなった。いざ!源平合戦へ!

 

「仲良いですね」

 

「「どこが!」」

 

 これは五月さんの気持ちがわかったかも、馬が合わないっと言ったか。まさしくその通りだ。

 

「もう結構です!」

 

 上段から怒鳴り声が聞こえた。どうやらまたなにかしたな。ほんと飽きないよな。

 ということで太郎も起きたし一花が気分転換に図書館に行くそうだ。私も行くつもりだったが蝶々に捕まれて先に皿を洗いに命令された。太郎は五月さんも誘う心見たが今回は家に一人でしたいそうだ。太郎曰く三女は図書館にいるっということはちょっと疑問が湧くがね。

 

「こら、下手くそのナレーションをする暇があったら手を動かしなさい」

 

 こいつ皿だけでなくリビング全体を掃除させられた。いつの日か目にもの見せてある。

 私が上段の廊下を終えたとき三女が自分の部屋から出た。いや、自分の部屋だからおかしくはないか。。。いや、おかしいよ。なんで太郎が寝ていたところが三女が出てくるんだよ。私が起きた時なかったよな。

 

「えっと。。。フータローは。。。」

 

「あ。。。太郎なら一花と図書館に。。。」

 

「。。。そうっか」

 

「。。。この後私も図書館へ向かう予定だけどよかったら一緒に行く?」

 

「。。。はい。。。」

 

 よく考えると私は三女とあまり接点はないな。この娘と会話したのが昨日初めてだし、今までの経緯で考えると彼女は得意分野は歴史であること歴女、そして最初に太郎が落とした娘。思い返せば私があの時歴史の問題で悩んでいたら彼女すっごく早口で教え来ていたな。気を悪くしないかちょっと不安だ。

 掃除具を片付けやっと蝶々から解放され三女と一緒に太郎のところへ向かう。五月さんは一人で静かに卓で勉強をしている。一緒に図書館へ行くかっと誘ったが断られて、残って一緒に勉強をするも拒否された。

 

「五月さん、一人で頑張ることはいいことだと思います。しかしどんなに自学に励んだだとしても限界が来る。それが訪れた時最も進むべきいい方法は誰かにそばで教われることだ。だから五月さん。。。」

 

「やめてください」

 

 。。。なんだ。一瞬鳥肌が。

 

「私は天使くんのこととても感謝しています。困っていた私を助けてもらえて、勉強も教えられて、挙げ句の果てその奥深さも教えられて、とても尊敬しています。でも今回だけは誰の助けではなく私自身の力でやり遂げたいの。。。天使くんのためにも」

 

 。。。

 彼女が椅子から立ち上げ私の前で頭を下げた。

 

「お願いします」

 

 理解不能である。なにしてそこまでこだわる。どうしてそこまで執着する。テストは間も無くというのに。

 私は五月さんの不可解な行動を抱えたまま三女と家から出た。マンションのエレベーターで彼女が突如私にこういう質問をした。

 

「アンジェの好きタイプ聞いてもいい?」

 

「。。。なんですか。昨日の続き?」

 

「そういうところ。ちょっと興味があって。アンジェはあまり自分のことは語らないから」

 

 ああ、それもそうだな。私は自分語りは好まないからな。知られたくないし。でもこれは三女と繋がれるチャンスかも。

 

「二乃とかはタイプ」

 

「それはない。あいつとはどんな平行世界でも結ばれると思わない」

 

「そうっか。じゃ私は?」

 

「物静かだし綺麗で可愛い。。。嫌いじゃない」

 

「四葉は?」

 

「。。。。。。あいつと。。。ちょっと。。。骨折りそうっていうか。あ、でも五月さんならちょっと。。。いや、なんでもない」

 

「一花は?もし一花に告白されたらアンジェ受け取る?」

 

 あれ?私の好みタイプ話してるだよね。なんで急にそっち方面に?

 私はその質問をどう答えるのか困っているさいに図書館にいるはずの太郎が荒い息で走ってきて三女とぶつかった。彼女は慌てて夜のことを話す、でも太郎が出鱈目で明らかな何かあった挙動をして誤魔化した。彼がどうしてここに舞い戻ってきたのか見当がつく、あの真剣な表情は彼女のところに行くんだな。何度でも言うがこいつやる時はやるやつだぜ。五月さんのことわかせたぞ。

 

「それとアン。お前もしっかりしろよ」

 

「大丈夫、赤点回避全力やってるんで。せめて平均を取れる自信があるぞ。おそらく。。。たぶん」

 

 彼は何気ない顔して屋上へ向かった。

 どこか間違えたのでしょうか?

 

「な、三女。ちょっと気になったところあるけど、どうして太郎の寝室に忍び込んだんだ?」

 

「し。。。忍び込んでいない!ただトイレに行った時間違って入っただけ!」

 

 あ、なるほどそれは納得できるな。もう一丁揶揄うか。

 

「そう言って実は太郎と一緒に同じベット寝たかったとか」

 

「そ。。。違う!」

 

「もう、私に声かけたらいつでも空いたのに」

 

「だから違うって」

 

「ははは!そんな赤くなって違うと言ってもな」

 

 シクシク

 

 え。

 

「違うもん。。。アンジェの意地悪」

 

「ごめんなさい。冗談すぎましたね」

 

 やっべ!揶揄いすぎた。加減しないと。

 三女にハンカチをあげた。私は歩きながら彼女の様子見ていた。

 

「ごめん。気を悪くしないでください」

 

 。。。

 

 返事がない。怒りプンプンのようだ。

 

「えっと。。。そうや最近宿題はどうだ。私は数学と理科はやったけど国語とか社会とかあまり余裕がなくて困っているんだ。ははは!」

 

 。。。

 

 反応がない。気分じゃないようだ。

 これどれかの姉妹に知られたら彼女をいじめたに言われるよ。どうしたものか。あ、そうだ。

 

「私は先日テレビで時代劇放送されてよ、サムライと武将だらけでかっこよかったよ。特に紅甲冑を纏う武将は好きでさ、俳優は私の好きな堺雅人で。。。なんて言うかなあの武将。。。」

 

「真田幸村」

 

「そうそう、全名は真田源次郎幸村。真田安房守の次男だったか。昔は田中に使えてたね」

 

「違う。田中じゃなくて武田信玄だ。父は真田安房守昌幸で、彼の全名は真田安房守昌幸。波乱万丈な生涯を送った武将で、上田城を築いた人でもある。幼少のころ、彼は人質として武田家に送られ、その後いくつもの武功を挙げていった。信玄の死後、跡を継いだ武田勝頼の時代に、織田信長の侵攻で武田家は滅亡してしまう。そこで真田家は生き残りをかけて上田の地へ撤退したんだ。そして本能寺の変の後、豊臣秀吉が天下を統一したことで、しばらくの平穏が訪れた。だが、秀吉には後継がいなかったために、また戦乱の時代がやってきた。それは関ヶ原合戦です。源平ではない」

 

 過去の間違いを改正された。

 

「この関ヶ原の戦いで、真田安房守の息子たちはそれぞれの信念を貫くため、異なる陣営に身を置くことになった。長男の信之は徳川に、そして次男の幸村は石田三成率いる西軍に。そして父・昌幸は、最終的に中立の立場を取った。だが戦の終盤、衝撃的な事実が明らかになる。徳川家康は、真田昌幸が密かに敵方と文通していたことを知り、これに激怒。昌幸は謀略の才に長けていたが、その行動が災いして、家康は真田家を討つ決意を固めた。戦いに敗れた西軍と共に、昌幸と幸村は高野山の麓、九度山へ配流されることとなった。かくして、かつて戦国の荒波を泳いだ名将・真田安房守は、政から退き、表舞台から姿を消したのだった。」

 

「。。。すごい人だな」

 

「はい!安房守は稀にいる地方を統一した武将であり家族思い出もある!だから彼が石田と文通している理由は幸村を徳川に引き入れであると思うの。。。」

 

 あ、止めた。しかも恥ずかしがっている。

 

「もっと聞きたい」

 

「え?」

 

「もっと武将の人物伝を聞きたいな」

 

「。。。いいの?」

 

「当然であろ。なにをいっちゅる」

 

「だって私は他の人と違うの。二乃はかっこいい俳優好きでそして私は髭のおじさん。。。」

 

「そんなことない。だって変な人なんざここにもおるぜよ」

 

 ドヤ顔で言った。

 

「私は悲劇が好きだ。変だろうか。でも私は、そうは思わない。

 確かに、悲劇とは人を不幸にする物語かもしれない。だが、私が見たいのはその表面ではなくその内側だ。幕が上がれば、登場人物たちはみな幸せそうに暮らしている。だが、それは当然のように見えて、実は違う。彼らは幸せを享受しているのではない。幸せを守ろうとしているのだ。

 幸せとは、誇るものではない。保ち続けるものだ。人間は、美しくも、そして醜くもある生き物。誰かが何かを守れば、誰かはそれを奪おうとする。強ければ守れる。弱ければ、失う。悲劇とは、そうして生まれる。

 人の歴史は、そうやって繰り返されてきた。人が弱くなる理由。それは、常に己の中にある。なぜって?それは驕ったからだ。驕れる者久しからず。

 悲劇が私に教えてくれたのは、これだ。國雖大、好戰必亡;天下雖平、忘戰必危」

 

 三女は仲間を見つけたような瞳で私を見る。

 

「故に悲劇はおくってもおかなくてもどっちも魅力がある。私は平家物語は好きだ。真田幸村は好きだ。新選組が好きだ。何かのために己を貫く人は私は好きだ。だから三女、堂々と己でいればいいんじゃ」

 

 三女は微笑んだ。

 

「アンジェはおかしい人」

 

「なあああ!」

 

「でも嫌いじゃない」

 

 三女は私前に立って握手するように手を伸ばした。

 

「そういえば、まともに自己紹介してなかったね」

 

 いや、今更言うこと。まあいい。

 

「私は中野三玖。戦国武将大好きの三玖です」

 

 。。。ニコニコ

 

「私は天使アンジェ。日本語と悲劇大好きのアンジェです」

 

「これからもよろしく、アンジェ」

 

「こっちらこそよろしく、三玖」

 

 こうして私は見知らぬ三女から三玖に進化しました。

 一歩前進だな。

 それから図書館に到着すると一花と四葉は迎えにきた。

 

「やっときましたね!」

 

「四葉ステイ、ステイ。図書館はお静かに」

 

「あ、そうでした。ごめんなさい。でも珍しい組み合わせですね。天使さんと三玖が一緒だなんて」

 

「三玖、ご機嫌だね。アンくんと何かあったの」

 

 彼女は微笑んだ。

 

「。。。アンジェに泣かされた」

 

「な!」

 

「四葉確保!」

 

「あいさ!」

 

「ちょっと!」

 

 四葉は素早く後ろに回って私の首を絞めた。

 

「さ、白状しなさい。三玖になにをした」

 

「いじめはダメです。天使さん」

 

 %#^^*+=$‘“><|@€&^_^

 

「ふむふむ、なるほど」

 

「今のでわかったんですか!」

 

「今回も泊まり込みで勉強するそうだ」

 

 言ってね!;_\|<>”’$££@€&^_^

 

「アンジェは数字に優れてるけど文学の方は支える必要だから、私は歴史を教えてあげる」

 

「いいね」

 

「私も私も!上杉さんに教えたもの天使さんに伝授する!」

 

「あびばづ、ががっだがら。。。ぞぉぞぉふぁまきで!」

 

 やっと解放された。

 

「さ、アンくん。勉強いきましょう」

 

「まずは応仁の乱から」

 

「私はこっちの方得意なんです」

 

 やれやれ。困ったもんだ。

 数日後学校で話し合いの末にまた泊まり込み勉強することが徹底的に決まった。反抗が及んだのは相変わらず彼女だった。私は五月さんも反対派に加わると思ったがそうでもなかった。ただ微妙だったのは私に対する会話だった。

 

「天使くん!私は平均を取ります。そこで見ていてください」

 

 もちろんですよ。さもないと太郎の首はっぱからな。でも様子がおかしい。あの日からずっと何か引っ掛かる。五月さんは必死すぎる、まるで赤点を取ったら彼女からなにか取り除くさるような感じだった。この疑惑を胸に私。。。

 

「おきろ。。。」

 

 。。。

 

「おきて」

 

 。。。

 

「おきなさい」

 

 。。。誰ださっきから。

 

「おきて」

 

 。。。ごめん。もうすこし。

 

「お・き・て」

 

 。。。もうあと十分。眠いから。

 

「おきてください」

 

 。。。だから

 

「起きろ!」

 

「だ・か・ら。。。後十分っと言ってんだろうがああああああああ!」

 

 ウザすぎたので強い蹴りを入れました。なにか蹴った実感があった。頭を上げてみると顔面で受け止めた太郎がいた。

 

「。。。ごめん。。。」

 

「。。。借りは後で付ける。今は早く着替え。。。」

 

「着替えって。。。まだ余裕では。。。」

 

「天使さん!あれ壊れてるのです!実際二十分もないです!」

 

 。。。

 

 。。。カット1:起きる

 

 。。。

 

 。。。カット2:歯を磨く

 

 。。。

 

 。。。カット3:着替え

 

 。。。

 

 。。。カット4:。。。

 

「赤点の渦に溺れたくなければ走れええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!」

 

 なんてことだ万全の準備勉強したのになんでねぼしたのだ!災厄だ!

 

「おう!天使さん早いですね。それにみんなおっそい」

 

 ;£|‘|>_<\’;$|$;“\>|”&€/€€^_^

 

「あ!朝ご飯食べなかったから言語力下がった!っと天使さんは言っています!」

 

 £$;‘|’<<‘>’$\£_$\“|”|‘^_^!?、&

 

「ごめんみんな先に撤退するから殿を頼む!っと天使さんは言っています」

 

「言ってね!お先にっと言ってるのじゃ!」

 

「同じですね!」

 

 っとふざけながら私と四葉は太郎たちよりさきに学校に着いた。入り口に生徒指導の先生もそこで待機していた。

 

「遅いぞ」

 

「「ごめんなさい」」

 

 なんとか間に合ったな。あいつらはまだのようだが。四葉はそこで不安そうだ。

 

「ほら」

 

「これは?」

 

「コロネだ」

 

「いつのまに買ったんですか」

 

「いや、これは念の為の緊急食だ。いつもカバンに入れてある。六人分だ。ハム。カタキガざぎみいぐ。。。みんなに頑張ってと伝えてくれ」

 

「はい!あの天使さん!私たちできるでしょうか」

 

「。。。できる。。。知るわけないだろが」

 

「ええええええ!そこ励むところじゃないんですか!」

 

「戯け者。私自分だって赤点危ういのに」

 

「いや、せめて頑張るっとか成功するぞっとかのセリフが欲しいんです!」

 

「必要ないよ」

 

 そう必要はない。

 

「今更後悔したってもう遅いのよ。あの時勉強すればとかここをちゃんと復習すればとか短所もっと重視すればとかもう全部遅いですよ」

 

「そんな。。。あ、これは。。。」

 

「生ぬるいこと言ってんじゃね。ほら、笑え。できことがやったんだ。過去にできなかったこと悔やんでいるより立って前に進む方が有利だは。だから四葉立て」

 

 私は彼女に手を伸ばした。どうやら私はなにが言いたいのかわかったみたいだ。

 

「せーの「最後を美しく飾る暇があるなら、最後まで美しく生きようじゃねか」」

 

 どうだ。

 

「最後じゃないですけどね」

 

「雰囲気だよ、雰囲気」

 

 ここで私は四葉と分かれた。教室に入り自分の席についた。しばらくして一花も試験一歩直前でついた。正直ちょっとハラハラしたが、間に合ってよかった。

 試験開始後私はみんなにご武運を祈ることができなかった。

 序盤からとんでもないやつと剣を交えるとは、国語丸!わざとか!わざとなのか!私が国語丸敵わないっと知ってて消耗戦から入ったか。おのれ教師め!く!腹が。。。コロネ一つやはり無理があったか。。。私はここまでなのか!

 ん?四葉声は聞こえる。なに?余計なものをしてただただこころで感じる?

 

 。。。

 

 。。。

 

 !

 

 私が寂しい人間だ!よし!この小説を糧にして私のあらゆる文を引き出すのだ!

 よし!ボロボロだがなんだがなんとか乗り越えた。

 ん?ほほ、次はお前たちか。だが私にとってお前たちは足柄に過ぎぬ!く!腹が!調子に乗んなよモヒカンども!お前らはも死んでいる!

 よし次!社会か、大丈夫話し合いば分かり合える、戦わずして勝利する。社会を平和に。。。よっしゃ!

 君で最後だ。英語よ。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 いいでも悪くでもなかったな。

 こうして中間試験が終わった数日後図書館へ向かった。そして。。。

 

「あああああ、天使さんが白目剥いて死んでます!」

 

「がっでにごどずな!」

 

「言語力ギリだね。まさか赤点とったの?」

 

「みんな、集まってもらって悪いな」

 

 本当に悪いよこのやろ。

 太郎は遠い周りもなく直球で答案用紙を指した。でも五月さんみせるの拒否した。この時彼は息を大きく吸って覚悟を決めてあるっと言い、それでも彼女は涙目でいやっと言った。

 

「私、天使くんと離れたくない」

 

「五月」

 

 え?

 私は前から変な感じ気づいたがわからなかった。この思い空気を先に破ったのは四葉だった。皆それぞれの答案用紙を広げた結果、見事自分の得意分野だけが合格した。まあ、なんだ精一杯やったんだ。使えるもん全部使った。彼も美しく最後まで務めを果たした。もういいんだ。最後の最後まで太郎は彼女たちに頭の悪い皮肉性は言い忘れなかったがな。

 

「天使くん、ごめん。あんなに教えられて頑張ったのに」

 

「大丈夫さ、むしろ大進歩じゃないか。これで別に終わりじゃない、次もあるよ。私も精一杯協力するから」

 

「でも!次は。。。!」

 

 次のセリフ言い出そうとした時彼女の携帯が鳴った。かけてきたのは他でもない中野父だ。五月さんはそれを太郎に渡し家庭教師の最後の任務を行なっていた。次は彼よりもっといい家庭教師に加えて。。。

 

「彼をもっと五月のそばにさせてください。彼女にはこいつが必要なんです」

 

 まただ、なんだこれは。

 蝶々が太郎の手から携帯を奪って大きく出た。

 

「私たち五人で五科目すべての赤点を回避したわ」

 

 私は血を吐いた。

 とんでもない嘘ついちゃったよこの人!

 彼女が話しを終わったみたいで私のところに歩き携帯を渡しきた。

 

「パパがあんたに用事があるって」

 

 私に?どうして?

 

「もしもし、こんにちは」

 

「こんにちは、君が天使アンジェくんだね。娘の五月から聞いている」

 

「あ、はい。どうも初めまして。五月さんたちと友達の天使アンジェです。よろしくお願いします」

 

「中野五月たちの父、中野マルオです、よろしく。礼儀正しい何よりです」

 

「ありがとうございます」

 

「世話話しをそれぐらいに本題に入れましょう。今回試験娘たちに赤点回避できたのは風太郎くんが彼女たちの支える以外にもアンジェくんの協力あってこそっと聞いていた。娘のお世話して申し訳ありません」

 

「いえいえ、わたくしも彼女たちから学んだこともあるので。そこでめんどいというかかたちけないという。。。」

 

「ともかく、娘たちが試験を通過できたのはあなたは不可欠ということだ」

 

「お褒めにいただきありがとうございます」

 

「よろし。というわけであの条件なしということで。これからも娘たち仲良くしてくださいね」

 

「はい。。。友をクビにならなかったことありがとうございました」

 

「それもあるが、違う。君に付き加えた条件のことだ」

 

 ん?私に?

 

「彼から聞いてなかった。私は出した条件は二つあった。一つ、もし風太郎くんが娘たちを無事に赤点を回避できなかったら即クビ。もう一つは最近娘たちに付き纏っているどこ馬の骨も知らずの男と絶交することだ」

 

 絶交。この単語を私の脳内にある思考回路に入れ込んで、全ての疑問がゼロになった。

 

「まあ、試験を突破できなかった話だがね。後もう一つ。。。」

 

 それから彼はなにか大切なことを言っていましたが私は聞いていなかった。頭に五月さんのことがいっぱいでなにも呑めこむことができなかった。

 

「。。。ではこれで。これからも励めたまえ。では」

 

 通電切った携帯を五月さんに返した。彼女の顔は直視できなかった。ただただ頭を地を見ながら囁くように彼女に言った。

 

「ごめんなさい」

 

「天使くん」

 

「ごめん五月さん。私。。。思い上がっていたんだ。偉そうにしていて、なんでもわかるようなこと言って、その実際なにもわからなかったんだ」

 

「違うの」

 

「違わない!私。。。五月さんのことわかっているつもりで行動したのに結局。。。バカだったのね私は。。。あなたを傷つけた」

 

「天使くん、お願い私の話しを。。。」

 

「私は五月さんはなんのために努力しているかも知らなくて。。。ごめん。。。私。。。」

 

「天使くん!」

 

 五月さんは左足で前を踏んで腕を大きく広げて私を抱きしめた。

 

「違うの!天使くんは悪くない!私は。。。私の不甲斐なさで。。。あなたと離れたくなくて。。。怖かったの!天使くんがそばからいなくなって。。。」

 

「だって私は。。。五月さん気持ちを考えず。。。」

 

「それは違う、アン」

 

 太郎が私に向かって言った。

 

「確かにお前は執着しすぎる時がある。公式こうだの、あれを使うべきなとか正直うんざりしていたよ。でもお前はいつも誰かのために、誰かを助けるために行動する人だと俺は誰よりも知っている。だからアン、お前がそれを否定するところは俺は嫌いだ。自分がやってなかって嘘でも言うな!それはお前じゃないだから!」

 

 太郎。

 

「そうだよアンくん。アンくんは気づかないかもしれないけど、私たちはアンくん自分が思いより助かったよ。ほら、この数学の点が高いのはフータローくんのお陰だけじゃなくアンくんがこころをこめて私を赤点回避できたのだから。。。だからアンくん。。。」

 

「アンジェはとても人よし、あの時用事もないのに五月のためにわざわざ来て。そして断れても残った。とても心配してた」

 

「天使さんは私とて助けてもらってさ。どう感謝すべきか迷ってて。さっきコロネ分けてくれたし」

 

 みんな。

 

「天使くんもう自分責めないでください。これからもよろしくお願いします。科学の神秘と数学式の解け方も全部教えてください。責任を持って私を受けっとってください!」

 

「え?!いや責任って言われても私は家庭教師じゃ。。。」

 

「おいおい、さっきお話し聞いていなかったのか」

 

「さっきって?」

 

「やっぱりな。一人だけこいつらと勉強教えるのを骨が折れるだからさ、お前が俺の補佐をする話になったのさ」

 

「おま勝手に。。。そんな話いつ?!」

 

「前に五月といざごち会った時な、ていうか前々からずっとしたかったんだよ。でも肝心な時妙に話しを逸らされるのさ。今度は逃がさない」

 

 太郎は手を伸ばして私にこう言った。

 

「アン、俺とこいつらと助けてやってくれないか」

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

「お前、私は断れない性格から狙ったな」

 

「どうだか」

 

 こいつったら。ちょっと思ったけど太郎は私より策士やな。

 私は太郎の手を握った。

 

「拙者受けたわれました」

 

「またこいつらと付き合いになるな」

 

「そうだな」

 

 やれやれこれからは彼女たちと一緒に勉強して、頑張って、泣いて、悩んでだっぷん。。。ううううううううううう!

 蝶々に蹴飛ばされた。

 

「ちょっと二乃なにやってんの!」

 

「なんか失礼なことを考え頼んでつい」

 

「ついってなに!今の話は真の侍の友情だな。。。」

 

「なにが友情よ。いい今回はパパにああ言ったけど、もう二度と通用しない。だから。。。次は実現させて、さっさとどこか行っちゃいなさい」

 

 だろうな。そう言うと思ったわい。でもなんだか普段の軽蔑の言葉が今やはげましに聞こえるね。

 

「さて、天使さんも闇堕ちから引っ張り変えることができたし、このまま復習しちゃいましょう」

 

 四葉よ、その発言はないかと思う。ほら蝶々が嫌そう顔しているよ。

 

「そうだな、試験が返却された後の勉強が一番大切だ。だが直後じゃなくてもいいな」

 

 あれ、珍しくな。即勉強をしないなんて。

 

「ご褒美。。。だっけ。。。?パフェとか言ってだろ」

 

 太郎の口から一生言わない言葉だと思ったが、まさかの展開私たち思わず大笑いした。

 

「なぜ笑う。。。!」

 

「フータローくんがパフェって」

 

「超絶似合わないわ」

 

「全くだな」

 

「アンまで!」

 

「では私は特盛で」

 

「そんなのあるのか。。。?」

 

「私も」

 

「お前が乗るな!」

 

 これからも果てがあるか否や。

 

「そうだ。長話したのだがまだお前のテスト結果見てなかったな」

 

 ギク!

 

「それは興味あるね」

 

「なにボケているの。早く見せなさい」

 

「知りたい」

 

「私も知りたい!」

 

「どうだったのですか、天使くん」

 

 。。。

 

 。。。

 

「ひ・み・つ。あああああああああ!」

 

 油断して四葉にカバン取られた。

 こら!勝手に人のカバンを粗末に荒れるな!

 

「おおおお!国語は30点。私と同じですね!」

 

「社会は70点。2点の差」

 

「すごい。。。数学満点だ」

 

「あら、あんたの英語も足したことないじゃない。40点だなんて」

 

「99点!理科!」

 

「もういいでしょう。早く返せ」

 

「お前あんだけ国語を勉強したのに四葉と同レベルか」

 

 プッチン

 

「四葉!あの不届者を確保せよ!」

 

「ラジャ!」

 

 四葉は尋常ならぬ速さで太郎を拘束した。そして私その隙に彼のテストを覗く。

 

「やめろ見るな!」

 

「全部100点。。。」

 

「あーめっちゃ恥ずかしい!」

 

「その流れ気にってるのですか」

 

 いじめるのを損した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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