五等分の花嫁・あなたと共に過ごした記憶 作:angelika
ギャル
それは、日本の近代に登場した――ある種の雌型生物である。特徴は、ミニスカート、濃いメイク、軽快な喋り方、そして誰とでも仲良くなれるコミュ力の高さ。ただし、オタクを除く。
起源は20世紀後半。あるファッション雑誌に登場したモデルたちが、ボディラインを強調したスタイルを披露したことが発端とされている。昭和末期から平成初期にかけて、このムーブメントは広まり始めた。もっとも、「実はもっと前からいた」と主張する者もおり、定説は分かれている。
この新しい現象は、当初、保守的な層――いわゆる“伝統派”から強く反発された。というのも、日本において理想的な女性像とは、長らく「大和撫子」であった。おしとやかで、礼儀正しく、多芸多才。騒がしく元気な女性は古くから軽蔑の対象とされてきたのだ。
この価値観は文化的背景だけでなく、女性の社会的地位とも深く関わっている。東洋世界では長らく、女性は家庭内にとどまり、家事や育児をこなすことが美徳とされてきた。時代が進むにつれて、特に上流階級では女性に多くの教養が求められるようになったが、それは自立のためではなく「家の格を保つ」ため。夫の体面を損なわないよう、妻もまたそれなりの“格式”を備えるべきだとされたのだ。その典型的な例が、平安時代の紫式部に代表される宮廷文化である。そんな保守的な土壌に突如として現れた“ギャル”という新種の生物は、当然ながら雑誌の中だけにとどまることなく、現実世界へと進出した。
そして21世紀初頭――ギャルたちはさらなる進化を遂げる。分岐が始まったのだ。
例えば、「黒ギャル(山姥ギャル)」。日焼けサロンで焼いたような真っ黒な肌に、真っ白なメイクを重ねるその姿は、まるで山に住む妖怪のようだったことから「山姥ギャル」と呼ばれるようになった。
一方で、「白ギャル」や「金髪ギャル」、さらには「アルパカ系ギャル」などなどと、多様な系統が次々と誕生した。
ギャルの種類は、今もなお増え続けている。
――あ、そういえば最初に「ギャルはオタクに優しくない」と言ったわね。正確には、「気に入らなかった相手」に対しては、オタクであろうと誰であろうと、結構手厳しかったという話。
たとえば……
「「げえ!」」
中野次女かよ。赤髪に短めの蝶々リボンで結びつけたツインテール、尖った爪、化粧多めや濃いパルファム、尖った目つき、おしゃれな格好。この人どの種類のギャルを含まれるでしょうか?
「なにジロジロ見つめているの、キモいだけど」
カチン
「なに朝っぱらから消極的な言葉を吐くのですか。テンション下がるですけど」
「あんたがいるからでしょうが!」
「いるですけど。だめなんですか!」
「わあ、ウッザ。朝からあなたと会うなんて災厄ですけど」
「そのセリフそのまま返してさせてもらう。あ!そうだ!あなた数日前よくも!」
「なによ。文句があるわけ」
あるに決まっているのでしょう!だいたい下薬をどこで手に入れたの!
私たちが長く論戦をしかけても彼女はどうでもいい顔しているの間いつか時間を忘れた。気つけば結構遅くなった。
「やべ!もうこんな時間!お前のせいだぞ」
「はぁ!あんたが無駄話をしたんでしょう」
こいつ!今から走れば間に合う。。。な訳ないか。。。おのれ!私の無遅刻更新が!
「あら、アンくんじゃん。登校中、よかったらうちの車に乗ってこない」
一花!救世主!後ろに続いて中野三女、四葉に五月さん。
「ちょっと一花!」
「ほら二乃。あっまりアンくんをいじめないでね」
「別に、いじめなんか。。。」
「一花!この人、私のこといじめてる」
私は一花に抱きつき駄々をこねる。
チラッとあちらの顔を伺うと。。。ほらなんと悔しそうに歯が食いしばっている。愉快愉快。
でもほんとにいいでしょうか、車に乗せてくれて。
「良いのよ、私の隣でさ。ね、みんな」
「私は反対。。。「はい!三玖から」ちょっと!」
「。。。変なことしなければ」
「一花がそういうのなら、私も構いませんよ!」
「アンジェさんなら。。。でもなんで一花の隣に前提なんですか!」
「あら五月、私とアンくんは同じクラスだからですよ。なにもおかしくは。。。あ!もしかして五月はアンくんのことを!」
「違います!」
「大丈夫!五月が寂しいなら私が隣に座りますよ」
私が一花をゼロ距離でいちゃつくの同時に、恥ずかしがっている五月に四葉が抱きつく。
冗談はここまで、早くしないと遅刻するぞ。
こうして私は五姉妹の高い車に乗った、だがこの時、私は急激な頭痛によって一花の膝の上に頭を転がせた。
あ、一花は心配してくれている。頭をなでなでしている。落ち着く。手が柔らかい。気持ちいい。
「ちょっと一花、こいつに甘やかしすぎるじゃないの」
「そんなことないよ」
「あるわよ!あのムカつく顔を、五月もソワソワしてるし、四葉は。。。羨ましいみたいな顔してるし、美玖は。。。特にない」
「私はな、車酔いなの」
「あ、だから前は表情が真っ青になったね」
「グウウ。。。お見苦しいところ見せてしまって、すみません」
「いや、たとしても一花の膝に寝転がる理由にならないよ。ほら起きなさいよ、ついてるのよ」
もう着いたのか。でもそうだな。。。おふざけはここまでにしましょうか。一花は残念そうけど、まあそれより別のことが気になる。昨日、太郎と五月さんのこと?それもそうだが、その前に。
窓の外に太郎が世間知らずのような表現をしている。こいつなにやってんだ。
「アン!お前かよ!急にどうした車を使って登校するなんて、乗り物酔いじゃなかったのか」
「えっとね。。。途中でちょっと揉め事があって。。。偶然にこいつらと会ってな」
「揉め事って。。。てかこの100万円の車はいったい。。。」
「あ、フータローだ」
「おはようございます」
「なんですか、ジロジロと不躾な」
「おはよう、フータローくん」
「朝一番会いたくない二人。。。ほんと災厄ですけど」
「こいつらって、お前ら!よくもにげたな!」
彼女たちは一目で太郎を見て歩幅を加速した。
逃げるように見えてるんだけど太郎、なにかしたのか。
「よく見てくれ!俺は手ぶらだ!害はない!」
安心安全。その姿勢では安全には見えないですけど。
「騙されないわよ」
「参考書とか隠してない」
「油断させて無理矢理に勉強をさせるかも」
「そんなことはしない。こいつが証人になる。な!アン!」
。。。
。。。
「いや。。。その。。。あの。。。うん。。。しない」
「ほら!」
「違うんでしょう!明らかあなたに騙された経験者でしょうが」
「くそ、なぜバレた」
すまん太郎。
「私たちの力不足はにとめましょう、ですが。自分の問題は自分で解決します」
。。。この言葉。。。
ニャ
「そうかじゃ一昨日のテストの勉強もしたような」
え、なんだ太郎。一昨日もこいつらの家に行ったのか。頑固やな。でも。。。彼女たちを見てアレだな。うん。
「問一厳島の戦いで毛利元就が破った武将の名前を答えよ」
。。。簡単じゃん、いくら私は文系が苦手でもこれくらいはしってますよ。でも私が答えたら意味ないか。では。。。彼女たち無理そう。
「はいはい!私!」
「。。。答えてみん」
なにその間違え確定の返事は!まぁいい。
「豊臣秀吉!」
どうだ!
。。。
。。。
ブッブー
えええ!違うの秀吉じゃないの!おっかしいな確か本能寺の変の前に豊臣秀吉は毛利元就と戦ったことがあると覚えてるな。太郎よ絶望感が溢れ出している。白目向いてる。なんか背中から寒気が。
「そいえばアン、ずっと言いそびれたけど前に行った模擬試験のテストの点数は?」
。。。そいやそんなものがあったなどこに置いたっけ。
腰プルプル汗ソワソワ
「これじゃないですか?」
あああ!アレは!まさか!アレは!
「。。。なぜそれを」
「あああ!それはですね」
なに四葉知ってるの!教えて!
「あの時。。。こうしてあして。。。こうやって。。。あやって。。。っということでした」
なに言いているのかよくわかりませんがお前が犯人ってことはよく伝わったよ。今でもその頬っぺたを捻りたい。
「言い残したことはあるか」
。。。
。。。
。。。
。。。
ダシュ!
「こら!逃げんな」
「今のうち私たちもよ」
「お前らも!」
「ははは、天使さん零点とったんだ。私とお揃いだね!」
その仲間が見つかったような態度をやめてくれない。つか顔よせて捻るから。
「アンくんは賢い思ったけど、そうでもないね」
「情けないわね」
「アンジェさん」
仕方ねだろ!この体は文系に恵まれてないからだよ!なんか中野三女から失望した瞳で見ているし。あの答えにこんなに気に食わなかったの!
「アンもお前らもほんとにどうしようもね!」
ごめんなさい!
太郎の追撃からそれぞれのクラスにつきなんとか逃げ切った。
朝からこんなにやられてるとは、先が思いやられるな。なによ次女のやつ。四葉も許せない、あの0点のテストどこで落ちてると思ったら太郎の手にあったとは。なんというか不覚。五月さんもアレを見て泣いてる顔してましたし、頭の悪い人に印象されたのだろか。アンジェ心配!
「朝から大変だったね」
「一花」
「どう、気持ちを取り直してもう一度、膝枕してあげようか」
「教室にいるから結構です」
「いいじゃない。別に私は気にしないわよ」
「私が気にするの!」
「いけず」
いけずありません。
「アンくんが似た目の割にこんな結構馬鹿だね」
。。。返す言葉もない。事実ですから。
「しかし文系を苦手としては日本語上手いよね。結構大変だったでしょう」
「いや、そこまではないよ。そもそも私、日本語講座に受けたこともない」
「そうなんだ」
。。。
。。。
。。。
「なにそんな見つめて」
「どうやって学んだのか聞きたい?聞きたいでしょう」
「。。。聴いてほしいか?」
「仕方ない。こんなに聞きたいのなら話してもいいぞ」
「いや、まだ聞いていないだけど」
虚無で無邪気な私。そんな私だったが、今は遠い昔の話。X年前突如テレビから青い猫型ロボットが現れてから、数学しか取り柄のない私の世界に色鮮やかの夢を詰め込んだ。
「ちょっと待って」
「なんですか」
「この話はまだ長い?」
「まぁ、そうでしょう」
「手短にお願い。授業始まっているので」
ほんとだ。では。。。ゲホゲホ。。。
「なんだかんだあって、私は彼女の椅子になったあの伝説の男を知ったのだ」
「誰ですか、その男は」
気にしない気にしない。ここは現実じゃないですので気にしない。
でも懐かしいな、未来系青い猫型ロボット、思い返せばそれは日本を知ったきっかけだったな。重ね重ね和の知識が増えていたな。もちろんこの物語の内容はここだけ止められなかったよ。文学、宇宙学、魚類学、鳥類学、歴史、白亜紀学、エトセトラ。まさに知識の宝。お陰で私が数学以外の学、いわば数学に相対性がある理科系の領域も我が手の中に収めた。
この未来系青い猫型ロボットには感謝し足りないな。
「こら、そこの留学生そこで懐かしんでないでさっさと次の文章読んでください。あとそれをどんな気持ちで表しているのか説明なさい」
やべ文系の銀八先生だ。授業時にいつも煙が出ているレロレロキャンディーを舐めている(彼曰く)。
「あの先生、学校でタバコを吸わないでください」
「馬鹿やろ、これはタバコじゃない。レロレロキャンディーだ」
「キャンディー煙が出ません」
「ほんとだ。ほら。ぶるえ」
わぁ!本当だ!いや、だとしてもそんなもの授業中でなめんなよ。まるで私たちを舐めているじゃないですか!あ!ダジャレ言ったわ!
くだらない無駄話をしたせいかお陰で授業が普段より短く感じる。でも助かった。
「アンくん一緒に食堂行こうか。。。どうしたの行きたくない様子だけど」
「いや、もし行ったら太郎にバッタリ会えるじゃないかと思うと鳥肌が」
「ああ、今朝の件ね。でも待てたら次の授業昼休み終わるし」
グウウウ
「。。。そうだな、腹も減ったまま授業を受けるのもなんだし、仕方がない、神に祈ろう」
食堂へつくと私は警戒体制に入った。
ササ。。。ササ。。。ササ
「おばさん」
「いらしゃい、今日はなに食べたいんだい。おや今日は珍しく別の子と一緒だね。彼女かい」
「違います、それよりおばさん、今日はご飯少なめで納豆と沢庵でお願いします」
「あら、急いでるのかい。はい、ご飯と納豆と沢庵よ」
「いろいろあるですね。ありがとございます」
「どいたしまして。ご飯をゆっくり食べてね。急いだら喉に詰まるわよ。じゃな」
飯を掲げて無音の歩法でどこか太郎が現れる確率の低いところをさがす。
「ね、そこまでする必要はあるの。しゃがんだままで」
「これくらいやらないとあいつに見つかれるよ」
「いや、むしろより目立ってるような気がする。(みんなも見てるし)」
「大丈夫、私の忍者力高いからな」
「いや、忍者力って。(さっき食堂のおばさんは気にしなかったけど。まさか思うよね)」
説明しようっと必要がないと思う多分。忍者とは心の上に刃と書いて忍者と読む。漢字解読者たちこう説明しました。忍びたるもの己の主人の信義は刃を持って隠し通す。隠されるものは一流の忍びである。
故に私は心と成りてご飯を刃で我居場所を隠し通す!
「いいこと言ってるけど、ずれてるのがわかる」
おお!あそこなら彼奴に見付かれないはず!早速!
「一花!」
きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
「アンくん落ち着いて!四葉だよ」
「四葉!」
「はい!天使さん!四葉です!」
「なんだ四葉かびっくりさせんな!あわよく刃が落ちるところだった!」
「なんの話ですか?」
「四葉は気にしないで」
太郎だと思ったら、いつもハイテンションの四葉だったかたく。
「ねね、天使さんと一花はなにしていたの?」
「アンくんはフータローくんと隠れん坊していたの」
「隠れん坊!私もしたい!」
「してないし!そんなデカい声も出すな太郎にバレちゃうだろ」
「ああ!すみません、今朝は天使さんのことを思い出しちゃって!」
「ああ、そういえばお前がすべての元凶だったな!この!」
「いぺぺぺ!頬っぺたを摘まないでください!」
これぞ今朝のお返だ。このこの。私はこの時、気づいたのです。四葉の頬っぺたはとっても柔らかい。まるでクッションのように、もっといじめたくなった。
「白状せい!悪いのはこの口か!この口なのか!この口が悪いのか!」
「へい!ごめんなさい、もう許して!一花もそこで面白く見てないで!助けて!」
「もちょっとかな」
「ほらほら!この柔らかい頬っぺたをパンにして一花に食べさせてあげよう」
「いや、そうなったら私、幸せすぎて死んじゃう!へへへ!」
あれ?なんかまんざらでもないだが。表情もキモ。
「よう、三玖」
きゃぷりぱあああああああ!
変な声出ちゃった!今のは紛れもない太郎の声!
声が出る方向へ見るとそこには太郎と中野三女がいた。彼女の手に持っているのはサンドイッチと。。。抹茶ソダ?なにか話しているようですが、ここからはよく聞こえない、でもこちらには気づいてない。今のうちに。
「上杉さん!」
四葉ああああああああああああああああああああああああああああ!
忍々!
私はしゃがんで刃を被った。一花は私の行動をちょっと引いているように見ていた。正直いますと私もこれ問題があるではないか刃の底から思っていた。でも実際に有効なものである。太郎だし。
「な、なんだ四葉か。またびっくりさせあがって。それにどうした、頬っぺた真っ赤だぞ」
「それはね、ひや!」
私が今度は膝を捻っています。
喋ったら蝋人形にしてやるぞ。
「。。。なんでもないです」
「。。。そうか。。。」
「それよりも見てください!英語の宿題!全部間違いてました!」
それはひどいな。太郎も無言で黒い顔している。
「一花も見てもらおうよ」
「あ、えっと。。。私はパスかな。だって私たち馬鹿だし」
。。。
「それにさ、高校生活勉強だけってどうなの?もっと青春をエンジョイしょうよ。恋とか」
あ。
「恋?アレは学業から最もかけ離れた愚かな行為だ。したい奴はすればいい。。。だがそいつの人生のピークは学生時代になるだろう」
「この拗らせ方手をくれだわ」
はい。その通りでございます。
「恋愛したくしても相手がいないですけどね。美玖はどう」
四葉が中野三女に問いかかれた瞬間に顔を赤くして、いないと答えてその場を去った。
なんだ急に。
「あの表情、姉妹の私にはわかります。美玖は恋をしています」
。。。中野三女が恋。
しばらくして我々はそれぞれの教室に戻って、私もやっと一息ついた。
隠れ蓑術成功っと。やっぱり見つけらなかっただろ。ほら言ったじゃね一花よ。
「アンくん多分バレてるよ」
。。。え
「実はさっきフータローくんが私たちと話している間時々視線が下の方向いていたのよ。彼の瞳はまるで、“なにしてんだこいつ注目されてるから起きろ”ってみたいで」
。。。え!?マジ。
こうして天使アンジェは上杉風太郎はそこまで観察力の低い人じゃなかったことを知った。