五等分の花嫁・あなたと共に過ごした記憶   作:angelika

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第七話

 

 

 

 

 

 

 

 。。。

 

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ただ 静かに

おなじ空に 風を聞こう

そこに あなたは

いないけれど

 

もう いくども

書いた文字は 羽根のように

飛んで消えた

愛はいつも

陽だまりの中にある

見えなくても

触れられなくても

そばにあるように

 

ただ 優しい

森の木々は 雨にうたう

まるで わたしを

励ますように

 

まだ 乾かぬ

土のうえを 歩いていく

いつかの道

 

愛はいつも

透き通る水のよう

受け止めては

また離れていく

あなたに似ている

愛はいつも

陽だまりの中にある

見えなくても

触れられなくても

そばにあるように

 

 

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 (拍手)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあああ。良かったね、すっごく面白い舞台だったね。まさか届くはずのない恋文が彼女の手に届いたとはね。感動的な物語だったのね。ね、アンくん。。。アンくん?」

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 涙ポロポロ

 

「ア。。。アンくんどうしたの!泣かないで、ほらこれで拭いて」

 

 一花がポケットからハンカチを取り出して、私の濡れた頬を拭いた。違う、決して涙なんかじゃない。絶対に涙なんかじゃない。さっきトイレに行って、蛇口の水を顔にぶっかけただけだ。ほんとに。ただの水だ。。。なんだって? なんで水を顔にかけたかって? それはもちろん、人間の生理で出た汚れを洗い流すために決まってるだろ。だから涙じゃないって!

 

「もう、強がって。ほら、腕をどかせて拭いづらいよ」

 

「うざい!顔みんな」

 

「あら、恥ずかしいですか?ほれほれ、ちゃんとお姉さんに見せて」

 

 彼女は悪い好奇心で私の醜態を公然で見せつけるようだ。

 

「聞きの悪いこと言わないで。私はただ一番恥ずかしいところ見たいからであって別に醜態を晒すわけじゃないからね」

 

「尚更タチ悪いわ!やめろ」

 

 劇場の前で、私と一花がじゃれ合っていると、周囲の視線が痛いほど刺さる。通りすがりの人たちがひそひそと私たちのことを話していた。たとえば、あのカップルとか。

 

「比企ヶ谷くん見てあの二人姉と弟だそうよ。すごく仲良くそうね」

 

「そうだな。。。え、どうした急に?」

 

「いや、特になにも。ただもしかして比企ヶ谷くんも妹の小町さんをあっやって戯れるかっと思って。。。かなりのシスコンじゃ。。。」

 

「おい!ここでそういう話する!ってか小町にはそんなことしないって。。。たぶん。。。」

 

 。。。あ、あれはゴミを見る目だ。

 

「ほら、行くぞ。由比ヶ浜が待っている」

 

 あ、行っちゃった。

 

「凪くん!あの二人見てみて」

 

「こら!天野さんさすな行儀悪いでしょうが!」

 

「だって、あの二人かなりラブラブだよ!もし私たちもあっやってインスタに投稿したらバズっちゃっと思わない」

 

「そんなくだらないことするためにあんなくっつくのか!やだぞ!」

 

「えええええええ」

 

「ええええ、じゃありません。ほら行くぞ」

 

「凪くんのケチ!」

 

 あ、あっちも行っちゃった。

 

「(あら、なんて端ないの。あんな行為堂々と)会長あっちに行きましょう。。。会長?」

 

「(。。。恋人ってあんな堂々。。。俺もしっかりしなきゃ)四宮」

 

「はい?」

 

「このあとどこで回りませんか」

 

「(ずきゅううう!)はい、会長とどこまでも(ありがとうございまああああああす!)」

 

 なんかすごく失礼なこと言われてるのが気がする。

 

 。。。

 

「会長どうした?劇おこのめさなかったですか?」

 

「いや、劇は涙こぼれでいい物語だった。今は別の劇を鑑賞している。とこれで津田」

 

「はい、なんでしょう」

 

「あの二人このままここで*******しちゃうだろうか?」

 

「「「え!」」」

 

「そんな雰囲気がする」

 

「失礼しましたああああああああああああ!」

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

「帰りましょうか、一花」

 

「そうね」

 

 この場でこのまま立ち止まっていたら、きっと取り返しのつかない真っ暗な歴史として、私たちの記憶に刻まれてしまうだろう。

 それにしても、この劇、本当に人気があるんだな。やっぱりこの物語の素晴らしさを理解している人たちがいると思うと、なんだか感動するよ。なにせ、私はこの作品に思い知らされたのだから。

 数字ばかりだった私の世界に、ほんの少し言の葉を差し込んでくれた尊敬する人。言葉というものが、どれほど素晴らしいのか、どれほど人を傷つけるのか。一つひとつの言葉が、どれほど大切で、どれほど重いのか。言葉がどれほど貴重で、どれだけ人の心に届くのか。

 私は知らなかった。こんなふうに言葉を見つめる人がいるなんて。この天使アンジェ、心の底から深く思い知らされました。ご教訓、本当にありがとうございます。

 。。。って言っても、文系が苦手なのは相変わらずだけど。前ほど、みだりに言葉を乱用するのは減った。。。かも。

 彼女は役者さんでね、出会ったのは、かなり前の作品だった。今でも人気で、そのときに彼女が演じた役も、私に大きな勇気をくれたんだ。あの役、強かったなあ。

 あ、そうそう、さっき彼女が舞台で演じたこの作品の作者も、私は大好き。実は私、この作者を模範にして日本語を勉強しているんだよ。ちなみにこの人、けっこうあの役者さんと一緒に仕事するんだ。最強コンビだよね。

 ちなみに、最近その二人が手がけた作品のタイトルは『UTA-KATA』です。

 

「アンくんは好きだね。この女優さん」

 

「もちろんよ!彼女が発する言葉の一つ一つが私の心を動かすもの、まるで黒い森迷い込んだ私を正しき光の導き出すように」

 

「そこまで評価しなくても」

 

「そこまでとはなんじゃい!私はあくまで事実を述べたまで。あの声、あの悲しみ、あの答えを求める仕草。全て我心に刻んでおる」

 

「。。。そっか。アンくんは彼女へ酔うほど好きなんだね」

 

「私を女の子に変な妄想するオタクみたいに言うな。私正常ですよ、正常」

 

「じゃ草食系男子?」

 

「。。。一花、まさか私はこのような男に見えるの?」

 

「いや、ただアンくんのこともっと知りたいなって。だって思えば結構な時間一緒にいるのにアンくんのことあっまり知らないなって」

 

「ただの愛想のない男だよ」

 

「そんなことないよ。だって劇場の前でこんなに涙目であの作品を語っているアンくんが、愛想のない男わけないじゃん」

 

 。。。

 

「あ、恥ずかしがっている。かわいい」

 

「そんなことないし、こっちみんな」

 

「あらあら」

 

 おのれからかいやがって!言っとくけどさっき泣いてないから、男の子は泣かない生き物よ。。。すまん漢字間違えた、漢っだ!そこ重要!漢は泣かない!

 

 。。。涙ポロポロ

 

 なに、ちげえから!これはたださっき劇のシーンが頭に浮かびやがってな!感動しているのよ!勘違いしないで!

 

「まあまあ、アンくん強がって」

 

 くぬぬぬ。一花は私をからかい続けながら頭をなでなでした。

 

「しかし、アンくんは劇を見る趣味があるとはな」

 

「まあ、それなりにみているよ」

 

「どの種類を見るの」

 

「そうだな、歴史とか、クラシックとかな。歌舞伎も」

 

「おおお。ダサい方ね」

 

「ダサいって言うな!」

 

「ごめんごめん。でも文系が苦手には結構この方面を見るね」

 

「別に文系が苦手の人はこれを見ちゃいけないというルールはないよ。もしそうであったら世の中のオタクたち叫喚するわ。東京が火の海となり、やがてモヒカンがあちらでうじゃうじゃと湧いてくる」

 

「そこまでならないかな」

 

「北斗神拳を会得するのも夢ではない」

 

「ならないから」

 

 緩やかな歩幅で彼女と会話を交わしていると、ふと、思った。一花は、なぜあの劇場にいたのだろう。え?なんで今さらそんなことを思い出すのかって?だって、なんか引っかかるのよ。彼女がそこにいたことが、自然なようでどこか不自然というか。。。何か、量子学的な干渉でも働いたような感じ?。。。って、私の出鱈目な作者がそう囁いてる気がするのよ。でも、彼女がそこにいなければ、私はあの舞台を見逃していたかもしれない。もしこの舞台を避けていたら、私はどんな顔をして石川。。。あの人と向き合えばいいのだ!私は「UTA-KATA」を鑑賞する資格すらなかったかもしれない!だから一花に疑いの目を向けるのはやめよう。失礼だしな。よし、気分を切り替えていこう。

 

「ね、そういえば一花はバイトしているよね。なんのバイトかは教えてくれる」

 

「ああ、あのシーンすごかったよね。接客を知らぬ主人公がいきなり客を取り押さえるなんて」

 

「ああああ、驚いたよね!はははははは!ところでバイトのことは。。。」

 

「主人公は手紙を書く学舎に行って初めて友達ができてすごくない」

 

「あれも感動したわ戦争で両親を失いそのため兄が自分のせいで思い込み自暴自棄になったな。でも主人公とその友人のお陰でなんとかなったね。やあああ、いい話だったな。それよりも。。。」

 

「あとねあとね!」

 

 。。。あれ、誤魔化してないか。思えば前回中野家へ帰る途中。。。まさか!

 

「な一花!お前一体なんのバイトをしているのだ」

 

「。。。別に特にないよ」

 

「そんなわけあるか」

 

「ないって、この話終わり」

 

「逃がすかよ」

 

 もっと前からこうするべきだったんだ。こいつは笑う時妙な違和感を感じる。私は逃げ出す彼女の手を強く握った。

 

「わう、アンくん大胆ね。いいのかな、こうすると周りは私たちのことを恋人に間違えられるかもよ」

 

「また誤魔化している。。。なにか悩みでもあるのか」

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

「ね、アンくん。アンくんはこういう時はないかな。自分このままじゃダメだなって」

 

 口が微笑んでいるがなんで悲しい目でしているのよ。

 

「私ね姉妹の中には一番でかいじゃん、なのにちっとも長女らしくないことしているというか。。。元々なにもしていないというかなんていうか。苦しかったの。情けないと思った」

 

 一花、でもこれとバイトなんの関係が。

 

「正確はバイトじゃなくて本格的な仕事。これに就いたのは半年前、偶然スカウトされた。最初は大変だったけどしばらくしたら慣れてきて重要な役割を渡されたの、その時は思ったの、このオーディションを通ればやっと長女として胸を張れるようになれると思ったの」

 

 え?ちょっと待って。

 

「だから私は学校辞めちゃうかもよ」

 

「待って、ちょっと整理させて。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。ごめん最後の部分もう一度言っていい?」

 

「もう女の子の話はちゃんと聞くのが男の子の仕事でしょう。ダーメ」

 

 そう言って彼女は背中を向き歩き出した。。。ってまた逃げるつもりか!待って!

 あまりうんざりだったので手を捕まるよりも私は両手を広げて一花の体を抱きしめた。

 

「ちょっと!アンくん!」

 

「いい加減にしろ!いつまで誤魔化すつもりだ!」

 

「ちょっと!離せ!」

 

「離さない!今日からはっきりさせてやる!学校を辞めるとはどういうことだ!あと具体的になんの仕事だ!スカウト?オーディション?!なんの仕事だ!」

 

「いや!耳に囁かないで!くすぐったい!」

 

 彼女は私の呪縛から解放するため魚住のように抗っていたでもどんどん息が荒くなり、顔も真っ赤に染めて弱くなっていった。

 これくらいやらないとまた言い訳をして逃げらてっちまう、どうして知りたいんだ。あなたのこと。

 

「さあ、かんねんし。。。」

 

「こーーーーーーーーーーーーーらあああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

 ぶうううううううううううううう!

 あれ?なんだこれ?何かの不明物体ぶっ飛ばされた?!

 ゲブ!

 

「あんたついに手を出したわね!しかも公衆の面前でなんて信じらんない!やっぱりあいつと同じな襲いかかるの隙を探っていたか!最低!変態!鬼畜!」

 

「わう、見事にふっと飛びましたね」

 

「痛そう」

 

 あの激しい怒鳴り声が誰かが吐き出したのかは皆はもう承知しているので多言は不要。

 

「待て蝶々これは深い訳が!」

 

「言い分なんて聞きたくもないわ!今度こそ追い出してやる」

 

 こいつ、私をゴミを見る目で睨んでいる。

 

「一花何かされた?痛くない?」

 

「え?!いや、全然平気」

 

「天使さん大丈夫?」

 

「四葉よ、この姿をみて大丈夫に見えるのか」

 

「見えない」

 

 ナイス返答だ三女。

 

「二乃、私は大丈夫だらかそれにアンくんも悪気はなかったから」

 

「は!?そんな訳ないでしょう。いまさらまだこいつを庇う気」

 

「待て蝶々聞いてくれ。私は確かに最低で鬼畜かもしれないがでも変態だけはないぞ!」

 

「なにとぼけてんの?さっき後ろから一花に抱きついて、ほっぺにキスでもする勢いだったくせに!」

 

「いや!そんな卑劣なことしてません!」

 

「それにおっぱいも揉んでいた!」

 

「そんなこと。。。どさくさに紛れて揉んだかもしれないですけども!」

 

「ほら!みとめた!近づかないで、キモい!」

 

「待て!それはちゃんと訳が!」

 

「天使さん。どんな言い訳をしても結局天使さんは最低で鬼畜でプラス変態という言葉は免れないと思うよ」

 

「四葉、紛らわしから黙ってて。お願い」

 

 結局最後まで蝶々は話を聞けなかった。

 

「まあまあ、これを先に置いといて。みんなはこれから家に戻って着替えるのつもり?」

 

 着替え?

 

「みんなはこれからどこに行くのか?」

 

「アンジェは知らないの」

 

「今日はね。この近くに夏祭りが開かれるの。天使も行きます」

 

 夏祭りだと!

 夏祭り。それは日本文化の一つで、毎年この季節、神社の境内で行われる鎮魂の儀。去っていった者たちの魂に捧げる、ひと夜限りのレクイエム。注意!この祭りに統一性はない。各地で、それぞれの風土と歴史にあわせて、違う日に行われる。

 それがまた良い。全国どこかで、誰かが、今この瞬間も夏祭りの空気を吸ってると思うと、不思議と胸が躍る。

 夏祭りか。。。たこ焼き、たい焼き、もんじゃ焼き、りんご飴、飴ほり、そして、喧騒と光に包まれた屋台たち。鼻をくすぐる香ばしい匂い、金魚すくいの水音、浴衣の裾が揺れる音、全部、夏の記憶。ただの食い意地かもしれんが、あの雰囲気はやっぱり特別だ。

 

「行きます!絶対に行きます!」

 

「ダメに決まっているのでしょう!こんなやつ側にいたらいつ襲われるのかたまったもんじゃないわ」

 

「大丈夫よ二乃、気にしてないから。アンくんも行きたいと思ったらいいわ」

 

 一花は、さっきのことがまるでなかったかのように、相変わらず穏やかな笑みを浮かべて私に接してくれる。だが、対照的に蝶々の様子は明らかに違っていた。口には出さないが、眉間に刻まれたしわ、ため息の回数、わざとらしく足を踏み鳴らすような仕草、すべてが彼女の不満を語っていた。それでも、三玖と五月の静かな説得、そして空気を読む一花の間接的な後押しその全方位的な圧力の中で、蝶々は、まるで「自分だけが場を乱すわけにはいかない」とでも言うかのように、少しだけ肩を落とした。顔をそむけたまま、頷きもせず、ただその場にとどまる。その姿は、明らかに「不承不承」と言う言葉の実演だった。そして、彼女たちは一度アパートに戻って、浴衣へと着替えた。

 ここは天国か。

 

「どう?アンくん」

 

「ジロジロ見ないでくれる」

 

 。。。

 

「どうですか天使さん。。。あれ?天使さん。。。あ?!天使さんがあまりの私たちと尊さで死んでいる?!」

 

「キモノサイコウ!ワフクサイコウ!」

 

「生きてた!」

 

「はいはい、置いてきちゃうわよ」

 

 私たちは期待を胸に夏祭りにある場所へ向かった。途中で太郎と五月さんと偶然にあった、どうやら私と一花が劇にいる間でデートをしていたようだ。子連れで。なんちゃって。

 らいはちゃん久しぶり元気で何よりだ。

 さて全員思わぬお揃いでそろそろ行こっか、夏祭りへ!おおおおおおおおおおお。っと思った。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

「ね」

 

「なに」

 

「なんで。。。なんで私たち家で宿題してんのよ!」

 

「週末なのに宿題終わらせてないからだ!あとアンお前は?」

 

「一よしたけど」

 

「見せて。。。。。。間違いだらけじゃねか!」

 

「実質的には終わっているだろ!いいじゃないか」

 

「お前には特別に調教授業だ。覚悟しておけ」

 

「言葉!」

 

「すまん。。。うふん。。。鞭だ!」

 

「結局ヴァイオレンスかい!」

 

「もう花火大会始まっちゃう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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