五等分の花嫁・あなたと共に過ごした記憶 作:angelika
星に包まれた遠い空は、まるで神が布でこの惑星を包み込んでいるかのようだった。私たちは、この灯りに照らされた下町へとやってきた。ここは空のようにまばゆく、ただならぬ香りが空気の中を舞っている。まるでクレオパトラの媚薬のように、私たちを甘く誘い込んでくる。その誘惑に耐えるしかなかった。
フローレンスから少し離れた街には、こんな伝説が語り継がれている。
中世後期、ピサの街にとある伯爵がいた。彼は正義感が強く、誠実で、誰に対しても分け隔てのない人物だった。だがある日、時代を揺るがす歴史的な転換点が訪れる。
北の国、ゲルマニアの皇帝は、教会の支配にうんざりし、そこから離れようとしていた。一方で教会側はこれを許さず、激怒した。こうして「派閥戦争」が始まる。皇帝の権威を支持する者たちは“ギッベルリーニ”、神の教えに従う者たちは“グエルフィ”と呼ばれた。伯爵はギッベルリーニ側に与したが、同時に信仰深い十字の信者でもあり、グエルフィたちにも密かに手を貸していた。だがそのことが、ルッジェリ大司教に知られてしまう。結果、彼とその家族は「ムダの塔」に幽閉された。塔の四方は堅牢な壁に囲まれ、出入り口は閉ざされていた。唯一の光は、小さな窓から差し込むもので、それすら子供でも通れないほどの大きさだった。やがて、水も食料も絶たれ、伯爵たちはみるみる痩せていった。ある日、一人の息子がこう言ったという。
「父上……私はもう駄目です。どうか、私が神の御許に召されたら……この身体を、父上の糧にしてください」
だが、伯爵はそれを拒んだ。しかし日が経ち、家族は次々と倒れていく。そして、伯爵自身も飢えに耐えきれず、とうとう。。。その後、彼もまた亡くなった。伯爵が受けたのは「餓死刑」と呼ばれる、教会支配下で最も残酷とされる刑罰の一つだった。だがこの話には、後日譚がある。死後、ルッジェリ大司教は地獄に堕ち、伯爵と再び相まみえる。伯爵はその頭をつかみ、脳をかち割って噛みちぎった。まさに因果応報だった。
この伝説の歴史的信憑性は定かではない。ただ、教会の腐敗を告発する寓話として語り継がれている。たとえどれほど清く正しい者でも、欲に負ければ、行き着く先は地獄なのだと。
理不尽に思えるが、ある学者はこう語っている。「もし伯爵が息子たちの亡骸に手を出さずに餓死していたならば、あるいは手を出したとしても、悲しみの中で命を終えていたならば、地獄には堕ちなかったかもしれない」と。
欲とは、誰もが持つものだ。生活に困ればお金が欲しくなるし、空腹になれば盗み食いをしたくもなる。ストレスがたまれば、誰かに八つ当たりしたくもなる。
これらの感情はごく自然なもので、恥じる必要はない。むしろ、それこそが人間らしさだ。
ただし、その欲を自制できなくなったとき。限界を超えて暴走しようとするとき。問題が生まれる。それは知足を知らないからだ。なにをするにも、加減というものがある。加減を知ること。それはまるで剣術を極めた侍のように、静かに力を制することに通じている。
そして、今。この香ばしい匂い、焼き上がる音、塩と胡椒の混ざり合う魅惑的な香りも、まるで私を呼んでいるかのようだ。だが安心してくれ太郎。私は金の使い方を心得ている。私は、私は。。。!
「こんなごいじいボノにがんだんにマドザレマゼン!」
「爆買してんじゃないか!食う時喋るなっていつも言うやつをよ!つうかさっきの長い下り意味があったの!」
「ギャ、ダダナニモウガベナイガラデギドニ」
「なに言っているのかわかんね。てか買いすぎだ!一人で食べるつもりか!」
「ギエ、ワダシモイマス」
「五月お前もか!」
「ガイ、イくッキハン」
「アヘハト」
「おへおへ。おへおへ」
「うほ、うほうほ」
「「おへ!」うほ!」
「なにこの会話、通じてんの?」
もう、太郎ったらせっかく祭りに来たんだしもっと雰囲気にふさわしい顔に整ったらどうかな。ほら、五月さんを見てみ何か言いたいことがあるんでしょう。
「たく、お前ら姉妹を見分けつのもやっとなのに髪まであげてややこしいわ」
「はああ!?どんなヘアスタイルしようと私の勝手でしょう!行きましょう天使君」
五月さんは彼から離れるため私ごと連れ出した。あれえええぇぇぇ。。。って太郎なにしてくれてんだ!人がせっかく彼女とお前との関係を修復つもりだったのに、なにそのセリフは!もっとあるでしょう!あら五月さん色鮮やかな着物ね。とても似合ってるくわ。あら五月さん髪型を変えたのね。いつもよりかわいいらしいい。っとか言わないの!この無神経!
なんとかしても彼女をあいつのところに連れなきゃ。
「天使君みて、ペシャンコのイカ焼きよ。食べますか?」
「食べる!ペシャンコイカ食べる!」
ペシャンコイカとは、一種の天ぷらである。通常の天ぷらとは少し異なり、たっぷりの油で揚げるのではなく、天ぷら粉でイカを衣付けしたあと、専用のプレス機で思いきり押し潰すという独特な調理法をとる。この押し潰す過程で、イカの内部に含まれていた水分が蒸気となり、周囲にはイカ焼きのような香ばしい匂いが立ち込める。屋台全体がその匂いに包まれる頃には、すでに人々の胃袋も反応してしまうだろう。最後に、焼き上がったイカを紙に包んで渡され、それを熱々のまま口に運ぶ。その食感は、外はカリッと、中は香り豊かでジューシー。クセになる一品だ。
「「美味しいいいいいいい!」」
こ。。。これは!口の中でイカの香りが!爆発した!
「おお、天使さんご機嫌ななめですね」
「ほほ、ヨフハ。ゴクウン。。。楽しんでいる?」
「もちろん、見てみて。あそこで金魚をいっぱいすくったの」
「おお、それはそれは。。。って袋ぱんぱんじゃんか!ちょい加減しろ!」
「えへへ。やああね、らいはちゃんを見てると不思議にプレセントしたくなっちゃうね」
あ、わかる、すっごくわかる。一方あそこのおじさんが泣きそう。
「ああ、らいはちゃんを私の妹にしたいな」
「わかる、らいはちゃんの料理毎日食べたい」
「食べことあるんですか?」
「ゴッドクッキング」
「なんと!」
「あんたたちはしゃぎ過ぎて集合時間忘れないでね」
集合時間?
「三玖の話によると二乃がお店の屋上を借し切ったらしい」
「そうっか、だったら早くこの人間の海を抜きましょう」
「待ちなさい」
蝶々が私たちを止めてなにやら姉妹と一緒に買い物しに行くそうだ。どうやらあれがないと始まらないそうだ。
こんなに大切なのか、あれというものは。
姉妹たちがセーノーで。
「「「「「人間餅」チョコバナナ」焼きそば」りんご飴」かき氷」
。。。
「「「「「全部買いに行こう!」」」」」
「お前ら本当に五つ子か疑わしくなってきたぞ!」
まさか五人で違うもの言い出すとは思わなかったぞ。。。ちなみにさっき焼きそばを言ったの誰?私も連れて行って!
「天使君聴いてください。あの店主一花には可愛いからオマケと言って、私には何もなしだなんて。同じ顔なのに」
「まあまあ、これを食べて機嫌を直して」
「複雑な五つ子心」
「あんたたち遅い!」
あれ?妙に蝶々が気合い入ってんな。こんなに花火を好きなのか。
「そうでもないです。実は。。。」
「え、なんたって。すまんあまり聞こえないって五月さん!」
「大変長らくお待たせいたしました。まもなく開始いたします」
やばい。人がどんどん増えて。あちらこちら押し付けて呼吸すらままならない。騒音に紛れて五月さんが私を呼んでいるのを聞こえるでも人が混んですぎて彼女を見失っている。
とにかくなんとか五月さんをここから連れ出さないと。。。近くに小さな手が伸ばしている。あの手見覚えがある。その手を思いっきり引っ張ってどこか空いてるところに向かった。
「「五月!」さん」
っと己の思い上がりに恥を感じた。
「「げ!」」
蝶々だったわ。
「ちょっとそろそろ離してくれる」
「ああ、すまん」
「たく、最悪みんなと逸れちゃったし、変態と手を取ったし」
「おい、一言多いよ。まあ確かに最悪の状況かもな」
お互いあったの感想を共有した。
たく、しくじった。まさか五月さんをこいつと間違えるなんて。不覚。これからどうする今からみんなを探したら花火が間に合うどうか。
「いっつ」
「。。。怪我したのか」
「あんたと関係ないでしょう。ほらあそこの店の屋上よ。みんなが待ってるはず」
私と蝶々階段を登り、そこで五月さんたちの姿はいなかった。そして花火も打ち上げられ、さらに準備万端と思いきや、彼女の私にこう言い放った。
「よく考えたら、今年のお店の場所、私しか知らない」
チンンンンンンンン
。。。
。。。
。。。
。。。
。。。
。。。
。。。
「知っているか。花火の起源は中国の唐朝から始まってね。それから一帯一路を旅する商人がユーロッパに渡った先にポルトガル人が日本にもたらしたそう。でも別の説ではもっと早く着いた話もある」
「全然つまんない!何が悲しくてあんたと二人で花火を見ないといけないのよ!」
「あんたがドジしたでしょうが!」
喧嘩している間彼女の携帯がなった。話を聞くとどうやら四葉からだ。
みんな無事で何より。そうだ太郎は?えっと、スマホスマホスマホスマホ。。。スマホスマホスマホ。。。スマホスマホ。。。スマホ。。。
「ヤッベ!落とした!」
「もう使えないわね!」
落ち込んだ私が真空に寄り添い一花と太郎が発見した。私の声を聞いて蝶々は向かいに行くと言っているが、バランスを失って落ちているところ彼女をキャッチした。
やっぱりな。さっきの人混みのせいで足が捻挫している。これじゃまともに歩けない。
私は彼女をここで休めっと言っていたが。
「ダメよ」
「アホかよ。歩いてたらさらにひどくなるぞ」
「だって。。。」
「だいたい花火くらいでそんなに焦るか。来年でも良いだろ」
「。。。あんた!何がわかるの。何も知らないくせに!」
急にどうした。いつもより激し。。。っておい、泣くなよ。。。。。。あああああ、わかったわかった。わかったから。
私は手を伸ばして彼女の頭をなでなでした。
「悪かったよ。勝手なことを言って」
「え?」
「私は行く、最短時間で全員連れてくる。お前は携帯を使ってあいつらを誘導な」
「そんな間に合わない」
「いける」
「無理よ」
「いける」
「何根拠な」
「。。。じゃ約束だ。もし間に合わなかったら。好き勝手罵って良いから、加えてもう二度と家に行かない。いい」
この時は自分でもわからなかった。なんでこんな約束したのか。これも太郎のためかもしれない。私がいなければこいつらも少し彼と仲良くかもしれないから。私よりも。
「では行ってくる」
階段から降りた時、気のせいかもしれませんが。あいつから何か聞こえたような気がする。気のせいか。
「。。。なにカッコつけるのよ。。。バカ。。。」
鬱陶しい、人が多すぎる。確かこのあたりだったよな。クッソ携帯が落ちなければパパッと解決するのに私のアホ。しかしなんであいつ花火であそこまでにこだわるんだ。。。「なにも知らないくせに」っか。。。今思うと奴らのことあまり知らないな。このこと終わったらちょっと話していくっか。
お!いたいた!太郎だっとその隣は一花か?なんか髪が長いような。。。五月さん?誰かと話している?
「ただの知り合いですよ。。。ん?それより同級生でいいのかな。。。うーン、それだけでは足りない気もする、顔なじみ。。。依頼人。。。」
彼これらの言葉を放って、隣の子は頬を膨らんできて。怒ったそうだ。
あ、あれ三女だ。
「やっと見つけたよ。お前ら」
「アン。ちょうどいい、一つ聞きたいことがある。俺たちってどういう関係だ」
「なにいまさらよ。。。。。。同じ食卓で安い飯を食う仲間」
「え?!俺たちってそういう関係だったの?!」
「でもクラスの女子によるとアンジェとフータローはあっちら方面の関係があるとか」
「「それはない」」
一体誰だ!そんな破廉恥な噂を流したの!
「とにかく、たとえしょぼい飯を食う仲間でも、私は太郎と一緒にいると嫌いじゃないっと思ってる」
「アン。。。お前ってやつは」
お、私の言葉に感動してるのか。
「これはいわゆるツンツン。アンジェツンツンしている」
してないわい!三女こんなキャラだったっけ。
でも太郎なんでこんなこと聞いてきたのだろう。
こう考える間に太郎が人混みの中で一本の赤いアホ毛を見つけた。彼があれに叫びスローモーシオンでこっちゅに振り向く、元々キラキラした可愛い子がどんどん失望に変えた。
「なんだ、あなたですか」
「残念さを少しは隠しなさい」
ワラワラ
続いて彼は彼女にさっき私に同じ質問をした。
「そうですね。天使君とは友達です」
「同じ机の悪い成績同士じゃないのか」
「な!。。。言っておくけど、あなたとは百歩譲ってもただの赤の他人です!」
「百歩譲っても!」
クックックううううう
百歩譲ってもだって。
それは置いといて、これで揃ったね。残るのは一花だけ。そういえば屋上にいた時、太郎と一緒に見かけたな。
「ね、太郎、さっき一花と一緒じゃなかった?」
「そうだ!忘れてた!実は。。。」
「ん?太郎。。。。。。。。。あれ?太郎?どこに行って?太郎?。。。。。。!。。。これは!」
クッソ!もうすぐ花火が終わるのに!
「神隠しかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」