五等分の花嫁・あなたと共に過ごした記憶   作:angelika

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第九話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 神隠し。

 それは日本に古くから伝わる、不可解な失踪現象である。ある日、前触れもなく人が忽然と姿を消し、まるでこの世から「蒸発」したかのように。神隠しと呼ばれるこの現象は、特定の地域に限らず、日本全国のさまざまな場所で報告されている。

 なかでも有名な一件は、ある女性が神社に参拝した帰り道、赤い傘を差していたのを最後に姿を消した事件だ。警察は大規模な捜査を行ったが、目撃証言も監視カメラの映像も、何一つ手がかりを見つけることはできなかった。結局、事件は解決されないまま、地元の神職者の手に託されることとなった。そして彼が言ったのは、たった一言「これは神隠しです」。

 こうして、合理的な説明もないまま、事件は神の領域の出来事として幕を下ろした。

 神隠しとは、神の意志によって人間が連れ去られる現象とされている。しかし同時に、悪い子がさらわれるとして、しつけや戒めの意味でも使われることがある。

たとえば、天狗隠しという別名もあり、これは山に棲む神秘的な存在・天狗が子どもをさらうという民間伝承に基づいている。

 つまり神隠しとは、神聖と恐怖、しつけと神罰が交差する、日本文化に深く根差した謎のひとつである。

 

「あいつがいずれそう思ったけど、まさかこんなタイミングとはな」

 

「違いますから。そんな神隠し頻繁に起こりません」

 

「冗談だ。たく太郎のやつ。もうすぐ花火終わるのにどこに行ったのか。あいつが待っているのに」

 

「あいつって?」

 

「蝶々。。。次女のことだよ。あいつが屋上であなたたちを待っている。どうしても姉妹揃って花火を見たいようだ。私が彼女に一人でもいいのにって、来年もまた来れるいいじゃないかって言ったらものすごく起こっちゃってな」

 

「。。。二乃ったら」

 

「。。。なにか知っているようだな。教えてくれか。。。っとか部外者の私が聞くじゃないな。すまん忘れて。。。」

 

「いえ、天使君なら」

 

 五月さん。

 

「実は花火はお母さんとの思い出なんです。お母さんが花火が好きだったから毎年揃って見に行った。お母さんいなくなっても私たち姉妹揃ってね」

 

 。。。そうっかそういうことだったのか。だからそんなに張り切ったのか。

 

「だから天使君、二乃のこと。。。」

 

「三回目だ」

 

「え」

 

「今日で女の子の悲しんだ顔を見るのが三回目だ」

 

 一回は劇場の後の一花、二回目は屋上で五月さんたちを待っている蝶々、そして。。。三回目は。。。

 

「そんな。。。私。。。悲しいなんか。。。」

 

 彼女は顔を見られないようにちょっと頭を下げて悲しさを否定していたが、でも私はそんな彼女に思い上がりの言葉を言い放う。

 

「大丈夫。私が。。。。。。。。。。俺が何とかするから。待ってて」

 

 そう言って私は一歩を踏み出したが。

 

「待ってください。これ。さっきそこで落ちていました」

 

「おおお!よくやったな五月さん!あんがと」

 

 私の携帯!

 

「じゃ!行ってくる!」

 

「。。。ありがとう。天使君。。。」

 

 遠く離れたあと、私は太郎から一本の電話を受けた。最初は少し苛立っていた私は、彼にきつく言い返してしまった。けれど、その声の調子からすぐに気づいた。これは、ただ事じゃない。どうやら事態は、私が思っていたよりもずっと複雑で、厄介なようだった。

 私が五月さんと話している間に、一花は太郎をどこかへ連れ出していたらしい。そして、午後に私と交わしたのとまったく同じ内容の話を、彼にもしていた。その流れで、彼女の仕事についても明かされたという。そして「一花、学校を辞めるつもりらしい」その言葉までは、正直、私も覚悟していた。心のどこかで、彼女はもう腹を決めていると感じていたから。でも、その次に太郎が語った内容には、どうしても黙っていられなかった。

 私は迷いなく、太郎が教えてくれた場所へと急いだ。そこは、人通りの少ない、やや薄暗い場所。階段の下には車が行き交う道路と、ぽつんとバス停がある。そして、そのそばに。。。

 

「私に手間を取らせてしすぎるよ。一花」

 

 でかしたぞアンっと私のなんかキモイのがそう言いてるのが気がする。

 

「帰ろ、蝶々が待っている。三女と五月さんは太郎に任せてある。四葉は問題ない電話で何とかする。だから。。。」

 

「なんでこんなにおせっかい焼いてくれくの?」

 

 。。。

 

「ね。なんで?」

 

 。。。

 

「友達だから?」

 

 。。。

 

「フータローくんから聞いたでしょう」

 

 。。。

 

「はい、これ、今回オーディションの台本。すごいでしょう」

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

「なにも言わないんだね」

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

「なんか悪いことをしているみたい」

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

「みんなきっと。。。」

 

「勘違いしないで、別にあなたを引っ張り返すつもりはない」

 

「え、だって」

 

「私はただずっと胸に抱いた違和感を解消しに来た」

 

「解消?」

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

「私はね、いつも冷静さを保って生きてきたの。何か悪いことが起きても、すぐに対処できるようにって、そう教えられてきた。だからかな、よく“感情がない”って言われてた。否定はできない。だって、自分でもそう思ってたから。何を言われても、何も感じなかった。嬉しいことも、悲しいことも。でも、結果だけ見れば、仕事はうまくいっても、人は私から離れていった」

 

「でも。。。そうは見えないけど」

 

「もう、うんざりだったの。そういう生き方に。感情を引き出すのが難しいなら、せめて、仮面をかぶろうって思ったの」

 

「仮面?」

 

「そう。感情を表に出す仮面。嬉しいときは、歓喜の仮面。怒ってるときは、敵意の仮面。そうすれば、誰かと同じ感情を共有してるふりができるから」

 

「まるで俳優みたいだね。すごいよ」

 

「でも、そんなふうに振る舞っても。。。心から嬉しいって感じたことはなかった」

 

「だって、それは自分の感情じゃないもの。そういうこと、私にもあるよ」

 

「。。。違うんだ。そうじゃない」

 

「じゃあ、なに?」

 

「悲しかったの。二乃が。。。宿題を終わらせて、人混みをかき分けて、やっと屋上に着いたのに、そこでみんなとはぐれた。怪我までして探しに来てくれた。きっと、彼女にとっては、それだけ大切なことだったんだと思う」

 

「なによ。。。私を悪者にするみたいに」

 

「二乃だけじゃない。五月さんも、三女も、四葉も。。。みんな、あなたのことを本気で思ってる」

 

「ダメ。。。お願い、もうやめて。。。」

 

私は一花の頬を両手でぐにゃぐにゃとつかんだ。彼女の顔がほんのり赤くなって、さっきまで身にまとっていた黒い感情が、少しずつほどけていくように見えた。

 

「だから一花。。。作り笑いは、もうやめて」

 

 ガラスの割れるような音がした。どこからかはわからない。でも、確かに不快な音が響いた。

 

「べ、別に。。。作り笑いなんて。。。」

 

「いるよ。そういう振る舞い。。。私が一番知ってる」

 

私の手のひらには、彼女の頬の温もりとともに、しっとりとした水気が感じられた。もしこれが太郎だったら汗かもしれない。でも、いま目の前にいるのは彼じゃなくて、彼女。一花。女の子は、あまり汗を流さない。そう思うと、私の心が不意に痛んだ。

 

「一花。。。お願い。あなたの本心を聞かせて」

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

「私。。。みんなと。。。花火見たい」

 

 。。。

 

 。。。

 

「みんなに。。。いいお姉ちゃんとして。。。胸を張れるよう。。。」

 

 。。。

 

 。。。

 

「みんなと。。。一緒に。。。いたいよ」

 

 。。。

 

 。。。

 

「よく言った」

 

 一花が私の懐に顔を沈み泣いた。私を掴んでその声を少しでも小さく、私だけを聞こえるようにしていた。

 ああああああ、これ蝶々に見られたら殺されるかも、姉が泣かされたってね。最低、クズ、男として恥ずかしくないの。。。っと私の中でよく当たる予感がそう言っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 男でなし、最低に言われ、心なしかな。

 彼女泣かせて、我が衣に濡れつつ。

 ざまあみろ、祟りが降り注ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着いた?」

 

「うん、ありがとう」

 

 一花が泣き止むまでそばにいた。

 

「ごめんね、ハンカチ汚しちゃって」

 

「いえ、男のハンカチは女の子の涙を拭くためにあるから」

 

「もうアンくんったら。。。」

 

 私たちは階段に並んで座り、彼女はそっと頭を私の肩に預けた。さっきまで聞こえていた花火の打ち上がる音も、人々の歓声も、いつのまにか遠くへ消えていた。別に止んだわけでもない。ただ不思議と、私たちの周りからすべての音が消えていたのだ。そんな静けさの中で、彼女の「ありがとう」という声だけが、はっきりと聞こえた。

 

「これからどうする?」

 

「行くよ、オーディション。だってせっかく掴んだチャンスだもの。見逃したくなんてない。

それに。。。ここまで来て、なにもせずに帰るなんて、それこそ、情けないでしょ?」

 

「それもそうだな」

 

 私は仕事が終わったように一息ついた。彼女がここであの人を待ち、私は立ち去ろうと思ったが、一花が私の離れた腕をギュッと掴んでこう言った。

 

「待って!。。。もう少し。。。こういさせて」

 

 えええええええええええええええええ!私は心の中に叫んでいた。

 

「いや!まずいだろ!デビュー前のかわいい俳優がここで私と見られたら!」

 

「見られたら?」

 

「えっと。。。その。。。誤解。。。とかされて」

 

「何の誤解?」

 

「お前な!」

 

「ははは!ごめんごめん。だってアンくんがあまりにも面白くって」

 

「揶揄うな!」

 

 たく!こいつこんな時も私で遊んで。くるべきじゃなかった!うちに帰る!

 

「泣きそめいた後の女の子を置いてけぼりしちゃっていいのかな?」

 

 けぬぬぬぬぬぬぬっと蠢いている私だがしばらくしてとある人が一花を迎えにきた。彼女は残念そうに「あら、もうおわちゃった」っと言いながら、私は枷を解いたように腕が軽くなった。。。。。。でもなんか心が落ち着かない。なぜだろう。

 

「じゃあ、行ってくるね」

 

「は、役勝ち取れよ」

 

 一花は車に乗って去った時周りは静かになった。

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

 なんだこの寂しさは。

 私はさっき一花と一緒に座ったところを見直して自分に問う。

 なにやってんだ私は。

 

「行ったか」

 

「え、行ったって!太郎!いつからそこに」

 

「そうだな。お前が『男のハンカチは女の子の涙を拭くためにあるから』っのところから」

 

 よりにもよって一番恥ずかしいセリフからか!本当になにやってんだ私は!思い返せば恥ずかしい場面だったよ!自分が感情という仮面をかぶってるってなに!ただの厨二患者じゃないか!

 

「よくもあんな恥ずかしいセリフ言ったな」

 

「うるさい!この無神経!」

 

「まあ、それを置いといて。これからどうする」

 

「。。。どうするなにも、覚悟を決めるしかないでだろ」

 

「誰に対して」

 

 私は手を頭に広げて羽ばたいていた。

 

「四葉か」

 

「違うよ。ほら、あいつよあいつ」

 

「あ、二乃か」

 

「あ、あいつと姉妹揃って花火を見させるっと約束したが。。。この結果さ」

 

「だったらなんで行かせたんだ?」

 

「。。。なんでか。。。なぜだろうな。。。多分一花をあんなままにしちゃったらもっと悲しむから。例え連れ戻しても笑顔でもない彼女を花火に見に行っても楽しくないさ。。。だからこれでいいんだ」

 

「。。。そうか。。。上出来だな」

 

「それどういう意味。皮肉?嫌味?」

 

「お前にしてはいいこと言うじゃないかってね」

 

 なんか馬鹿にされ感半端ないですけど、まあいい。

 

「さてと、今までお世話になりました。五月さんにも言ってやれ、私がいなくてもちゃんと教えたもの復習しなさいって。彼女は諦め悪く健気な子だからちゃんと仲良くなってね。あとは。。。涙ポロポロ」

 

「待て待て!早まるな!お前が二乃と何の約束をしたか知らないけど、あっちは俺が今解決するから」

 

「スタッフさんに花火をもう一度を放つとか」

 

「違う」

 

「アディオス、今まで誠にダンケシェンでした」

 

「待てって言ってるだろ!とにかく俺には作戦がある。こういうの得意じゃないからお前に頼む」

 

「作戦?」

 

 スクズクシカジカ。

 

「よし。なら決まりだ。俺はあいつらと準備するからお前は一花が終わる時迎えに行ってやれ」

 

 本当に大丈夫なのかっと心配ながら太郎の指示に従った。

 本当に大丈夫だろうね。信じていいかね。日本では信という漢字は命よりも大切なものだからな!信長に誓えよ!っと聞こえわけないかただの独り言だし。

 えっとここから真っ直ぐで、右折、左折、まっすぐっと到着っと。

 ん?どうして一花のオーディションの場所知ってるって。そんな細かいこと気にしない。物語を進むことを考えましょう。

 しばらくして一花は建物から出てきた。

 彼女は汗たくの私を見てポケットからさっき貸したハンカチで私のおでこを拭いた。

 それよりもオーディションの方が知りたい。どうだった?

 

「やああ、最高の演技だったよ、一花ちゃん。ん?あなたは?」

 

「えっと。。。はい!一花。。。中野一花さんと同級生の天使アンジェと申します」

 

「あああ、そうか。あなたが。一花ちゃんからは常に話を聞いていたわよ」

 

「そうでしたか。恐縮です」

 

「なんと男と特別な関係あるとか」

 

「違います!」

 

「違うの」

 

 なんであの噂はここまで運ばれてるの!一花!

 彼女も顔を隠して笑っている。

 

「もしかすると一花ちゃんはあんな表情できるのはあなたのおかげでかも。私ちょっと興味湧いちゃった!こうしてみると。。。いい男ね!」

 

「お。。。お褒めに与りありがとうございます」

 

 なんかこの人、怖かったので私は一花の手を引っ張ってお暇させた。

 彼女は笑顔のままだけど、どこかで上の空だった。道は暗くて静かだった。

 

「みんなは?」

 

「この先だ」

 

 。。。

 

 。。。

 

 。。。

 

「みんな怒っているだろうな」

 

「そうだな」

 

「慰めてくれないんだ」

 

「いや、それは一花に対してではなく、私自身で」

 

「何かしたの?」

 

「。。。ちっと。。。約束やぶちまって。。。な」

 

「誰に対して?」

 

 手が頭に乗せ。

 

「四葉!」

 

「なんでそいつが浮かぶの!」

 

「いやだって、どう見ても四葉じゃん!」

 

「うまく伝えできなくて悪かったな!」

 

 太郎といい一花もいい、なんか馬鹿にされた気分半端ない。でもさっきまで落ち込んでいた彼女が元気になったみたい。

 よかった。

 

「それより、なんでここを通るの?家の方向じゃないでしょう。あ!もうしかして誰にもいないところに私を。。。!」

 

「ないよ!まあ、ほら、ついたよ」

 

 とある公園にたどり着きそこには待っているみんながいた。

 

「あ、一花に天使さん」

 

 おうおう、やってるやってる。まあ打ち上げ花火と比べると随分見劣りするがな。

 

「やっと来たか」

 

「フータローくん。どうして」

 

「みんながどうしても花火を見たいから、こいつを頼んでたのさ。最も功労者はあいつけどな」

 

 太郎はベンチに腰掛けばっかの私を指摘したが、疲れすぎて何にも聞こえなかった。

 死ぬ。。。疲れた。

 

「ご苦労様です。はいこれ」

 

「五月さん。ありがとう」

 

 あああああ、気持ちいいいい、炭酸のレモンだ。合体してレモネードだ。でも。。。

 

「ごめん」

 

「なにをですか」

 

「約束したのであろ。一花を。。。」

 

「なに言っているのですか。ちゃんと守れたじゃないですか」

 

「しかし花火が。。。」

 

「そんなことないですよ。ほら、一花を見てください」

 

 私は五月さんの目が向いている方向に見る。そこには三女と四葉が楽しそうに一花と線香花火を手に取って楽しそうに遊んでいる。

 

「だからそんなに自分を責めないでください。天使くんはなに破っていないのです。ここには一花がいて、三玖もいて、四葉にらいはちゃんと。。。あの男」

 

 あの男って言うまいにすごく間があったけど気にしないしておく。

 

「そこに隠れている二乃も」

 

「ちょっと五月!」

 

「わ!びっくりした!口裂け女だと思ったじゃないか!」

 

「なんですって!」

 

 ふざけてそう言った私に、怒った蝶々が勢いよくこちらに向かってくる。だけどその直後、彼女は足を滑らせて、とっさに私は腕を伸ばし、地面に倒れそうになった彼女の体を手で支えた。

 そういえば。。。この子、足を怪我してたんだよな。

 

「大丈夫か」

 

「あり。。。ふん!あんたに支えられなくても自分でなんとかするわよ!」

 

 こいつ!。。。強く言えない!

 

「それより二乃、天使くん何か言いたいことがあるじゃなかったのですか」

 

 そうだな。。。よし!漢は二言はない!覚悟ができている!さあこい!

 

「なにを考えているのかわからないけど、勘違いしないで。あんたと話すことは何にもないわ」

 

「しかし。。。」

 

「そういえば屋上にいる時何か言ったわよね。だけど残念だったね。あの時花火の音が強すぎて耳障りのあんたの話をなにも聞こえなかったわ。あああ、あああ、可哀想」

 

 あ、キレそう。

 

「二乃」

 

「グヌグヌ。。。まあ。。。一花を連れ戻れて。。。感謝。。。してるけど。。。」

 

 彼女が顔真っ赤にして私の顔に近くずく。

 

「あとは。。。お・つ・か・れ。。。」

 

 言い終わって頬を膨らんで去っていた。

 

「もう二乃ったら素直じゃないんだから。では天使くん私も行きますね」

 

「あ。。。行ってこい」

 

 こうして全部無事に収めることができたせいか腰の柔らくなって腹も減った。

 

「ほらよ、食うか」

 

「たこ焼きだ!食べる!ハムハムハム」

 

「何とか収めることができたな」

 

「まったく、本当に大変だったよ。おかげで祭りの食い物も全部回らなかったし。挙げ句の果てめっちゃ恥ずかしいこと言わされおるし、今日は散々だよ。。。」

 

「そうだな、でもすべて悪いことじゃないと思っている。このできことで、奴らのことをちょっとだけ理解したかもしれない。彼女たちがなにが嫌いで、何か大切であるかな。そしてこれからももっと知ることも」

 

「珍しいな、お前が人間のような考えも持つとは」

 

「それはこっちのセリフだ。まさかお前があそこまで一花のこと深掘りするとはな。たぬき技見ているのに」

 

「聞きの悪いこと言うな!あとたぬきじゃなくてただ感情が認知するのを苦手だけなの!」

 

 こう言って太郎はグッと見つめる。

 なんだ?

 

「35点だ」

 

 は?なに言ってんだこいつ。

 

「お前が一花の心感情的読めて点数ずけだ」

 

 なんでだよそれ!

 

「そう顔すんな。褒めてるつもりだ」

 

 いや、その点数半分も取ってないけど、ていうかこんな時によくも勉強のことを話すな。

 

「お前が文章を書く時常に言葉で変な組み合わせをする。そのため俺が読む時大変苦労する。いや、苦労つうか完全なにを書いてるか全くわからない、ていうか伝わらない。正直クッソ!」

 

 殴っていい!

 

「でも一花と会話が良かった。内容は明々白々、遠い回しもない、素直でわかりやすい。何よりもちゃんと相手の気持ちをわかっていて声をかけていた。この調子でお前が他の姉妹同様のことをしたらさらなる進歩あるかもしれない」

 

 なんだかすごくワクワク話しているけど大丈夫?それに直視できない、輝いているわけでもないのに。

 あ、眠気が。

 

「だからアン、俺とあいつらと一緒にって!アン!。。。しんで!。。。いや眠ったかびっくりさせおいて。。。」

 

 太郎はベンチで眠っている私を横にさせた。

 

「さっさとらいはと帰りたがったけど。。。仕方がないもう少しここに居よっか。たく、大事な話をしているのに眠り上がって」

 

 そんなため息しているが太郎の瞳は深くアンジェの顔を見ていた。まるで何かこの瞬間いけないことが起こるように。

 

「あ?!上杉さんが天使さんを襲いかかろうとしている?!」

 

「「「「え!?」」」」

 

「いや、そんなわけないだろ、これは?!」

 

「噂は本当だったんだ!」

 

「キモ」

 

「まさかそういう趣味!」

 

「不潔です!」

 

「違うんだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

 こうして今日も五等分です。

 あとすまん太郎。実は私、半分たぬき寝入りしています。ここで起きたら馬鹿にされそう。

 

 おしまい。

 

 

 

 

 

 

 

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