理想郷の皇帝とその仲間たち   作:海豹のごま

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テンプレ43:原作前の騒動

テンプレ44:スタンド使いの敵

やはり物議を醸し出しそうな回


十五話 電気と収穫

 ここは麻帆良学園都市の噴水公園。覇王と状助はとある人物たちと待ち合わせをしていた。その待ち合わせていた人物たちが、ようやく到着したようだ。

 

 

「ししょー、久しぶりやねー」

 

「東も、相も変わらずリーゼントなのね」

 

 

 近衛木乃香と銀河明日菜である。

とても元気に手を振り、覇王に挨拶する木乃香。それとは対照的に、いつものリーゼントだと挨拶するアスナがいた。しかし覇王と状助によるダブルデートというわけではない。そんな甘ったるいものでは断じてないようだ。

 

 

「やあ、木乃香、元気そうだね」

 

「ししょーも元気そうで、なによりやわー」

 

「よぉ~、銀河、元気っぽそうだなぁ~」

 

「気分的にはアレだけど、病気はしてないよ」

 

 

 とりあえず挨拶をしている四人だが、さっそく本題へと入っていった。まず、とてつもなく不機嫌に、それを言い出したのはアスナだった。

 

 

「……東、正直男子に言いたくないことだけど、相談したいことがある……」

 

「うん、ウチらかなり困っとるんや……」

 

「んん~?どういうことだぁ~!?」

 

 

 彼女たちは彼らになにやら相談するために、会いたいと申し出てきたのだ。その内容は彼らが想像したものよりも、恐ろしく腹立たしいものだった。アスナは思い出すだけで怒っているようで、とても表情が怖くなっており、状助は少し後ろに下がった。

 

 

「……下着泥棒が出るのよ……。ヘンタイは死すべし……」

 

「マジかよグレート……。だ、だがよぉ、怒るのはわかるが、少しだけ抑えてくれねぇ~かなぁ~!」

 

「下着泥棒だって?」

 

「そうなんよ……。ウチらの部屋は前鬼、後鬼がおるからさほど被害はでてへんのやけど……」

 

 

 木乃香の部屋の門番でもある、前鬼と後鬼。この鬼たちは優秀であり、ある程度の外敵を跳ね除けることなど簡単であった。しかし、それでもなくなる下着があり、木乃香もアスナも非常に困っていた。それ以外にも、他のクラスメイトも多大な被害を受けているというのだ。だが、それ以上の展開すらもあったようで、アスナはさらに怒りを募らせ、般若のごとき険しい表情へと変貌していった。

 

 

「……絶対に、許さない……」

 

「お、おい、銀河ぁ……。ちぃーとキレすぎじゃあねぇーのかぁ!?」

 

「アスナが怒るんも無理ないんやよ……。……下校中に身に着けてた下着も盗まれたみたいなんや……。……せっちゃんもすごーおこっとったえ……」

 

「えー……、それはひどすぎる……。キレて当然だ」

 

 

 涼しい表情を見せている覇王だが、内面ではとても頭にきていた。自分の弟子やその友人を困らせる輩など、S.O.F(スピリット・オブ・ファイア)の炎に焼かれて魂もろとも消えろ!と思うほどに、かなり頭にきていた。そんな話を聞いた状助も、流石に許されざる行為であると考え、怒り出した。

 

 

「おい、マジかよ……。あー、犯人のやつぁ、ちっと痛めつけねぇと気がすまねぇーなあ!」

 

「絶対に許さない……。じわじわとナブリ倒してくれるわ……」

 

「アスナ、流石にそれはやりすぎやない……?」

 

 

 流石に路上で下着を脱がされてしまったアスナは、プッツンきていた。状助は誰が犯人か考えていた。こういうことをするやつは”原作”に一人、いや一匹いたことを思い出した。

 

 しかし、それは”原作開始”後に登場する生物であり、今この場所に居ることは考えられないと思った。つまり、犯人は隠蔽が得意な魔法使いか、自分たちのような転生者ではないかとあたりをつけた。だが、覇王は最初から、自分たちで犯人を見つけるのは不可能だと判断したようだった。

 

 

「とは言え、僕たちは探偵じゃないんだ。そうそう犯人を特定なんて、できるわけないだろ? 証拠や追跡に必要なものも、まったくないみたいだし……」

 

「うーん、まあ確かに証拠っつーか、手がかりすらないんじゃわからねぇーよなぁ……」

 

「…………」

 

「あ、アスナがとうとう黙ってしもうた……」

 

 

 犯人が特定不可能と覇王から聞いたアスナは、もう完全にブチ切れており、その内校舎すらぶった切りそうな勢いになっていた。しかし、覇王は自分では無理だが、別の人なら特定できると言い出した。

 

 

「別に犯人を割り出すのが、僕たちじゃなくても問題ないだろ? 一人、そういうのが得意な人を知っている。状助もよく知っている、あの人がいるじゃないか?」

 

「あっ!? 確かにいたぜぇ~! 毎日会ってたんで、うっかりしていたぜ!」

 

「……誰?」

 

 

 そうだ、そういえばそんな能力を持つ人物が一人居た。しかも、とてつもなく身近な存在で、相談に乗ってくれる人物だった。覇王はそれを知っていたので、別に自分で犯人を考える必要など、最初から無いと思っていたのだ。そして、その人物は……。

 

 

「僕らの担任の教師さ。この事件、とりあえず僕らに任せてくれないか? 犯人が男子なら、僕らの近くに居るかもしれないだろ?」

 

「そうだぜ! 俺らに任せな! 犯人見つけたら、好きなだけ殴ってもいいからよぉ~!」

 

「……わかった、信じるわ。犯人が特定できたら、呼んでほしいんだけど」

 

「担任の先生? 占いでも得意なんかなー」

 

 

 覇王の担任の教師はジョセフ・ジョースターの能力をもらったジョゼフ・ジョーテスという老人だ。覇王がそれで犯人を特定できるとしたので、とりあえずアスナは食い下がることにした。木乃香は、それよりも犯人を特定できるという人物が、占いが得意なのかと気にしていた。そして彼らは、彼女らと別れ、男子中等部の職員室へと足を運んだのだ。

 

 

 

…… …… ……

 

 

 

 男子中等部職員室。多くの教師が仕事をしている場所に、年老いた大男が椅子に座っていた。そこそこ広い職員室ではあるが、高身長の老人であるジョゼフを見つけるのに、二人はそう時間はかからなかった。そして、そこへ状助と覇王がやってきて、先ほどの相談事を持ち込んだのだ。

 

 

「ジョーテス先生、少しよろしいですか? 相談したことがあるんですけど」

 

「相談? はて、一体どうしたというのかのー?」

 

「頼むぜ、先生! 今頼れるのは先生しかいねぇ!!」

 

 

 とりあえずこの相談は、職員室ではできないので、いつもの生徒指導室へと移動したのだ。そして、状助と覇王は、お小遣いを出し合って購入したポラロイドカメラをジョゼフに渡したのだ。なぜならハーミットパープルでの念写は、カメラを叩き割って行うというものだったからだ。

 

 

「ちくしょー! なけなしの金だったんぜー!? 犯人の野郎ぉ~、ぜってぇ~許せねぇ~!!」

 

「……状助、今思ったんだけどさ、この部屋にはテレビがあるよね……」

 

「ギニャァァァァー!?」

 

「ふむ、カメラを渡したということは、わしの能力が必要ということかな?」

 

 

 しかし、テレビがあれば話は別だった。テレビにより念写が可能であり、カメラをいちいちぶっ壊す必要など、まったくないのだ。そのテレビの存在をうっかり忘れていた状助は、無駄金を使ってしまったことに頭を抱えて落ち込んでいた。

 

 覇王は特に気にしていない様子で、落ち込む状助を眺めていた。

そして、ジョゼフはカメラを持ち出したなら、念写が必要なのだろうと考え、彼らの返答を待っていた。そして、とりあえずジョゼフに念写の依頼を二人はしたのだ。

 

 

「ジョーテス先生、最近女子の間で下着泥棒が出て困ってるみたいなんスよ。犯人は魔法使いか、俺らみたいな転生者の可能性があります」

 

「ある程度犯人が特定できればいいんで、これで念写をお願いします」

 

「ふむ、確かにそれは重大な事件じゃな……。やれやれ……わかった、念写をしてみようかの」

 

「お願いします!」

 

 

 するとジョゼフは自分のスタンド、ハーミットパープルを腕から発現し、そのまま手刀をカメラに叩きつけてぶっ壊した。ジョゼフはせっかく念写のために受け取ったカメラだから、とりあえず念写に使ってぶっ壊そうと考えたのだ。

 

 そのままテレビで念写してやればよいのに、あえてボケた振りをしたのだった。そして、ぶっ壊すほどシュートッ!と呼べるほどの力で、カメラが壊れ、一枚の写真が飛び出した。

 

 すると、そこに二つのスタンドが浮かび上がったのだった。状助はとてもびっくりし、目玉が飛び出していた。覇王はなるほど、という表情で、その内容を眺めていた。

 

 

「お、おいマジかよ……。この恐竜っぽい見た目のスタンド……()()()よぉ……」

 

「こっちの端っこにも、蜂っぽいスタンドが写っている」

 

「ふむ、大体特定できたようじゃな」

 

 

 そこに写っていたのは、状助がよく知っているスタンドだった。ジョジョの奇妙な冒険Part4、状助が選んだスタンドと同じ部に登場するスタンドだったからだ。そう、そこには”レッド・ホット・チリ・ペッパー”と”ハーヴェスト”が写りだされていたのだーーーッ!!

 

 これには状助も度肝を抜いた。流石に同じ部のスタンド使いの転生者が居るとは、思っていなかったのだ。覇王は、ふうん、程度に考え、この二人を相手にした時、どうするかをすでに考えていた。だが、ジョゼフはそのスタンドの持ち主を知っており、彼らに話したのだ。

 

 

「そのスタンド使いは隣のクラスのB組の生徒じゃよ。特に問題はなさそうだったんじゃがのう……」

 

「マジかよ……。まさか隣のクラスにスタンド使いがいるとぁーよぉ~……」

 

「いや、君がスタンド使いだから惹かれたんだろ?」

 

 

 スタンド使いはスタンド使いと惹かれあうルールがあるのだ。覇王は状助にそれに対してのツッコミを入れたのだ。そして、とりあえず今日は解散し、明日の放課後でもそのスタンド使いたちに会って、状助と覇王は直接話を聞くことにしたのだ。さて、どちらが犯人なのか。状助と覇王は明日に備え、ある程度計画を立てて、明日をただ待つのであった。

 

 

…… …… ……

 

 

 次の日の放課後、状助と覇王は隣のB組へと足を運んでいた。

ちなみに三郎はスタンド持ちの転生者を相手にするということで呼んでいない。

 

 状助と覇王は相談し、とりあえず”ジョジョ4部”で大量の盗みを働いていた”レッド・ホット・チリ・ペッパー”の本体を先に問い詰めようということにしたのだ。そして、そのB組の教室に居たのは、若干ウェーブのかかった紫色の髪を伸ばし、ギターを持つ少年だった。状助はとりあえず、その彼に話しかけたのだった。

 

 

「よぉ~、俺は東状助だぜ。おめぇもスタンド使いみてぇだから挨拶に来たわけよ?」

 

「おん? 俺がスタンド使いだってなぜわかった? あぁ、()()()()()()()()()()って訳か、なるほどねぇ~。というか、スタンド使いの癖に、自分から挨拶だと? 面白いやつだなぁ~。……おっと、なら俺も挨拶しねぇとなぁ~」

 

 

 と、その彼は突然すばやくギターを弾き、演奏を始めたのだ。その演奏を弾き終わると、彼はうっとりしていた。だが、そこで挨拶を忘れまいと、すかさず自己紹介をしたのだ。

 

 

「俺の名前は”音岩昭夫(おといわ あきお)”。まっ、このギターは気にしないでくれ!」

 

「お、おう……」

 

「ずいぶん愉快な人のようだ」

 

 

 この謎のテンションに、状助はドン引きだった。というか”ジョジョ”で彼の元である”音石明”という男も、謎のテンションを持っていたのだが。この昭夫はそれを真似しているかはわからないが、ギターを弾くことに愉悦を感じているようだった。状助はあきれ半分で昭夫に事件のことを問い詰めた。

 

 

「おめぇの”スタンドの原作”っつーくだらねぇ理由なんだがよぉ、そのスタンドで女子寮の下着泥棒なんてしてねぇーよなぁ~!?」

 

「はぁ? 何で俺がそんなことしなきゃならねぇーんだ? 意味わからねぇぜ」

 

 

 昭夫はとぼけた振りではなく、本気で意味がわかってなさそうだった。状助はとぼけてないか確認するため、さらに問い詰める。

 

 

「おめぇのスタンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーは隠密行動が得意じゃあねぇかよ。電気が通っている場所なら、移動して物体も運べるスタンドだったはずだぜ!」

 

「ありゃ、スタンドもバレちゃってんのかよ。ジジイもよくしゃべってくれるぜぇ……。まあ、確かにそのとおりだぜぇ~? だが、それをする理由がまったく俺にはない!!」

 

 

 昭夫は下着泥棒をする理由は無いとした。それを聞いて今度は覇王が別の質問をすることにした。

 

 

「理由がない? なら、君が下着泥棒をする時は、どうするのか教えてほしいな」

 

「クックック……、おもしれぇ事言うじゃねぇーか!」

 

 

 普通、犯人なら黙るか、ウソをつくだろう。だが、何故かそこで昭夫はまたギターを弾き鳴らしだした。そして、機関銃を乱射しているかのような演奏を終えると、昭夫は気にすることなく、それを言ってのけたのだ。

 

 

「俺なら電気が通ってる場所しか動けねぇ。だから、俺が狙うなら”部屋の中”だぜ!それ以外の場所だと、ちーと面倒だろうしなぁ~!」

 

「う、そ、そうだったぜ! チリペッパーは室内以外だと、電線かバッテリーがねぇと動けねぇ!!」

 

 

 レッド・ホット・チリ・ペッパーは電気がなければ動けないスタンドだ。路上で下着を脱がすような行動は、かなり難しいことだと覇王は考えたのだ。それ以外のことも、昭夫は得意顔でよくしゃべってくれた。

 

 

「つーかよぉ、ベランダに干してあるもんとか、そういうのを狙うならよぉ、俺のスタンドじゃなくてもできるぜぇ?」

 

「確かにそうだったぜぇ! ”ジョジョの原作”にちっとばかし惑わされちまった!!」

 

「つーかオタクら、俺以外に誰に目ぇつけたんだ?」

 

 

 昭夫は自分以外のスタンド使いも、犯人としてあげているだろうと、状助らにそれを質問したのだ。というか、昭夫はスタンド使いの転生者が、すでに自分を含めて3人も居ることを考え、他にも居るのだろうと見当をつけたのだ。そして覇王は、それを笑いながら答えたのだ。

 

 

「へぇ、なかなか頭が回るようだね。君以外だと、もう一人は”ハーヴェスト”さ」

 

「おい、そっちのほうが盗みに特化してるじゃねぇか! 俺なんて、電気通ってねぇと何もできねぇんだぜ!?」

 

「あーそうだったぜ~!! クソー、なんてこったい!」

 

 

 状助はまたしても”原作”にとらわれてしまったようだ。覇王はまあ、多分そうだろうと考えていた。だが、あえて言わないのは、この状助を見て楽しんでいるからである。本当に最近の覇王はドSであった。そして、B組のもう一人の”ハーヴェスト”のスタンド使いを探すべく、覇王と状助は行動を開始した。と、そこへ昭夫が協力をすると言い出したのだ。

 

 

「待ちな! 俺もやるぜ? 濡れ衣を晴らしてぇし、そういうやつは許せねぇからな!」

 

「グレート、頼もしい限りだぜ! じゃあ、よろしく頼むぜ!!」

 

「そうかい、じゃあよろしく頼むよ」

 

 

 そして昭夫は自らのスタンドを支配する。そうだ、金色に輝き、バチバチと火花を散らす、電気さえあれば無敵のスタンド。それはレッド・ホット・チリ・ペッパーだ!

 

「行くぜぇ!! レッド・ホット・チリ・ペッパー!!」

 

「マジにすげーパワーだぜ……」

 

S.O.T(スピリット・オブ・サンダー)とあわせたら最強だろうね」

 

 

 レッド・ホット・チリ・ペッパーは電気さえあれば無限に強くなるスタンドである。ステータスもほとんどAであり、射程距離も電気がある場所ならどこでもいけるほどだ。昭夫はそのまま、チリペッパーをコンセントに侵入させ、ハーヴェストのスタンド使いを探していた。

 

 しかし、探している間にもギターをギュンギュン弾き鳴らし、うっとりしている昭夫に状助はやはり引いていた。覇王も式神を大量に散布し、そのハーヴェストの本体を探し出そうとしていたのだ。すると、誰も居ない教室に一人の太った少年が居た。明らかにハーヴェストの本体の少年だった。

 

 

「おい、まさかよぉ~、アイツじゃあねぇーのか? 明らかにアイツしかいねぇ!」

 

「確かに、間違いない」

 

 

 二人は間違えないとしたのには理由があった。なぜならその少年が”ジョジョ4部”の矢安宮重清、重ちーと同じ姿だったからだ!すかさず二人で囲み、さらにそこへ、チリペッパーが登場する。すると重ちーっぽい少年が驚いた様子で叫んでいた。

 

 

「な、なんだどー!?」

 

「俺は東状助ってんだ、おめーは?」

 

 

 とりあえず自己紹介を簡潔にする状助。すると少年は若干驚きながらも、とりあえずそれを返した。

 

 

「お、オラは屋案偶重光(やんぐう しげみつ)だどー。一体あんたらは、何をしに来たんだどー!?」

 

 

 完全に包囲されている中、重光は何しにここへ来たのか聞いてきた。状助は問い詰めるように、その内容を話した。

 

 

「おめぇスタンド使って悪さしてねぇーよなぁ~!?」

 

「な、なんの事だどー!? 理解不能!? 理解不能!?」

 

「あ、今どもった?」

 

「し、知らないどー!?」

 

 

 明らかにテンパっているのがバレバレだった。しかし、これだけで犯人と決め付けるのはいかんともしがたい。覇王はさらに問い詰めるべく、別の質問を行うのだった。

 

 

「最近盗みが多いのさ。誰かが能力を使って悪さをしているんだ。君のスタンド、多分ハーヴェストだろうから、ちょっと質問させてもらっているだけだよ」

 

「そ、そうかどー。それじゃあ、しかたがないどー! あんたの言うとおり、オラのスタンドは”ハーヴェスト”だど!」

 

「素直なのはいいことだ。……ところで、()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「し、してないど! 盗んでないド! ()()()()()()()()()()ド!!」

 

「……おめぇ~よぉ~!」

 

 

 この転生者、重光はどうしようもなくアホだった。勝手にテンパって自爆したのだ。覇王はこうなるだろうと予想して、このようなつまらない質問をしたのだが、まさか本当にそうなるとは思っていなかった。そのため、覇王はかなり驚いていた。状助はこいつが犯人だと確定し、戦闘態勢に入る。チリペッパーもだった。完全に追い詰められた重光だが、彼のスタンドはとても厄介なものだった。

 

 

「ば、ばれたどー! なら、証拠隠滅しかないど! ハーヴェストー!!!」

 

「こ、こいつぁ!?」

 

「ヒュゥー!? なかなか大量じゃねぇの」

 

 

 ハーヴェストは群集型のスタンドで、その数は100とも200とも言われ未知数だ。10体ぐらいつぶしても本体に影響がないほどに、その数は膨大であった。流石に100体のハーヴェストに囲まれ、臆する状助であったが、チリペッパーは関係なかった。雷の速さで行動し、そのハーヴェストをつぶしまり、重光を捕えようと行動した。しかし、チリペッパーはなぜか、重光の一歩手前で動きを止めた。

 

 

「しっしっしっ、()()()()()!」

 

「ぐおおお!? クソ!! ()()()()()()!! やべぇぜ、けーどーみゃくっつー所をつかまれた!?」

 

「何イイィィィーーーーーーッ!?」

 

 

 重光はそれ以上の数のハーヴェストを分散させ、チリペッパーの本体である昭夫を発見したのだ。そして、スタンドの操作に意識を使っていた昭夫の、首にある頚動脈に攻撃し、完封してしまったのだ。状助はこのままではまずいと思った。これでは完全に包囲されたのは状助たちのほうだったことになる。余裕の薄ら笑いを浮かべ、勝ち誇った重光がそこにいた。

 

 

「しっしっしっ、甘いんだど……。オラのハーヴェストは最強なんだど! オラの趣味の邪魔はさせないんだどオオオーー!!」

 

「や、やべぇぞ覇王オオオオオッ!?」

 

 

 状助と覇王を取り囲んだハーヴェストがいっせいに攻撃を開始したのだ。状助は完全に焦っており、クレイジー・ダイヤモンドで攻撃するも、やはり多少つぶした程度では本体にダメージが入らない。じりじりと追い詰められていく状助をよそに、覇王は突然笑い出した。

 

 

「ハハハハハ!! その程度でこの僕を倒せるとでも?」

 

「は、覇王何笑ってんスかぁ!? 無敵のS.O.F(スピリット・オブ・ファイア)で何とかしてくださいよオオォォォーーーッ!!」

 

「その余裕もこれまでだど!! オラのハーヴェストは無敵! あんたの力はわからないが、ひねりつぶしてやるどオオッ!!」

 

「余裕さ、だってお前じゃ、もう()()()()()()()()()()()()

 

 

 その直後、100体あまりのハーヴェストが覇王を襲った。重光は”勝った”と思ったのだ。しかし、突如ハーヴェストが炎上し、灰になっていくのだった。状助はその光景を、ただ見ていることしかできなかった。

 

 

「ふん、O.S(オーバーソウル)S.O.F(スピリット・オブ・ファイア)

 

「な、何が起こったんだど!?」

 

「何、スタンドはスタンド以外でも、倒せるということだ」

 

「どういうことだよ覇王!?」

 

 

 基本的にスタンドはスタンド以外では倒すことはできない。しかし、覇王はそれをO.S(オーバーソウル)で打ち破ったのだ。意味がわからない重光と、どういうわけなのかわからない状助が呆然としていた。そこで、上機嫌な様子の覇王が説明をしだした。

 

 

「スタンドは霊的な現象をうけつける……。振り向いてはいけない道で、チープトリックが引き抜かれたようにね」

 

「ま、まさか……!?」

 

O.S(オーバーソウル)は霊的な現象……。つまり、スタンドを攻撃できるというわけだ」

 

「理解不能!? 理解不能!?」

 

 

 重光は完全に理解できておらず、状助はまさかとは思ったが、できてよかったと安心した。そして、覇王の側には、等身大にO.S(オーバーソウル)されたS.O.F(スピリット・オブ・ファイア)が、スタンドのように立ち尽くしていた。炎を操るマジシャンズレッドのごとき、その姿のS.O.F(スピリット・オブ・ファイア)に覇王は命令を下す。

 

 

S.O.F(スピリット・オブ・ファイア)、やれ!」

 

「ギャアアアアアアアアッッ!?」

 

 

 S.O.F(スピリット・オブ・ファイア)が手を伸ばし、重光の首をつかんだ直後に、重光はめまぐるしい火炎の渦に包まれていた。そして、そのまま炎上させ、窒息死か焼死かはわからないが、とりあえず重光を殺したのだ。その光景を見て状助はドン引きし、やりすぎじゃね?と思っていた。

 

 

「は、覇王!? やりすぎじゃあねぇのか!?」

 

「はっ、僕だって頭にきていたんだ。それに、どうせ生き返す、このぐらい問題ないだろ?……さて、S.O.F(スピリット・オブ・ファイア)、いつものように”喰っていいぞ”」

 

 

 そうS.O.F(スピリット・オブ・ファイア)へと命令すると、S.O.F(スピリット・オブ・ファイア)の頭だけが巨大化した。そして重光の魂を丸呑みすると、いつものごとく本体の霊だけ吐き捨てて、特典のみを食らったのだ。覇王はそのまま、面倒くさそうに呪禁存思で重光を生き返らせる。さらに、覇王は状助に追い討ちをかけることを提案した。

 

 

「状助、君も怒っているんだろ? クレイジー・ダイヤモンドで治しながら殴るといい」

 

「覇王、おめぇ鬼かよ!? だが、確かにそのぐれぇしねぇーと気がすまねぇーなぁッ!!!」

 

「ひぃー!? はひぃー!? 許さないど!? ハーヴェスト!! ……な、なんで出ないど!?」

 

「歯ぁ食いしばんなぁ!! ドララララララララララララアアアアアァァァァッ!!」

 

「プギッグ!?」

 

 

 特典をS.O.F(スピリット・オブ・ファイア)に食われ失ったことも気がつかず、状助のクレイジー・ダイヤモンドのラッシュが重光の全身に刺さった。ボコボコにされ、教室のテーブルをぶっ壊しながら吹き飛ぶ重光。しかし、すでにクレイジー・ダイヤモンドの能力が発動しており、重光の傷は回復していくのだ。そして、さらに状助はラッシュを繰り出し、ボコボコにぶちのめすのだった。

 

 

「ドラララララアアアアアーーーー!!!」

 

「ヒデェブ!?」

 

「状助、もうやめてあげれば?どうせ、この後、さらに殴られるんだ」

 

 

 覇王は重光の今後を考え、それで十分だと言って状助を止めた。状助はラッシュを止めると、重光と教室を修復し、晴れ晴れした顔をしていた。

 

 

「スゲーッ爽やかな気分だぜ。新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のようによぉ~ッ」

 

「下着泥棒だけに、それかい? 皮肉が利いてて面白いね」

 

「ひ、ひぃー!? 理解不能、理解不能!?」

 

 

 状助にボッコボコにされ、完全にビビって尻を地面につけて、後ろに下がろうと必死になる、情けない姿の重光。その正面に覇王が近づき、笑顔で死刑宣告と同じ意味の命令をした。

 

 

「さ、君が盗んだものを、返しに行け、今すぐにだ」

 

「や、ヤだど?!」

 

「ふうん、ならもう一度S.O.F(スピリット・オブ・ファイア)に焼かれて蘇生させられるか、クレイジー・ダイヤモンドに修復されつつ殴られるか、どちらか選べよ」

 

 

 もはやどちらが悪役だかわからない状況となっていた。重光はその恐ろしさから完全に縮まって、ガタガタと震えだした。その様子を眺めつつ、やはり特大の笑顔の覇王が、重光の目の前で仁王立ちしていたのだ。

 

 

「ひぃー、返すどー!? だからもうやめちくりー!?」

 

「まあ、また殴られるはずさ。その時は状助にでも治してもらえば?」

 

 

 そして、重光は完全に観念したのか、盗んだものを返すこととした。覇王は監視のための式神を重光に貼り付けた。そして、その後重光は、女子寮の前でボロ雑巾とかしていたのだった。

 

 むしろアスナがプッツンしていたのに、まあよくボロ雑巾になるだけで助かったものだと、状助は思うほどだった。ボロ雑巾でよかったね、と覇王は笑い、状助はボロ雑巾となった重光をしぶしぶと治してやるのだった。

 

 

 ……忘れられていた音岩昭夫は、まあ自分の無罪が証明されたので、別に気にすることはなかった。というか、その忘れられた状況下で、ギターを演奏して、自らの演奏に酔いしれていたぐらいだった。

 

 

…… …… ……

 

 

転生者名:音岩昭夫(おといわ あきお)

種族:人間

性別:男性

原作知識:どうでもいい

前世:しがないギタリスト、ギターがうまくなりたくて音石明の能力をもらった

能力:電気のスタンド、レッド・ホット・チリ・ペッパー

特典:ジョジョの奇妙な冒険Part4の音石明の能力

   オマケでスタンド、レッド・ホット・チリ・ペッパー

   とても高価なギター

 

 

転生者名:屋案偶重光(やんぐう しげみつ)

種族:人間

性別:男性

原作知識:あり

前世:10代学生

能力:スタンドのハーヴェストだったが、もうない

特典:消滅した

 

 




路上で下着を脱がすと書くと、エロスである
しかし、ネギまでは路上で全裸が普通だった


そして作者はジョジョが好きなのです
あと、多くの能力を選べる点で、便利なのです

また、踏み台転生者の特典は適当に選んでいるだけなのです
決して、特典の原点が嫌いなわけではないのです

スタンドはスタンドでしか倒せないとキッパリ言ったばかりだったのに
スマン、ありゃウソだった
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