赤蔵陽。
シャーマンキングの主人公の麻倉葉の能力をもらった転生者である。
今彼はとても不満だった。
なぜなら麻帆良へ行けず、赤蔵家で留守番させられ、家業の手伝いまでさせられているからだ。
転生者たる彼は、それがとても許せなかった。
さらに兄である赤蔵覇王は麻帆良へ行ったのだ。
兄と自分の差に、とても腹が立っていた。まあ、覇王は一応、陽に麻帆良へ行くよう推薦してはいたのだが。
こんなことが許されると思っているのか!? 許されるわけないだろう!! と怒りながら、陽はこっそり家を抜け出し、一人麻帆良へ向かったのだ。
…… …… ……
麻帆良学園中央駅前、陽はようやく自分がネギまの世界へ来たことを、本気で実感できたと感じた。
とりあえず、誰でもいいので原作キャラにあって話がしたい。
陽は気分よくスキップしながら歩いていた。
そこに一人の少女がいた。
しかし原作キャラというわけではなく、確実に転生者だった。その姿に陽はアホのような顔で驚いた。
なぜかというとシャーマンキングにて、X-RAWSのリーダーだった、聖・少・女、アイアンメイデン・ジャンヌの姿をした少女が、麻帆良学園の女子の制服を着て歩いていたのだ。
陽はとりあえず、声をかけることにした。同じ作品出典の特典の転生者同士だ、仲良くしようや……という下心だった。
「ハローハロー! 君ぃー!」
「は、はい……?」
「オレは赤蔵陽ってんだぁ~、君の名前は何かなぁ~」
「え?ナンパですか?」
あ、あれぇ? おかしいなぁ、この姿にまるで反応が無い。
そう陽は考えた。
さらにただのナンパだと思われているようで、その少女もかなり困った表情をしていた。
しかし陽は諦めなかった。
明らかに特典がわかっているのだ、自分で選んだのならわかるはずだと思ったからだ。
「こいつはオレの持霊の阿弥陀丸だ! わかってるくせによー! このこの!」
「は、はぁ……一体どういうことでしょうか?」
もはや何がなにやらわからない様子の少女。
突然持霊だの、わかってるくせにと言われても、何がなんだか少女はわからなかった。
陽はその少女の態度が白を切っていると感じ、怒り出したのだ。
「しらばっくれんじゃねぇぞ!! シャーマンファイトでもしてやろうかぁ!?」
「な、何を突然……困ります……!!」
少女のその態度が陽はまったく気に入らなかったようだ。
陽は完全に血が頭に上っており、少女の腕をつかんで叫びだした。
少女は、なぜ彼が怒っているのかまったくわからかった。
そして陽は刀の春雨を持ち出し、臨戦態勢へと入っていく。少女はその刀に恐怖を覚え、表情をこわばらせた。
「クソ、まだ未完成の
「いっ、やめてください……!」
「陽殿、何をしているのでござるか!? 明らかにただの少女! 春雨を出して脅すなど、やりすぎでござるぞ!!」
流石にこの行動に、阿弥陀丸も黙ってはいなかった。
怯える少女の前に大の字となる阿弥陀丸。その阿弥陀丸の姿に、さらに不機嫌さが増す陽だった。
「おい阿弥陀丸!! テメェはオレの持霊だろうが!!! なんでそいつをかばってるんだよ!!
「なぜ、そこまでする必要があるというのか!? この少女が陽殿に、何をしたというのでござる!!」
「だ、誰か……!!」
少女は涙を目にためながら、助けを求め始めた。
阿弥陀丸はこの陽の態度に、怒りをあらわにしていた。
陽はもはや阿弥陀丸を面倒だと思い、強制的に
そして少女は、腕をつかまれ動けず、ただただ恐怖に耐えるのみであった。
「はっ! こうなりゃオレの天下だぜ!! テメェもさっさと
「い、いや……誰か……助けて……」
もはや完全に頭に血が上り周りが見えていない陽は、そのまま少女に
少女はもう駄目かと思い、目を閉じて痛みが来るのを待った。しかし、そこで村雨が何者かによって止められたのだ。
「キサマ……何をしている……? ふん、見た目とは裏腹に、ずいぶん好戦的ではないか」
「て、テメェはまさか……!?」
なんと、そこに居たのは麻帆良学園の男子の制服を着た道蓮だったのだ! 槍である馬孫刀を媒介に
少女を痛めつけようとした陽に腹を立てているこの少年は、少女を守るように立っていた。
陽は少女から手を引き、数メートル離れた場所で構えていた。そして、少女は目を開け、震えた声で助けてくれた少年に声をかける。
「れ、錬……」
「突然襲われるとは災難だったな……。……しかし、か弱い少女に攻撃するなど、許せるものでは……ない!」
「やんのかテメェ! ぶった切ってやるよ!!」
なんということだ。完全にシャーマンファイトIN麻帆良になってしまった。
錬と呼ばれた少年は、冷静に相手を分析しながらも、隙を見せずに相手の出方を待っていた。
陽は初期の
「”阿弥陀流真空仏陀切り”!!」
「ほう、技は出せるのか。だがその程度の
陽が繰り出した技は、真空の刃を飛ばして相手を切り裂くというものだ。
しかし、錬と呼ばれた少年は真空仏陀切りを、槍と共に高速で突撃し爆発を起こす大技、ゴールデン中華斬舞で吹き飛ばした。
そして、逆に陽がその技を食らってしまい、
吹き飛ばされ、背中を地面に打ちつけ、何が起こったのかまったくわからない陽。
それを、この程度なのかという眼差しを送っている錬と呼ばれた少年の姿があった。
「弱すぎるな……。どうしてそんなに弱いのか、わからないほど弱いぞ」
「クソ!! クソ!! なんでオレの邪魔をするんだテメェは!!」
「何を言っているんだこいつは……? 勝手に喧嘩を売ってきたのはキサマのほうだろうが」
もはや怒り心頭で自分でも何を言っているのかさえわからない陽だった。
その哀れな姿を、もう見たくは無いという表情で錬と呼ばれた少年は陽を見下ろしていた。
少女は錬という少年が助けてくれたことに安堵し、彼の側に寄りそう。
「ありがとう、錬……」
「ふん、たまたま通りかかっただけだ……」
「な、何イチャイチャしてやがるテメェら!! クソクソクソ!! もう一度
その二人がイチャイチャしていると思った陽はもう一度
しかし、錬と呼ばれた少年は微動だにせず、ただ少女の横にたたずむのみだった。
それがさらに陽の怒りを買い、陽は錬と呼ばれた少年に近づき技を繰り出す。
「消えろこの、リア充野郎!! ”大後光刃”!!」
「技だけ立派でも意味が無いぞ! キサマごときに技など不要! 消えるのはキサマのほうだ!!!」
陽の技を、少女を左手で抱えこみ、横に飛んで避ける錬と呼ばれた少年。
こうもあっさりと、自分の技をかわされたことにショックを受け、陽は動きが一瞬鈍った。
そこへすかさず錬と呼ばれた少年は
そして陽の腹部にそれを叩きつけて吹き飛ばし、追撃に右肩に鋭い突きを繰り出す。
陽はその攻撃で右肩を負傷し、鮮血が舞い散った。
またしても地面に叩きつけられ、前のめりに倒れた陽は、肩の痛みに耐えていた。
また、陽が地面と衝突すると同時に錬と呼ばれた少年は、少女を抱えたまま綺麗に着地していた。
この勝負、もはや決まったも同然だった。
そして、もう勝負はついたと感じ、錬と呼ばれた少年は
そして、そのまま少女を片手で抱きしめ、立ち去っていった。
勝手に立ち去っていく少年少女に、前のめりに倒れながらも陽は怒りの声を張り上げる。
「て、テメェ!! まだ終わってねぇぞ!! クソ!! 右肩がクソいてぇ!! おい待てよテメェ!!!」
「……もう勝負はついた。これ以上やっても無意味だ……」
もはや錬と呼ばれた少年は、完全に陽への興味を失っていた。
振り向きもせずにそう陽へと言い放ち、立ち去っていく錬と呼ばれた少年。
その横で助けてもらった礼を言って、元気を取り戻した少女がいた。
そんな立ち去っていく二人を、倒れながら見ていることしかできない陽だった。
完全敗北であった。
もはや勝ち目などまるでなかった。
その敗北のショックから、もう原作キャラに会う気すら無くし、そのまま京都へと帰っていった。
その途中、陽は自分の特典が強いはずなのに、周りはさらに強いやつらばかりということに、文句を垂れ流していた。
「チクショウ……。兄貴もあの野郎も、なんでつえぇんだよ!! オレだって、チートレベルの能力をもらってるんだぞ!!」
「陽殿、覇王殿が訓練せねば強くなれぬと申しておったでござる」
「ウルセェ!! テメェが弱いからじぇねぇのかぁ!?」
「そうでござるか……。……では、拙者など、不要でござるな……」
「ハッ、もっと強い持霊を手に入れるさ! テメェなど使わなくても、強くなれる持霊をな!!」
もはや自分の弱さを棚に上げ、持霊を罵倒する陽。その持霊である阿弥陀丸は、もうしゃべることはないと感じ、そのまま姿を消していった。
阿弥陀丸はもう陽を捨てて、どこか行きたかった。
だが特典として縛られており、陽から離れることができないのだ。
しかたなく陽とともに位牌の中に入りつつ、京都へと帰るしか阿弥陀丸にはなかったのだ。
また、この戦いで、陽は得られるものもあったはずだ。
しかしそれすらも感じられず、ただただ文句ばかり言うだけで、自分の敗北を認めないのだった。
そして京都に帰った陽は、祖父陽明にしこたま怒られ、式神に監視される生活を送るようになってしまったのだった。
…… …… ……
転生者名:錬と呼ばれた少年、やはりトンガリ
種族:人間
性別:男性
原作知識:微妙にあり
前世:社長、この世界でも大企業の社長の息子
巫力:102002(初期値:100001)
特典:シャーマンキングの道蓮の能力、オマケで持霊の馬孫
前世と同じような生活
転生者名:不明、聖・少・女
種族:人間
性別:女性
原作知識:なし
前世:10代学生
巫力:68万
特典:シャーマンキングのジャンヌの能力、オマケで持霊のシャマシュ
高い強運
(特典選ぶ気すらなかったので、ルーレットで決めた)
錬君は本気でありません