理想郷の皇帝とその仲間たち   作:海豹のごま

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二百二十五話 麻帆良防衛前線

 

 

 麻帆良学園の一角で魔法生徒の二人が召喚魔と戦っていた。高音と従者の愛衣だ。

 

 

「麻帆良でこのような横暴な行為をするなど! この正義の魔法使い、高音・D・グッドマンが許しません!!」

 

 

 高音は得意の影の魔法を操り、影の槍を大量に作り出して召喚魔を串刺しにして倒していく。

流石に召喚魔程度であれば余裕の様子であり、多くの召喚魔を狩りまくっていた。

 

 

「お姉様! 召喚魔の数が中々減りません!」

 

「おそらく上空の巨大な魔力の塊がある限り、召喚され続ける仕組みなのでしょう」

 

 

 だと言うのに、召喚魔の数がほとんど減っていないことを愛衣が叫べば、高音も空を見上げてキューブ状の物体のせいで減らないのだと判断。

 

 

「他の人達も頑張っているようですが……、この状況はあまり芳しくないですね……」

 

「一体どうしてこんなことに……」

 

 

 魔法先生や魔法生徒、その他にも麻帆良の警備に当たっている人たちも戦っていると言うのに、状況に変化がない。

はっきり言ってあまりよい流れではないと高音は少々焦った様子を見せ、愛衣もこの状況になった理由などがわからず困惑するばかり。

 

 

「とりあえず、召喚魔を倒し続けるしかありません!」

 

「はい!」

 

 

 とは言え、減らないのであれば倒し続けるしかないと考えた高音は、まずは召喚魔を狩り続けることにし、愛衣もそれに続くだけだ。

 

 

「あちらに多数の敵が!」

 

 

 そこへ大量の召喚魔がなだれ込んできたのを見た高音が召喚魔が集中している方へと移動すれば、なんと愛衣の方にも召喚魔が押し寄せてきたのだ。

 

 

「お姉様! こっちにも!!」

 

「愛衣の方にも!? しかし、こちらも数が!?」

 

 

 高音はそれに気が付くが、目の前の召喚魔も数が多くすぐには向かえない状況だった。

故に、目の前の召喚魔を急いで殲滅して愛衣の方へと向かう他なかった。

 

 

「くっ! ”紅き焔”……!」

 

 

 愛衣も魔法の射手などで撃退ながら、中規模の炎の爆発を発生させる魔法で応戦。

これでだいぶ襲ってきた召喚魔を倒しきったはずだと思ったが。

 

 

「あっ!? まだ敵が残って……!?」

 

「愛衣!」

 

 

 炎が晴れたそばから複数の召喚魔が愛衣へと目がけて降下してきて、牙をむく。

とは言え、召喚魔は脱げビームを撃つだけなのだが、それでも脱がされるのは嫌なので愛衣は焦った。

その愛衣の危機を見た高音もたまらず愛衣の名を呼び、そちらへ駆けつけようと急ぐ。

 

 

「っ!? 召喚魔が吹っ飛ばされた!?」

 

「今のうちに! ”黒衣の夜想曲”ッ!!」

 

 

 しかしその直後、愛衣を狙っていた召喚魔がはじかれて態勢を崩した。

それを見た愛衣は驚き、高音はその隙に影の槍で愛衣を狙った召喚魔を串刺しにして、さらに周囲の召喚魔も巻き込んで殲滅したのである。

 

 

「いやー、お姉ちゃんのこともうちょっと気ーつかってくれると嬉しいんだけどなぁー」

 

「知らないよ! お姉はこんぐらいじゃびくともしないでしょ?」

 

「よっちゃんが辛辣でお姉ちゃん悲しいよー!」

 

「心にもないことを……」

 

 

 と、そこへ麻帆良の地面へ着地する人影が一つ現れた。それは一人の少女をおぶっている少女だった。

 

 背中におぶさっている少女は自らを姉と言い、背負ってる少女へと苦笑しながら文句を飛ばしまくる。

背負っている少女はそんな姉に、大丈夫の癖にと逆に文句を言い返していた。

 

 というのも、今愛衣を襲った召喚魔を吹き飛ばしたのは、この背負ってる方の少女であり、その無茶な動きのせいでおぶさっていた姉が驚いたから文句を言っていたのである。

 

 そして、その姉こそ川丘三郎の実姉の二葉であり、背負ってる方が三郎の双子の妹の四華(よつか)だった。

四華はショートボブの髪型の黒髪で、二葉よりやや身長が低いぐらいではあるものの、姉とは逆で出るとこがあま出てないスレンダーな体形だった。

 

 

「よっちゃんこんなに強かったの、お姉ちゃん知らなかったなあ」

 

「家族全員に黙ってたもん、当たり前じゃん」

 

「えー!? そうだったんだ!」

 

「耳元で騒ぐなー!!」

 

 

 また、二葉は四華がこんな動きができるのを知らなかったので、驚いた様子だった。

当然四華は家族全員に隠していたことなので、誰も知らないとしれっと言う。

が、その事実に二葉は驚愕して大声を出せば、四華は二葉を背負っているので耳元にダイレクトに声が入ってきたため、うるさいと文句をつける。

 

 

「っていうか、友達を逃がすために避難遅れて、ポツンと立ってたのを助けたのは誰だったか忘れてないよね?」

 

「忘れてないって! 四華ありがとー!!」

 

「まったく、いつも現金なんだから……」

 

 

 それに四華が二葉を助けた経緯を四華が怒ったように話せば、ニコニコしながら礼を言う二葉。

二葉は避難の際に遅れてしまい取り残され、そこで召喚魔に襲われていたところを四華に助けられたのだ。

なんというか、本気で礼を言っているのかさえ怪しい姉に、四華はこの姉は……、と小さくため息を吐く。

 

 

 四華は咸卦法の技術を転生特典に貰った転生者であり、家族に内緒でこっそり鍛えていた。

まあ、咸卦法は習得レベルが非常に高く、あの高畑すら何年も必死に頑張ってようやく習得できた技法だ。

なので特典が解放されてから自分を無にする、所謂明鏡止水の領域へと入るために、7年ぐらい必死に研鑽をし続け、ようやく会得した技法だったりする。本当に頑張った。

 

 故に、咸卦法を用いた戦闘はそれなりにできるので、気の砲撃を拳から出したり召喚魔をぶん殴ったり手刀で真っ二つにすることぐらいは可能なのだ。

 

 

 そして、四華は原(・)作(・)知(・)識(・)が(・)あ(・)る(・)転(・)生(・)者(・)だが、あまり原作なんて気にしていない。なので、もう原作がほぼ終わってることすらどうでもよかった。

が、それでもこんなイベントが原作にはないこともわかっており、あーもう無茶苦茶だよ! と内心怒っていたりする。

 

 

「あら? あなたたちどうして……、というかあなたは二葉!」

 

「おやまあ、高音じゃないの! 何してんの?」

 

「麻帆良を襲ってくるあの怪物たちを退治しているところです。そういうイベントでしょう?」

 

「あーっ、そんなアナウンスあったなー」

 

 

 なんか突然少女をおぶった少女が下りてきたのを見た高音はそちらを見ると、おぶられてる方の少女が自分の知り合いだったことに気が付いてびっくり。

二葉も高音の姿を見て名前を呼び、みんな避難してたのにどうしてこんなとこにいるんだろうかと疑問を口に出す。

 

 高音は魔法使いだとかそういうことを隠し、学園のイベントと言うことで説明。

一部のお助けユニットに誘導されて避難してくださいね、と言うのがイベントの趣旨だったのを思い出した二葉は、そうだったそうだったと相槌を打った。

 

 

 四華は姉と目の前の女子生徒の会話を聞いて、ん? という顔をした。

何せ四華は原(・)作(・)知(・)識(・)が(・)あ(・)る(・)の(・)で(・)、目の前の二人の原(・)作(・)キ(・)ャ(・)ラ(・)のことも、名前と顔ぐらいは知ってはいる。

そんな原作キャラの片方と親しい様子で会話する姉に、知り合いだったのか……、と四華は内心驚いていたりしていたのだ。

 

 

「お姉様、知り合いですか?」

 

「私の友人です」

 

 

 愛衣は高音が後ろの人を知ってそうな様子を見てそれを問うと、高音は特に気にせず答えた。

なんと二葉は高音と同じ聖ウルスラ女子高等学校の2年生であり、同じクラスに在籍していたのだ。

で、なんやかんやで友人になっていたと言う。

 

 

「知り合いにあえてよかったー! マジでどうなっちゃうのかと思ったよ!!」

 

「お姉声でかい!」

 

 

 で、友人の顔を見た二葉はかなり安堵した様子で声を出すが、やはり背負っている四華の耳にでかい声が入ってくるので、叫ぶなと怒る。

この姉本当に人の話を聞かないし学習しないな、と四華は内心イラっとしながらグチグチ文句を脳内に並べる。

 

 

「二葉、あなたも避難に誘導されたはずでは?」

 

「いやねえ、途中で遅れてた子を別の人に預けてたりとかしたらさあ、気が付いたら一人になっててさあ!」

 

「……はぁ………、まったくあなたはいつもそうですね」

 

 

 高音と愛衣は二葉たちの方へと駆け寄り話を聞くと、二葉は色々人助けをしていたら置いて行かれたと、あっけらかんに言って笑っているではないか。

そんな二葉に高音は顔に手を当てながら、この子またやってる、とため息を吐く。

 

 

「そんなだからオカンだのオフクロだの言われるんでしょうに……」

 

「プッ! お姉……フハハッ! お姉様通り越してオカンなの? クッ……フフッ、面白すぎでしょ! ハッハッハッ!!」

 

「うるさいな! いいんだよオカンで!」

 

 

 この二葉、学校でも随分とお人好しであり、困った人を見かけるとついつい声をかけて手伝ってしまう世話焼き癖があった。

まあ、自分のことをないがしろにしてまではやらないが、できる範囲なら普通に協力してくれるありがたーい人だった。

で、ついたあだ名がオカン、オフクロ、ママンだ。

 

 その話を聞いていた四華は、そういう人って普通お姉様って呼ばれないか? と考え、お姉様を超えてお母さんキャラかあ、と爆笑。

 

 ガチ目に笑ってる四華へと二葉は、オカンで何が悪い! と怒って叫ぶ。

そもそも二葉の前世は地味に肝っ玉かーちゃんな主婦だったこともあり、何かと世話を焼いてしまう癖があったのである。

 

 

「とりあえずお姉を連れて避難したいんですけど、どこかありますか?」

 

「でしたら、あっちの寮がいいと思いますよ」

 

「そうですか! ありがとうございます!」

 

 

 まあ、こんなところで談笑してる場合じゃないな、と四華は愛衣へと避難場所を聞くと、愛衣は指をさして一つの建物を紹介。

それを見た四華はぺこっと頭を軽く下げて礼をして、姉を再びしっかり背負いなおした。

 

 

「ほら、行くよお姉! しっかりつかまってて!」

 

「ほんとにありがとー! 今度何かおごっちゃるよ!」

 

「マジ? やったね! じゃっ、張り切っちゃおーっと!」

 

「ちょっ!? バカヨツ! 飛ばしすぎっ!!?」

 

 

 そして、二葉へと声をかけた四華は、そのまま咸卦法のパワーを用いてスピードを上げ、かなりの速度で紹介された建物の方へと走り出す。

自分を背負って走る妹へと、二葉は礼を言ったのちにやる気が出るようなことを言うと、四華も本気の本気で加速を始めてしまい、そのスピードに驚いた二葉は四華に加減しろおバカと叫び、この場を去って行ったのだった。

 

 

「……まったく、いつもそそっかしくて騒がしいんですから…………」

 

「にぎやかな人達でしたね……」

 

 

 走り去った姉妹の背中を見届ける高音は、本当にいつもいつも困った人だと苦笑しながらこぼす。

が、高音としては二葉を悪く言うつもりはなく、いつも人助けをしている二葉のことは内心好印象を抱いていた。

正義の魔法使いを名乗って人々の安全を守ることを目標としている高音としては、困った人に手を差し伸べて世話を焼く二葉への評価は地味に高いのだ。

 

 ただまあ、そんなことは知らない愛衣は、なんか嵐みたいな二人だったな、と思ったあとに、先ほど助けてもらった感じだったのを思い出し、お礼を言うのを忘れてしまったのではと後悔し、後日背負ってた子にお礼しなければと思った。

 

 その後、高音と愛衣は「あれ? さっきのおぶってた子、なんか強くなかった?」と疑問に思いつつも、気を取り直して再び召喚魔の退治へと戻って敵を殲滅することに。

 

 また、二葉と四華が避難した建物には初風と三郎がおり、偶然居合わせたことに驚いたりしたのだった。

 

 

…… …… ……

 

 

 超はジーストとの戦いを終え、月の裏の魔法使いに絡まれている豪が駆るジェネシックガオガイガーの援護へと回ることにした。

 

 

「豪! 今援護するネ!」

 

「超か! 助かるぜ!」

 

 

 ジェネシックガオガイガーでは”人間”である魔法使いを直接攻撃することはできない。

攻撃すれば魔法使いが死ぬかもしれないからだ。

 

 なのでその邪魔な魔法使いどもを超が倒す役目を負うことにして、ジェネシックガオガイガーは鬼神兵や召喚魔を優先的に相手をすることにしたのである。

 

 

「ハアァッ!!」

 

「がああぁぁ!?」

 

 

 超はすぐさま時間操作で瞬時に一人の魔法使いの懐へと入り込み、拳を腹部へ打ち込めば、その魔法使いは苦しみの叫びをあげながら吹っ飛んで行った。

 

 

「超!? なぜここに!?」

 

「一体どうなってやがるんだ!? 意味が分からねぇ!!?」

 

「さっき同じことを言われたばかりネ!」

 

 

 月の裏の魔法使いどもは超の姿を見て驚き戸惑う。

何せ本(・)来(・)な(・)ら(・)ば(・)学(・)園(・)祭(・)の(・)最(・)終(・)日(・)に(・)未(・)来(・)へ(・)帰(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)は(・)ず(・)だ(・)か(・)ら(・)だ(・)。

されど、超はそれをさっきジーストとか言う奴に言われており、デジャヴを感じるだけである。

 

 

「あっ!? 時間操作攻撃っ!? ギャーッ!?」

 

「嘘だろっ!? チートやんけ!? ぐえーっ!?」

 

 

 はっきり言ってしまうと、ジーストすら楽勝に勝てる超相手にただの月の裏の構成員程度の魔法使いなど相手になるはずもなく。

時間操作で消えた超は、さっさと魔法使いどもを殴る蹴るで蹴散らしまくるだけだった。

 

 

「流石超だな……! あれほどいた魔法使いが一瞬にして全滅とは!」

 

 

 ジェネシックガオガイガーの内部で超の戦いぶりを見ていた豪も、超の強さを褒めたたえる。

特殊なスーツと時航機(カシオペア)のパワーと拳法、この三つの力だけでも十分ぶっ壊れた強さなのだから当然か。

 

 

「これでだいぶ動きやすくなたはずネ」

 

「ああ、これならあの巨大なキューブへ向かえる!」

 

 

 そして、気が付けば月の裏の魔法使いどもは全滅しており、超はジェネシックガオガイガーの肩へと乗って豪へと話しかければ、豪もこの状態ならば目標へたどり着けると、ガジェットフェザーを展開して上空へと飛び上がった。

 

 

「あれはエヴァンジェリンサン!? 何故カギ坊主や明日菜サンと戦っている!?」

 

「まさか、あれは!」

 

「知っているのカ!?」

 

 

 だが、キューブ状の物体の近くの空の上で超と豪が見た光景は、驚くべきものだった。

なんと、味方のはずのエヴァンジェリンがカギとアスナと戦っていたのである。

 

 超は理解不能と言う表情で驚くが、豪は何かを察した様子で驚いた。

そこで超は、豪が何かを知ってそうなことを言ったのを聞いて、咄嗟に質問したのである。

 

 

「あのエヴァンジェリンさんの額にある黒い物体。あれに操られているんだ」

 

「なんてことダ……」

 

 

 豪も転生者であり、ミストバーンのことを知っていた。なのでエヴァンジェリンの額を見れば、その状況が一瞬でわかったのだ。

それを豪は超へと説明すると、超は愕然とした表情で青ざめたていた。

 

 

「俺はあのキューブ状の物体を破壊する! 彼女を何とか抑えてくれ!」

 

「アア、わかったヨ……!」

 

 

 つまり、豪があのキューブ状の物体を破壊しようとした時、エヴァンジェリンが邪魔をしてくる可能性があると言うことだ。

故に、豪はそうならないように超へと頼むが、超はどこか浮ついた様子で返事をするのが精いっぱいだった。

 

 

「……エヴァンジェリンサン」

 

 

 何故なら、エヴァンジェリンは未来において、超の恩人だからだ。

このデバイスと呼ばれた杖をくれたのがエヴァンジェリンであり、これのおかげで科学的に魔法を操れるようになった。

それで魂や肉体を犠牲に魔法を行使する必要がなくなり、今の平穏につながっている。

だからこそ、エヴァンジェリンと戦うことは、超にとって大きな試練となってしまっているのだ。

 

 

「しっかりするネ! 今はエヴァンジェリンサンを何とかするのが先決ヨ!」

 

 

 それでも恩人が操られていると言うのであれば、何とかするしかないと気持ちを切り替えた超は、アスナとカギへと加勢すべくただひたすら進むのだった。

 

 

…… …… ……

 

 

 麻帆良の地上でも、徐々に減ってきている召喚魔を相手にする転生者が存在する。

 

 

「”九天応元雷声普化天尊”ッ!!」

 

 

 その一人が錬だ。

シャーマンキングの道・蓮の能力を貰った転生者であり、O.S(オーバーソウル)武神魚翅を召喚魔に叩きつけ、さらに必殺の爆発的な雷撃で複数の召喚魔を焼き滅ぼす。

 

 

「数は減ってきているようだが……、それでもまだ数が多い……!」

 

「錬……」

 

「大丈夫だ。この程度、なんてことはない」

 

 

 錬も召喚魔の数がようやく減ってきたことに気が付くが、状況的には未だ召喚魔は麻帆良中でうごめている。

かなりの大技などを使って戦う錬の巫力はだいぶ消費してきてしまっており、戦い続けている錬を心配そうに見守る聖歌は静かに名前を呼ぶ。

 

 すると錬は、聖歌の不安を払拭するかのようにふっと微笑み、問題ないと言う。

聖歌を一般人とともに避難させなかったのは、自分の後ろの方が安全だと思ったからだ。

戦う力を持つ自分が傍にいれば、安心して戦えると思ったからだ。

 

 

「……しかし、他の魔法先生や魔法生徒……、転生者までいて数が中々減らないとは……、予想以上に用意周到だったと言うことか……!」

 

 

 とは言え、他にも召喚魔などを倒している者がいると言うのに、敵の数が思った以上に減っていないことを考え、錬は敵がだいぶこの麻帆良襲撃の準備に時間をかけてきたのだろうと推測。

それに鬼神兵の姿までちらほらと見えたことから、こちらの想像を超える戦力を揃えて襲ってきたのだろうと考察し、相手の計画性にそれなりに評価しつつも腹を立てる。

 

 

「だが、この程度でへばるような俺ではない! どんどんかかってくるがいい!」

 

 

 ただ、そんなことなど全て蹴散らせば関係ない。

錬はただただ、避難した人達、それと後ろで見守ってくれている聖歌を守るために、ひたすら目の前の敵を倒して減らすだけだ。

 

 

「錬……、私も錬の役に立ちたい」

 

「無理な話だ。修練していないのであれば俺のようにはできん。そこで大人しくしていろ」

 

「でも!」

 

「すべて俺に任せておけばいい」

 

 

 そこで後ろの聖歌は錬へと、自分も戦いたいと言うようなことを言い出した。

聖歌は”この世界の原作”も”特典元”も知らない転生者であり、貰った特典の一つが”シャーマンキングのアイアンメイデン・ジャンヌの能力”だった。

 

 錬は聖歌がシャーマンとして鍛えていないのを知っているので、才能を持っているだけでは意味がないとはっきり告げる。

されど聖歌は引き下がらずに声を大きくするが、錬は冷静に自分一人で問題ないと言うだけだ。

 

 

「それでも、何かしたい……!」

 

「何かしたいだと? 触媒もないのにどうすると言うんだ?」

 

 

 しかし、聖歌は錬に強く言われようとも引き下がらない。

そんな聖歌へと錬は、何も持たないと言うのに何ができるときつく言葉にした。

 

 

「……実は、こっそり鍛えてたんだ。その、シャーマンって言う力……」

 

「…………何?」

 

「錬のやってることを見よう見真似で、少しずつね」

 

 

 だが、聖歌は錬の戦いを見て自分にも同じ力があるのならできるはずだと考え、最初に錬が変な少年(陽)から守ってくれたその時から、ひっそりと色々試行錯誤を行っていたと言う。

それを聞いた錬は聞き間違えかと思い聞き返すが、聖歌は錬の真似をして頑張ったと微笑んで言葉にした。

 

 

「触媒も、これを使おうと思うの」

 

「天秤……!? いつの間に!?」

 

 

 さらには聖歌はそのための触媒を用意したと言い、一つの古びた天秤を錬へと見せる。

錬はまさか触媒すらもすでに用意してるとは思わず、少し驚いた表情で天秤を眺めた。

 

 

「持霊って言うんだよね……? いつも私を見守ってくれてる正義の神さま、シャマシュ神様は何も言わないけど……、私は自分の気持ちに素直でありたい」

 

 

 聖歌は”シャーマンキング”を知らないので、特典の元である”アイアンメイデン・ジャンヌ”のことも知らぬ。

気が付けば持霊と呼ばれる存在となっていたシャマシュ神も自分の詳細と名以外は語らず、見守っているだけであった。

 

 されど、錬に助けてばかりの自分は卒業したいと思い、自分なりに頑張ってきた。

この気持ちに嘘をつきたくないと、行動を起こすことにしたと話す。

 

 

「確かに錬のようにはいかないし、きっと拙いと思うけど……、それでもなんとかお手伝いだけならできると思う!」

 

 

 錬がどれほどの修行を重ねて今の強さになったのかは、聖歌にもわからない。

故に、錬に並ぶなど到底不可能だと言うことも理解している。それでも錬に守られてばかりを卒業するために、ここで戦うとはっきり告げたのだ。

 

 

「だから錬、一緒にやらせて! お願い!」

 

「…………足手まといにはなるなよ」

 

「ありがとう……!」

 

 

 聖歌は強い意志で錬へとそれを告げれば、錬は邪魔をするなよと厳しめの言葉を言うだけで拒絶はしなかった。

それを聞いた聖歌はふわりとした笑みを見せ、ならば自分の頑張りの成果を見せる時だと、自らの膨大な巫力を開放する。

 

 

「シャマシュ神様、お願いします。どうか麻帆良の平和と秩序をお守りください……。O.S(オーバーソウル)ッ!」

 

 

 そして聖歌は、自らの持霊となった神、シャマシュ神へと懇願するかのように両手を握り跪き、天秤へとシャマシュ神をO.S(オーバーソウル)したのだ。

 

 

「────ん?」

 

 

 が、そのO.S(オーバーソウル)は錬が予想していたものではなく、斜め上の姿だった。

錬はそれを見て目を見開き、見間違えを疑った。

 

 

「────”ジャスティスマン”!」

 

「はっ? なんだそれは?」

 

 

 聖歌は”シャーマンキング”を知らないので、本来シャマシュ神がどういった戦法を取るのかすら知らぬ。

本来のシャマシュ神のO.S(オーバーソウル)を知らぬ。故に、自分が知る”裁きの神”の姿を再現しただけに過ぎなかった。

 

 その姿こそ”キン肉マン・完璧超人始祖編”に登場する裁きの神の異名を持つ、完璧超人始祖(パーフェクトオリジン)、完璧(パーフェクト)・陸式(シックス)である、鎖でつるされた天秤を握りしめる、ジャスティスマンの姿だったのである。

よく見ると頭部にはシャマシュ神の帽子の模様が残っており、一応シャマシュ神だよと主張していたりする。

 

 錬はそのO.S(オーバーソウル)を見て困惑と混乱が同時に押し寄せてきて、理解が追い付かない様子を見せた。

当然だ。本来の”アイアンメイデン・ジャンヌ”のものとも”シャマシュ神”の戦法とも違う、別の作品のキャラの姿になったからだ。

 

 

「完璧なる裁きの神よ! 彼らに正しき審判を!」

 

「ギルティ? オア、ノットギルティ?」

 

 

 そんなことなどまったく知らない聖歌は、高らかに正義執行を宣言。

シャマシュ・ジャスティスマンは、自分の一部と召喚魔の欠片を天秤の皿へと乗せて天秤に語りかければ、天秤が傾き召喚魔の欠片の皿が下に下がった。

それを見たシャマシュ・ジャスティスマンは、上空の召喚魔が悪であることを断定する。

 

 

「??? 待て!? 一体何がどうなってるんだ!? 何故そこでそうなる!?」

 

「なんでって……、正義の神さまなんだし、裁きの神としてこうなると思って……」

 

「いやそうだが、そうではなくて……、何がどうしてそうなるんだ!?」

 

「正義の神さまだよ? 正義の神さまが審判を下すんだから、あれで正しいんだよね?」

 

「いや……、確かに言われてみると間違ってないと思えてきたぞ……」

 

 

 なんだかおかしなことになっているのを見た錬は、たまらず聖歌へと説明を求めた。

なんでシャマシュ神を天秤にO.S(オーバーソウル)したらそんな姿になるんだよ。O.S(オーバーソウル)はイメージが重要だが、よりにもよってなんでその姿なんだよと。

 

 が、聖歌は気にした様子すら見せず当然と言う態度で、しれっと説明してあげる。

シャマシュ神は紀元前1700年の時、人類に初めて法を与えたメソポタミアの神。太陽神であり、正義・季節・戦争を司る古代の法の神。

最初に罪を考え出したつまらん男、とはこの神のことかもしれない。

 

 で、正義を執行する神ならば、裁きの神でよいのではないですか? と聖歌は言う。

聖歌は”シャーマンキング”は知らないが”キン肉マン・完璧超人始祖編”は知っていたので、こんな事故が起こった。

 

 その聖歌の説明に納得できない錬は、いやもっとこう、あるだろ!? とつっこむのだが、聖歌は正義の名のもとに裁きを下す神の姿として間違ってないはずだと言うだけ。

だって裁きの神が制裁を下すことに変わりはないのだから、と。

 

 聖歌は生前からこのようなぽやっとした性格の子ではあったが、趣味がちょっと変わった子だった。

別にそれ以外は普通の女の子なのだが。

 

 そこまで言われた錬は、そうかな……、そうかも……、と納得しかけてしまった。

確かに正義と力より裁きを下すその姿は、間違ってないかもしれない……、と一瞬思ってしまったのだ。

 

 

「っと、そんなつっこんではいられんようだな!」

 

「そうだね……! 頑張ってください! シャマシュ神様!」

 

 

 まあ、そんなことをしている間に、召喚魔が大量に襲い掛かってきた。

錬はそれを見てやってる場合じゃないと考え、武神魚翅を構えて戦いに出れば、聖歌もニコりと笑ってシャマシュ・ジャスティスマンへと指示を出した。

 

 

「ハワーッ! ハワーッ!!」

 

「……いかん、頭がおかしくなりそうだ…………」

 

 

 すると、錬が武神魚翅を振るう横で、叫びと共に蹴りと拳で召喚魔を撲滅していくジャスティスマンの姿が見えた。

ドボォ! ズボォ! と派手な音とともに脚や拳が召喚魔の体を貫通し、まるでゴミのように処理されていく様は、なんとも恐ろしい光景だった。

錬はその様子を見て頭を左手で抑えながら、脳の処理が追い付かない様子を見せ出した。

 

 

「────判決・死刑(ジャッジメント・ペナルティ)ッ!!」

 

「俺は一体何を見せられているんだ……?」

 

 

 さらに少し大き目な召喚魔には、完璧(パーフェクト)・陸式(シックス)奥義、ジャッジメント・ペナルティをぶちかますジャスティスマン。いや、シャマシュ神。

召喚魔は奥義を食らって麻帆良の大地にズガァ────ン! と叩きつけられ、粉々になって消え去った。

 

 それを見せられた錬は、シャーマンキングの能力なはずだよな……? と思いながら理解不能な光景を見せ続けながら戦うことになる。

また、聖歌はシャマシュ・ジャスティスマンをセコンドの位置みたいな感じで指示を出しながら、元気よく応援しており、かなり喜んでいる姿を見せていたのであった。

 

 

…… …… ……

 

 

 一方、少し時間をさかのぼり、ダークフォグが本性を現す前、カズヤと法は伍海の頂点であるダークフォグの術中にはまり、幻想空間(ファンタズマゴリア)を彷徨っていた。

 

 

「どこにも出口が見当たらねぇ……!」

 

「謎の空間に閉じ込められたままか……!」

 

 

 広い荒野に断崖、大海原と言う変な空間に投げ出された二人は、行く場所もなくただただ歩いて出口を探していたのだが、その出口すら見当たらないと言う有様だった。

これではお手上げという様子のカズヤの横で、この空間に閉じ込められたことに苛立ちを感じる法がいた。

 

 

「どうすりゃいいんだ? もうずいぶんと時間が経っているぜ……?」

 

「わかっている。しかし、脱出する方法がわからなければどうすることもできん」

 

 

 この謎の空間にとじこめられてから、かなりの時間が経過していた。

外での戦いは終わっただろうか、終わっちまってないよなあ? そんな不安と戦いながら出口を求めて歩くカズヤ。

 

 法ももうかれこれ数時間以上ここにいることを理解しながらも、出口がないからお手上げという様子を見せた。

 

 

「しっかしまぁ、ここは本当に現実かねえ? 実感がまったくねえんだ」

 

「貴様もそう思うか? 俺もそう感じていたところだ」

 

 

 だが、カズヤは直感なのかわからないが、とにかくこの場所が現実でないということだけは薄々察していていたのでそれを言葉にすると、法も気が付いたか、という様子で語りかけてきた。

 

 

「つーとよ、ここは現実世界じゃない幻覚か何かってことか?」

 

「その可能性もある。未だそういう力を持つ者とは出会ったことはないが、写輪眼などの力も近い能力を扱えるはずだ」

 

「ああ、んなもんもあったっけなあ。俺も見たことはねぇが……」

 

 

 つまり、ここは現実ではなく夢とか幻術とか、そういったことなのかとカズヤは答える。

実際、ここはダークフォグが彼らをはめるために作り出した幻想空間(ファンタズマゴリア)であり、現実ではなく幻想、夢のような世界に閉じ込められている。

 

 法も写輪眼をたとえに出し、そういう能力があるのかもしれないと語る。

ただまあ、法もカズヤも”NARUTOのうちは一族の能力”を持つ転生者を見たことがないので、実際にいるのかはわからないが。

 

 

「……なあ、こういう場合ってよ、大体力と力をぶつけ合えば、何とかなるんじゃねえか?」

 

「また頭が筋肉でできてそうな考察を…………、いや、一理あるかもしれん」

 

 

 と、そこでカズヤがふと、この状況を打破する方法を思いついて言い出した。

それはパワーとパワーの衝突の威力で、空間自体を崩壊させると言う、よく言えばよくある方法、悪く言えば馬鹿みたいな方法だ。

 

 法もカズヤがまた馬鹿なことを言い出した、と一瞬思ったが、ハッとして悪くないと手のひらを返し出した。

 

 

「んじゃ、やるか?」

 

「ああ、やるぞ」

 

 

 同意と言うのであれば、ここでそれをおっぱじめようぜ、とカズヤがニヤリと笑って法の方を向いて言うと、法もふっと笑ってカズヤの方を向き、アルター能力を発動。

 

 

「ウオオォォォォッ!!!」

 

「ハアァァァァァッ!!!」

 

 

 能力を最大まで引き出し、一気に最終形態の全身装着型の状態へと持っていく二人。

金と銀のオーラに包まれ、周囲の空間が揺さぶられて大きく揺れ動く。

 

 

「砕け散れェェェェェッ!!!」

 

「舞い散れェェェェェッ!!!」

 

 

 そして、二人は同時に飛び上がり上空まで一瞬にして到達すれば、同時に突撃して大衝突を起こしたのだ。

すると、周囲の空間がその巨大な規模のエネルギーに耐えきれずに崩壊をはじめ、幻想空間(ファンタズマゴリア)が砕かれて解除されたのである。

 

 

「ここは!?」

 

「どうやら奴に睨まれた場所から動いていないようだな」

 

「時間も思ったほど経ってねぇ感じか」

 

 

 両者が衝突した直後に意識が切り替わり、ハッとした様子で二人は目覚めた。

カズヤも法も周囲を見渡せば、未だに召喚魔が大量にいる麻帆良へと戻ってきたのを理解した。

また、謎の空間にいた時よりも時間がまったく経っておらず、せいぜい1時間程度だと言うことに気が付いた。

 

 

「やっぱ幻覚みてぇなもんだったか!」

 

「そのようだな」

 

「俺たちを罠にはめた野郎の姿もねぇが……」

 

「してやられたな。だが、次に会った時は二度と食らわん」

 

「食らう前にぶちのめしてやるッ!」

 

 

 それを踏まえて先ほどの謎の空間は幻覚であり、二人はそれに閉じ込められていただけだと言うことがわかった。

さらに自分たちをあの空間に閉じ込めた謎の人物の姿もすでになく、カズヤはすぐにでもぶっ飛ばせないことを悔やむ。

 

 ただ、再び対峙する時こそ二度目はなく、断罪してやると言う意気込みを見せる法に、カズヤも面を見た瞬間ぶん殴って黙らせると強い気の姿勢を見せた。

 

 

「敵はまだいるみてぇだな! だったらやるぞ!」

 

「ああ、この麻帆良を蹂躙した罪を処断せねばならん!」

 

 

 されど、未だに戦いは続いている様子であり、周囲は召喚魔でいっぱいだ。

ならば、まずは鬱憤を晴らすためにそいつらをぶちのめそうとカズヤが能力を再び使えば、法もこの無秩序状態を許さぬと空を睨み能力を使い、空の召喚魔を駆逐し始めるのだった。

 

 

…… …… ……

 

 

 麻帆良の地上でアスナと別れた状助はと言うと、当然地上で召喚魔を倒すことにしていた。

 

 

「アスナの奴は無事に上空へ行けたかぁ?」

 

 

 状助は空を見上げてアスナがキューブ状の物体へと近づけたのかを眺めるが、遠すぎてよく見えない様子だった。

 

 

「三郎のヤツは大丈夫なんだろうなぁ……? 携帯も通じなくなっちまってるしよぉ! このクソったれな状況の中で探すしかねぇなぁ!! ドララララララッ!!」

 

 

 見えないんじゃしょうがないと気持ちを切り替えた状助は、当初の目的である三郎を探すことにして、迫りくる召喚魔にクレイジー・ダイヤモンドのラッシュを浴びせて撃退。

”気”で強化できる状助の攻撃力と機動力は、以前に比べて格段に増していたのだ。

 

 そんな時、近くにいた召喚魔が雷に打たれたかのような攻撃で吹き飛び、消滅していったのを状助は目撃した。

 

 

「まったくもって迷惑だぜぇ! こんな時にやらかしやがってよぉぉぉ~~~ッ!!」

 

「レッド・ホット・チリ・ペッパーッ! 昭夫か!」

 

「あぁん? 状助か? こんなところにいたのかよぉ」

 

 

 そこには電気を帯びた黄色いパキケファロサウルスのような頭をした人型のスタンドが浮いていた。

転生者、音岩昭夫の特典(スタンド)であるレッド・ホット・チリ・ペッパーだった。

 

 昭夫はクリスマスにこんなクソみたいな事件を起こされて、滅茶苦茶機嫌が悪かった。

状助へと避難を先にしようぜと言って冷静な態度を見せてはいたが、内心マジふざけんなよ……、と腸が煮えくり返るような思いだったのである。

なので、避難が終わった後に、こうしてスタンドを遠隔操作しながら召喚魔を駆逐していたのである。

 

 状助はレッド・ホット・チリ・ペッパーの姿を見て昭夫の名を呼べば、レッド・ホット・チリ・ペッパーも状助に気が付き話しかけてきた。

 

 

「さっきは助かったぜ。おかげでなんとかなったよ」

 

「そりゃよかったぜ」

 

 

 また、状助が外に出てアスナの前へと現れたのは、レッド・ホット・チリ・ペッパーが状助を抱えて電線へと侵入し、近くまで運んだからだった。

到着した時点でマジでアスナの身に危険が迫っていた状況だったので、そのおかげで間に合ったと考え、礼を言っておく状助。

そんな状助を見たレッド・ホット・チリ・ペッパーは、役に立てて何よりだと、ニヤリと笑っていた。

 

 

「いやまぁ、おめぇと電線の中進んでいくのは生きた心地がしねぇから、できることなら二度としたくねぇけどよぉ……」

 

「そういうなって! けっこー便利なんだぜぇ?」

 

 

 とは言え、バリバリと音を立てながら電気化して電線にぶち込まれるのは状助も恐怖だったようで、次の機会がないことを祈りだした。

そりゃ、”ジョジョの奇妙な冒険Part4の原作”で、それで死んだ虹村形兆がいる訳で、その弟の億泰も連れ去られて死にかけた訳だし、そう考えると恐怖しなかっただろう。

 

 が、レッド・ホット・チリ・ペッパーは電線が通れるのは現代社会、さらには都会であれば超便利と笑うだけだ。

本体がそれを行ったというのは”原作”で描写されてはいないが、他人で行えるならできるだろ、とやっていたりするのが昭夫だった。

なので、学校に遅刻しそうになったりする時に使っていたりと、日常で活躍させている能力だったりする。

 

 

「まっ、俺はとりあえず召喚魔どもをぶっ飛ばしながら三郎を探すぜぇ」

 

「しょうがねえなぁ! 一緒に探してやるぜ!」

 

「助かるぜ!」

 

 

 しかし、こうして雑談してる暇はない。周囲を見れば召喚魔はまだまだ存在し、そいつらをぶっ潰して三郎を探さねばと状助が言えば、レッド・ホット・チリ・ペッパーも頷いて協力すると言うじゃあないか。

状助は昭夫の助力に感謝し、ニッと笑って見せていた。

 

 

「ここはひとつ共同作業ってことで、お互い助け合っていこうぜぇッ!」

 

「そうだなぁ。んじゃ、やっていくかぁッ!」

 

 

 そして、二人は協力し合いながら、地上の召喚魔をスタンドを使って蹴散らしならが、どこかにいるかもしれない三郎を探し続けるのであった。

 

 

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